2017/04/18(火) - 09:14
ヘルメットのみならず、シューズメーカーとしても高い評価を受けるアメリカンブランド、ジロ。フィッティングシステムにシューレースとベルクロ、BOAクロージャーの3つを併用した話題のハイエンドロードシューズ「FACTOR TECHLACE」をインプレッションした。
ジロが2013年にリリースしたロードシューズ「EMPIRE(エンパイア)」によって、フィッティングシステムとして再度注目を集めることとなったシューレース(靴ひも)。他の機構にはないフィット感の高さや、軽量性といった機能面に加え、そのスタイリッシュな見た目でも人気を集め、この2~3年で多くのブランドがシューレース仕様のロードシューズをリリースしているのはご存知のとおりだ。
しかしシューレースはどうしても、ダイヤルクロージャー式のフィッティングシステムに比べ着用時間を要し、手軽に締め付け感を調整できない等の問題があった。それらを解決すべく、ジロが新たに生み出したフィッティングシステム「TECHLACE」と、従来のBOAクロージャーをともに搭載したハイエンドロードシューズが「FACTOR TECHLACE(ファクター テックレース)」だ。サポートを受けるリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)はこのシューズを使用し、早速今シーズンのツアー・ダウンアンダーで総合優勝に輝いている。
TECHLACEシステムとは、シューレースの末端をベルクロと接合させることで、レースの伸びによる心地良いフィット感はそのままに、ベルクロを引っ張るだけで締め付けが可能となり、扱いやすさも両立した画期的な機構のこと。シューレースは交換可能で、かつ紐のカラーも選べるためEMPIREシリーズ同様にカスタマイズ性も高い。
このFACTOR TECHLACEシューズでは2つのTECHLACEを配すことで足先をしなやかに包み込み、足首側にはBOAのIP1ダイアルクロージャーを装備し、締込も開放も1mm単位で調整できる直感的な操作が可能だ。
アッパー素材には、軽量ながら頑丈で、通気性にも優れるテイジン製マイクロファイバー「Premium Evofiber SL」を採用。極力縫い合わせを減らしたワンピース構造であり、サイド部分には随所にパンチング加工が施されている。タン部分も薄く成形され足の甲への圧迫感をなくすとともに、割りが入れられた形状によりフィット感を高めている。
アウトソールはイーストン社のEC90 SLX2カーボンを使用し、プロレベルのペダリングパワーを余すことなく伝達する高剛性を獲得。中空構造とすることで軽量化しつつ、スタックハイトをより小さくすることでダイレクトな踏み心地も実現しているという。
SuperNatural Fit Kitと名付けられたインソールには3種類のアーチサポートが付属。足型に合わせて交換することでフィット感をさらに高めることが可能となる。なお、素材はヘルメットにも多く使用され、実績のある抗菌仕様のX-Staticだ。
非常に軽量にできており、重量は片側210g(サイズ42.5)。デザイン性も機能性も両立したジロの新作シューズを、今回は普段からこのシューズを愛用しているサイクルショップフリーダムの店長、恒次智さんにインプレッションして頂いた。
ー インプレッション
「アッパーのしなやかさは抜群。ずっと使っていたかのような履き心地」
恒次智(サイクルショップフリーダム)
アッパーのしなやかな質感が抜群に良いですね。素材自体も薄く軽いため柔らかく足を包み込んでくれるフィット感が特徴で、初めて履いた際もまるで長年使ってきたかのような足馴染みでした。これまで熱成形で足に合わせるシューズもいくつか使用してきましたが、個人的にはそれら以上にフィットするシューズだと思います。
アッパー素材同様、ジロが得意とするシューレースによる締め付けがこの心地よいフィット感を生み出していると感じます。ガチガチに締め付けず、足先に程よく遊びが生まれることで窮屈に感じない優しい履き心地になりますし、アッパーのしなやかな素材感が活きる機構だと思います。シューレースといっても、ベルクロ式になっているので紐靴のように一回一回解いたり締めたりという煩わしさがないのも使い勝手がいいですね。
近年ヒール部分を細めに作ってかかとのホールドを強めるシューズが増えましたが、FACTOR TECHLACEはEMPIREシリーズ同様自然な広さになっているので、そういった面でも窮屈さが無いのでしょう。
BOAクロージャーは、シューレースとのフィット感の差が生まれることもなく違和感のない使用感で、くるぶし側をしっかりホールドしてくれるため、安定したペダリングに繋がる部分です。まさに、2つのフィッティングシステムの良いとこ取りと言えば良いでしょうか。
