2017/07/04(火) - 03:28
ツール・ド・フランス第3ステージを締めくくる3級山岳の登りスプリントで世界チャンピオンが他を圧倒。スプリント中にペダルを外しながらもリードを守ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が自身8度目のステージ優勝を飾った。
ベルギーからルクセンブルクを経由してフランスに向かう第3ステージはまるでアルデンヌクラシック。3カ国をまたぐ212.5kmの大半は丘陵地帯であり、アップダウンが連続するためピュアスプリンター向きではない。合計5つのカテゴリー山岳が設定されており、最後はロンウィの3級山岳コート・デ・ルリジューズ(全長1.6km/高低差93m/平均5.8%)を駆け上がってフィニッシュを迎える。
スタートが切られてすぐファーストアタックを仕掛けたのはトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)とフレデリック・バカールト(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)の2人。地元ベルギー勢がアタック合戦を繰り広げ、そこからニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)とアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)、ロメン・アルディ(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)が逃げ出すことに成功する。
先頭3名にバカールトとネイサン・ブラウン(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)、ロメン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー)が追いついたところでメイン集団はスローダウン。先頭では6名の逃げグループが形成され、テイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)のマイヨアポワを守る立場のブラウンを先頭に最初の4級山岳をクリアした。
総合41秒遅れのポリッツと総合50秒遅れのシカールを含み、さらに過去にグランツールで2度逃げ切りを果たしているハンセンが乗った逃げグループをメイン集団は警戒した。212.5kmという長丁場にもかかわらずボーラ・ハンスグローエやクイックステップフロアーズの集団牽引によってタイム差は2分前後で推移する。
89km地点のスプリントポイントを先頭通過したのはポリッツで、1分50秒遅れのメイン集団はマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)、ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ベン・スウィフト(イギリス、UAEチームエミレーツ)の順で通過していく。その後の4級山岳で競り合ったポリッツとブラウンは、そのまま2人で競り合いながら続く3級山岳に突入。身長192cm/体重80kgという大柄なポリッツが連取を狙ったが、身長182cm/体重65kgのブラウンが軽快なダンシングで先行してキャノンデール・ドラパックとして山岳賞のリードを守っている。
再び6名に戻った逃げグループに対し、タイム差が1分まで縮まった残り60km地点でメイン集団からトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)、ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)がカウンターアタック。追走3名はすぐさま先頭6名に追いつき、そこからデヘント、カルメジャーヌ、ペリション、アルディが先行を開始した。
フレッシュな逃げグループが新たに形成されたためメイン集団は本格的に追撃を開始。やがて先頭では残り20km地点でカルメジャーヌが独走に持ち込んだが、向かい風に押し戻されてペースが上がらない。スプリンターチームと総合系チームが入り乱れながら激しく位置取りするメイン集団は残り10kmアーチ通過後にカルメジャーヌを飲み込んだ。
クイックステップフロアーズやBMCレーシングが集団先頭を陣取って3級山岳コート・デ・ルリジューズへ。最大勾配11%の登りで集団は割れ、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)がハイペースを刻んだままフラムルージュを通過するとリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)がアタックを仕掛けた。
付き位置のアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)を引き離してしまうほどの加速を見せたポートに反応したのはアルカンシェルのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)。周りの様子を伺いながら残り400mでポートを抜いて先頭に立ったサガンは、そのまま後ろを振り返りながら残り250mでスプリントを開始した。
得意の登りスプリントでリードを築いたサガンだったが、ビンディングペダルからクリートが外れて失速してしまう。すぐさまペダルをキャッチして加速を再開したサガンを、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)やダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)、そしてマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)が追撃。サガンはリードを失いながらも先頭を守りきり、2位マシューズと3位マーティンを振り切った。
「終盤にかけて集団内はかなりナーバスな状態だった。向かい風やテクニカルなセクションが多くて難しいタスクだったにもかかわらず、チームは最高の仕事をやり遂げてくれた」。今大会1勝目を飾ったサガンはインタビューでまず最初にチームメイトの働きに感謝した。
「残り800mでアタックして距離を広げたリッチー(ポート)に反応すると、残り400mで早くも先頭に出てしまった。『なんてこった、いくらなんでもこれは早すぎる』と嘆きながらしばらくタイミングを待ってからスプリントを開始すると今度はビンディングが外れてしまった。『今日はどれだけついてないんだ?』と思ったよ。最終的にマシューズに追い抜かれそうになったけどなんとか先頭を守り抜いた」。2012年から5年連続でマイヨヴェールを獲得しているサガンが自身8度目のステージ優勝。ポイント賞でも3位に浮上している。
サガンと2秒差のステージ8位でフィニッシュしたトーマスはマイヨジョーヌをキープ。「逃げグループに3名が追いついてからはメイン集団のペースがかなり上がり、極めてヘクティック(大忙し)な1日だった。最後は後方からの登坂になってしまったけど、クウィアトコウスキーがうまく自分とフルーミーを導いてくれたんだ。今日のような危険なステージを無傷で乗りきったことを嬉しく思う」。表彰台でマイヨジョーヌと2体目のライオンのぬいぐるみを受け取ったトーマスはそうコメント。総合上位からピュアスプリンターが姿を消し、チームスカイが総合ワンツー体制を築いている。
ベルギーからルクセンブルクを経由してフランスに向かう第3ステージはまるでアルデンヌクラシック。3カ国をまたぐ212.5kmの大半は丘陵地帯であり、アップダウンが連続するためピュアスプリンター向きではない。合計5つのカテゴリー山岳が設定されており、最後はロンウィの3級山岳コート・デ・ルリジューズ(全長1.6km/高低差93m/平均5.8%)を駆け上がってフィニッシュを迎える。
スタートが切られてすぐファーストアタックを仕掛けたのはトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)とフレデリック・バカールト(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)の2人。地元ベルギー勢がアタック合戦を繰り広げ、そこからニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)とアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)、ロメン・アルディ(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)が逃げ出すことに成功する。
先頭3名にバカールトとネイサン・ブラウン(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)、ロメン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー)が追いついたところでメイン集団はスローダウン。先頭では6名の逃げグループが形成され、テイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)のマイヨアポワを守る立場のブラウンを先頭に最初の4級山岳をクリアした。
総合41秒遅れのポリッツと総合50秒遅れのシカールを含み、さらに過去にグランツールで2度逃げ切りを果たしているハンセンが乗った逃げグループをメイン集団は警戒した。212.5kmという長丁場にもかかわらずボーラ・ハンスグローエやクイックステップフロアーズの集団牽引によってタイム差は2分前後で推移する。
