2017/10/13(金) - 09:06
カブト初のセミエアロヘルメットとして今年登場したAERO-R1。そのオプションシールドとして用意され、国内プロ選手も使用する「ARS-3 SHIELD」をテストした。よりクリアな視界と軽量性を追求したレーススペックのシールドを紹介しよう。
カブト ARS-3 SHIELD photo:Yuto.Murata
日本人の頭にマッチした製品ラインアップで、国内サイクリストの高い信頼を勝ち得ているカブト。今年デビューした同社初のセミエアロヘルメット「AERO-R1」も、発売されるや否やその高いエアロ性能と通気性から、シリアスライダー始め日本の多くのサイクリストに浸透していったことだろう（製品インプレ記事はこちら）。
ショートテールのセミエアロな形状はもちろんだが、標準でエアロシールド「AR-3 SHIELD」が付属する点もこのヘルメットの大きな特徴だろう。より高いエアロ効果を求めるタイムトライアルやトライアスロンにも最適で、マグネットを用いた簡単な着脱方法は使い勝手も大いに配慮されたものであった。また、眼鏡を装着したままでもシールドが使用できるよう、顔とのクリアランスが広めに確保されるなどユーザーフレンドリーな作りとされたこともポイントだ。
手前からスモーク、ピンクミラー、ブルーミラーの3色展開 
標準のシールド（奥）と比較した際に細部の作りは簡略化されている
素材は薄く柔軟なポリカーボネイト製 
ブルーミラーシールド使用時。より風景の陰影がハッキリと見える
このシールドをよりレーススペックへ改良したものが、別売りのオプションとして用意される「ARS-3 SHIELD」だ。もともとプロ選手供給用に開発されたスペシャルモデルで、今年のツアー・オブ・ジャパンでも土井雪広（マトリックスパワータグ）や西薗良太（ブリヂストンアンカー）がレースに投入。それを見たユーザーの販売を熱望する声を受けて商品化に至ったのだという。
プロ選手が使用するとあって性能を優先した作りとなっているのが特徴。標準シールドとは異なる素材と独自の製法を用いることで、よりクリアな視界と軽い重量を達成した製品となっている。
通常のAR-3 SHIELDでは素材を型に流し込み成形するインジェクション製法が用いられるのに対し、ARS-3 SHIELDは一枚の0.8mm厚ポリカーボネイトを特殊な曲げ製法を用い加工する。そうすることでより薄く軽いシールドに仕上がり、奥行き感や視界の歪みなどを感じない自然な視界を実現したのだ。これにより、重量は標準のAR-3 SHIELDに比べ約50％軽い21g（編集部実測値）をマークした。
収納用の専用クロスバッグが付属する 
シールドが不必要な時は反対向きに装着しておける
標準のAR-3 SHIELDは実測で42g 
対して軽量性も追求したARS-3 SHIELDは約半分の重量となる21g
シールドをアイウェアとして代用できるよう、レンズカラーは実用的なスモーク、ブルーミラー、ピンクミラーの3色を用意。可視光線透過率はそれぞれ44％、54％、88％となっており天候に合わせて使い分けられるラインアップとなる。いずれも紫外線カット率は99%以上だという。標準で付属するシールドがライトグレーカラーのため、色の選択肢も増える形となった。価格はスモークが5,000円（税抜）で、ブルーミラーとピンクミラーが6,000円（税抜）となる。
カブト ARS-3 SHIELD
カラー：スモーク、ブルーミラー、ピンクミラー
素 材：ポリカーボネイト
適応モデル：AERO-R1
パッケージ内容：ARS-3シールド×1枚、専用クロスバッグ×1枚
紫外線カット率：99％以上
可視光線透過率：スモーク44％、ブルーミラー54％、ピンクミラー88％
価 格：スモーク 5,000円（税抜）
ブルーミラー/ピンクミラー 6,000円（税抜）
― 編集部インプレッション
カブトのAERO-R1ヘルメットといえば、高いエアロ性能からサーキットでの高速レースで使用して良し、高い通気性から夏場のロングライドイベントで使用して良し、しかも日本人頭にマッチしやすいとあって、国内でも多くのサイクリストが愛用していることだろう。実際取材のために各地のレースやイベントへ出向いても、必ずといっていいほど使用者を見かけるほどでその人気の具合が窺える。
ブルーミラーシールド使用。サングラスも使用したい、エアロシールドも使用したいというライダーにうってつけの製品だ
