2018/01/03(水) - 09:32
シマノから2018モデルで新たに登場したアルミホイール「WH-RS500」をインプレッション。アルテグラグレードの名作ホイールWH-6800の後継モデルとなる、コストパフォーマンスに優れたロードホイールだ。
シマノの新型コンポーネントR9100、R8000の各シリーズへのフルモデルチェンジに伴いホイールラインアップも刷新されているのはご存知の通り。ローハイトからディープリムまで多彩なモデルを揃えるデュラエースグレードのフラッグシップ、WH-R9100シリーズは多くのプロチームに使用され2017シーズンも幾多の輝かしい成績を残してきた。
対してアルテグラグレードとして新たに登場したアルミホイールが、今回インプレッションを行った「WH-RS500」である。完成車からのアップグレードホイールや、トレーニング用ホイールとして高い人気を誇ったWH-6800の後継モデルとして、マイナーチェンジを加えた製品となる。WH-R9100シリーズとは異なりコンポーネント名のR8000を名に冠さないモデルではあるが、似た名前のエントリーグレードホイールWH-R500とは全くの別物であるため注意して欲しい。
アルミ製のリムは高さ24mm、内幅15mmの外幅20.8mmというプロファイル。昨今主流となっているワイドリムではないが、幅広いバイクとマッチするノーマルなリムスペックとなる。
またチューブレスに対応するのは従来通り。シーラントの使用が前提のチューブレスレディではなく、タイヤと専用バルブだけで運用可能なチューブレス対応となるのが特徴だ。リムベッドにもニップルホールの無い仕様となっているため、リムテープ無しでチューブレス化が可能となる。
スポークはエアロ形状のステンレス製、ハブはオーソドックスなアルミ製となっている。フロントハブはデュラエースホイールに準拠した肉抜き加工がなされたデザインで、フリーハブも同様にアルミで鋳造されたボディとなる。なお玉当たり調整にはデジタルアジャストシステムと呼ばれる専用工具不要のシステムが投入され、5mmの六角レンチを両方向から装着し調整する方式となっている。シマノホイールならではの高いメンテナンス性は大きなポイントだ。
スポーク数はフロント16本、リア20本で、WH-R9100シリーズに搭載された左右異本組のOPTBALパターンの採用は見送られている。フロントが705g、リアが944gで前後セット1,649gという重量に仕上がり、レースから普段履きまで幅広く使用できる耐久性を備えたオールラウンドホイールとなる。
価格は前後セットで48,918円(税抜)と、5万円を切るバリュープライスとなっているのは旧モデルと変わらない同ホイールの強みだろう。今回はアヴァンサイクルにて取り扱うイギリスブランド、コンドールのエンデュランスモデルBARACCHIにアセンブルした状態にてテストした。それでは、インプレッションに移ろう。
― インプレッション
「バランスの良い素直な乗り味、ステップアップホイールに最適」杉山友則(Bicicletta IL CUORE)
シマノのホイールの中でも、モデル名のせいか、あまり話題になりづらい一本ですが、これがなかなか良い進化を果たしています。乗った時の印象としては、WH-RS81-C35にとても似ているなと感じました。グレード的には、一つ下のモデルの後継機となるのですが、各所のマイナーチェンジによって性能が底上げされているように感じます。
一言でいうと、とにかくバランスが良いホイールで、どんなシチュエーションでも破綻することのないオールラウンドな性能が持ち味です。そこそこ軽いリムにシマノらしい高い精度で転がるハブを組み合わせ、オーソドックスに組み上げられているところから、とても想像のつきやすい素直な乗り味です。
縦横ともに剛性不足を感じることなく、ダッシュしたときのかかりで不満を感じることはないですし、コーナーで倒したときに挙動が乱れるようなこともありません。特にハブの寸法も改善されているようで、ハブフランジの距離が広げられていることも大きく影響しているでしょう。
リムもしっかりとした作りで、扱いやすさと走りの軽さを高次元でバランスしています。チューブレスに最初から対応しているので、専用のリムテープなどを貼ることなく使用できるのもうれしいポイントです。ロード用タイヤはもちろんですが、シクロクロス用のチューブレスと組み合わせてもいいでしょう。頑丈さも感じますし、価格も抑えめなので、消耗が激しいオフロードユースにも使いやすいはず。
ブレーキフィーリングは、もはや文句のつけようもない安定感がありますし、細かいところでいえばリムにカウンターウェイトが最初から装着されているようなところも、シマノらしさを感じることができます。地味な一本ですが、これ一本あればよほど高レベルのレースユース以外で不満を感じることはないでしょう。決戦用ホイールを入手しても、使い勝手の良さで、普段はこちらの出番が多くなるような素性の良さを持った一本です。完成車のホイールからステップアップしたい方には、ぜひ選択肢に加えてみてほしいですね。
シマノ WH-RS500
素材:リム/アルミ、ハブ/アルミ、フリーボディ/スチール
リムプロファイル:幅20.8mm、高さ24mm
スポーク:エアロタイプ、フロント16本、リア20本
推奨タイヤ幅:23~28mm
タイヤタイプ:クリンチャー/チューブレス
対応カセットスプロケット:10/11スピード
付属品:クイックリリースレバー
価格:前後ペア48,918円(税抜)、フロント23,644円(税抜)、リア25,274円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
杉山友則(Bicicletta IL CUORE)
東京都台東区のBicicletta IL CUORE 下谷本店店長。ダミアーノ・クネゴがジュニアチャンピオンだったころからクネゴのファンだという、自他ともに認めるミーハー系自転車乗り。グエルチョッティやコルナゴ、ルックなどヨーロピアンブランドへの造詣が深い。ショップ店長としては、ユーザーがサイクルライフを楽しめる遊び方の提案を心がけている。
