2017/03/22(水) - 08:25
ボルタ・ア・カタルーニャ2日目、41.3kmチームタイムトライアルでモビスターが最速タイムを叩き出した。表彰台でホセ・ロハス(スペイン)がリーダージャージを受け取ったものの、レース中にチームメイトを3回押したとして3分のタイムペナルティを受けている。
地中海沿いから内陸に舞台を移し、バニョレスを発着する41.3kmコースで行われたカタルーニャ第2ステージ。最速チームを決めるコースは起伏に富んでおり、獲得標高差は450mある。
前半から快調に飛ばし、21km地点の中間計測の時点で暫定トップに立ったのは2009年の総合優勝者アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)を擁するモビスターだった。レース中盤にBMCレーシングから8秒、チームスカイから30秒のリードを得たスペインチームは、3分前にスタートした前走のルームポットを追い抜き、48分55秒のトップタイムで勝利した。平均スピードは50.658km/h。
第1ステージで6位に入ったスプリンターのロハスが総合首位に浮上し、表彰台でリーダージャージを受け取った。しかしその後、UCIコミッセール(審判)はチームメイトのネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル)とアンドレイ・アマドール(コスタリカ)を押したロハスに3分のタイムペナルティを与えることを発表。リザルトに修正が入り、代わってバルベルデが総合首位に立った。
チームタイムトライアルの隊列最後尾に位置していたロハスは、先頭交代を終えたオリヴェイラとアマドールが前から下がってきた際に、腰を押して自分の前に入れる行為を3回繰り返した。UCIルールによると、チームタイムトライアル中にチームメイトを押すなどの違反行為には1分のペナルティと200スイスフランの罰金が与えられる。ロハスだけでなく、オリヴェイラに1分、アマドールに2分のペナルティが与えられたが、チーム全体のタイムにペナルティは与えられなかった。
ロハスに代わって第3ステージでリーダージャージを着ることになったバルベルデは「チームで5回コース試走を行って、テクニカルで終盤の追い込みが重要であることを確認していた。それにしてもとてもタフなタイムトライアルだった」とコメントする。
モビスターはBMCレーシングから2秒、チームスカイから46秒、そしてその他のライバルたちから1分以上のリードを奪うことに成功。総合争いのポールポジションにつけたバルベルデは「ライバルたちから大きなリードを得たけど、毎日様子を見ながら走りたい。明日のコースは難易度が高く、天候が崩れる可能性も有る。アンダルシア(ルタデルソル)以来の久々のレースだったけど脚の調子はとても良く、このリーダージャージを最後まで守り抜きたいと思う。でもコンタドールやフルームが逆転を狙ってくるだろうから、そんな簡単には守れないだろう」と語っている。
46秒のタイムを失ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)は「モビスターが強さを見せつけたけど、総合表彰台を狙って出場しているのではない。水曜日と金曜日は本格的な山岳ステージなので、残りのチャンスをチェックして攻撃を仕掛けたい」と、山岳ステージでの逆転を狙う。翌日の第3ステージは獲得標高差4,300mの難関山岳コース。1級山岳ラ・モリーナの山頂フィニッシュが設定されている。
バーレーン・メリダは3分26秒遅れのステージ17位。早々に6名となった隊列の先頭でフィニッシュラインを切った新城幸也は「コース試走もしていない割には、良い結果だと思う。 昨日、ワン(メイイン)がタイムオーバーでスタートから1人少ないのに、走り出して5kmぐらいで既に6人になってしまった。レースがスタートする前々日から入り、コースの試走をしていたチームとは準備の差も大きかったので、それなりの結果としか言えません。自分はしっかり踏めたし、快調だった。 明日がコースマップ的には1番きついステージとなるので、 エースをサポートして、次に繋がる走りをしたい」とコメントしている(チームユキヤ通信より)。
ボルタ・ア・カタルーニャ2017第2ステージ
1位 モビスター 48'55"
2位 BMCレーシング +02"
3位 チームスカイ +46"
4位 トレック・セガフレード +1'15"
5位 オリカ・スコット +1'24"
6位 エフデジ +1'44"
7位 ロットNLユンボ +1'48"
8位 アスタナ +2'05"
9位 ロット・ソウダル +2'10"
10位 クイックステップフロアーズ +2'13"
個人総合成績
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 5h17'16"
2位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)
3位 イマノル・エルビーティ(スペイン、モビスター)
4位 マルク・ソレール(スペイン、モビスター)
5位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
6位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング) +02"
7位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)
8位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
9位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
10位 キリアン・フランキーニー(スイス、BMCレーシング)
スプリント賞
1位 ムリーロ・アフォンソ(ブラジル、ソールブラジル) 5pts
2位 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) 5pts
3位 アントニオ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 2pts
山岳賞
1位 ムリーロ・アフォンソ(ブラジル、ソールブラジル) 48pts
2位 アントニオ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 37pts
3位 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) 26pts
チーム総合成績
1位 モビスター 15h51'48"
2位 BMCレーシング +06"
