2010年1月4日、イギリス初のプロツアーチーム、チームスカイの正式発表会がロンドンで行われた。ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)、エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー)、フアンアントニオ・フレチャ(スペイン)など26名の選手はいずれもツワモノぞろい。イギリス在住の山脇祐子がレポート。

総勢300名のファンとサイクリングするチームスカイの選手たち総勢300名のファンとサイクリングするチームスカイの選手たち photo:Team Skyイギリスでサイクリングスポーツが再び脚光を浴びる原動力となった北京オリンピック。当時ブリティッシュチームの総監督を務めていたデイヴ・ブレイルスフォードが率いるスーパーチームとあって、加入選手についてイギリス国内でも常にマスコミの注目の的になってきた。ブレイルスフォード監督は英国車連:ブリティッシュサイクリングの監督も兼任する。

チーム側はSNSサービスのFacebookやショートフレーズ・ブログのTwitterなどを効果的に用い、ファンにホットな情報を公開。チームの話題の盛り上げに一役買った。

朝のロンドンをサイクリングするブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)朝のロンドンをサイクリングするブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Team Skyブレイルスフォード監督が打ち出した「rider-centric(ライダー中心の方針)」という言葉が度々マスコミに取り上げられるなど、チームの注目度は抜群。また、過去にドーピングが発覚した選手には一切声をかけないとする姿勢がCycling Weekly誌のデイビッド・ミラー(イギリス、ガーミン)のインタビューで取り上げられ、ドーピングに対するチームの理念も明らかにされた。

1月4日のチームプレゼンテーションは、公募で選ばれた300人のファンとチームが早朝のロンドン市街を走るところから始まった。ファンが待ち構えていたこの日の模様は、5日付けの英国各新聞で紹介されている。

ノルウェーチャンピオンジャージを着て登場したクルトアスル・アルヴェセン(ノルウェー、チームスカイ)ノルウェーチャンピオンジャージを着て登場したクルトアスル・アルヴェセン(ノルウェー、チームスカイ) photo:Team Skyブリティッシュサイクリングが本拠地を置くマンチェスターではなく、ロンドンでプレゼンテーションが行われたことについて、イギリス国内では批判の声も少なくなかったようだが、チームスカイ側としては首都が一番便利で理にかなった選択である理由をFacebook上で細かく説明。ファンへの心遣いを見せている。

プレゼンテーションに登場したのは、ブレイルスフォード監督を始め、精悍なブラックジャージに身を包んだ選手たち。ブラックとスカイブルーに彩られたピナレロ・ドグマを駆った選手たちがステージに上がった。

チームスカイジャージを着て登場したブラドレー・ウィギンズ(イギリス)チームスカイジャージを着て登場したブラドレー・ウィギンズ(イギリス) photo:Team Skyチームスカイに移籍した選手として記憶に新しいのは、12月にガーミンから移籍してきたトラック五輪メダリスト、ブラドレー・ウィギンズだ。
いくつかのインタビューの中で、ウィギンズは「チームスカイがサッカーのマンチェスターユナイテッドやF1のフェラーリチームのような存在である」と公言している。

チームスカイの公式目標は5年以内のツール・ド・フランスでの総合優勝。だが、1月5日のタイムズ紙の報道によれば、チームスカイのマネジメントチームの一員でもあり、昨年末までアスタナで監督を務めていたショーン・イェーツは「この夏にでも達成可能だ」と、強気な姿勢だ。

そんな中、ウィギンズが最もライバル視しているのはもちろん2009年にツールで総合優勝を収めたアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)だ。

チームスカイが乗るピナレロ DOGMA60.1デュラエース7970仕様チームスカイが乗るピナレロ DOGMA60.1デュラエース7970仕様 photo:Team SkyスカイスポーツTVのインタビューの中でも、「勝つべき相手はコンタドールだ」と言い放つウィギンズの姿が全国に放送された。

期待のチームスカイ、まずはツアー・ダウン・アンダーでの勝ち星を目指して自信満々のスタートを切る。クリスマス以来寒波・大雪の続くイギリスからオーストラリアに向けるファンの視線は熱い。








text:Yuko Yamawaki
photo:www.teamsky.com

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