2017/09/14(木) - 11:51
ドイツで開催された世界最大の自転車ショー「ユーロバイク」レポート第4弾ではデローザ、ノースウェーブ、BIORACER、POC、グエルチョッティ、100%、カンパニョーロ、アルゴン18、ウィリエールなどのホットなニュープロダクツをお届けしよう。
デローザ
イタリアンバイクの雄DEROSAはPROTOS、SKにDiscバージョンを追加。近年シマノ製コンポも積極的に取り入れる同社だが、デビューとなるファースト展示はやはりカンパニョーロ製ディスクコンポのH11で組んでの展示となった。発表済みのIDOLに加え、ハイエンド系のロードにもほぼディスクバージョンが揃うことになる。
ビアンキ
フェラーリとのコラボが話題をさらうビアンキは発表されたばかりのエアロロード、ARIAにもディスクバージョンを追加した。見た目に精悍でスッキリするDiscブレーキはデザイン上はエアロロードにこそふさわしい印象がある。
エンヴィ
ENVE(エンヴィ)はマウンテンバイクの主要リムをアップデート。軽量化が図られ、ワイドリムを採用。XCリムのM525、トレール向きのM630、635、640はリム内幅25mmとなった。またエラストマーのようなパンクプロテクションベルトをリム内側に備えるモデルを登場させ、展示ブースでは上方から鉛のダンベルウェイトを落としての耐パンク性テストを実演していた。リム打ちパンクが著しく減少するようだ。
ガエルネ
イタリアンシューズメーカーのガエルネは女性用ロードモデルとしてGスターダストを発表。表皮に星屑状の反射粒子が散りばめられて、光を当てるとキラキラと輝く。写真ではその状態を再現することが難しいが、実際にみると眩いばかりの煌めきだ。これを履けば貴女もシンデレラになれる。
ノースウェーブ
NORTHWAVE は人気沸騰のEXTREMEシューズのラインに新モデルEXTREME GTを発表した。この「GT」は、昨年ユーロバイクアワードに輝いた「PRESSURE ZERO=圧迫感ゼロ」をキャッチフレーズにしたシューズ EXTREME RRのソールの合成指数を抑え、RRより前の幅が広めに設計されたニューモデル。剛性指数は12であり、ペダルエリアはフルカーボン、それ以外の部分はカーボンとファイバーグラス製のコンポジットソールを採用している。アッパーは特許を取得したXframe構造でデザインされ、採用されている超軽量素材は0.5mmの薄さ。アッパーの薄さと、Xframe構造により、足の形状に合わせ包み込むようなフィット感を実現。ラストに余裕をもたせ、ソール剛性を少し落としているためロングライドやツーリングにも対応できるシューズとなる。重量は274g(42サイズ)だ。
BIORACER
ベルギーのサイクルアパレルブランド BIORACER(ビオレーサー)は冷却アンダーウェア「Intercooler top」を発表し、ユーロバイクアワード金賞を受賞。吸汗速乾性を追求する昨今のサイクルアパレルにあって、Intercoolertopは水分を含み、保水する機能をもったアンダーウェアだ。例えばレース前に冷たい水に浸してからインナーとして着用すれば、その水分が蒸散する際の気化熱を利用して、過酷な夏場のレースなどで身体を数時間クールに保つことができるという。胸や背中など部位により保水度の違う素材が使用される。その画期的なアイデアで夏場のプロロードレースなどで使用されることになりそうだ。
100%
モトクロス界にルーツを持つアイウェアブランド「100%」は、むしろペーター・サガンが愛用するアイウェアとして認知されているだろう。サガンへのスポンサードによりユーロバイクにも出展。クロームメッキフレームのサガンの記念モデル「SPEED CRAFT」を展示。注目を集めていた。
グエルチョッティ
イタリアのGuerciotti(グエルチョッティ)は新型のエアロロード Eureka Airとシクロクロスモデル Eureka CXを発表。CXは名作Lembeekにとって代わるフラッグシップモデルで、3種類のカーボン素材を使い分け、フラットマウントブレーキ、12mmスルーアクスル仕様で重量1,050g。チームセレイタリア・グエルチョッティのジョエーレ・ベルトリーニらがプロレースで駆るバイクとなる。