3位 チームスカイ +2'18"
text:Kei Tsuji
photo:TDWsport
地中海沿いから内陸に舞台を移し、バニョレスを発着する41.3kmコースで行われたカタルーニャ第2ステージ。最速チームを決めるコースは起伏に富んでおり、獲得標高差は450mある。
前半から快調に飛ばし、21km地点の中間計測の時点で暫定トップに立ったのは2009年の総合優勝者アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)を擁するモビスターだった。レース中盤にBMCレーシングから8秒、チームスカイから30秒のリードを得たスペインチームは、3分前にスタートした前走のルームポットを追い抜き、48分55秒のトップタイムで勝利した。平均スピードは50.658km/h。
第1ステージで6位に入ったスプリンターのロハスが総合首位に浮上し、表彰台でリーダージャージを受け取った。しかしその後、UCIコミッセール(審判)はチームメイトのネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル)とアンドレイ・アマドール(コスタリカ)を押したロハスに3分のタイムペナルティを与えることを発表。リザルトに修正が入り、代わってバルベルデが総合首位に立った。
チームタイムトライアルの隊列最後尾に位置していたロハスは、先頭交代を終えたオリヴェイラとアマドールが前から下がってきた際に、腰を押して自分の前に入れる行為を3回繰り返した。UCIルールによると、チームタイムトライアル中にチームメイトを押すなどの違反行為には1分のペナルティと200スイスフランの罰金が与えられる。ロハスだけでなく、オリヴェイラに1分、アマドールに2分のペナルティが与えられたが、チーム全体のタイムにペナルティは与えられなかった。
ロハスに代わって第3ステージでリーダージャージを着ることになったバルベルデは「チームで5回コース試走を行って、テクニカルで終盤の追い込みが重要であることを確認していた。それにしてもとてもタフなタイムトライアルだった」とコメントする。
モビスターはBMCレーシングから2秒、チームスカイから46秒、そしてその他のライバルたちから1分以上のリードを奪うことに成功。総合争いのポールポジションにつけたバルベルデは「ライバルたちから大きなリードを得たけど、毎日様子を見ながら走りたい。明日のコースは難易度が高く、天候が崩れる可能性も有る。アンダルシア(ルタデルソル)以来の久々のレースだったけど脚の調子はとても良く、このリーダージャージを最後まで守り抜きたいと思う。でもコンタドールやフルームが逆転を狙ってくるだろうから、そんな簡単には守れないだろう」と語っている。
46秒のタイムを失ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)は「モビスターが強さを見せつけたけど、総合表彰台を狙って出場しているのではない。水曜日と金曜日は本格的な山岳ステージなので、残りのチャンスをチェックして攻撃を仕掛けたい」と、山岳ステージでの逆転を狙う。翌日の第3ステージは獲得標高差4,300mの難関山岳コース。1級山岳ラ・モリーナの山頂フィニッシュが設定されている。
バーレーン・メリダは3分26秒遅れのステージ17位。早々に6名となった隊列の先頭でフィニッシュラインを切った新城幸也は「コース試走もしていない割には、良い結果だと思う。 昨日、ワン(メイイン)がタイムオーバーでスタートから1人少ないのに、走り出して5kmぐらいで既に6人になってしまった。レースがスタートする前々日から入り、コースの試走をしていたチームとは準備の差も大きかったので、それなりの結果としか言えません。自分はしっかり踏めたし、快調だった。 明日がコースマップ的には1番きついステージとなるので、 エースをサポートして、次に繋がる走りをしたい」とコメントしている(チームユキヤ通信より)。
ボルタ・ア・カタルーニャ2017第2ステージ
1位 モビスター 48'55"
2位 BMCレーシング +02"
3位 チームスカイ +46"
4位 トレック・セガフレード +1'15"
5位 オリカ・スコット +1'24"
6位 エフデジ +1'44"
7位 ロットNLユンボ +1'48"
8位 アスタナ +2'05"
9位 ロット・ソウダル +2'10"
10位 クイックステップフロアーズ +2'13"
個人総合成績
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 5h17'16"
2位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)
3位 イマノル・エルビーティ(スペイン、モビスター)
4位 マルク・ソレール(スペイン、モビスター)
5位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
6位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング) +02"
7位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)
8位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
9位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
10位 キリアン・フランキーニー(スイス、BMCレーシング)
スプリント賞
1位 ムリーロ・アフォンソ(ブラジル、ソールブラジル) 5pts
2位 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) 5pts
3位 アントニオ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 2pts
山岳賞
1位 ムリーロ・アフォンソ(ブラジル、ソールブラジル) 48pts
2位 アントニオ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 37pts
3位 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) 26pts
チーム総合成績
1位 モビスター 15h51'48"
2位 BMCレーシング +06"
3位 チームスカイ +2'18"
text:Kei Tsuji
photo:TDWsport
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