2017/07/16(日) - 22:42
Jプロツアー第9戦となる第16回JBCF石川サイクルロードレースが開催され、宇都宮ブリッツェンの雨澤毅明が優勝した。ジュニア男子は白河実業高校の角田光が優勝。女子は弱虫ペダルサイクリングチームの唐見実世子が今季16勝目を挙げた。
西日本ロードクラシック広島大会から2週間のインターバルをおいて迎えた第9戦は、今年16回目の開催となる石川サイクルロードレース。福島県南部の石川町に設定されるコースは、アップダウンに富む1周13.6km。レースレーティングは2番目に高いランクとなるAAA(トリプル・エー)に指定される。
過去には佐野淳哉(チームNIPPO・現マトリックスパワータグ)、西薗良太(シマノレーシング・現ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、ホセ・ビセンテ(チーム右京・現マトリックスパワータグ)と、実力ある選手が勝っている事からも、レース難易度の高さが理解できよう。
毎年、梅雨が明けるか明けないかという時季に開催される石川サイクルロードレース。今年は梅雨明け前の開催となったが、レース当日は雲が多めながらも時々陽が差して30℃を超える暑さ。午後から行われた女子やE3のレース中に雨が落ちてきたものの、午前のJプロツアーのレース中は終始暑さとの戦いにもなった。
雨澤毅明が残り1周を逃げ切ってJプロツアー初優勝
Jプロツアーは、石川町の学法石川高校前をパレードスタートしたのち、周回コースを7周する102.2km。
レースは1周目から動いた。5人が抜け出して先行、2周目までに1人が集団に戻り、4人がそのまま先行する。メンバーは、湊諒(シマノレーシング)、新城銀二(那須ブラーゼン)、中里仁(群馬グリフィン)、渡邊聡(なるしまフレンドレーシングチーム)。メイン集団との差は2周目には1分まで開くものの、3周目には30秒まで縮まり、4周目には吸収される。
5周目、安原大貴(マトリックスパワータグ)が単独で先行。10秒ほどの差で、ルビーレッドジャージのホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)を含む15人ほどが追走する。6周目に安原が吸収された後、雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)がコース後半の登り区間でアタック。およそ10秒遅れて才田直人(レオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)、さらに20秒遅れて田窪賢次(マトリックスパワータグ)の順に続いていく。
最終周回の7周目、雨澤は単独で逃げ続ける一方、追走する才田に田窪が追いつく。しかし先行する雨澤との差は縮まるどころか広がりはじめる。雨澤はそのまま逃げ切り、ブリッツェンサポーターの歓喜の声に押されるようにしてゴール。自身のJプロツアー初優勝と同時に、今季Jプロツアー初優勝をチームにもたらした。
「ブリッツェンは勝たなければいけないチームなので、チームも自分もやっと勝てて一安心です。登りが厳しいほど得意なので、石川のコースは自分向きで優勝を狙っていました」と言う雨澤。
「マトリックスのホセ選手は非常に強いので、一緒に行ってしまったら厳しくなると考えていました。残り2周でアタックした時、ホセ選手が遅れていて、他チームの選手もきつそうで、チームは(鈴木)譲さんと飯野(智行)さんが同じ集団にいました。これは行くしかないと思いましたね。最終周回は登りで足がつりそうになってハラハラしていました。
残り300mまで来て、後ろを見たら追走が全然来ていなかったので、勝ったと思いました」と、初優勝の瞬間を振り返った。
今季はツアー・オブ・ジャパンや全日本選手権で好調さを見せる場面もあったが、勝利にはなかなか手が届かなかった雨澤。「そこそこ良い成績を出していても、『強くても勝てない』と思われるのもイヤですし・・・。ここで勝てたのは今後の自信になるし、他の選手へのアピールとプレッシャーにもなるかなと思います」と、初優勝の手応えを語った。
宇都宮ブリッツェンの清水監督は、「今日は雨澤を中心に考えていましたが、逃げ切りの集団からホセ選手をうまく出し抜いて行くか、スプリントのどちらかを考えていました。終盤の展開からスプリントになるかなと思っていましたが、雨澤が良いトライをしてくれました。これまでも積極的に逃げを繰り返してきたのですが、今回はそれが功を奏しました」と、雨澤を評価する。
「(増田、岡を欠いて)まだしばらく6人で戦わなければならないので、この1勝で楽観できる状態ではないです。でも6人での戦い方・・・力の抑え方とか出し方とか、解ってきた気がするので、次のレースもそこに見合った戦い方でしっかりやっていきたいと考えています」と、シーズン後半に向けての展望を語った。
Y/男子ジュニア 3人のスプリント勝負を制した角田光が優勝
Jユースツアー(Yクラスタ)とジュニアを合わせたY/ジュニアは、P1クラスタと同じく学法石川高校をパレードスタートし、周回コースを4周する61.4㎞。
