2017/10/08(日) - 10:33
再び決まったヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)のダウンヒルアタック。追いすがるライバルを振り切ったニーバリが2度目のイル・ロンバルディア制覇を果たした。
ベルガモからコモまでの247kmで行われた第111回イル・ロンバルディア(元ジロ・ディ・ロンバルディア)。マドンナ・デル・ギザッロ、ムーロ・ディ・ソルマーノ、チヴィリオ、サンフェルモ・ディ・バッターリアという難所を含む獲得標高差3,600mのコースに小林海(NIPPOヴィーニファンティーニ)を含む199名が挑んだ。
レースは序盤からジャック・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)やレナード・ホフステッド(オランダ、サンウェブ)ら6名がこの日最初の逃げグループを形成して最大12分のリードを得る展開。メイン集団はバーレーン・メリダやキャノンデール・ドラパック、モビスターのコントロール下に置かれる。
残り70kmを切ってタイム差が縮まるとローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)やアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)、ミカエル・シュレル(フランス、アージェードゥーゼール)らが追走アタックを仕掛け、マドンナ・デル・ギザッロの登りで先頭グループとのタイム差がぐっと縮まる。メイン集団の平均スピードが10km/hを割り込むほどの激坂ムーロ・ディ・ソルマーノ(最大勾配27%)を終えて先頭はシュレル単独。ここにメイン集団から飛び出したフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)やデマルキ、ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)が追いついて先頭は4名。ソルマーノ通過後の下りコーナーでオーバーランしたデプルスが沿道の木々に突っ込むシーンも見られたが、幸い大怪我を免れている。
こうしてシュレル、ジルベール、デマルキ、ビルバオが先頭でローテーションを回してコモ湖に沿った平坦路を快走し、エフデジが強力に牽引するメイン集団から30秒リードで一旦コモの町を抜ける。最後から2つめのチヴィリオ(長さ4.2km/平均9.7%/最大14%)の登りが始まると先頭グループのリードはみるみるうちに縮まった。
継続的なエフデジのペースアップによって20名ほどに絞られたメイン集団はチヴィリオの中腹で逃げグループをキャッチ。ここからビッグネームによるバトルが始まる。フィニッシュまで19km(チヴィリオ頂上まで2km)を残してエフデジのコントロールが終了すると、一旦緩んだ隙をついてジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)とサム・オーメン(オランダ、サンウェブ)がアタックの口火を切る。
カウンターアタックを仕掛けたティボー・ピノ(フランス、エフデジ)が先頭モスコンとオーメンに合流。続いてヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)がリゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)やナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)らが追いついて6名が先行するも、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)率いる追走集団とのタイム差は小さい。
先頭ではピノが執拗に加速を繰り返し、ここに強力なカウンターアタックでライバルたちを振り切ったニーバリが単独で追いついた。チヴィリオ頂上手前でピノを追い抜いたニーバリが先頭に立ってテクニカルな下りへ。2年前に勝利につながる独走に持ち込んだこの下り区間でニーバリが攻めると、コーナーごとにピノとの距離が広がっていく。ガードレールぎりぎりを攻め、減速用のバンプをバニーホップで飛び越えるニーバリ。下り区間だけでピノから5秒ほどのリードを奪ったニーバリが独走を開始した。
それぞれ単独で走るニーバリとピノの40秒後方では、追走していたモスコンとウランに大きなグループに飲み込まれる。こうしてニーバリ先頭のまま残り5kmでピークを迎えるサンフェルモ・ディ・バッターリア(長さ2.7km/平均7.2%/最大10%)に突入。下り、平坦路、登りすべてでピノとのタイム差を広げ続けたニーバリがピノを40秒近く引き離し、大歓声に包まれた最後のハードルを軽々と越えた。
2番手ピノには続々と後続が追いついたが先頭ニーバリとのタイム差は45秒。下りを利用して飛び出したアラフィリップも届かない。最後まで軽快な走りを見せたニーバリが最終ストレートで観客を煽り、無線でチームカーに勝利を伝え、ガッツポーズでフィニッシュに飛び込んだ。
2015年に続くロンバルディア2勝目。そして自身のキャリア50勝目を飾ったニーバリは「2年前よりも良い身体の状態でレースに挑めたし、チヴィリオの下りも知り尽くしていたので自信を持って勝負に挑めた。今年はジロのステルヴィオステージとブエルタのアンドラステージで優勝したものの、やはりモニュメントでの勝利はグランツールのステージ優勝よりも価値がある。ブエルタ以降、コンディションを維持するのは難しかったけど、このロンバルディアに向けて集中力を切らさなかった」と語る。
