2017/05/22(月) - 15:00
UCI MTBワールドカップクロスカントリー第1戦で、圧倒的な走りを披露したニノ・シューター(スコット・スラムレーシング)が勝利。女子エリートでもアニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング)が勝利し、男女エリートで共にアルカンシエルが表彰台中央に上がった。
ウインターシーズンはスキーリゾートとして、MTBファンにとっては昨年の世界選手権開催地として知られるチェコ、ノヴェームニェストで2017シーズンのUCI、MTBワールドカップクロスカントリーが開幕。長い登り、ダイナミックかつハイスピードのダウンヒル、激しいロックセクションが組み合わせたコースには大観衆が詰めかけ、地元のスター、ヤロスラフ・クルハヴィー(スペシャライズドレーシング)らの走りを後押しした。
落車リタイアも発生する混沌としたスタートでは、絶対王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムレーシング)やトーマス・リシャール(スイス、JBブルネクス・フェルト)が好スタートを切る。この2名が抜け出す形でスタートループを消化すると、やがて自力に勝るシューターが抜け出した。
シューターが独走に持ち込むかと思いきや、2位グループからはダビ・ヴァレロ(スペイン、MMRファクトリーレーシング)が合流。2人はハイペースを刻み、ヨーロッパ王者ジュリアン・アブサロン(フランス、BMC・MTBレーシング)や、キャノンデールからビアンキに移籍したマルコアウレリオ・フォンタナ(イタリア)らが含まれた後続グループを引き離していった。
後続を1分半以上引き離したシューターとヴァレロだったが、アップダウンを問わずハイテンポを刻み続ける世界王者が終盤に入って徐々にヴァレロとの距離を引き離し、独走態勢に持ち込んでみせる。「自分でも驚くくらい好調だったが、一度ニノと距離を空けてしまった後は追走不可能だった」とヴァレロに言わしめる走りでアルカンシエルが飛翔。力強い走りを崩さずフィニッシュまで到達し、ワールドカップ21勝目、ことW杯チェコに関してはここ7年で5勝目という相性を見せつけた。
「今日は自分に自信があった。コンディションも仕上がっていたし、コースも数あるW杯サーキット中最も好きな場所。ヴァレロのアタックには苦しめられたが、再びここで勝つことができて嬉しい」と、より一層無敵さをアピールしたシューターは語る。
またこの日、前シクロクロス世界王者で90番手スタートだったマテュー・ヴァンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が全体のファステストラップを刻む走りで2分51秒遅れの8位に入り、そのポテンシャルを見せつけることに。地元の威信を背負い走ったクルハヴィーは不調に見舞われ55位。また4月初頭のUCIレースで13位に入るなどしていた山本幸平(BHサンツアーKMC)は、マイナス2ラップの91位に沈んだ。
土曜日に開催された女子エリートでは、序盤からXCエリミーネーター世界王者の経歴を持つリンダ・インダーガンド(スイス、フォーカスXCチーム)が飛ばしたものの、世界王者アニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング)がすぐにキャッチ。ここから後続を一切寄せ付けない走りでアルカンシエルが逃げ切った。
2位には現ドイツ王者で、過去にクロスカントリーとマラソンの世界王者、北京五輪で金メダルに輝いている45歳のザビーネ・シュピッツ(ドイツ、ウィアウィスプロチーム)がサプライズ入賞し、衰えることの無い実力をアピール。3位には序盤からプッシュを続けたインダーガンドが滑り込んだ。
UCI MTBワールドカップ2017第1戦
男子エリート結果
1位 ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムレーシング) 1h27’35”
2位 ダビ・ヴァレロ(スペイン、MMRファクトリーレーシング) +26”
3位 ジュリアン・アブサロン(フランス、BMC・MTBレーシング) +1’46”
4位 マキシム・マロット(フランス、キャノンデールファクトリーレーシング) +1’51”
5位 ヨルダン・サルー(フランス、BHサンツアーKMC) +1’59”
6位 ステファン・テンピエール(フランス、ビアンキ・カウンターヴェイル) +2’09”
7位 ティトゥアン・カロッド(フランス、BMC・MTBレーシング) +2’41”
8位 マテュー・ヴァンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) +2’51”
9位 アントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシング)
10位 マルコアウレリオ・フォンタナ(イタリア、ビアンキ・カウンターヴェイル)
女子エリート
1位 アニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング) 1h28’45”
2位 ザビーネ・シュピッツ(ドイツ、ウィアウィスプロチーム) +56”
3位 リンダ・インダーガンド(スイス、フォーカスXCチーム) +1’19”
4位 マーヤ・ブロジェゾフスカ(ポーランド、クロスレーシングチーム) +1’23”
5位 ヤナ・ベロモイナ(ウクライナ、CSTサンド・アメリカンイーグル)
6位 アデルへイド・モラース(ドイツ) +1’43”
7位 ヘレン・グロベルト(ドイツ、キャノンデールファクトリーレーシング) +2’17”
8位 レベッカ・ヘンダーソン(オーストラリア) +2’29”