メット
イタリアンヘルメットブランド、MET(メット)は30周年を記念したモデル「30(トレンタ)」を発表。すでにツール・ド・フランスでもディメンションデータやUAEチームエミレーツが被り実戦デビューを飾っているが、公開されたその「3Kカーボンテクノロジー」カットサンプルでは内部に薄いカーボンシェルを内蔵し、軽量性と強度を両立している構造が伺える。
PRO
シマノがリリースするコンペティションパーツブランド「PRO」のブースには、現在もっとも低い空気抵抗値を誇る3本バトンホイールとディスクホイールのクリンチャーバージョンが発表されていた。タイヤの真円度が高く転がり抵抗の面ではチューブラーを凌ぐクリンチャーモデルは利便性の面のメリットもある。
カンパニョーロ
カンパはエントリーグレードの新コンポ「ケンタウル」にシルバーモデルを追加発表した。クロモリなどの金属フレームやレトロなバイクに不可欠のコンポカラーと形容され、主に日本での需要が非常に高いことからラインナップするに至るという。またBORAカーボンホイールのリムブレーキバージョンにはリムサイドにウェットコンディションでの制動性を高めるAC3処理を施したモデルが飾られた。プロライダーのテストにより悪天候でも効くと好評だ。
プロキダイ
胸につける心拍センサーにバンドを用いない、シール型の心拍センサーを発表していたのは日本の「プロキダイ」。山本元喜選手がPRボードとして登場していたが、欧州プロチームのアンドローニ・ジョカトリの選手も使用しており、そのストレスの無さからプロトン内に徐々に広まっているという。
アルゴン18
アスタナプロチームも採用するカナダのスポーツバイクブランドARGON(アルゴン)18はファビオ・アルらが駆ってツール・ド・フランスでデビューを飾ったガリウムPROがお披露目された。トップチューブ下部からヘッドチューブにかけて斜めのエッジデザインが採用され、全体的にもスリムになった印象で、より軽く、強く、速くなったという。
またグランフォンドモデルのKRYPTON(クリプトン)GFもデビュー。ヘッド周りを強化したデザインで、かつディスクブレーキ採用のシャープなフレームだ。
POC
スウェーデンのヘルメットブランド、POC(ポック)は「SPIN」と名付ける新型パッド採用ヘルメットを発表した。Rotational Impact Protection という機能説明がなされるこの新SPINパッドのプロテクション機構は、内部の緩衝材にジェルを使用することで、一口で言って回転方向の衝撃力を逃がすMIPSに似た働きをもつ同社独自のテクノロジーだ。ヘルメットシェルにライトブルーの「SPIN」のサインが入る。
コリマ
CORIMAはカーボンディープホイールの32WS等にスルーアクスル用ハブを採用したディスクブレーキ用ホイールを発表。レーシングホイールオンリーのイメージだった同社だがエンドキャップを交換することでハブ軸を差し替える方式も採用していくことになりそうだ。
ワフー
Wahoo(ワフー)は室内トレーナーに登坂をリアルに疑似体験できるフォークマウントユニット、Kickr Climbを発表した。Zwiftなどのコースデータに反応して、勾配が増減する毎にフロントフォークを取り付けた部位が上下するという仕組みでよりリアルにヴァーチャルトレーニングができる。勾配は−10°〜+20°で可変。マニュアルで勾配(上下角)を変更できるハンドルマウントマウントスイッチも用意される。重量は7.7kg。
タックス
Tacxはなんとバイクをそのまま乗せて走ることができる巨大なルームトレーナーを発表。少し傾斜の付いた路面シートがベルトコンベアー状に後方に流れることでルームランナーよろしく台上でバイクライドが可能。もちろん全面には映像を見ながらZwiftなどのシミュレーショントレーニングが可能。なんともダイナミックな製品だが、安定感がありライドも自然に行える。バーチャルトレーナーはここに極まる?
