2017/05/29(月) - 12:12
5月28日(日)に富士見パノラマリゾートで開催されたクップ・ドゥ・ジャポンのクロスカントリーオリンピック第5戦。1時間50分近くに及んだ長時間レースを弱虫ペダルの前田公平が制した。びわこ高島、勢和多気国際と続き3連勝で、同会場で開催される全日本選手権に弾みをつけた。
クップ・ドゥ・ジャポン第5戦の舞台は、MTBのメッカたる長野県諏訪郡富士見町にあるスキー場、富士見パノラマリゾートにて開催された。スキーのゲレンデに設けられたコースは、絶えずアップダウンを繰り返すレイアウトとなっており平坦区間はごく僅か。砂利区間やロックセクション、林間のシングルトラック、ダートジャンプセクションが盛り込まれたコースの1周距離は4300mだ。
この日の最高気温は21℃。木陰は冷えた空気に包まれ、時折吹く風も心地良さを感じるほど冷たく、観客にとっては過ごしやすい1日となった。一方日を遮るものの無いゲレンデは蒸し暑く。選手たちは熱気に苦しめられることに。
午後1時45分、8周回で争われる男子エリートのレースの号砲が鳴り、80名の選手たちがゲレンデに飛び出した。ホールショットを決め最初のヒルクライムを先頭でクリアしたのは、CJシリーズ第1戦で優勝を果たした平林安里(スペシャライズドレーシング・ジャパン)だ。
林間セクションのダウンヒルとヒルクライムを経て、ゲレンデの中腹に戻る頃には前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)が平林を捉える。すぐ後ろには恩田祐一(ミヤタ・メリダバイキングチーム)、その5秒後方に恩田のチームメイト山田将輝と小坂光、ブリヂストンアンカーの沢田時、平野星矢という4人のパックが続いた。
1周回終了時には先頭2人に恩田がジョインし、3名の先頭パックを形成する。後続4名パックでは平野のペースアップによって山田が脱落し、2周目の最終盤に沢田がチェーン落ちのトラブルに見舞われ、パックから脱落。それぞれ単独追走を強いられることに。
3周目、平野が先頭に追いつくものの、力強く踏み進める先頭パックから再びこぼれてしまう。また、ここまでパワフルな走りを見せていた平林も先頭から脱落し、サバイバルレースの様相を呈してくる。レース中盤は前田・恩田パック、単独追走を成功させ、そのまま3番手につけた沢田、平野という並びで数周回を消化した。
6周目に先頭のレースが動く。「序盤に仕掛けてみても崩れる様子がなかったので、後半勝負と決めていました。周りの様子を観察し、アタックどころを探っていました」と語る前田が、コース最高地点に至るヒルクライムで攻撃を仕掛け、恩田を突き放す。
CJシリーズの第3戦びわこ高島、第4戦勢和多気で優勝し、調子を上げている前田は勢い衰えるところを知らず、恩田に追いつかれること無く単独でフィニッシュ。CJシリーズ3連勝を決めた。2位は恩田、3位には沢田が入った。この日の優勝タイムは1時間49分32秒、フルラップで完走したのは19名のみだった。
優勝した前田は「長丁場のレースでしたが、最後までしっかりと走れたので、全日本への自信になりました」と語り、2ヶ月後に同会場で開催される全日本選手権を見据える。2位の恩田は「今日は前田選手が強かった。若手が活躍することでベテランも奮起するので、少しずつ全員が強くなるいい流れになっていると思います」とコメントする。
トラブルに見舞われながらもパワフルな走りで表彰台を勝ち取った沢田は「チェーン落ちで追走を強いられてしまいましたが、コンディションは上り調子なので落ち込んではいないです。全日本に向けてまたトレーニングに励みたいです」と語った。
また、この日の午前中に行われた男子マスターズは、久々のMTBレース出場となった竹谷賢二(スペシャライズドレーシング・ジャパン)が終始単独走行で優勝。女子エリートは今井美穂(チーム・スコット)が今季2勝目を挙げた。
Coupe du Japon 第5戦 富士見パノラマ 結果
男子エリート
1位 前田公平 (弱虫ペダルサイクリングチーム) 1h49'32"
2位 恩田祐一(ミヤタ・メリダバイキングチーム) +1'12"
3位 沢田時(ブリヂストンアンカー) +2'21"
4位 平野星矢(ブリヂストンアンカー) +3'12"
5位 小坂光(ミヤタ・メリダバイキングチーム) +3'56"
6位 宮津旭(パックスプロジェクト) +4'22"
7位 山田将輝(ミヤタ・メリダバイキングチーム) +4'42"
8位 門田基志(チーム・ジャイアント) +5'07"
9位 上野蓮(マサヤ・ヤングライダース) +5'15"
10位 小野寺健(ドゥロワーザレーシング) +7'19"
女子エリート
1位 今井美穂(チーム・スコット) 1h26'57"
2位 小林可奈子(MTBクラブ安曇野) +36"
3位 武田和佳(Liv) +3'35"
男子マスターズ
1位 竹谷賢二(スペシャライズドレーシング・ジャパン) 1h13'59"
2位 品川真寛(チーム・ユーキャン) +2'00"