レースは周回ごとに集団の人数が減っていくが、勝負を決定づける逃げが生まれないまま進行。最終周回、全日本選手権タイムトライアルのU17で優勝した津田悠義(EQADS)のアタックに、角田光(白河実業高等学校)と、岩瀬照(吉田高等学校)が反応して合流。3人は集団に10秒ほど先行して逃げ切り、最後のスプリント勝負を角田が制して優勝した。
「津田君が行ったのを岩瀬君が追って、自分がそれに続いて行きました。最後は3人になりましたが、残り距離が少なかったのでスプリントでの勝負を考えました。最後はきつかったのですが、残り100mから仕掛けたのがうまくいきました。今月末にはインターハイを控えていますが、自分のベストを出せるようにしたいです」と角田。
一方2位の津田は、Jユースツアーのリーダージャージを獲得。「ラスト1周逃げ切るつもりでアタックしましたが、最後の登りで捕まってしまいました。リーダージャージは嬉しいですが、総合2位と同ポイントなので、次のみやだクリテリウムで少しでも差をつけられるようにしたいです」と、今日の反省と次戦の目標を語った。
Fクラスタは唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が今季16勝目を挙げる
西日本ロードクラシック広島大会から2週間のインターバルをおいて迎えた第9戦は、今年16回目の開催となる石川サイクルロードレース。福島県南部の石川町に設定されるコースは、アップダウンに富む1周13.6km。レースレーティングは2番目に高いランクとなるAAA(トリプル・エー)に指定される。
過去には佐野淳哉(チームNIPPO・現マトリックスパワータグ)、西薗良太(シマノレーシング・現ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、ホセ・ビセンテ(チーム右京・現マトリックスパワータグ)と、実力ある選手が勝っている事からも、レース難易度の高さが理解できよう。
毎年、梅雨が明けるか明けないかという時季に開催される石川サイクルロードレース。今年は梅雨明け前の開催となったが、レース当日は雲が多めながらも時々陽が差して30℃を超える暑さ。午後から行われた女子やE3のレース中に雨が落ちてきたものの、午前のJプロツアーのレース中は終始暑さとの戦いにもなった。
雨澤毅明が残り1周を逃げ切ってJプロツアー初優勝
Jプロツアーは、石川町の学法石川高校前をパレードスタートしたのち、周回コースを7周する102.2km。
レースは1周目から動いた。5人が抜け出して先行、2周目までに1人が集団に戻り、4人がそのまま先行する。メンバーは、湊諒(シマノレーシング)、新城銀二(那須ブラーゼン)、中里仁(群馬グリフィン)、渡邊聡(なるしまフレンドレーシングチーム)。メイン集団との差は2周目には1分まで開くものの、3周目には30秒まで縮まり、4周目には吸収される。
5周目、安原大貴(マトリックスパワータグ)が単独で先行。10秒ほどの差で、ルビーレッドジャージのホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)を含む15人ほどが追走する。6周目に安原が吸収された後、雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)がコース後半の登り区間でアタック。およそ10秒遅れて才田直人(レオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)、さらに20秒遅れて田窪賢次(マトリックスパワータグ)の順に続いていく。
最終周回の7周目、雨澤は単独で逃げ続ける一方、追走する才田に田窪が追いつく。しかし先行する雨澤との差は縮まるどころか広がりはじめる。雨澤はそのまま逃げ切り、ブリッツェンサポーターの歓喜の声に押されるようにしてゴール。自身のJプロツアー初優勝と同時に、今季Jプロツアー初優勝をチームにもたらした。
「ブリッツェンは勝たなければいけないチームなので、チームも自分もやっと勝てて一安心です。登りが厳しいほど得意なので、石川のコースは自分向きで優勝を狙っていました」と言う雨澤。
「マトリックスのホセ選手は非常に強いので、一緒に行ってしまったら厳しくなると考えていました。残り2周でアタックした時、ホセ選手が遅れていて、他チームの選手もきつそうで、チームは(鈴木)譲さんと飯野(智行)さんが同じ集団にいました。これは行くしかないと思いましたね。最終周回は登りで足がつりそうになってハラハラしていました。
残り300mまで来て、後ろを見たら追走が全然来ていなかったので、勝ったと思いました」と、初優勝の瞬間を振り返った。
今季はツアー・オブ・ジャパンや全日本選手権で好調さを見せる場面もあったが、勝利にはなかなか手が届かなかった雨澤。「そこそこ良い成績を出していても、『強くても勝てない』と思われるのもイヤですし・・・。ここで勝てたのは今後の自信になるし、他の選手へのアピールとプレッシャーにもなるかなと思います」と、初優勝の手応えを語った。