脱ぎ着の面を考えると一発でリリースできるBOAダイヤルシューズの方が楽かもしれませんが、シューレースを採用することで軽さにおいても有利ですし、より素足に近い軽やかな足運びが可能となります。ソールは硬めですが、個人的に柔らかいタイプは苦手ですし、足裏が疲れてしまうような嫌な硬さでもありません。
付属するインソールは土踏まずのサポートを調整できるので重宝しています。当初は普段から使用している別のインソールに交換する予定でしたが、その必要を感じないほどで、インソールのクオリティも高いと感じましたね。
私は普段ロードシューズは42サイズを選択することが多いのですが、このシューズは今回43サイズがベストフィットでした。アッパー素材が伸びるからかもしれませんが、他のシューズとは多少サイズ感が異なっているので店頭にて試し履きをしてから購入することをおすすめします。これだけフィット感の良いシューズですので、適切なサイズで履き、その性能を十分に感じて欲しいと思います。
ジロ FACTOR TECHLACE
アッパー:Premium Evofiber SL
フィッティングシステム:TECHLACE / BOA IP1 ダイアル
アウトソール:イーストン EC90 SLX2 HMカーボン(交換式ヒールパッド)
インソール:SuperNatural Fit Kit(調整式アーチサポート付き)
付属品:シューズバッグ
サイズ:39~46(ハーフサイズあり)
重 量:210g(サイズ42.5)
カラー:Vermillion/Black、White/Black、Black
価 格:39,800円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
恒次智(サイクルショップフリーダム)
岡山県岡山市に店舗を構えるサイクルショップフリーダムの店長。速さやスタイルに囚われることなく自由に自転車を楽しむのがショップのコンセプト。MTBから自転車を始め、クロスカントリーレースやロードの実業団レース等にも参加、自転車歴は20年以上。最近はツーリングやトレイルライドにも力を入れる。愛車はキャノンデールのSUPERSIX EVO HI-MOD。そしてホンダS2000やロータスエリーゼ エキシージなどなど。
CWレコメンドショップページ
サイクルショップフリーダムHP
ジロが2013年にリリースしたロードシューズ「EMPIRE(エンパイア)」によって、フィッティングシステムとして再度注目を集めることとなったシューレース(靴ひも)。他の機構にはないフィット感の高さや、軽量性といった機能面に加え、そのスタイリッシュな見た目でも人気を集め、この2~3年で多くのブランドがシューレース仕様のロードシューズをリリースしているのはご存知のとおりだ。
しかしシューレースはどうしても、ダイヤルクロージャー式のフィッティングシステムに比べ着用時間を要し、手軽に締め付け感を調整できない等の問題があった。それらを解決すべく、ジロが新たに生み出したフィッティングシステム「TECHLACE」と、従来のBOAクロージャーをともに搭載したハイエンドロードシューズが「FACTOR TECHLACE(ファクター テックレース)」だ。サポートを受けるリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)はこのシューズを使用し、早速今シーズンのツアー・ダウンアンダーで総合優勝に輝いている。
TECHLACEシステムとは、シューレースの末端をベルクロと接合させることで、レースの伸びによる心地良いフィット感はそのままに、ベルクロを引っ張るだけで締め付けが可能となり、扱いやすさも両立した画期的な機構のこと。シューレースは交換可能で、かつ紐のカラーも選べるためEMPIREシリーズ同様にカスタマイズ性も高い。
このFACTOR TECHLACEシューズでは2つのTECHLACEを配すことで足先をしなやかに包み込み、足首側にはBOAのIP1ダイアルクロージャーを装備し、締込も開放も1mm単位で調整できる直感的な操作が可能だ。
アッパー素材には、軽量ながら頑丈で、通気性にも優れるテイジン製マイクロファイバー「Premium Evofiber SL」を採用。極力縫い合わせを減らしたワンピース構造であり、サイド部分には随所にパンチング加工が施されている。タン部分も薄く成形され足の甲への圧迫感をなくすとともに、割りが入れられた形状によりフィット感を高めている。