89km地点のスプリントポイントを先頭通過したのはポリッツで、1分50秒遅れのメイン集団はマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)、ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ベン・スウィフト(イギリス、UAEチームエミレーツ)の順で通過していく。その後の4級山岳で競り合ったポリッツとブラウンは、そのまま2人で競り合いながら続く3級山岳に突入。身長192cm/体重80kgという大柄なポリッツが連取を狙ったが、身長182cm/体重65kgのブラウンが軽快なダンシングで先行してキャノンデール・ドラパックとして山岳賞のリードを守っている。
再び6名に戻った逃げグループに対し、タイム差が1分まで縮まった残り60km地点でメイン集団からトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)、ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)がカウンターアタック。追走3名はすぐさま先頭6名に追いつき、そこからデヘント、カルメジャーヌ、ペリション、アルディが先行を開始した。
フレッシュな逃げグループが新たに形成されたためメイン集団は本格的に追撃を開始。やがて先頭では残り20km地点でカルメジャーヌが独走に持ち込んだが、向かい風に押し戻されてペースが上がらない。スプリンターチームと総合系チームが入り乱れながら激しく位置取りするメイン集団は残り10kmアーチ通過後にカルメジャーヌを飲み込んだ。
クイックステップフロアーズやBMCレーシングが集団先頭を陣取って3級山岳コート・デ・ルリジューズへ。最大勾配11%の登りで集団は割れ、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)がハイペースを刻んだままフラムルージュを通過するとリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)がアタックを仕掛けた。
付き位置のアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)を引き離してしまうほどの加速を見せたポートに反応したのはアルカンシェルのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)。周りの様子を伺いながら残り400mでポートを抜いて先頭に立ったサガンは、そのまま後ろを振り返りながら残り250mでスプリントを開始した。
得意の登りスプリントでリードを築いたサガンだったが、ビンディングペダルからクリートが外れて失速してしまう。すぐさまペダルをキャッチして加速を再開したサガンを、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)やダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)、そしてマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)が追撃。サガンはリードを失いながらも先頭を守りきり、2位マシューズと3位マーティンを振り切った。
「終盤にかけて集団内はかなりナーバスな状態だった。向かい風やテクニカルなセクションが多くて難しいタスクだったにもかかわらず、チームは最高の仕事をやり遂げてくれた」。今大会1勝目を飾ったサガンはインタビューでまず最初にチームメイトの働きに感謝した。
「残り800mでアタックして距離を広げたリッチー(ポート)に反応すると、残り400mで早くも先頭に出てしまった。『なんてこった、いくらなんでもこれは早すぎる』と嘆きながらしばらくタイミングを待ってからスプリントを開始すると今度はビンディングが外れてしまった。『今日はどれだけついてないんだ?』と思ったよ。最終的にマシューズに追い抜かれそうになったけどなんとか先頭を守り抜いた」。2012年から5年連続でマイヨヴェールを獲得しているサガンが自身8度目のステージ優勝。ポイント賞でも3位に浮上している。
サガンと2秒差のステージ8位でフィニッシュしたトーマスはマイヨジョーヌをキープ。「逃げグループに3名が追いついてからはメイン集団のペースがかなり上がり、極めてヘクティック(大忙し)な1日だった。最後は後方からの登坂になってしまったけど、クウィアトコウスキーがうまく自分とフルーミーを導いてくれたんだ。今日のような危険なステージを無傷で乗りきったことを嬉しく思う」。表彰台でマイヨジョーヌと2体目のライオンのぬいぐるみを受け取ったトーマスはそうコメント。総合上位からピュアスプリンターが姿を消し、チームスカイが総合ワンツー体制を築いている。
H3
ツール・ド・フランス2017第3ステージ結果
ステージ成績
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 5:07:19 |
2位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | |
3位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) | |
4位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | |
5位 | アルベルト・ベッティオール(イタリア、キャノンデール・ドラパック) | 0:02 |
6位 | アルノー・デマール(フランス、エフデジ) | |
7位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | |
8位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | |
9位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | |
10位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
80位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) | 01:37 |
敢闘賞 | リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 10:00:31 |
2位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 0:12 |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | |
4位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:13 |
5位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | 0:16 |
6位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:25 |
7位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | 0:30 |
8位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 0:32 |
9位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) | |
10位 | ニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ) | 0:34 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | 66pts |
2位 | アルノー・デマール(フランス、エフデジ) | 57pts |
3位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 50pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | ネイサン・ブラウン(アメリカ、キャノンデール・ドラパック) | 3pts |
2位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 2pts |
3位 | テイラー・フィニー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック) | 2pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | 10:00:56 |
2位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:12 |
3位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 0:13 |
チーム総合成績
1位 | チームスカイ | 6:01:52 |
2位 | クイックステップフロアーズ | 1:01 |
3位 | モビスター | 1:16 |
フォトギャラリー
Amazon.co.jp