付属のシールドはと言えば、レースシーンではエアロ性能を高めてくれるとともに、普段のトレーニングでも雨よけや虫よけとして活用している人もいることと思う。標準のシールドはほぼクリアに近いカラーということもあり、天気や昼夜問わず使える汎用性の高さが魅力であった。
それに対し今回テストしたARS-3 SHIELDは、アイウェア代わりに使えるカラーリングを揃えたとあって、晴れた日中の使用でより性能が発揮される製品になっていると感じた。そして何よりミラーレンズのレーシーなルックスが格好良い。標準のシールドから交換してみた際の第一印象は、やはり視界の良好さ、見えやすさという点が大きく体感できる。
スモークシールド使用。秋冬なら寒い風を防ぐ用途としても使えるだろう 標準のシールドはやや厚みがあるために、特にシールドの端部分でやや視界が歪む現象があったのだが、ARS-3 SHIELDはそのようなこともなく全方位にクリアな視界を確保できた。加えてカラーシールドとなったことで、いわゆるサングラスのレンズのように物の陰影がより鮮明に確認でき、視力が上がったかのように景色がハッキリ目に飛び込んでくるようになるのだ。もちろん、太陽の光も遮ってくれるためアイウェア無しでも眩しさを感じることはない。
また、大幅に改善された重量に関しては、正直付け比べてみて初めてその差が分かるくらいで、軽くなったから首の負担が減ったなどとはならないだろう。ただ、その薄い形状はよりスマートにヘルメットと一体化するためエアロ効果は高そうに思える。手に取ったときにはペラペラとした頼りなさを感じるかもしれないが、無理な力を加えない限り破損の心配もないだろうし、マグネットで強力に装着されるためライド中も振動で外れる等の問題も皆無であった。
サングラスを常用するライダーだとレンズが2重になってしまうため必要ないだろうが、裸眼や眼鏡で普段ライドをしている人には非常にオススメと言える。特にこれからの秋冬の時期には顔に当たる寒い風も防いでくれるため、シールドを使いつつより質の高いトレーニングをしたい人にも良いだろう。雨天や曇りの日にも使いたいならピンクミラーを、天気の良い日中の使用ならスモークかブルーミラーを選択してほしい。
text:Yuto.Murata
カブト ARS-3 SHIELD photo:Yuto.Murata日本人の頭にマッチした製品ラインアップで、国内サイクリストの高い信頼を勝ち得ているカブト。今年デビューした同社初のセミエアロヘルメット「AERO-R1」も、発売されるや否やその高いエアロ性能と通気性から、シリアスライダー始め日本の多くのサイクリストに浸透していったことだろう（製品インプレ記事はこちら）。
ショートテールのセミエアロな形状はもちろんだが、標準でエアロシールド「AR-3 SHIELD」が付属する点もこのヘルメットの大きな特徴だろう。より高いエアロ効果を求めるタイムトライアルやトライアスロンにも最適で、マグネットを用いた簡単な着脱方法は使い勝手も大いに配慮されたものであった。また、眼鏡を装着したままでもシールドが使用できるよう、顔とのクリアランスが広めに確保されるなどユーザーフレンドリーな作りとされたこともポイントだ。
手前からスモーク、ピンクミラー、ブルーミラーの3色展開 標準のシールド（奥）と比較した際に細部の作りは簡略化されている 素材は薄く柔軟なポリカーボネイト製 ブルーミラーシールド使用時。より風景の陰影がハッキリと見える このシールドをよりレーススペックへ改良したものが、別売りのオプションとして用意される「ARS-3 SHIELD」だ。もともとプロ選手供給用に開発されたスペシャルモデルで、今年のツアー・オブ・ジャパンでも土井雪広（マトリックスパワータグ）や西薗良太（ブリヂストンアンカー）がレースに投入。それを見たユーザーの販売を熱望する声を受けて商品化に至ったのだという。
プロ選手が使用するとあって性能を優先した作りとなっているのが特徴。標準シールドとは異なる素材と独自の製法を用いることで、よりクリアな視界と軽い重量を達成した製品となっている。
通常のAR-3 SHIELDでは素材を型に流し込み成形するインジェクション製法が用いられるのに対し、ARS-3 SHIELDは一枚の0.8mm厚ポリカーボネイトを特殊な曲げ製法を用い加工する。そうすることでより薄く軽いシールドに仕上がり、奥行き感や視界の歪みなどを感じない自然な視界を実現したのだ。これにより、重量は標準のAR-3 SHIELDに比べ約50％軽い21g（編集部実測値）をマークした。
