2017/07/11(火) - 16:29
スイス、レンツァーハイデで開催されたMTBワールドカップ第4戦で、ニノ・シューター(スイス、スコット・スラム)が開幕4連勝を達成。2位にはヤロスラフ・クルハヴィー(チェコ、スペシャライズド・レーシング)が入り、山本幸平(BHサンツアーKMC)は62位で全日本選手権前の最終レースを終えた。
UCI MTBワールドカップ第4戦の舞台は、これまで幾多もの熱戦が繰り広げられてきたスイス、レンツァーハイデ。1周4.2kmのコースは獲得標高188mと1週間前に開催されたアルプシュタッドよりも険しく、大きなドロップオフなども用意されている。
スタート直前には通り雨がコースを濡らしたため、特に木の根が張る林間区間は非常にスリッピーに。各チームがマッド用タイヤへの変更を強いられピットが混乱状態となったため、時間を確保すべく1周減の7周回で男子エリートが争われることとなる。しかしそれでも降車を強いられるキャンバーの登り返しは滑りやすく、ウェット路面の処理能力も問われた。
スタートダッシュで抜け出したのは、ダビ・ヴァレロ(スペイン、MMRファクトリーレーシング)やアントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシング)。
ダウンヒル区間に入ると、すぐさまワールドカップ3連勝中の絶対王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラム)が先頭に上がり、マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が続くと言う見慣れたシナリオに。強豪勢の一書、ヴィクトール・コレツキー(フランス、BHサンツアーKMC)はチェーン切れに見舞われた。
先頭2名にはマキシム・マロット(フランス、キャノンデールファクトリーレーシングXC)が追いつき、暫く3名が先頭グループを形成したが、4周目に「太陽が出て気温が上がったことでペースを落としてしまった」とファンデルポールのペースが突如ストップ。一定ペースを刻む2名には、変わって前戦2位のマティアス・フルッキガー(スイス、ラドンファクトリーXCチーム)や同3位、ジョルダン・サルー(フランス、BHサンツアーKMC)やアントン・シントソフ(ロシア、JBG-2プロMTBチーム)などが合流を果たした。
レース後のコメントで「体力的にはいっぱいいっぱいだった。自国ファンの声援だけが自分を後押ししてくれたんだ」と苦戦を語ったシューターだが、その走りはステディで、力強かった。5周目にはシントソフがサプライズアタックを仕掛けたものの、フロントを滑らせて自爆。冷静に対処したアルカンシエルは続く6周目の登りで遂に攻撃に出た。
一発のアタックでリードを稼いだシューターは、11秒差で最終ラップに突入。その後方、遅れたシントソフとマロットの背後には今シーズン不調だった元五輪王者/世界王者のヤロスラフ・クルハヴィー(チェコ、スペシャライズド・レーシング)が突如姿を現した。
クルハヴィーは最終周回にまずはシントソフ、続いてマロットをパスすると、先頭をひた走るシューターとの距離を徐々に縮めていく。全盛期を彷彿させる圧倒的なペースを刻みプッシュを続けたものの、フィニッシュまでには僅かに届かない。クルハヴィーはシューターから3秒遅れでフィニッシュし、世界王者に「オーガナイザーが1周短縮してくれたおかげで助かった」と言わしめた。3位はマロットを千切ったシントソフが入り、ワールドカップでのベストリザルトとなった
山本幸平(BHサンツアーKMC)は中盤から追い上げる走りを強いられ、8分51秒遅れの62位でフィニッシュ。今大会もUCIポイントには僅かに届かなかった。
「62位でレースを終えました。今の力は出しているのですが、今年は世界トップクラスとの差を特に強く感じています。精神的にもすごく厳しいのですが、選手である以上上手くやってかないといけません。これからも応援をよろしくお願いします」と言う山本の次戦は、7月23日に長野県・富士見パノラマで開催される全日本選手権だ。
男子エリートに先立って行われた女子エリートでは、序盤からワールドカップ2連勝中のヤナ・ベロモイナ(ウクライナ、CSTサンド・アメリカンイーグル)やリンダ・インダーガンド(スイス、フォーカスXCチーム)やガンリタ・ダール(ノルウェー、チームメリダ・ガンリタ)などが好ダッシュを切る。
世界王者のアニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング)が不調でバイクを降りる中、ハイペースを刻んだのがゼッケン16のアニー・ラスト(イギリス、OMXプロチーム)。マーヤ・ブロジェゾフスカ(クロスレーシングチーム)やネフ、ベロモイナをパスして先頭に躍りでると、食らいついたダールを合流させず、フィニッシュまでを独走。20歳のラストが初のワールドカップ優勝を飾った。
UCI MTBワールドカップ第4戦の舞台は、これまで幾多もの熱戦が繰り広げられてきたスイス、レンツァーハイデ。1周4.2kmのコースは獲得標高188mと1週間前に開催されたアルプシュタッドよりも険しく、大きなドロップオフなども用意されている。
スタート直前には通り雨がコースを濡らしたため、特に木の根が張る林間区間は非常にスリッピーに。各チームがマッド用タイヤへの変更を強いられピットが混乱状態となったため、時間を確保すべく1周減の7周回で男子エリートが争われることとなる。しかしそれでも降車を強いられるキャンバーの登り返しは滑りやすく、ウェット路面の処理能力も問われた。
スタートダッシュで抜け出したのは、ダビ・ヴァレロ(スペイン、MMRファクトリーレーシング)やアントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシング)。
