ロード世界選手権で優勝したカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)が、自身3度目のオーストラリア・サイクリスト・オブ・ザ・イヤーに輝いた。

3度目のオーストラリア年間最優秀サイクリストに選ばれたカデル・エヴァンス(オーストラリア)3度目のオーストラリア年間最優秀サイクリストに選ばれたカデル・エヴァンス(オーストラリア) photo:www.cycling.org.au9月末にスイス・メンドリシオで開催された世界選手権ロードレースで優勝し、世界チャンピオンに輝いたエヴァンス。オーストラリア自転車競技連盟は同国初のロードレースエリート男子の世界チャンピオンに対し、年間最優秀選手賞(サイクリスト・オブ・ザ・イヤー)を授与した。

1930年代に活躍したヒューバート・オッパーマン氏を讃えて始まった同賞は「オッピーメダル」として知られている。エヴァンスは2006年と2007年にもオッピーメダルを獲得。51年の歴史の中で、同賞を3回獲得しているのはエヴァンスを含めて3人だけ。

エヴァンスは国民が選ぶ年間最優秀選手賞と、ロード部門の年間最優秀選手賞を同時に獲得。マウンテンバイク部門では、MTB世界選手権の4Xで優勝したジャレド・グレーヴスが受賞。トラック部門では、2008年のTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)総合優勝者で、今年のトラック世界選手権ポイントレース金メダリストのキャメロン・マイヤーが受賞している。

エヴァンスは今年、ツール・ド・フランスを不甲斐ない形で終えながらも、ブエルタ・ア・エスパーニャではマイヨ・オロを着用し、同大会初の総合3位フィニッシュ。来シーズンはアメリカのBMCレーシングチームに移籍し、新天地で更なる活躍を誓う。エヴァンスは1月にオーストラリアで開催されるプロツアー第1戦ツアー・ダウンアンダーでシーズンインする予定だ。

歴代オーストラリア・サイクリスト・オブ・ザ・イヤー受賞者(同年の主な成績)
2008年 アンナ・ミアーズ(北京五輪スプリント銀メダル)
2007年 カデル・エヴァンス(ツール総合2位&プロツアー年間王者)
2006年 カデル・エヴァンス(ツール総合4位&ロマンディ総合優勝)
2005年 ロビー・マキュアン(ナショナルチャンピオン&ツール区間3勝&ジロ区間3勝)
2004年 ライアン・ベイレー(アテネ五輪スプリント金メダル&ケイリン金メダル)
2003年 マイケル・ロジャース(ロード世界選TT初優勝&ドイツツアー総合優勝)
2002年 ロビー・マキュアン(ナショナルチャンピオン&ツール区間2勝&マイヨヴェール獲得)
2001年 スチュアート・オグレディ(ダウンアンダー総合優勝&ツールでマイヨジョーヌ着用)

text:Kei Tsuji
photo:www.cycling.org.au