ウィリエール
イタリアンバイクブランドのウィリエールは革新的な振動吸収機構ACTIFLEX SYSTEMを搭載したニューモデル「Cento10 NDR」でユーロバイクアワードを受賞した。後部に可変エラストマーによるソフトテールサスペンションを採用。そしてディスクブレーキとダイレクトマウントブレーキの両方に対応。かつクイックレリース採用ハブとスルーアクスルにも両対応したフレームとなる。走行シーンによりホイールやブレーキを選択できる自由度の高さもウリだ。詳しい車種紹介記事はこちらのレビュー記事を参照して欲しい。
photo&text:Makoto.AYANO
デローザ
イタリアンバイクの雄DEROSAはPROTOS、SKにDiscバージョンを追加。近年シマノ製コンポも積極的に取り入れる同社だが、デビューとなるファースト展示はやはりカンパニョーロ製ディスクコンポのH11で組んでの展示となった。発表済みのIDOLに加え、ハイエンド系のロードにもほぼディスクバージョンが揃うことになる。
ビアンキ
フェラーリとのコラボが話題をさらうビアンキは発表されたばかりのエアロロード、ARIAにもディスクバージョンを追加した。見た目に精悍でスッキリするDiscブレーキはデザイン上はエアロロードにこそふさわしい印象がある。
エンヴィ
ENVE(エンヴィ)はマウンテンバイクの主要リムをアップデート。軽量化が図られ、ワイドリムを採用。XCリムのM525、トレール向きのM630、635、640はリム内幅25mmとなった。またエラストマーのようなパンクプロテクションベルトをリム内側に備えるモデルを登場させ、展示ブースでは上方から鉛のダンベルウェイトを落としての耐パンク性テストを実演していた。リム打ちパンクが著しく減少するようだ。
ガエルネ
イタリアンシューズメーカーのガエルネは女性用ロードモデルとしてGスターダストを発表。表皮に星屑状の反射粒子が散りばめられて、光を当てるとキラキラと輝く。写真ではその状態を再現することが難しいが、実際にみると眩いばかりの煌めきだ。これを履けば貴女もシンデレラになれる。
ノースウェーブ
NORTHWAVE は人気沸騰のEXTREMEシューズのラインに新モデルEXTREME GTを発表した。この「GT」は、昨年ユーロバイクアワードに輝いた「PRESSURE ZERO=圧迫感ゼロ」をキャッチフレーズにしたシューズ EXTREME RRのソールの合成指数を抑え、RRより前の幅が広めに設計されたニューモデル。剛性指数は12であり、ペダルエリアはフルカーボン、それ以外の部分はカーボンとファイバーグラス製のコンポジットソールを採用している。アッパーは特許を取得したXframe構造でデザインされ、採用されている超軽量素材は0.5mmの薄さ。アッパーの薄さと、Xframe構造により、足の形状に合わせ包み込むようなフィット感を実現。ラストに余裕をもたせ、ソール剛性を少し落としているためロングライドやツーリングにも対応できるシューズとなる。重量は274g(42サイズ)だ。
BIORACER
ベルギーのサイクルアパレルブランド BIORACER(ビオレーサー)は冷却アンダーウェア「Intercooler top」を発表し、ユーロバイクアワード金賞を受賞。吸汗速乾性を追求する昨今のサイクルアパレルにあって、Intercoolertopは水分を含み、保水する機能をもったアンダーウェアだ。例えばレース前に冷たい水に浸してからインナーとして着用すれば、その水分が蒸散する際の気化熱を利用して、過酷な夏場のレースなどで身体を数時間クールに保つことができるという。胸や背中など部位により保水度の違う素材が使用される。その画期的なアイデアで夏場のプロロードレースなどで使用されることになりそうだ。
100%
モトクロス界にルーツを持つアイウェアブランド「100%」は、むしろペーター・サガンが愛用するアイウェアとして認知されているだろう。サガンへのスポンサードによりユーロバイクにも出展。クロームメッキフレームのサガンの記念モデル「SPEED CRAFT」を展示。注目を集めていた。
グエルチョッティ
イタリアのGuerciotti(グエルチョッティ)は新型のエアロロード Eureka Airとシクロクロスモデル Eureka CXを発表。CXは名作Lembeekにとって代わるフラッグシップモデルで、3種類のカーボン素材を使い分け、フラットマウントブレーキ、12mmスルーアクスル仕様で重量1,050g。チームセレイタリア・グエルチョッティのジョエーレ・ベルトリーニらがプロレースで駆るバイクとなる。
メット
