昨年からホイールの展開も開始しているエヴァディオ(AVEDIO)。同社のラインアップより、セカンドグレードに位置するアルミホイール「SL22i」と「SL22」をインプレッションした。



エヴァディオ SL22i:ストレートスポーク採用で耐久性・軽量性を高めたモデル

エヴァディオ SL22iエヴァディオ SL22i photo:MakotoAYANO/cyclowired.jp
トップモデルにアルミスポークを使用した「RS25」を筆頭に全5種類のホイールラインアップを揃えるエヴァディオ(RS25のインプレッション記事はこちら)。5万円台から9万円台まで細かく値段を刻み、リーズナブルな値段でそれぞれの用途に合わせて選べるよう各モデルとも特徴を持った展開となっている。

この「SL22i」はアルミホイールながら1300g台の軽量な仕上がりを見せつつ、ストレートスポークを採用することで、より耐久性を向上させたモデルである。リム高22mmの超ローハイトリムを採用しつつ、ハブフランジ部分は切削加工により肉抜きされることで軽量化を果たしている。スポークにはオーソドックスなステンレス製で扁平形状のものを採用。リアスポークはドライブ側16本、反ドライブ側8本の2:1組みとなる。

高さ22mmのローハイトとされブレーキ面はオーソドックスなシルバー高さ22mmのローハイトとされブレーキ面はオーソドックスなシルバー ストレートスポーク用に切れ込みの入ったフランジを採用するフロントハブストレートスポーク用に切れ込みの入ったフランジを採用するフロントハブ

リムにはモデル名を記すステッカーが貼られるリムにはモデル名を記すステッカーが貼られる リアハブは切削加工による肉抜きが施され軽量化を図るリアハブは切削加工による肉抜きが施され軽量化を図る

ワイドリムモデルは外幅24.4mmワイドリムモデルは外幅24.4mm 内幅は18.9mmだ内幅は18.9mmだ


また大きな特徴としてリムの種類がノーマル幅とワイド幅の2種類が用意される。ワイドモデルはリム外幅24.4mm(実測値)、ノーマルモデルは18.2mm(カタログ値)となり、自分の好みに合わせて選択が可能となっている。25Cタイヤやそれ以上の太さのタイヤを合わせる人にはワイドリムモデルは嬉しいラインアップだろう。

セット重量はワイドリムモデルで1410g、ノーマルリムモデルで1316g。カラーはブラックの1色で、価格は79,800円(税抜)となっている。クイックリリースレバーは付属しないので注意して欲しい。今回はエヴァディオホイールを取り扱うシルベストサイクルの藤岡徹也さんに、ワイドリムモデルをインプレッションしていただいた。

ー インプレッション

「見た目の派手さはないが、ガッツリ走り込む練習用に最適」藤岡徹也(シルベストサイクル)

リム自体がしっかりとした硬さと軽さを持っているので、下りでスピードを出しても登りで踏み込んでも素直な走りを見せてくれます。どんなシチュエーションでも履いていけるオールラウンドな性格がいいですね。

重量が超軽量というわけではないので、踏み出しの軽さはそこまで驚くものではありませんが、走り出してしまえば軽快性は高く、気持ち良い感触で走れますね。スポークが細身なのも、その乗りやすさに繋がっている部分かと思います。普段のライドからストレスなく使えるフィーリングですね。

「見た目の派手さはないが、ガッツリ走り込む練習用に最適」藤岡徹也(シルベストサイクル)「見た目の派手さはないが、ガッツリ走り込む練習用に最適」藤岡徹也(シルベストサイクル)
わざと路面の悪い部分を走ってみても、自転車が不安定になることもなく十分な振動吸収性を感じられたので、その点はワイドリムの恩恵かなと感じるところです。太めのタイヤを合わせても、それに見合ったリム幅があるためタイヤの剛性感もしっかり出ると思います。タイヤが変にヨレない分、力の伝わり方も良く素早い反応に繋がるでしょう。タイヤの形状もキレイに保たれるため、クッション性も向上すると思います。

パワーをかけて走っても安心できる頑丈さを持っているので、それなりに体重がある人が乗っても全く問題ないでしょう。完成車についてくる安めのホイールと似たオーソドックスなルックスではありますが、しっかり剛性もあって頼りない感じはなく良く進んでくれます。

見た目の派手さはありませんが、そのためにどんなフレームにも合わせやすいですし、普段のトレーニング使用には最適だと思います。値段にも見た目にも反した性能の高さを持ち合わせていると感じました。

