2018/03/04(日) - 11:02
雨と泥の壮絶な戦いが繰り広げられた第12回ストラーデビアンケ。「ここで結果を出せると信じていた」と話す優勝者ベノートや上位入賞者たち、サガンやクウィアトコウスキーらのコメントを紹介します。
1位 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)
(8位に入った)過去2年間の経験から、残り19km地点の第10区間で前に入らないとチャンスがないと分かっていたので、ペースが上がらないセリーを置いていくことにした。ヴァンアールトとバルデに追いついてからも脚はよく動いていたし、先頭との30秒差を一気に詰めることができたので、その時点で自分が3人の中で一番強いと思っていたよ。最後の未舗装区間でアタックした瞬間にチームカーの監督からアタックの指示が入ってきて可笑しかった。独走に持ち込んでからは、とにかく落車やパンクしないことだけを考えながら走っていた。
3年前のロンドで5位に入ってからというもの、ベルギーメディアから大きなプレッシャーを受けてきた。デビュー戦で好成績を残したので、ボーネンやカンチェラーラを上回る逸材と書かれたけど、ロンド5位の時のような感触がなかなか戻ってこなかった。自分はどちらかというとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュのようなアップダウンのあるクラシック向きで、今シーズンはそこに照準を合わせている。だからミラノ〜サンレモやパリ〜ルーベのようなスプリンター向きのクラシックには出場しない。
2016年に初出場して8位に入った時、またここに戻って良い成績を残してみせるとツイートしたことを覚えている。それからガールフレンドと観光客としてシエナに訪れたこともあり、カンポ広場でジェラートを食べたのも良い思い出。そんなストラーデビアンケでのプロ初勝利を嬉しく思う。
これは高地トレーニングの成果だと思う。一般的に高地トレーニングの10日後に最初の調子のピークが来ると言われていて、そのピークが今だったんだと思う。いつの日かビッグレースで勝てると思っていた。このストラーデビアンケでそれを達成できると信じていた。
2位 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュやアムステル・ゴールド・レース以外のクラシックに出場するのはこれが初めて。オフシーズンの段階でチームにアルデンヌクラシックだけでなく石畳のフランドルクラシックも走りたいと話したんだ。そこでチームから返ってきた答えが「まずはストラーデビアンケを走って様子を見る」だった。
ロードレースの原点に立ち返るような戦いを楽しんだよ。レースの先頭を走るのが自分のスタイル。でもここでは何でも起こり得た。最後は力がある選手が先行する展開で、その中でもベノートが最強だったのは間違いない。自分は最も厳しい未舗装区間でメカトラに見舞われて遅れてしまい、そこから集団に戻るのに力を使ってしまった。自分のペースを守ったけど、完全にリカバリーするのは不可能だった。
ヴァンアールトと一緒に速い展開にもちこめたのはよかった。心からこのレースを楽しんだよ。厳しい体験だったけど、また必ず戻ってきて次は勝ちたい。イタリアのレースが好きで、イタリアの文化や食べ物も好き。(レースで通過した)モンタルチーノには良いワインが沢山あるので、ブルネッロを買って家族と一緒に飲みたい。
3位 ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ベランダスヴィレムス・クレラン)
予想していたよりもずっと勝利は近かった。でも終盤は力が残っていなかったんだ。フィニッシュまで距離があったけど、ロマン・バルデとの先行は良い選択だったと思う。残り50kmから先は糖質を使い切ってしまい、もう死んだようにフラフラだった。表彰台に上る目標を果たせてよかったよ。
自分のクラシックキャリアにおいて、最高のスタートになったと思う。ロードレースでここまで良い成績を残せるとは思っていなかったし、世界最高峰のレースでの表彰台を楽しんだ。3位という成績は素晴らしいし、残りのクラシックレースでの成績は特典のようなもの。ストラーデビアンケにはまた戻ってくるよ。
4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
何て日だ。スタートからずっとハードな展開で、シャワーの後までずっと泥だらけ。脚の状態には満足しているし、次のレースが楽しみだ。
7位 ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)
ずっと雨で泥だらけの1日だったけど、レースを楽しむことができた。もちろんもっと良い成績を狙っていたけど、本当にタフなレースだった。ヴァンアールトとバルデがアタックした時、少しポジションを落としていたので反応できなかったんだ。そして集団内の牽制によってタイム差が広がってしまった。
先頭に追いつくために何回もアタックした結果、最後はもう力が残っていなかった。7位という結果は望んでいなかったもの。でも前週のル・サミンの後に胃腸を崩して満足にトレーニングできず、一時はスタートも危ぶまれた状態だったことを考えると、結果には満足している。
8位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
今年ストラーデビアンケがその名声をまた一段上げたことは間違いない。過酷な気象条件の、とてもハードな1日だった。約1か月におよぶ高地トレーニングを終えてから久々のレース出場になったけど、調子は良かった。ダニエル・オスとマークス・ブルグハート、グレゴール・ミュールベルガーとともに、チーム力を見せるけることができたと思う。
もちろんもっと上の成績を目指していたけど、結果には満足。これがヨーロッパレース初戦であり、長いクラシックシーズンは始まったばかりだ。
30位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)
繰り返しになるけど、過酷で泥だらけのレースだった。とてもリスキーだったし、無事に走り終えることができてホッとしている。間違いなく今までの経験の中で最もタフなレースの一つだった。
ポジションも良かったし、展開も悪くなかった。ただ、ライバルたちを振り切って自分のレースに持ち込む力が足りなかった。サガンやバルベルデら有力選手の中でのアタックと牽制している間にグループ(バルデとヴァンアールト)が先行。あの状態を打破するには、もっとスマートに走らなければならなかった。残念な気持ちと、落車せずに生き残った安堵感が同居している。