9位 バーバラ・ベンコ(ハンガリー、フォーカスXCチーム) +2’39”
10位 アニー・ラスト(OMXプロチーム)
text:So.Isobe
ウインターシーズンはスキーリゾートとして、MTBファンにとっては昨年の世界選手権開催地として知られるチェコ、ノヴェームニェストで2017シーズンのUCI、MTBワールドカップクロスカントリーが開幕。長い登り、ダイナミックかつハイスピードのダウンヒル、激しいロックセクションが組み合わせたコースには大観衆が詰めかけ、地元のスター、ヤロスラフ・クルハヴィー(スペシャライズドレーシング)らの走りを後押しした。
落車リタイアも発生する混沌としたスタートでは、絶対王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムレーシング)やトーマス・リシャール(スイス、JBブルネクス・フェルト)が好スタートを切る。この2名が抜け出す形でスタートループを消化すると、やがて自力に勝るシューターが抜け出した。
シューターが独走に持ち込むかと思いきや、2位グループからはダビ・ヴァレロ(スペイン、MMRファクトリーレーシング)が合流。2人はハイペースを刻み、ヨーロッパ王者ジュリアン・アブサロン(フランス、BMC・MTBレーシング)や、キャノンデールからビアンキに移籍したマルコアウレリオ・フォンタナ(イタリア)らが含まれた後続グループを引き離していった。
後続を1分半以上引き離したシューターとヴァレロだったが、アップダウンを問わずハイテンポを刻み続ける世界王者が終盤に入って徐々にヴァレロとの距離を引き離し、独走態勢に持ち込んでみせる。「自分でも驚くくらい好調だったが、一度ニノと距離を空けてしまった後は追走不可能だった」とヴァレロに言わしめる走りでアルカンシエルが飛翔。力強い走りを崩さずフィニッシュまで到達し、ワールドカップ21勝目、ことW杯チェコに関してはここ7年で5勝目という相性を見せつけた。
「今日は自分に自信があった。コンディションも仕上がっていたし、コースも数あるW杯サーキット中最も好きな場所。ヴァレロのアタックには苦しめられたが、再びここで勝つことができて嬉しい」と、より一層無敵さをアピールしたシューターは語る。
またこの日、前シクロクロス世界王者で90番手スタートだったマテュー・ヴァンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が全体のファステストラップを刻む走りで2分51秒遅れの8位に入り、そのポテンシャルを見せつけることに。地元の威信を背負い走ったクルハヴィーは不調に見舞われ55位。また4月初頭のUCIレースで13位に入るなどしていた山本幸平(BHサンツアーKMC)は、マイナス2ラップの91位に沈んだ。
土曜日に開催された女子エリートでは、序盤からXCエリミーネーター世界王者の経歴を持つリンダ・インダーガンド(スイス、フォーカスXCチーム)が飛ばしたものの、世界王者アニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング)がすぐにキャッチ。ここから後続を一切寄せ付けない走りでアルカンシエルが逃げ切った。
2位には現ドイツ王者で、過去にクロスカントリーとマラソンの世界王者、北京五輪で金メダルに輝いている45歳のザビーネ・シュピッツ(ドイツ、ウィアウィスプロチーム)がサプライズ入賞し、衰えることの無い実力をアピール。3位には序盤からプッシュを続けたインダーガンドが滑り込んだ。
UCI MTBワールドカップ2017第1戦
男子エリート結果
1位 ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムレーシング) 1h27’35”
2位 ダビ・ヴァレロ(スペイン、MMRファクトリーレーシング) +26”
3位 ジュリアン・アブサロン(フランス、BMC・MTBレーシング) +1’46”
4位 マキシム・マロット(フランス、キャノンデールファクトリーレーシング) +1’51”
5位 ヨルダン・サルー(フランス、BHサンツアーKMC) +1’59”
6位 ステファン・テンピエール(フランス、ビアンキ・カウンターヴェイル) +2’09”
7位 ティトゥアン・カロッド(フランス、BMC・MTBレーシング) +2’41”
8位 マテュー・ヴァンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) +2’51”
9位 アントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシング)
10位 マルコアウレリオ・フォンタナ(イタリア、ビアンキ・カウンターヴェイル)
女子エリート
1位 アニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング) 1h28’45”
2位 ザビーネ・シュピッツ(ドイツ、ウィアウィスプロチーム) +56”
3位 リンダ・インダーガンド(スイス、フォーカスXCチーム) +1’19”
4位 マーヤ・ブロジェゾフスカ(ポーランド、クロスレーシングチーム) +1’23”
5位 ヤナ・ベロモイナ(ウクライナ、CSTサンド・アメリカンイーグル)
6位 アデルへイド・モラース(ドイツ) +1’43”
7位 ヘレン・グロベルト(ドイツ、キャノンデールファクトリーレーシング) +2’17”
8位 レベッカ・ヘンダーソン(オーストラリア) +2’29”
9位 バーバラ・ベンコ(ハンガリー、フォーカスXCチーム) +2’39”
10位 アニー・ラスト(OMXプロチーム)
text:So.Isobe
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