収納用の専用クロスバッグが付属する シールドが不必要な時は反対向きに装着しておける 標準のAR-3 SHIELDは実測で42g 対して軽量性も追求したARS-3 SHIELDは約半分の重量となる21g シールドをアイウェアとして代用できるよう、レンズカラーは実用的なスモーク、ブルーミラー、ピンクミラーの3色を用意。可視光線透過率はそれぞれ44％、54％、88％となっており天候に合わせて使い分けられるラインアップとなる。いずれも紫外線カット率は99%以上だという。標準で付属するシールドがライトグレーカラーのため、色の選択肢も増える形となった。価格はスモークが5,000円（税抜）で、ブルーミラーとピンクミラーが6,000円（税抜）となる。
カブト ARS-3 SHIELD
カラー：スモーク、ブルーミラー、ピンクミラー
素 材：ポリカーボネイト
適応モデル：AERO-R1
パッケージ内容：ARS-3シールド×1枚、専用クロスバッグ×1枚
紫外線カット率：99％以上
可視光線透過率：スモーク44％、ブルーミラー54％、ピンクミラー88％
価 格：スモーク 5,000円（税抜）
ブルーミラー/ピンクミラー 6,000円（税抜）
― 編集部インプレッション
カブトのAERO-R1ヘルメットといえば、高いエアロ性能からサーキットでの高速レースで使用して良し、高い通気性から夏場のロングライドイベントで使用して良し、しかも日本人頭にマッチしやすいとあって、国内でも多くのサイクリストが愛用していることだろう。実際取材のために各地のレースやイベントへ出向いても、必ずといっていいほど使用者を見かけるほどでその人気の具合が窺える。
ブルーミラーシールド使用。サングラスも使用したい、エアロシールドも使用したいというライダーにうってつけの製品だ 付属のシールドはと言えば、レースシーンではエアロ性能を高めてくれるとともに、普段のトレーニングでも雨よけや虫よけとして活用している人もいることと思う。標準のシールドはほぼクリアに近いカラーということもあり、天気や昼夜問わず使える汎用性の高さが魅力であった。
それに対し今回テストしたARS-3 SHIELDは、アイウェア代わりに使えるカラーリングを揃えたとあって、晴れた日中の使用でより性能が発揮される製品になっていると感じた。そして何よりミラーレンズのレーシーなルックスが格好良い。標準のシールドから交換してみた際の第一印象は、やはり視界の良好さ、見えやすさという点が大きく体感できる。
スモークシールド使用。秋冬なら寒い風を防ぐ用途としても使えるだろう 標準のシールドはやや厚みがあるために、特にシールドの端部分でやや視界が歪む現象があったのだが、ARS-3 SHIELDはそのようなこともなく全方位にクリアな視界を確保できた。加えてカラーシールドとなったことで、いわゆるサングラスのレンズのように物の陰影がより鮮明に確認でき、視力が上がったかのように景色がハッキリ目に飛び込んでくるようになるのだ。もちろん、太陽の光も遮ってくれるためアイウェア無しでも眩しさを感じることはない。また、大幅に改善された重量に関しては、正直付け比べてみて初めてその差が分かるくらいで、軽くなったから首の負担が減ったなどとはならないだろう。ただ、その薄い形状はよりスマートにヘルメットと一体化するためエアロ効果は高そうに思える。手に取ったときにはペラペラとした頼りなさを感じるかもしれないが、無理な力を加えない限り破損の心配もないだろうし、マグネットで強力に装着されるためライド中も振動で外れる等の問題も皆無であった。
サングラスを常用するライダーだとレンズが2重になってしまうため必要ないだろうが、裸眼や眼鏡で普段ライドをしている人には非常にオススメと言える。特にこれからの秋冬の時期には顔に当たる寒い風も防いでくれるため、シールドを使いつつより質の高いトレーニングをしたい人にも良いだろう。雨天や曇りの日にも使いたいならピンクミラーを、天気の良い日中の使用ならスモークかブルーミラーを選択してほしい。
text:Yuto.Murata
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