2018/03/04(日) - 06:55
3月3日に開催されたストラーデビアンケで若き23歳のクラシックレーサーが記念すべきキャリア初勝利。最後の未舗装路でバルデとヴァンアールトを振り切ったティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)が独走でシエナのカンポ広場に飛び込んだ。
全長184kmのアップダウンコースの中に、距離にして63km(11区間)、比率にして34%もの未舗装区間が組み込まれたストラーデビアンケ。2007年に初開催されたまだ若い大会(開催12回目)だが、その特殊なコースによってすっかりクラシックレースとしての格式と名声を得ている。
トスカーナ州中部、スタート地点である世界遺産の街シエナに到着した選手たちを待っていたのは最高気温8度の雨だった。数日前にコースを覆った雪はほぼ完全に溶けたが、前日から降り続いた雨によって未舗装区間は一面泥に覆われた。急勾配&泥の組み合わせによって走行が難しい区間も出たためUCIのエクストリームウェザープロトコル発動も噂されたが、レースは予定通りの184kmで行われることに。
過酷なコンディションにもかかわらず、未舗装区間でアタックが繰り返されたためレースは前半からハイスピードな進行を見せる。第2区間(全長2km)通過の時点で集団の人数は早くも70名強に絞られ、先頭ではエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)やホセ・ロハス(スペイン、モビスター)を含む10名の逃げグループが形成された。
最大で5分のリードを得たボアッソンハーゲンらだったが、相次ぐ落車や脱落によって人数とそのリードを減らす。結局フィニッシュまで60kmを残して逃げグループは引き戻され、そこから間髪入れずにかかったカウンターアタック。ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)やアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ベランダスヴィレムス・クレラン)という主要選手たち10名が15秒前後のリードを得て第8区間(全長11.5km)に入った。
シクロクロスで3年連続世界チャンピオンに輝いているヴァンアールトが力強く先頭グループをリードしたが、メイン集団とのタイム差は広がらない。ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)やペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)らのペースアップによってふるいにかけられた集団は、大会最長クラスのこの未舗装区間で先頭グループに追いついた。
登りでのバルベルデの加速は決まらず、次に動いたのは一旦は出遅れながらも先頭集団に追いついたロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)だった。先頭集団に残った唯一のグランツールレーサーとも言えるバルデに反応したのは、シクロクロス世界王者ヴァンアールトだけ。この珍しい組み合わせの先頭デュオは、牽制が続く集団から1分ものリードを築き上げる。
いよいよフィニッシュまで35kmを切ると、ペースが上がりきらない集団からカウンターアタックが続発する。抜け出すことに成功したティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル)とピーター・セリー(ベルギー、クイックステップフロアーズ)が、30秒先を走る先頭2名を追いかけながら第9区間(全長800m)へと突入。マークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)による献身的な引きにもかかわらず、サガンを含むメイン集団の遅れは広がっていった。
第10区間(全長2.4km/最大15%)でセリーを置き去りにし、単独追走体制に入ったベノートは自力で先頭2名に追いついてみせる。こうして先頭トリオを形成したバルデ、ヴァンアールト、ベノートの3名は、後方で追走グループを形成したジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)やロバート・パワー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)から1分15秒のリード。さらにその後方に沈むサガンやクウィアトコウスキーらのチャンスは遠のいていく。
今大会最後の未舗装区間である第11区間(全長1.1km/最大18%)で、下りの勢いを生かして登りでアタックしたのは、後方から追いついたベノートだった。フィニッシュまで12kmを残した登り返しで一気に仕掛けたベノートは、その後に現れた18%の急勾配区間もダンシングでクリアする。バルデとヴァンアールトが懸命に追走するも、ここで生まれた10秒ほどのタイム差が決定的となる。
第1追走(バルデとヴァンアールト)まで40秒、第2追走(スティバル、バルベルデ、クウィアトコウスキー、ヴィスコンティ、パワー)まで概ね1分半というリードを築いてシエナの街に帰ってきたベノート。最大勾配が16%に達するサンタカテリーナ通りの石畳坂を登りきり、雨に濡れてスリッピーな状態の石畳コーナーを慎重にクリアしたベノートが、カンポ広場まで独走を貫いた。
脱いだレインジャケットの部分を除く全身が泥に覆われ、グローブ無しの両手を挙げたベノート。ラスト12kmを単独で走りきったベノートは「過去2年の経験から、残り19km地点の第10区間で前に入らないとチャンスがないと分かっていたので、ペースが上がらないセリーを置いていくことにした。ヴァンアールトとバルデに追いついてからも脚はよく動いていたし、先頭との30秒差を一気に詰めることができたので、その時点で自分が3人の中で一番強いと思っていたよ。最後の未舗装区間でアタックした瞬間にチームカーの監督からアタックの指示が入ってきて可笑しかった。独走に持ち込んでからは、とにかく落車やパンクしないことだけを考えながら走っていた」と語る。