「今日はキンタナやウランに徹底的にマークされた。だからしっかりと状況を読んでカードを切ったんだ。アタックしたピノを見送って、チヴィリオ頂上まで1kmを切ったところでアタック。そこからは全力で攻めることしか考えなかった。プロデビュー時から自分の武器になっている下りのテクニックが役に立ったよ」。チヴィリオの下りでニーバリが独走に持ち込む走りは2015年のデジャブ。下りだけではなく、この日はその後の平坦路やサンフェルモ・ディ・バッターリアの登りでもニーバリが最速だった。
ニーバリから28秒遅れで2番手フィニッシュしたアラフィリップは「表彰台は予想していなかったので驚いている。世界選手権の後も調子を崩さずにいたけど、ニーバリのアタックには反応できなかった。でも失望なんてしていないし、ミラノ〜サンレモの3位に続くモニュメントの表彰台は格別だ」と、イタリアンモニュメントで2回目の表彰台を喜ぶ。アラフィリップは10月19日開幕のツアー・オブ・広西(UCIワールドツアー)にも出場する予定。
38秒遅れの集団スプリントで先頭をとったモスコンが3位に。ブエルタでフルームの山岳アシストとして活躍した23歳は「今シーズン0勝に終わったものの、このコモでモニュメントの表彰台に上がったことは勝利と同じぐらいの価値だと感じる。ニーバリが最強だったことに疑いの余地はないし、彼がアタックしたタイミングでは誰もが疲れきっていた。仮にチヴィリオでニーバリに食らいついても、ピノのように脱落するのが目に見えていた。来年以降はチームの中での役割も変わってくると思う。春のクラシックに向けてモチベーションが上がった」とコメント。モスコンはパリ〜ルーベで5位に入っており、様々なコースに対応できるクラシックレーサーとして高い資質を見せた。
ベルガモからコモまでの247kmで行われた第111回イル・ロンバルディア(元ジロ・ディ・ロンバルディア)。マドンナ・デル・ギザッロ、ムーロ・ディ・ソルマーノ、チヴィリオ、サンフェルモ・ディ・バッターリアという難所を含む獲得標高差3,600mのコースに小林海(NIPPOヴィーニファンティーニ)を含む199名が挑んだ。
レースは序盤からジャック・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)やレナード・ホフステッド(オランダ、サンウェブ)ら6名がこの日最初の逃げグループを形成して最大12分のリードを得る展開。メイン集団はバーレーン・メリダやキャノンデール・ドラパック、モビスターのコントロール下に置かれる。
残り70kmを切ってタイム差が縮まるとローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)やアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)、ミカエル・シュレル(フランス、アージェードゥーゼール)らが追走アタックを仕掛け、マドンナ・デル・ギザッロの登りで先頭グループとのタイム差がぐっと縮まる。メイン集団の平均スピードが10km/hを割り込むほどの激坂ムーロ・ディ・ソルマーノ(最大勾配27%)を終えて先頭はシュレル単独。ここにメイン集団から飛び出したフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)やデマルキ、ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)が追いついて先頭は4名。ソルマーノ通過後の下りコーナーでオーバーランしたデプルスが沿道の木々に突っ込むシーンも見られたが、幸い大怪我を免れている。
こうしてシュレル、ジルベール、デマルキ、ビルバオが先頭でローテーションを回してコモ湖に沿った平坦路を快走し、エフデジが強力に牽引するメイン集団から30秒リードで一旦コモの町を抜ける。最後から2つめのチヴィリオ(長さ4.2km/平均9.7%/最大14%)の登りが始まると先頭グループのリードはみるみるうちに縮まった。
継続的なエフデジのペースアップによって20名ほどに絞られたメイン集団はチヴィリオの中腹で逃げグループをキャッチ。ここからビッグネームによるバトルが始まる。フィニッシュまで19km(チヴィリオ頂上まで2km)を残してエフデジのコントロールが終了すると、一旦緩んだ隙をついてジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)とサム・オーメン(オランダ、サンウェブ)がアタックの口火を切る。
カウンターアタックを仕掛けたティボー・ピノ(フランス、エフデジ)が先頭モスコンとオーメンに合流。続いてヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)がリゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)やナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)らが追いついて6名が先行するも、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)率いる追走集団とのタイム差は小さい。