アウトソールはイーストン社のEC90 SLX2カーボンを使用し、プロレベルのペダリングパワーを余すことなく伝達する高剛性を獲得。中空構造とすることで軽量化しつつ、スタックハイトをより小さくすることでダイレクトな踏み心地も実現しているという。
SuperNatural Fit Kitと名付けられたインソールには3種類のアーチサポートが付属。足型に合わせて交換することでフィット感をさらに高めることが可能となる。なお、素材はヘルメットにも多く使用され、実績のある抗菌仕様のX-Staticだ。
非常に軽量にできており、重量は片側210g(サイズ42.5)。デザイン性も機能性も両立したジロの新作シューズを、今回は普段からこのシューズを愛用しているサイクルショップフリーダムの店長、恒次智さんにインプレッションして頂いた。
ー インプレッション
「アッパーのしなやかさは抜群。ずっと使っていたかのような履き心地」
恒次智(サイクルショップフリーダム)
アッパーのしなやかな質感が抜群に良いですね。素材自体も薄く軽いため柔らかく足を包み込んでくれるフィット感が特徴で、初めて履いた際もまるで長年使ってきたかのような足馴染みでした。これまで熱成形で足に合わせるシューズもいくつか使用してきましたが、個人的にはそれら以上にフィットするシューズだと思います。
アッパー素材同様、ジロが得意とするシューレースによる締め付けがこの心地よいフィット感を生み出していると感じます。ガチガチに締め付けず、足先に程よく遊びが生まれることで窮屈に感じない優しい履き心地になりますし、アッパーのしなやかな素材感が活きる機構だと思います。シューレースといっても、ベルクロ式になっているので紐靴のように一回一回解いたり締めたりという煩わしさがないのも使い勝手がいいですね。
近年ヒール部分を細めに作ってかかとのホールドを強めるシューズが増えましたが、FACTOR TECHLACEはEMPIREシリーズ同様自然な広さになっているので、そういった面でも窮屈さが無いのでしょう。
BOAクロージャーは、シューレースとのフィット感の差が生まれることもなく違和感のない使用感で、くるぶし側をしっかりホールドしてくれるため、安定したペダリングに繋がる部分です。まさに、2つのフィッティングシステムの良いとこ取りと言えば良いでしょうか。
脱ぎ着の面を考えると一発でリリースできるBOAダイヤルシューズの方が楽かもしれませんが、シューレースを採用することで軽さにおいても有利ですし、より素足に近い軽やかな足運びが可能となります。ソールは硬めですが、個人的に柔らかいタイプは苦手ですし、足裏が疲れてしまうような嫌な硬さでもありません。
付属するインソールは土踏まずのサポートを調整できるので重宝しています。当初は普段から使用している別のインソールに交換する予定でしたが、その必要を感じないほどで、インソールのクオリティも高いと感じましたね。
私は普段ロードシューズは42サイズを選択することが多いのですが、このシューズは今回43サイズがベストフィットでした。アッパー素材が伸びるからかもしれませんが、他のシューズとは多少サイズ感が異なっているので店頭にて試し履きをしてから購入することをおすすめします。これだけフィット感の良いシューズですので、適切なサイズで履き、その性能を十分に感じて欲しいと思います。
ジロ FACTOR TECHLACE
アッパー:Premium Evofiber SL
フィッティングシステム:TECHLACE / BOA IP1 ダイアル
アウトソール:イーストン EC90 SLX2 HMカーボン(交換式ヒールパッド)
インソール:SuperNatural Fit Kit(調整式アーチサポート付き)
付属品:シューズバッグ
サイズ:39~46(ハーフサイズあり)
重 量:210g(サイズ42.5)
カラー:Vermillion/Black、White/Black、Black
価 格:39,800円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
恒次智(サイクルショップフリーダム)
岡山県岡山市に店舗を構えるサイクルショップフリーダムの店長。速さやスタイルに囚われることなく自由に自転車を楽しむのがショップのコンセプト。MTBから自転車を始め、クロスカントリーレースやロードの実業団レース等にも参加、自転車歴は20年以上。最近はツーリングやトレイルライドにも力を入れる。愛車はキャノンデールのSUPERSIX EVO HI-MOD。そしてホンダS2000やロータスエリーゼ エキシージなどなど。
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