2014年に当時トレーナー(研修生)として加入していたロット・ベリソル(現ロット・スーダル)でプロ入りした23歳のベノートは現在プロ5シーズン目。2015年にロンド・ファン・フラーンデレンで5位に入ってその才能の片鱗を見せると、同年ベルギーツアー総合2位、パリ〜トゥールで4位に入っている。ロンドでの活躍によって、ベルギー国内では一躍「ボーネンの後継者」として注目されてきた。1年前に引退した14歳年上のトルネードトムと比べると登坂力は間違いなく上だ。
2017年はオンループ・ヘットニュースブラッドで3位。クラシックレースでの成績だけでなく、ヴォルタ・アン・アルガルヴェでヤングライダー賞を獲得し、ツール・ド・ポローニュで総合5位に入るなど、オールラウンダーとしての素質も見せる。このストラーデビアンケでは2016年から2年連続で8位という成績を残していた。
「2016年に初出場して8位に入った時、またここに戻って良い成績を残してみせるとツイートしたことを覚えている。それからガールフレンドと観光客としてシエナに訪れたこともあり、カンポ広場でジェラートを食べたのも良い思い出。そんなストラーデビアンケでのプロ初勝利を嬉しく思う。3年前のロンドで5位に入ってからというもの、ベルギーメディアから大きなプレッシャーを受けてきた。いつの日かビッグレースで勝てると思っていた。それが今日だった」と、クラシックレーサーの仲間入りを果たしたベノート。2位に入ったのは27歳のバルデで、3位には追い込んだ末にサンタカテリーナ通りの石畳坂で転倒した23歳ヴァンアールトが入っている。
この日のタイムリミットは優勝タイム+8%。つまり24分17秒(5時間03分33秒の8%)以内にフィニッシュすれば完走扱いとなる。出走した146名のうち完走者は53名。ちょうど半分の73名が途中でレースを降りている。初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ)は34分24秒遅れでカンポ広場に辿り着いたが、リザルトではタイムオーバー扱いになっている。
そのほかの選手たちのコメントや女子レースの模様は後ほどお伝えします。
全長184kmのアップダウンコースの中に、距離にして63km(11区間)、比率にして34%もの未舗装区間が組み込まれたストラーデビアンケ。2007年に初開催されたまだ若い大会(開催12回目)だが、その特殊なコースによってすっかりクラシックレースとしての格式と名声を得ている。
トスカーナ州中部、スタート地点である世界遺産の街シエナに到着した選手たちを待っていたのは最高気温8度の雨だった。数日前にコースを覆った雪はほぼ完全に溶けたが、前日から降り続いた雨によって未舗装区間は一面泥に覆われた。急勾配&泥の組み合わせによって走行が難しい区間も出たためUCIのエクストリームウェザープロトコル発動も噂されたが、レースは予定通りの184kmで行われることに。
過酷なコンディションにもかかわらず、未舗装区間でアタックが繰り返されたためレースは前半からハイスピードな進行を見せる。第2区間(全長2km)通過の時点で集団の人数は早くも70名強に絞られ、先頭ではエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)やホセ・ロハス(スペイン、モビスター)を含む10名の逃げグループが形成された。
最大で5分のリードを得たボアッソンハーゲンらだったが、相次ぐ落車や脱落によって人数とそのリードを減らす。結局フィニッシュまで60kmを残して逃げグループは引き戻され、そこから間髪入れずにかかったカウンターアタック。ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)やアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ベランダスヴィレムス・クレラン)という主要選手たち10名が15秒前後のリードを得て第8区間(全長11.5km)に入った。
シクロクロスで3年連続世界チャンピオンに輝いているヴァンアールトが力強く先頭グループをリードしたが、メイン集団とのタイム差は広がらない。ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)やペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)らのペースアップによってふるいにかけられた集団は、大会最長クラスのこの未舗装区間で先頭グループに追いついた。
登りでのバルベルデの加速は決まらず、次に動いたのは一旦は出遅れながらも先頭集団に追いついたロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)だった。先頭集団に残った唯一のグランツールレーサーとも言えるバルデに反応したのは、シクロクロス世界王者ヴァンアールトだけ。この珍しい組み合わせの先頭デュオは、牽制が続く集団から1分ものリードを築き上げる。
いよいよフィニッシュまで35kmを切ると、ペースが上がりきらない集団からカウンターアタックが続発する。抜け出すことに成功したティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル)とピーター・セリー(ベルギー、クイックステップフロアーズ)が、30秒先を走る先頭2名を追いかけながら第9区間(全長800m)へと突入。マークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)による献身的な引きにもかかわらず、サガンを含むメイン集団の遅れは広がっていった。