CWレコメンドショップページ
Bicicletta IL CUORE ショップHP
シマノの新型コンポーネントR9100、R8000の各シリーズへのフルモデルチェンジに伴いホイールラインアップも刷新されているのはご存知の通り。ローハイトからディープリムまで多彩なモデルを揃えるデュラエースグレードのフラッグシップ、WH-R9100シリーズは多くのプロチームに使用され2017シーズンも幾多の輝かしい成績を残してきた。
対してアルテグラグレードとして新たに登場したアルミホイールが、今回インプレッションを行った「WH-RS500」である。完成車からのアップグレードホイールや、トレーニング用ホイールとして高い人気を誇ったWH-6800の後継モデルとして、マイナーチェンジを加えた製品となる。WH-R9100シリーズとは異なりコンポーネント名のR8000を名に冠さないモデルではあるが、似た名前のエントリーグレードホイールWH-R500とは全くの別物であるため注意して欲しい。
アルミ製のリムは高さ24mm、内幅15mmの外幅20.8mmというプロファイル。昨今主流となっているワイドリムではないが、幅広いバイクとマッチするノーマルなリムスペックとなる。
またチューブレスに対応するのは従来通り。シーラントの使用が前提のチューブレスレディではなく、タイヤと専用バルブだけで運用可能なチューブレス対応となるのが特徴だ。リムベッドにもニップルホールの無い仕様となっているため、リムテープ無しでチューブレス化が可能となる。
スポークはエアロ形状のステンレス製、ハブはオーソドックスなアルミ製となっている。フロントハブはデュラエースホイールに準拠した肉抜き加工がなされたデザインで、フリーハブも同様にアルミで鋳造されたボディとなる。なお玉当たり調整にはデジタルアジャストシステムと呼ばれる専用工具不要のシステムが投入され、5mmの六角レンチを両方向から装着し調整する方式となっている。シマノホイールならではの高いメンテナンス性は大きなポイントだ。
スポーク数はフロント16本、リア20本で、WH-R9100シリーズに搭載された左右異本組のOPTBALパターンの採用は見送られている。フロントが705g、リアが944gで前後セット1,649gという重量に仕上がり、レースから普段履きまで幅広く使用できる耐久性を備えたオールラウンドホイールとなる。
価格は前後セットで48,918円(税抜)と、5万円を切るバリュープライスとなっているのは旧モデルと変わらない同ホイールの強みだろう。今回はアヴァンサイクルにて取り扱うイギリスブランド、コンドールのエンデュランスモデルBARACCHIにアセンブルした状態にてテストした。それでは、インプレッションに移ろう。
― インプレッション
「バランスの良い素直な乗り味、ステップアップホイールに最適」杉山友則(Bicicletta IL CUORE)
シマノのホイールの中でも、モデル名のせいか、あまり話題になりづらい一本ですが、これがなかなか良い進化を果たしています。乗った時の印象としては、WH-RS81-C35にとても似ているなと感じました。グレード的には、一つ下のモデルの後継機となるのですが、各所のマイナーチェンジによって性能が底上げされているように感じます。
一言でいうと、とにかくバランスが良いホイールで、どんなシチュエーションでも破綻することのないオールラウンドな性能が持ち味です。そこそこ軽いリムにシマノらしい高い精度で転がるハブを組み合わせ、オーソドックスに組み上げられているところから、とても想像のつきやすい素直な乗り味です。
縦横ともに剛性不足を感じることなく、ダッシュしたときのかかりで不満を感じることはないですし、コーナーで倒したときに挙動が乱れるようなこともありません。特にハブの寸法も改善されているようで、ハブフランジの距離が広げられていることも大きく影響しているでしょう。
リムもしっかりとした作りで、扱いやすさと走りの軽さを高次元でバランスしています。チューブレスに最初から対応しているので、専用のリムテープなどを貼ることなく使用できるのもうれしいポイントです。ロード用タイヤはもちろんですが、シクロクロス用のチューブレスと組み合わせてもいいでしょう。頑丈さも感じますし、価格も抑えめなので、消耗が激しいオフロードユースにも使いやすいはず。
ブレーキフィーリングは、もはや文句のつけようもない安定感がありますし、細かいところでいえばリムにカウンターウェイトが最初から装着されているようなところも、シマノらしさを感じることができます。地味な一本ですが、これ一本あればよほど高レベルのレースユース以外で不満を感じることはないでしょう。決戦用ホイールを入手しても、使い勝手の良さで、普段はこちらの出番が多くなるような素性の良さを持った一本です。完成車のホイールからステップアップしたい方には、ぜひ選択肢に加えてみてほしいですね。
シマノ WH-RS500
素材:リム/アルミ、ハブ/アルミ、フリーボディ/スチール
リムプロファイル:幅20.8mm、高さ24mm
スポーク:エアロタイプ、フロント16本、リア20本
推奨タイヤ幅:23~28mm
タイヤタイプ:クリンチャー/チューブレス
対応カセットスプロケット:10/11スピード
付属品:クイックリリースレバー
価格:前後ペア48,918円(税抜)、フロント23,644円(税抜)、リア25,274円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
杉山友則(Bicicletta IL CUORE)
東京都台東区のBicicletta IL CUORE 下谷本店店長。ダミアーノ・クネゴがジュニアチャンピオンだったころからクネゴのファンだという、自他ともに認めるミーハー系自転車乗り。グエルチョッティやコルナゴ、ルックなどヨーロピアンブランドへの造詣が深い。ショップ店長としては、ユーザーがサイクルライフを楽しめる遊び方の提案を心がけている。
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