エヴァディオ SL22i
タイヤタイプ:クリンチャー
フリーボディ:シマノ、カンパニョーロ
リムサイズ:高さ22mm、ワイドモデル実測幅24.4mm/ノーマルモデルカタログ幅18.2mm
ペア重量:
ワイドモデル 1410g(フロント630g、リア780g)
ノーマルモデル 1316g(フロント580g、リア736g)
カラー:ブラック
価格:79,800円(税抜)



エヴァディオ SL22:1300g台の超軽量を達成したリーズナブルモデル

エヴァディオ SL22エヴァディオ SL22 photo:MakotoAYANO/cyclowired.jp
エヴァディオのラインアップで超軽量ヒルクライムホイールに位置付けされるのが「SL22」である。オーソドックスな見た目や仕様ながらカタログ値重量は1316gと、アルミクリンチャーホイールでは最軽量級の仕上りを見せる。

リムはSL22iと同等のリム高22mmのものを使用。首折れスポークへ変更され、それに合わせたハブを採用することで軽量性はそのままに価格を抑えたモデルとなっている。シンプルで無駄のないデザインとなったハブに、ステンレス製の扁平スポークを合わせ、ニップルも外出しとなるため振れ取りなどのメンテナンスも行いやすい仕様だ。

細身のボディが採用されたフロントハブ細身のボディが採用されたフロントハブ シンプルなデザインのリアハブ。スポークは首折れで扁平形状のものを採用シンプルなデザインのリアハブ。スポークは首折れで扁平形状のものを採用

フロントホイールの重量は606gフロントホイールの重量は606g リアホイールの重量は751gリアホイールの重量は751g

リム幅はノーマルなものを使用し外幅18.8mmリム幅はノーマルなものを使用し外幅18.8mm 内幅は13.4mmだ内幅は13.4mmだ


実測の重量はフロント606g、リア751gのセットで1357g。リムテープを片側で20gと想定するとカタログ重量1316gとの差41gも十分に許容の範囲内で収まっている。カラーはブラックの1色で、価格は69,800円(税抜)。同じくクイックリリースレバーは付属しない。

ー インプレッション

「アルミホイールながらヒルクライムレースにも使える軽量さ」藤岡徹也(シルベストサイクル)

持ち前の軽量性から非常に軽い走りを見せてくれますね。このホイールに履き替えると、登りにおいて明らかに足にかかる負担が少ないと感じます。同じ登りをホイールを変えるだけで無理なく走れてしまう、そんな印象を受けました。

踏み出しも軽いため、登りでのアタック等に反応する加速性は十分にあります。ただ、思い切りスプリントをするような場面では、軽量ホイールらしく多少ヨレる感覚があるかもしれません。普通に漕いでいる分には全く問題ない剛性感ですので、体重の軽い方にはオススメですね。

「アルミホイールながらヒルクライムレースにも使える軽量さ」藤岡徹也(シルベストサイクル)「アルミホイールながらヒルクライムレースにも使える軽量さ」藤岡徹也(シルベストサイクル)
首折れのスポークなので衝撃の逃しが効いていて乗り心地はとても良いです。ノーマルなリム幅ですのでタイヤというよりは、ホイール全体でバランス良くいなしてくれることで乗りやすさに繋がっている部分だと感じました。

性能的にはレースにも十分使える仕上がりだと思います。同じような価格帯のホイールだと1500gを超えるものが多い中、1300g台の軽さは魅力的ですね。ただ軽いだけでなく走りのフィーリングも良いのも特徴です。バイクの重量を軽くしたい人や女性にもオススメのホイールではないでしょうか。

エヴァディオ SL22
タイヤタイプ:クリンチャー
フリーボディ:シマノ、カンパニョーロ
リムサイズ:高さ22mm、実測幅18.8mm
ペア重量:リムテープ込み実測1357g(フロント606g、リア751g)
カラー:ブラック
価格:69,800円(税抜)



インプレッションライダーのプロフィール

藤岡徹也(シルベストサイクル)藤岡徹也(シルベストサイクル) 藤岡徹也(シルベストサイクル)

大阪府箕面市にあるシルベストサイクルみのおキューズモール店で店長を務める。マトリックスやNIPPOに所属した経歴を持つ元プロロードレーサーで、ツール・ド・フクオカ優勝、ツール・ド・熊野の個人TT2位などの実績を持つ。現在は実業団レースやロングライド、トライアスロンなど幅広く自転車を嗜みスタッフとして「自転車の楽しさを伝える」ことをモットーに活動している。

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