第10区間(全長2.4km/最大15%)でセリーを置き去りにし、単独追走体制に入ったベノートは自力で先頭2名に追いついてみせる。こうして先頭トリオを形成したバルデ、ヴァンアールト、ベノートの3名は、後方で追走グループを形成したジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)やロバート・パワー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)から1分15秒のリード。さらにその後方に沈むサガンやクウィアトコウスキーらのチャンスは遠のいていく。
今大会最後の未舗装区間である第11区間(全長1.1km/最大18%)で、下りの勢いを生かして登りでアタックしたのは、後方から追いついたベノートだった。フィニッシュまで12kmを残した登り返しで一気に仕掛けたベノートは、その後に現れた18%の急勾配区間もダンシングでクリアする。バルデとヴァンアールトが懸命に追走するも、ここで生まれた10秒ほどのタイム差が決定的となる。
第1追走(バルデとヴァンアールト)まで40秒、第2追走(スティバル、バルベルデ、クウィアトコウスキー、ヴィスコンティ、パワー)まで概ね1分半というリードを築いてシエナの街に帰ってきたベノート。最大勾配が16%に達するサンタカテリーナ通りの石畳坂を登りきり、雨に濡れてスリッピーな状態の石畳コーナーを慎重にクリアしたベノートが、カンポ広場まで独走を貫いた。
脱いだレインジャケットの部分を除く全身が泥に覆われ、グローブ無しの両手を挙げたベノート。ラスト12kmを単独で走りきったベノートは「過去2年の経験から、残り19km地点の第10区間で前に入らないとチャンスがないと分かっていたので、ペースが上がらないセリーを置いていくことにした。ヴァンアールトとバルデに追いついてからも脚はよく動いていたし、先頭との30秒差を一気に詰めることができたので、その時点で自分が3人の中で一番強いと思っていたよ。最後の未舗装区間でアタックした瞬間にチームカーの監督からアタックの指示が入ってきて可笑しかった。独走に持ち込んでからは、とにかく落車やパンクしないことだけを考えながら走っていた」と語る。
2014年に当時トレーナー(研修生)として加入していたロット・ベリソル(現ロット・スーダル)でプロ入りした23歳のベノートは現在プロ5シーズン目。2015年にロンド・ファン・フラーンデレンで5位に入ってその才能の片鱗を見せると、同年ベルギーツアー総合2位、パリ〜トゥールで4位に入っている。ロンドでの活躍によって、ベルギー国内では一躍「ボーネンの後継者」として注目されてきた。1年前に引退した14歳年上のトルネードトムと比べると登坂力は間違いなく上だ。
2017年はオンループ・ヘットニュースブラッドで3位。クラシックレースでの成績だけでなく、ヴォルタ・アン・アルガルヴェでヤングライダー賞を獲得し、ツール・ド・ポローニュで総合5位に入るなど、オールラウンダーとしての素質も見せる。このストラーデビアンケでは2016年から2年連続で8位という成績を残していた。
「2016年に初出場して8位に入った時、またここに戻って良い成績を残してみせるとツイートしたことを覚えている。それからガールフレンドと観光客としてシエナに訪れたこともあり、カンポ広場でジェラートを食べたのも良い思い出。そんなストラーデビアンケでのプロ初勝利を嬉しく思う。3年前のロンドで5位に入ってからというもの、ベルギーメディアから大きなプレッシャーを受けてきた。いつの日かビッグレースで勝てると思っていた。それが今日だった」と、クラシックレーサーの仲間入りを果たしたベノート。2位に入ったのは27歳のバルデで、3位には追い込んだ末にサンタカテリーナ通りの石畳坂で転倒した23歳ヴァンアールトが入っている。
この日のタイムリミットは優勝タイム+8%。つまり24分17秒(5時間03分33秒の8%)以内にフィニッシュすれば完走扱いとなる。出走した146名のうち完走者は53名。ちょうど半分の73名が途中でレースを降りている。初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ)は34分24秒遅れでカンポ広場に辿り着いたが、リザルトではタイムオーバー扱いになっている。
そのほかの選手たちのコメントや女子レースの模様は後ほどお伝えします。
ストラーデビアンケ2018結果
1位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル) | 5:03:33 |
2位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:00:39 |
3位 | ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ベランダスヴィレムス・クレラン) | 0:00:59 |
4位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:01:25 |
5位 | ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:01:27 |
6位 | ロバート・パワー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 0:01:29 |
7位 | ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ) | 0:01:42 |
8位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:02:08 |
9位 | ピーター・セリー(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | 0:02:11 |
10位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:02:16 |
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