ダウンヒル区間に入ると、すぐさまワールドカップ3連勝中の絶対王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラム)が先頭に上がり、マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が続くと言う見慣れたシナリオに。強豪勢の一書、ヴィクトール・コレツキー(フランス、BHサンツアーKMC)はチェーン切れに見舞われた。
先頭2名にはマキシム・マロット(フランス、キャノンデールファクトリーレーシングXC)が追いつき、暫く3名が先頭グループを形成したが、4周目に「太陽が出て気温が上がったことでペースを落としてしまった」とファンデルポールのペースが突如ストップ。一定ペースを刻む2名には、変わって前戦2位のマティアス・フルッキガー(スイス、ラドンファクトリーXCチーム)や同3位、ジョルダン・サルー(フランス、BHサンツアーKMC)やアントン・シントソフ(ロシア、JBG-2プロMTBチーム)などが合流を果たした。
レース後のコメントで「体力的にはいっぱいいっぱいだった。自国ファンの声援だけが自分を後押ししてくれたんだ」と苦戦を語ったシューターだが、その走りはステディで、力強かった。5周目にはシントソフがサプライズアタックを仕掛けたものの、フロントを滑らせて自爆。冷静に対処したアルカンシエルは続く6周目の登りで遂に攻撃に出た。
一発のアタックでリードを稼いだシューターは、11秒差で最終ラップに突入。その後方、遅れたシントソフとマロットの背後には今シーズン不調だった元五輪王者/世界王者のヤロスラフ・クルハヴィー(チェコ、スペシャライズド・レーシング)が突如姿を現した。
クルハヴィーは最終周回にまずはシントソフ、続いてマロットをパスすると、先頭をひた走るシューターとの距離を徐々に縮めていく。全盛期を彷彿させる圧倒的なペースを刻みプッシュを続けたものの、フィニッシュまでには僅かに届かない。クルハヴィーはシューターから3秒遅れでフィニッシュし、世界王者に「オーガナイザーが1周短縮してくれたおかげで助かった」と言わしめた。3位はマロットを千切ったシントソフが入り、ワールドカップでのベストリザルトとなった
山本幸平(BHサンツアーKMC)は中盤から追い上げる走りを強いられ、8分51秒遅れの62位でフィニッシュ。今大会もUCIポイントには僅かに届かなかった。
「62位でレースを終えました。今の力は出しているのですが、今年は世界トップクラスとの差を特に強く感じています。精神的にもすごく厳しいのですが、選手である以上上手くやってかないといけません。これからも応援をよろしくお願いします」と言う山本の次戦は、7月23日に長野県・富士見パノラマで開催される全日本選手権だ。
男子エリートに先立って行われた女子エリートでは、序盤からワールドカップ2連勝中のヤナ・ベロモイナ(ウクライナ、CSTサンド・アメリカンイーグル)やリンダ・インダーガンド(スイス、フォーカスXCチーム)やガンリタ・ダール(ノルウェー、チームメリダ・ガンリタ)などが好ダッシュを切る。
世界王者のアニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング)が不調でバイクを降りる中、ハイペースを刻んだのがゼッケン16のアニー・ラスト(イギリス、OMXプロチーム)。マーヤ・ブロジェゾフスカ(クロスレーシングチーム)やネフ、ベロモイナをパスして先頭に躍りでると、食らいついたダールを合流させず、フィニッシュまでを独走。20歳のラストが初のワールドカップ優勝を飾った。
H3
UCI MTBワールドカップ2017第4戦 スイス
男子エリート
1位 | ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムレーシング) | 1h29'48" |
2位 | ヤロスラフ・クルハヴィー(チェコ、スペシャライズド・レーシング) | +03" |
3位 | アントン・シントソフ(ロシア、JBG-2プロMTBチーム) | +15" |
4位 | マキシム・マロット(フランス、キャノンデールファクトリーレーシングXC) | +33" |
5位 | ダビ・ヴァレロ(スペイン、MMRファクトリーレーシング) | +52" |
6位 | ジョルダン・サルー(フランス、BHサンツアーKMC) | +1'01" |
7位 | ティトゥアン・カロッド(フランス、BMC MTBレーシングチーム) | +1'39" |
8位 | ゲルハルド・ケルシュバウマー(イタリア、トルパード・ガボガス)) | +1'51" |
9位 | ステファン・テンピエール(フランス、ビアンキ・カウンターヴェイル) | +1'52" |
10位 | マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) | +2'06" |
62位 | 山本幸平(BHサンツアーKMC) | +8'51" |
女子エリート
1位 | アニー・ラスト(イギリス、OMXプロチーム) | 1h29'10" |
2位 | ガンリタ・ダール(ノルウェー、チームメリダ・ガンリタ) | +13" |
3位 | ヤナ・ベロモイナ(ウクライナ、CSTサンド・アメリカンイーグル) | +27" |
4位 | ヨランダ・ネフ(スイス、クロスレーシングチーム) | +1'08" |
5位 | ヘレン・グロベルト(ドイツ、キャノンデールファクトリーレーシング) | +1'23" |
6位 | マーヤ・ブロジェゾフスカ(クロスレーシングチーム) | +1'33" |
7位 | エミリー・バティ(カナダ、トレックファクトリーレーシングXC) | +1'54" |
8位 | イリーナ・カレンティエヴァ(ロシア、モーベル・メルキプロMTBチーム) | +2'08" |
9位 | リンダ・インダーガンド(スイス、フォーカスXCチーム) | +2'11" |
10位 | キャサリン・ペンドレル(カナダ、クリフプロチーム) | +2'28" |
text:So.Isobe
photo:UCI
photo:UCI
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