text:Kei Tsuji
1位 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)
(8位に入った)過去2年間の経験から、残り19km地点の第10区間で前に入らないとチャンスがないと分かっていたので、ペースが上がらないセリーを置いていくことにした。ヴァンアールトとバルデに追いついてからも脚はよく動いていたし、先頭との30秒差を一気に詰めることができたので、その時点で自分が3人の中で一番強いと思っていたよ。最後の未舗装区間でアタックした瞬間にチームカーの監督からアタックの指示が入ってきて可笑しかった。独走に持ち込んでからは、とにかく落車やパンクしないことだけを考えながら走っていた。
3年前のロンドで5位に入ってからというもの、ベルギーメディアから大きなプレッシャーを受けてきた。デビュー戦で好成績を残したので、ボーネンやカンチェラーラを上回る逸材と書かれたけど、ロンド5位の時のような感触がなかなか戻ってこなかった。自分はどちらかというとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュのようなアップダウンのあるクラシック向きで、今シーズンはそこに照準を合わせている。だからミラノ〜サンレモやパリ〜ルーベのようなスプリンター向きのクラシックには出場しない。
2016年に初出場して8位に入った時、またここに戻って良い成績を残してみせるとツイートしたことを覚えている。それからガールフレンドと観光客としてシエナに訪れたこともあり、カンポ広場でジェラートを食べたのも良い思い出。そんなストラーデビアンケでのプロ初勝利を嬉しく思う。
これは高地トレーニングの成果だと思う。一般的に高地トレーニングの10日後に最初の調子のピークが来ると言われていて、そのピークが今だったんだと思う。いつの日かビッグレースで勝てると思っていた。このストラーデビアンケでそれを達成できると信じていた。
2位 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュやアムステル・ゴールド・レース以外のクラシックに出場するのはこれが初めて。オフシーズンの段階でチームにアルデンヌクラシックだけでなく石畳のフランドルクラシックも走りたいと話したんだ。そこでチームから返ってきた答えが「まずはストラーデビアンケを走って様子を見る」だった。
ロードレースの原点に立ち返るような戦いを楽しんだよ。レースの先頭を走るのが自分のスタイル。でもここでは何でも起こり得た。最後は力がある選手が先行する展開で、その中でもベノートが最強だったのは間違いない。自分は最も厳しい未舗装区間でメカトラに見舞われて遅れてしまい、そこから集団に戻るのに力を使ってしまった。自分のペースを守ったけど、完全にリカバリーするのは不可能だった。
ヴァンアールトと一緒に速い展開にもちこめたのはよかった。心からこのレースを楽しんだよ。厳しい体験だったけど、また必ず戻ってきて次は勝ちたい。イタリアのレースが好きで、イタリアの文化や食べ物も好き。(レースで通過した)モンタルチーノには良いワインが沢山あるので、ブルネッロを買って家族と一緒に飲みたい。
3位 ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ベランダスヴィレムス・クレラン)
予想していたよりもずっと勝利は近かった。でも終盤は力が残っていなかったんだ。フィニッシュまで距離があったけど、ロマン・バルデとの先行は良い選択だったと思う。残り50kmから先は糖質を使い切ってしまい、もう死んだようにフラフラだった。表彰台に上る目標を果たせてよかったよ。
自分のクラシックキャリアにおいて、最高のスタートになったと思う。ロードレースでここまで良い成績を残せるとは思っていなかったし、世界最高峰のレースでの表彰台を楽しんだ。3位という成績は素晴らしいし、残りのクラシックレースでの成績は特典のようなもの。ストラーデビアンケにはまた戻ってくるよ。
4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
何て日だ。スタートからずっとハードな展開で、シャワーの後までずっと泥だらけ。脚の状態には満足しているし、次のレースが楽しみだ。
7位 ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)
ずっと雨で泥だらけの1日だったけど、レースを楽しむことができた。もちろんもっと良い成績を狙っていたけど、本当にタフなレースだった。ヴァンアールトとバルデがアタックした時、少しポジションを落としていたので反応できなかったんだ。そして集団内の牽制によってタイム差が広がってしまった。
先頭に追いつくために何回もアタックした結果、最後はもう力が残っていなかった。7位という結果は望んでいなかったもの。でも前週のル・サミンの後に胃腸を崩して満足にトレーニングできず、一時はスタートも危ぶまれた状態だったことを考えると、結果には満足している。
8位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
今年ストラーデビアンケがその名声をまた一段上げたことは間違いない。過酷な気象条件の、とてもハードな1日だった。約1か月におよぶ高地トレーニングを終えてから久々のレース出場になったけど、調子は良かった。ダニエル・オスとマークス・ブルグハート、グレゴール・ミュールベルガーとともに、チーム力を見せるけることができたと思う。
もちろんもっと上の成績を目指していたけど、結果には満足。これがヨーロッパレース初戦であり、長いクラシックシーズンは始まったばかりだ。
30位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)
繰り返しになるけど、過酷で泥だらけのレースだった。とてもリスキーだったし、無事に走り終えることができてホッとしている。間違いなく今までの経験の中で最もタフなレースの一つだった。
ポジションも良かったし、展開も悪くなかった。ただ、ライバルたちを振り切って自分のレースに持ち込む力が足りなかった。サガンやバルベルデら有力選手の中でのアタックと牽制している間にグループ(バルデとヴァンアールト)が先行。あの状態を打破するには、もっとスマートに走らなければならなかった。残念な気持ちと、落車せずに生き残った安堵感が同居している。
text:Kei Tsuji
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