宇都宮ブリッツェンの清水監督は、「今日は雨澤を中心に考えていましたが、逃げ切りの集団からホセ選手をうまく出し抜いて行くか、スプリントのどちらかを考えていました。終盤の展開からスプリントになるかなと思っていましたが、雨澤が良いトライをしてくれました。これまでも積極的に逃げを繰り返してきたのですが、今回はそれが功を奏しました」と、雨澤を評価する。
「(増田、岡を欠いて)まだしばらく6人で戦わなければならないので、この1勝で楽観できる状態ではないです。でも6人での戦い方・・・力の抑え方とか出し方とか、解ってきた気がするので、次のレースもそこに見合った戦い方でしっかりやっていきたいと考えています」と、シーズン後半に向けての展望を語った。
Y/男子ジュニア 3人のスプリント勝負を制した角田光が優勝
Jユースツアー(Yクラスタ)とジュニアを合わせたY/ジュニアは、P1クラスタと同じく学法石川高校をパレードスタートし、周回コースを4周する61.4㎞。
レースは周回ごとに集団の人数が減っていくが、勝負を決定づける逃げが生まれないまま進行。最終周回、全日本選手権タイムトライアルのU17で優勝した津田悠義(EQADS)のアタックに、角田光(白河実業高等学校)と、岩瀬照(吉田高等学校)が反応して合流。3人は集団に10秒ほど先行して逃げ切り、最後のスプリント勝負を角田が制して優勝した。
「津田君が行ったのを岩瀬君が追って、自分がそれに続いて行きました。最後は3人になりましたが、残り距離が少なかったのでスプリントでの勝負を考えました。最後はきつかったのですが、残り100mから仕掛けたのがうまくいきました。今月末にはインターハイを控えていますが、自分のベストを出せるようにしたいです」と角田。
一方2位の津田は、Jユースツアーのリーダージャージを獲得。「ラスト1周逃げ切るつもりでアタックしましたが、最後の登りで捕まってしまいました。リーダージャージは嬉しいですが、総合2位と同ポイントなので、次のみやだクリテリウムで少しでも差をつけられるようにしたいです」と、今日の反省と次戦の目標を語った。
Fクラスタは唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が今季16勝目を挙げる
H3
第16回JBCF石川サイクルロードレース 結果
P1(102.2km)
1位 | 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) | 2時間39分7秒 |
2位 | 田窪賢次(マトリックスパワータグ) | +48秒 |
3位 | 才田直人(レオモ・ベルマーレレーシングチーム) | +52秒 |
4位 | ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) | +1分42秒 |
5位 | 西村大輝(シマノレーシング) | +1分45秒 |
6位 | 秋田拓磨(シマノレーシング) | +1分49秒 |
E1(75km)
1位 | 寺崎武郎(バルバレーシングクラブ) | 2時間1分47秒 |
2位 | 高橋利尚(チーム・ウォークライド) | +1秒 |
3位 | 佐川祐太(サイタマサイクルプロジェクト) | |
4位 | 岩崎晶雲(グランペールサイクリングチーム) | +24秒 |
5位 | 須崎尚樹(ACQUA TAMA) | +26秒 |
6位 | 岡 泰誠(イナーメ信濃山形) |
E2(40.8km)
1位 | 浜田大雅(EQADS) | 1時間3分40秒 |
2位 | 風間翔眞(東北学院大学) | +2秒 |
3位 | 加藤健悟(サイタマサイクルプロジェクト) | +3秒 |
4位 | 吉澤祐介(Team SHIDO) | |
5位 | 石神 宇(パラディアムTOKYO) | +4秒 |
6位 | 菅野正明(Link TOHOKU) |
E3(40.8km)
1位 | 白崎 剛(バルバレーシングクラブ) | 1時間5分36秒 |
2位 | 川久保大海(彩北ツブラーゼ) | +1秒 |
3位 | 佐藤智史(エルドラード・エスペランサ) | |
4位 | 黒澤章雄(RIDE Freaks) | +2秒 |
5位 | 藤田 豊(サガミレーシング) | |
6位 | 福岡 実(チバポンズ) | +4秒 |
Y/ジュニア男子
1位 | 角田 光(白河実業高等学校) | 1時間40分49秒 |
2位 | 津田悠義(EQUADS) | +0秒 |
3位 | 岩瀬 照(吉田高等学校) | |
4位 | 中村龍吉(学校法人石川高等学校) | +11秒 |
5位 | 福地 猛(学校法人石川高等学校) | +15秒 |
6位 | 小笠原匠海(八王子桑志高等学校) |
F(女子・40.8km)
1位 | 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 1時間11分18秒 |
2位 | 西加南子(LUMINARIA) | +4分37秒 |
3位 | 望月美和子(フィッツ) |
text:Satoru Kato
photo:Hideaki TAKAGI,Satoru Kato
photo:Hideaki TAKAGI,Satoru Kato
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