2018/03/10(土) - 09:17
1級山岳で絞られた精鋭集団の中からアタックを成功させたルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)が独走勝利。落車によって鎖骨を骨折した優勝候補の一角ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)はリタイアを余儀なくされた。
終盤に1級山岳コル=シュル=ルー(全長1.8km/平均10%)が登場するパリ〜ニース第6ステージ。コートダジュールに近いプロヴァンスの山岳地帯を走る198kmはアップダウンの連続で、4つの2級山岳をこなしてから1級山岳コル=シュル=ルーにアタックする。
獲得標高差2,700mの山岳ステージに136名の選手たちが挑んだ。ミラノ〜サンレモを見据えるナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)やジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)が体調不良のためDNS。この日だけで11名がレースを去ることに。
誘導ミスで選手たちがコース外を走るトラブルに見舞われながら、先頭ではアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)やアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)を含む合計13名が逃げグループを形成。総合で1分しか遅れていないディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)を含む逃げは最大2分半のリードを得た。
連続山岳で山岳ポイントを稼いだファビアン・グレリエ(フランス、ディレクトエネルジー)が山岳賞ランキングでトップに立ち、「逃げ屋」デヘントが2ポイント差で続く。アスタナがコントロールするメイン集団が着々とタイム差を詰める中、先頭ではグレリエ、デヘント、トーマス・スクーリー(ニュージーランド、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、カルロス・バルベロ(スペイン、モビスター)、アマエル・モワナール(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)の5名が逃げを継続した。
終盤にかけてメイン集団のペースを作ったのはチームスカイ。残り32km地点で総合リーダーのルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)がパンクするも、すぐにオマール・フライレ(スペイン、アスタナ)のバイクで再スタートして事なきを得ている。
ミッチェルトン・スコットがペースアップしたメイン集団は残り24km地点で逃げを吸収し、そのままハイスピードを維持して最後の1級山岳コル=シュル=ルーへ。登りが始まるとバーレーン・メリダやロット・スーダル(グライペルも!)、クイックステップフロアーズがペースアップを開始。急勾配の登りをジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)らを先頭で進んで行く。
総合2位ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)やアレクシ・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール)のアタックは決まらず、頂上手前で加速したサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)を先頭にハイスピードな下りに突入する。ちょうど1年前の第6ステージで勝利しているイェーツは「チームのおかげで力を使うことなく完璧なポジションから登坂開始。今日はとても脚の状態が良かった。決定的なアタックが生まれない中、タイミングを見つけてアタックした」とコメントしている。
イェーツを先頭に下りを進んだ20名弱の精鋭集団。すると、下りコーナーを見誤ったプールスがオーバーランして激しく落車する。プールスは再スタートすることができずにその場でリタイアとなった。X線検査で左鎖骨の骨折が判明したプールスは「下りのコーナーで踏ん張れずに落車。これも人生といえば人生だけど、とても状態が良かっただけに残念でならない。タイムトライアルで結果を残したことがせめてもの慰め。治療についてドクターと話し合いたい。そしてセルジオ(エナオ)がチームの使命を果たしてくれることを願っているよ」と語っている。
フィニッシュに向かう登りで再度アタックしたイェーツにはティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が追いついて2人で先行開始。しかしヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が献身的に引く精鋭集団によって残り3km地点で吸収される。10名に絞られた精鋭集団の中からルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)やヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)がアタックを繰り返した。
残り1.5kmを切ると、モラールが3回目のアタックを成功させる。ビッグネームたちが牽制する隙をついてリードを広げたモラールが独走開始。2012年から5年間コフィディスに所属し、2017年からFDJで走る28歳が2秒差で精鋭集団を振り切った。
「グルパマFDJにステージ2勝目をもたらすことができて最高の気分。(15kmほどしか離れていない)アンティーブに住んでいるので、コースを知り尽くしていた。パリ〜ニースのコースが発表された時、しかも自分向きのコースだったので興奮したよ。1級山岳コル=シュル=ルーで自分から動く必要はなくて、ただライバルたちに食らいつけばチャンスがあると思っていた。スプリントでは勝機がないので、フィニッシュ手前でアタックする作戦だったんだ。何回かのアタックの末に飛び出せてよかった」とキャリア初のUCIワールドツアーレース勝利を飾ったモラールは語る。軽量なクライマーとして知られるモラールは2017年のラ・フレーシュ・ワロンヌで8位に入っている。