先頭ではピノが執拗に加速を繰り返し、ここに強力なカウンターアタックでライバルたちを振り切ったニーバリが単独で追いついた。チヴィリオ頂上手前でピノを追い抜いたニーバリが先頭に立ってテクニカルな下りへ。2年前に勝利につながる独走に持ち込んだこの下り区間でニーバリが攻めると、コーナーごとにピノとの距離が広がっていく。ガードレールぎりぎりを攻め、減速用のバンプをバニーホップで飛び越えるニーバリ。下り区間だけでピノから5秒ほどのリードを奪ったニーバリが独走を開始した。
それぞれ単独で走るニーバリとピノの40秒後方では、追走していたモスコンとウランに大きなグループに飲み込まれる。こうしてニーバリ先頭のまま残り5kmでピークを迎えるサンフェルモ・ディ・バッターリア(長さ2.7km/平均7.2%/最大10%)に突入。下り、平坦路、登りすべてでピノとのタイム差を広げ続けたニーバリがピノを40秒近く引き離し、大歓声に包まれた最後のハードルを軽々と越えた。
2番手ピノには続々と後続が追いついたが先頭ニーバリとのタイム差は45秒。下りを利用して飛び出したアラフィリップも届かない。最後まで軽快な走りを見せたニーバリが最終ストレートで観客を煽り、無線でチームカーに勝利を伝え、ガッツポーズでフィニッシュに飛び込んだ。
2015年に続くロンバルディア2勝目。そして自身のキャリア50勝目を飾ったニーバリは「2年前よりも良い身体の状態でレースに挑めたし、チヴィリオの下りも知り尽くしていたので自信を持って勝負に挑めた。今年はジロのステルヴィオステージとブエルタのアンドラステージで優勝したものの、やはりモニュメントでの勝利はグランツールのステージ優勝よりも価値がある。ブエルタ以降、コンディションを維持するのは難しかったけど、このロンバルディアに向けて集中力を切らさなかった」と語る。
「今日はキンタナやウランに徹底的にマークされた。だからしっかりと状況を読んでカードを切ったんだ。アタックしたピノを見送って、チヴィリオ頂上まで1kmを切ったところでアタック。そこからは全力で攻めることしか考えなかった。プロデビュー時から自分の武器になっている下りのテクニックが役に立ったよ」。チヴィリオの下りでニーバリが独走に持ち込む走りは2015年のデジャブ。下りだけではなく、この日はその後の平坦路やサンフェルモ・ディ・バッターリアの登りでもニーバリが最速だった。
ニーバリから28秒遅れで2番手フィニッシュしたアラフィリップは「表彰台は予想していなかったので驚いている。世界選手権の後も調子を崩さずにいたけど、ニーバリのアタックには反応できなかった。でも失望なんてしていないし、ミラノ〜サンレモの3位に続くモニュメントの表彰台は格別だ」と、イタリアンモニュメントで2回目の表彰台を喜ぶ。アラフィリップは10月19日開幕のツアー・オブ・広西(UCIワールドツアー)にも出場する予定。
38秒遅れの集団スプリントで先頭をとったモスコンが3位に。ブエルタでフルームの山岳アシストとして活躍した23歳は「今シーズン0勝に終わったものの、このコモでモニュメントの表彰台に上がったことは勝利と同じぐらいの価値だと感じる。ニーバリが最強だったことに疑いの余地はないし、彼がアタックしたタイミングでは誰もが疲れきっていた。仮にチヴィリオでニーバリに食らいついても、ピノのように脱落するのが目に見えていた。来年以降はチームの中での役割も変わってくると思う。春のクラシックに向けてモチベーションが上がった」とコメント。モスコンはパリ〜ルーベで5位に入っており、様々なコースに対応できるクラシックレーサーとして高い資質を見せた。
イル・ロンバルディア2017結果
1位 | ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 6:15:29 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 0:00:28 |
3位 | ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ) | 0:00:38 |
4位 | アレクシ・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
5位 | ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) | |
6位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール) | |
7位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | |
8位 | ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ) | 0:00:40 |
9位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:00:42 |
10位 | セルゲイ・チェルネトスキー(ロシア、アスタナ) | 0:00:47 |
DNF | 小林海(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) |
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