イタリアンヘルメットブランド、MET(メット)は30周年を記念したモデル「30(トレンタ)」を発表。すでにツール・ド・フランスでもディメンションデータやUAEチームエミレーツが被り実戦デビューを飾っているが、公開されたその「3Kカーボンテクノロジー」カットサンプルでは内部に薄いカーボンシェルを内蔵し、軽量性と強度を両立している構造が伺える。
PRO
シマノがリリースするコンペティションパーツブランド「PRO」のブースには、現在もっとも低い空気抵抗値を誇る3本バトンホイールとディスクホイールのクリンチャーバージョンが発表されていた。タイヤの真円度が高く転がり抵抗の面ではチューブラーを凌ぐクリンチャーモデルは利便性の面のメリットもある。
カンパニョーロ
カンパはエントリーグレードの新コンポ「ケンタウル」にシルバーモデルを追加発表した。クロモリなどの金属フレームやレトロなバイクに不可欠のコンポカラーと形容され、主に日本での需要が非常に高いことからラインナップするに至るという。またBORAカーボンホイールのリムブレーキバージョンにはリムサイドにウェットコンディションでの制動性を高めるAC3処理を施したモデルが飾られた。プロライダーのテストにより悪天候でも効くと好評だ。
プロキダイ
胸につける心拍センサーにバンドを用いない、シール型の心拍センサーを発表していたのは日本の「プロキダイ」。山本元喜選手がPRボードとして登場していたが、欧州プロチームのアンドローニ・ジョカトリの選手も使用しており、そのストレスの無さからプロトン内に徐々に広まっているという。
アルゴン18
アスタナプロチームも採用するカナダのスポーツバイクブランドARGON(アルゴン)18はファビオ・アルらが駆ってツール・ド・フランスでデビューを飾ったガリウムPROがお披露目された。トップチューブ下部からヘッドチューブにかけて斜めのエッジデザインが採用され、全体的にもスリムになった印象で、より軽く、強く、速くなったという。
またグランフォンドモデルのKRYPTON(クリプトン)GFもデビュー。ヘッド周りを強化したデザインで、かつディスクブレーキ採用のシャープなフレームだ。
POC
スウェーデンのヘルメットブランド、POC(ポック)は「SPIN」と名付ける新型パッド採用ヘルメットを発表した。Rotational Impact Protection という機能説明がなされるこの新SPINパッドのプロテクション機構は、内部の緩衝材にジェルを使用することで、一口で言って回転方向の衝撃力を逃がすMIPSに似た働きをもつ同社独自のテクノロジーだ。ヘルメットシェルにライトブルーの「SPIN」のサインが入る。
コリマ
CORIMAはカーボンディープホイールの32WS等にスルーアクスル用ハブを採用したディスクブレーキ用ホイールを発表。レーシングホイールオンリーのイメージだった同社だがエンドキャップを交換することでハブ軸を差し替える方式も採用していくことになりそうだ。
ワフー
Wahoo(ワフー)は室内トレーナーに登坂をリアルに疑似体験できるフォークマウントユニット、Kickr Climbを発表した。Zwiftなどのコースデータに反応して、勾配が増減する毎にフロントフォークを取り付けた部位が上下するという仕組みでよりリアルにヴァーチャルトレーニングができる。勾配は−10°〜+20°で可変。マニュアルで勾配(上下角)を変更できるハンドルマウントマウントスイッチも用意される。重量は7.7kg。
タックス
Tacxはなんとバイクをそのまま乗せて走ることができる巨大なルームトレーナーを発表。少し傾斜の付いた路面シートがベルトコンベアー状に後方に流れることでルームランナーよろしく台上でバイクライドが可能。もちろん全面には映像を見ながらZwiftなどのシミュレーショントレーニングが可能。なんともダイナミックな製品だが、安定感がありライドも自然に行える。バーチャルトレーナーはここに極まる?
ウィリエール
イタリアンバイクブランドのウィリエールは革新的な振動吸収機構ACTIFLEX SYSTEMを搭載したニューモデル「Cento10 NDR」でユーロバイクアワードを受賞した。後部に可変エラストマーによるソフトテールサスペンションを採用。そしてディスクブレーキとダイレクトマウントブレーキの両方に対応。かつクイックレリース採用ハブとスルーアクスルにも両対応したフレームとなる。走行シーンによりホイールやブレーキを選択できる自由度の高さもウリだ。詳しい車種紹介記事はこちらのレビュー記事を参照して欲しい。
photo&text:Makoto.AYANO
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