「今年のパリ〜ニースはチームにとってもフランスにとっても良い大会になっている」というモラールの言葉通り、今大会6ステージ中4ステージでフランス人選手が優勝。グルパマFDJは初日のアルノー・デマール(フランス)に続く2勝目だ。
「バイク交換してくれて、全力でサポートしてくれたチームメイトたちに感謝している」と語るのはリーダージャージを守ったサンチェス。フライレのバイクに乗り、タイムを失うことなくフィニッシュにたどり着いた。重要なクイーンステージを前にサンチェスは「好調だったワウト・プールスのリタイアは残念だ。明日の山頂フィニッシュでは、強いチームとモチベーションをもっているエステバン・チャベスが危険な存在になると思う。自分もヤコブ・フルサングをはじめとする強いチームメイトに守られているので、明日も総合首位を守ってみせたい」とコメント。プールスのリタイアによってアラフィリップが22秒差の総合2位、マルク・ソレール(スペイン、モビスター)が26秒差の総合3位に浮上している。
終盤に1級山岳コル=シュル=ルー(全長1.8km/平均10%)が登場するパリ〜ニース第6ステージ。コートダジュールに近いプロヴァンスの山岳地帯を走る198kmはアップダウンの連続で、4つの2級山岳をこなしてから1級山岳コル=シュル=ルーにアタックする。
獲得標高差2,700mの山岳ステージに136名の選手たちが挑んだ。ミラノ〜サンレモを見据えるナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)やジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)が体調不良のためDNS。この日だけで11名がレースを去ることに。
誘導ミスで選手たちがコース外を走るトラブルに見舞われながら、先頭ではアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)やアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)を含む合計13名が逃げグループを形成。総合で1分しか遅れていないディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)を含む逃げは最大2分半のリードを得た。
連続山岳で山岳ポイントを稼いだファビアン・グレリエ(フランス、ディレクトエネルジー)が山岳賞ランキングでトップに立ち、「逃げ屋」デヘントが2ポイント差で続く。アスタナがコントロールするメイン集団が着々とタイム差を詰める中、先頭ではグレリエ、デヘント、トーマス・スクーリー(ニュージーランド、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、カルロス・バルベロ(スペイン、モビスター)、アマエル・モワナール(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)の5名が逃げを継続した。
終盤にかけてメイン集団のペースを作ったのはチームスカイ。残り32km地点で総合リーダーのルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)がパンクするも、すぐにオマール・フライレ(スペイン、アスタナ)のバイクで再スタートして事なきを得ている。
ミッチェルトン・スコットがペースアップしたメイン集団は残り24km地点で逃げを吸収し、そのままハイスピードを維持して最後の1級山岳コル=シュル=ルーへ。登りが始まるとバーレーン・メリダやロット・スーダル(グライペルも!)、クイックステップフロアーズがペースアップを開始。急勾配の登りをジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)らを先頭で進んで行く。
総合2位ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)やアレクシ・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール)のアタックは決まらず、頂上手前で加速したサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)を先頭にハイスピードな下りに突入する。ちょうど1年前の第6ステージで勝利しているイェーツは「チームのおかげで力を使うことなく完璧なポジションから登坂開始。今日はとても脚の状態が良かった。決定的なアタックが生まれない中、タイミングを見つけてアタックした」とコメントしている。
イェーツを先頭に下りを進んだ20名弱の精鋭集団。すると、下りコーナーを見誤ったプールスがオーバーランして激しく落車する。プールスは再スタートすることができずにその場でリタイアとなった。X線検査で左鎖骨の骨折が判明したプールスは「下りのコーナーで踏ん張れずに落車。これも人生といえば人生だけど、とても状態が良かっただけに残念でならない。タイムトライアルで結果を残したことがせめてもの慰め。治療についてドクターと話し合いたい。そしてセルジオ(エナオ)がチームの使命を果たしてくれることを願っているよ」と語っている。
フィニッシュに向かう登りで再度アタックしたイェーツにはティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が追いついて2人で先行開始。しかしヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が献身的に引く精鋭集団によって残り3km地点で吸収される。10名に絞られた精鋭集団の中からルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)やヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)がアタックを繰り返した。
残り1.5kmを切ると、モラールが3回目のアタックを成功させる。ビッグネームたちが牽制する隙をついてリードを広げたモラールが独走開始。2012年から5年間コフィディスに所属し、2017年からFDJで走る28歳が2秒差で精鋭集団を振り切った。