3位 斎藤朋寛(ライドライフ・ジャイアント) +2'47"
text&photo:Gakuto.Fujiwara
クップ・ドゥ・ジャポン第5戦の舞台は、MTBのメッカたる長野県諏訪郡富士見町にあるスキー場、富士見パノラマリゾートにて開催された。スキーのゲレンデに設けられたコースは、絶えずアップダウンを繰り返すレイアウトとなっており平坦区間はごく僅か。砂利区間やロックセクション、林間のシングルトラック、ダートジャンプセクションが盛り込まれたコースの1周距離は4300mだ。
この日の最高気温は21℃。木陰は冷えた空気に包まれ、時折吹く風も心地良さを感じるほど冷たく、観客にとっては過ごしやすい1日となった。一方日を遮るものの無いゲレンデは蒸し暑く。選手たちは熱気に苦しめられることに。
午後1時45分、8周回で争われる男子エリートのレースの号砲が鳴り、80名の選手たちがゲレンデに飛び出した。ホールショットを決め最初のヒルクライムを先頭でクリアしたのは、CJシリーズ第1戦で優勝を果たした平林安里(スペシャライズドレーシング・ジャパン)だ。
林間セクションのダウンヒルとヒルクライムを経て、ゲレンデの中腹に戻る頃には前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)が平林を捉える。すぐ後ろには恩田祐一(ミヤタ・メリダバイキングチーム)、その5秒後方に恩田のチームメイト山田将輝と小坂光、ブリヂストンアンカーの沢田時、平野星矢という4人のパックが続いた。
1周回終了時には先頭2人に恩田がジョインし、3名の先頭パックを形成する。後続4名パックでは平野のペースアップによって山田が脱落し、2周目の最終盤に沢田がチェーン落ちのトラブルに見舞われ、パックから脱落。それぞれ単独追走を強いられることに。
3周目、平野が先頭に追いつくものの、力強く踏み進める先頭パックから再びこぼれてしまう。また、ここまでパワフルな走りを見せていた平林も先頭から脱落し、サバイバルレースの様相を呈してくる。レース中盤は前田・恩田パック、単独追走を成功させ、そのまま3番手につけた沢田、平野という並びで数周回を消化した。
6周目に先頭のレースが動く。「序盤に仕掛けてみても崩れる様子がなかったので、後半勝負と決めていました。周りの様子を観察し、アタックどころを探っていました」と語る前田が、コース最高地点に至るヒルクライムで攻撃を仕掛け、恩田を突き放す。
CJシリーズの第3戦びわこ高島、第4戦勢和多気で優勝し、調子を上げている前田は勢い衰えるところを知らず、恩田に追いつかれること無く単独でフィニッシュ。CJシリーズ3連勝を決めた。2位は恩田、3位には沢田が入った。この日の優勝タイムは1時間49分32秒、フルラップで完走したのは19名のみだった。
優勝した前田は「長丁場のレースでしたが、最後までしっかりと走れたので、全日本への自信になりました」と語り、2ヶ月後に同会場で開催される全日本選手権を見据える。2位の恩田は「今日は前田選手が強かった。若手が活躍することでベテランも奮起するので、少しずつ全員が強くなるいい流れになっていると思います」とコメントする。
トラブルに見舞われながらもパワフルな走りで表彰台を勝ち取った沢田は「チェーン落ちで追走を強いられてしまいましたが、コンディションは上り調子なので落ち込んではいないです。全日本に向けてまたトレーニングに励みたいです」と語った。
また、この日の午前中に行われた男子マスターズは、久々のMTBレース出場となった竹谷賢二(スペシャライズドレーシング・ジャパン)が終始単独走行で優勝。女子エリートは今井美穂(チーム・スコット)が今季2勝目を挙げた。
Coupe du Japon 第5戦 富士見パノラマ 結果
男子エリート
1位 前田公平 (弱虫ペダルサイクリングチーム) 1h49'32"
2位 恩田祐一(ミヤタ・メリダバイキングチーム) +1'12"
3位 沢田時(ブリヂストンアンカー) +2'21"
4位 平野星矢(ブリヂストンアンカー) +3'12"
5位 小坂光(ミヤタ・メリダバイキングチーム) +3'56"
6位 宮津旭(パックスプロジェクト) +4'22"
7位 山田将輝(ミヤタ・メリダバイキングチーム) +4'42"
8位 門田基志(チーム・ジャイアント) +5'07"
9位 上野蓮(マサヤ・ヤングライダース) +5'15"
10位 小野寺健(ドゥロワーザレーシング) +7'19"
女子エリート
1位 今井美穂(チーム・スコット) 1h26'57"
2位 小林可奈子(MTBクラブ安曇野) +36"
3位 武田和佳(Liv) +3'35"
男子マスターズ
1位 竹谷賢二(スペシャライズドレーシング・ジャパン) 1h13'59"
2位 品川真寛(チーム・ユーキャン) +2'00"
3位 斎藤朋寛(ライドライフ・ジャイアント) +2'47"
text&photo:Gakuto.Fujiwara
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