「グルパマFDJにステージ2勝目をもたらすことができて最高の気分。(15kmほどしか離れていない)アンティーブに住んでいるので、コースを知り尽くしていた。パリ〜ニースのコースが発表された時、しかも自分向きのコースだったので興奮したよ。1級山岳コル=シュル=ルーで自分から動く必要はなくて、ただライバルたちに食らいつけばチャンスがあると思っていた。スプリントでは勝機がないので、フィニッシュ手前でアタックする作戦だったんだ。何回かのアタックの末に飛び出せてよかった」とキャリア初のUCIワールドツアーレース勝利を飾ったモラールは語る。軽量なクライマーとして知られるモラールは2017年のラ・フレーシュ・ワロンヌで8位に入っている。
「今年のパリ〜ニースはチームにとってもフランスにとっても良い大会になっている」というモラールの言葉通り、今大会6ステージ中4ステージでフランス人選手が優勝。グルパマFDJは初日のアルノー・デマール(フランス)に続く2勝目だ。
「バイク交換してくれて、全力でサポートしてくれたチームメイトたちに感謝している」と語るのはリーダージャージを守ったサンチェス。フライレのバイクに乗り、タイムを失うことなくフィニッシュにたどり着いた。重要なクイーンステージを前にサンチェスは「好調だったワウト・プールスのリタイアは残念だ。明日の山頂フィニッシュでは、強いチームとモチベーションをもっているエステバン・チャベスが危険な存在になると思う。自分もヤコブ・フルサングをはじめとする強いチームメイトに守られているので、明日も総合首位を守ってみせたい」とコメント。プールスのリタイアによってアラフィリップが22秒差の総合2位、マルク・ソレール(スペイン、モビスター)が26秒差の総合3位に浮上している。
パリ〜ニース2018第6ステージ結果
1位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | 4:40:05 |
2位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:02 |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | |
4位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | |
5位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | |
6位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | |
7位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) | |
9位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | |
10位 | セバスティアン・エナオ(コロンビア、チームスカイ) |
個人総合成績
1位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | 22:25:33 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 0:00:22 |
3位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 0:00:26 |
4位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:00:34 |
5位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:35 |
6位 | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | 0:00:42 |
7位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:45 |
8位 | セルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ) | 0:00:46 |
9位 | エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:48 |
10位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:54 |
ポイント賞
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 31pts |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 28pts |
3位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | 23pts |
山岳賞
1位 | ファビアン・グレリエ(フランス、ディレクトエネルジー) | 31pts |
2位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 29pts |
3位 | ジェローム・クザン(フランス、ディレクトエネルジー) | 25pts |
ヤングライダー賞
1位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 22:25:59 |
2位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 0:01:07 |
3位 | フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:01:18 |
チーム総合成績
1位 | ミッチェルトン・スコット | 67:19:39 |
2位 | バーレーン・メリダ | 0:04:09 |
3位 | モビスター | 0:05:50 |
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
photo:A.S.O.
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