2016/09/22(木) - 23:59
いよいよシクロクロスシーズンが開幕。アメリカ・ネバダ州ラスベガスでUCIシクロクロスワールドカップ第1戦が開催され、途中のクラッシュで後退した世界王者、ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)が追い上げて圧勝。王者の力を見せつけた。
昨年初めてUCIワールドカップに組み込まれ、大きな話題を振りまいた「クロスベガス」が今年もUCIシクロクロスワールドカップの第1戦として開催された。
今年も現在開催中のサイクルショーイベント「インターバイク」に付随するレースとして行われ、会場も同じくラスベガスのデザートブリーズ・サッカーコンプレックス。全体的に重たい芝生に覆われ、緩やかなアップダウンと部分的な人工砂セクションが組み込まれたサーキットは完全なパワーコースだ。
年間シリーズの重要な開幕戦だけに、ベルギーやオランダをはじめシクロクロス伝統国のトップレーサーがラスベガスに集結。
昨年度の世界王者であるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)やラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)は出場を見送ったものの、アルカンシエルのワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)、今年からアメリカブランドであるトレックがサポートに就いたテレネット・フィデア勢など、錚々たるメンバーが午後9時半、号砲と共にグラスコースに飛び出していく。
第1コーナーの落車でスティーブ・シェネル(フランス、クロスチームbyG4)やコルヌ・ファンケッセル(ベルギー、テレネット・フィデア)らビッグネームが遅れる一方、地元アメリカのステフェン・ハイド(キャノンデールp/bシクロクロスワールド)が先頭に立ちレースが幕開けた。
しかし重芝のスピードコースでジェレミー・パワーズ(アスパイアレーシング)らアメリカ勢は失速し、ベルギー・オランダ勢が先頭パックを形成してロードレースのような展開でレースを進めていく。
先頭グループが10名ほどに絞られると、その中でファンアールトがステップを踏み外して転倒。身体を強打したファンアールトは復帰に手間取り大きく順位を落としたが、痛みに苦しむ表情を見せながらも追走を試みた。
ファンアールトが遅れた先頭からはマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス)がアタック。15秒ほどのリードを得たファントーレンハウトの独走は暫く続いたが、やがて有力勢の追走に飲み込まれる。ファンアールトも驚異の追い上げで先頭に復帰し、再び勝負は仕切り直しに。
すると終盤を前にしてファンアールトの加速によって集団は形を失くし、ファントーレンハウトとローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)ら若手が追走する形に。攻め続けるファンアールトは残り3周のサンドセクションを前に更にペースアップを行い、追従したファントーレンハウトがミス。この動きが決定打となりファンアールトは独走態勢を築き上げ、ペースの上がらない2位グループを尻目に逃げおおせた。
結果的に「落車の痛みがひどかったけれど、アドレナリンも手伝って猛チャージできた」と語るファンアールトが後続を22秒引き離してフィニッシュ。クロスベガス2連勝を達成した。
「すぐに先頭に復帰できたのが良かった。勝負所と思っていた砂セクションを前に抜け出してリードを奪うことができた。あの場所では前走者の後ろについて走るのが難しいので、行くならあそこしかないと決めていたんだ」とファンアールトはコメントしている。
UCIワールドカップ第2戦は日曜日にアイオワ州で行われるジングルクロスだ。
UCIシクロクロスワールドカップ2016-2017第1戦結果
text:So.Isobe
昨年初めてUCIワールドカップに組み込まれ、大きな話題を振りまいた「クロスベガス」が今年もUCIシクロクロスワールドカップの第1戦として開催された。
今年も現在開催中のサイクルショーイベント「インターバイク」に付随するレースとして行われ、会場も同じくラスベガスのデザートブリーズ・サッカーコンプレックス。全体的に重たい芝生に覆われ、緩やかなアップダウンと部分的な人工砂セクションが組み込まれたサーキットは完全なパワーコースだ。
年間シリーズの重要な開幕戦だけに、ベルギーやオランダをはじめシクロクロス伝統国のトップレーサーがラスベガスに集結。
昨年度の世界王者であるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)やラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)は出場を見送ったものの、アルカンシエルのワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)、今年からアメリカブランドであるトレックがサポートに就いたテレネット・フィデア勢など、錚々たるメンバーが午後9時半、号砲と共にグラスコースに飛び出していく。
第1コーナーの落車でスティーブ・シェネル(フランス、クロスチームbyG4)やコルヌ・ファンケッセル(ベルギー、テレネット・フィデア)らビッグネームが遅れる一方、地元アメリカのステフェン・ハイド(キャノンデールp/bシクロクロスワールド)が先頭に立ちレースが幕開けた。
しかし重芝のスピードコースでジェレミー・パワーズ(アスパイアレーシング)らアメリカ勢は失速し、ベルギー・オランダ勢が先頭パックを形成してロードレースのような展開でレースを進めていく。
先頭グループが10名ほどに絞られると、その中でファンアールトがステップを踏み外して転倒。身体を強打したファンアールトは復帰に手間取り大きく順位を落としたが、痛みに苦しむ表情を見せながらも追走を試みた。
ファンアールトが遅れた先頭からはマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス)がアタック。15秒ほどのリードを得たファントーレンハウトの独走は暫く続いたが、やがて有力勢の追走に飲み込まれる。ファンアールトも驚異の追い上げで先頭に復帰し、再び勝負は仕切り直しに。
すると終盤を前にしてファンアールトの加速によって集団は形を失くし、ファントーレンハウトとローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)ら若手が追走する形に。攻め続けるファンアールトは残り3周のサンドセクションを前に更にペースアップを行い、追従したファントーレンハウトがミス。この動きが決定打となりファンアールトは独走態勢を築き上げ、ペースの上がらない2位グループを尻目に逃げおおせた。
結果的に「落車の痛みがひどかったけれど、アドレナリンも手伝って猛チャージできた」と語るファンアールトが後続を22秒引き離してフィニッシュ。クロスベガス2連勝を達成した。
「すぐに先頭に復帰できたのが良かった。勝負所と思っていた砂セクションを前に抜け出してリードを奪うことができた。あの場所では前走者の後ろについて走るのが難しいので、行くならあそこしかないと決めていたんだ」とファンアールトはコメントしている。
UCIワールドカップ第2戦は日曜日にアイオワ州で行われるジングルクロスだ。
UCIシクロクロスワールドカップ2016-2017第1戦結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
2位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス)
3位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)
4位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)
5位 ロブ・ピータース(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
6位 クインテン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア)
7位 ディエテル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス)
8位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、ベオバンク・コレンドン)
9位 ティム・メルリエ(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
10位 タイス・ファンアメロンゲン(オランダ、テレネット・フィデア)
2位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス)
3位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)
4位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)
5位 ロブ・ピータース(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
6位 クインテン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア)
7位 ディエテル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス)
8位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、ベオバンク・コレンドン)
9位 ティム・メルリエ(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
10位 タイス・ファンアメロンゲン(オランダ、テレネット・フィデア)
1h06’54”
+22”
+25”
+31”
+38”
+44”
+49”
+58”
+1’00”
+1’06”
+22”
+25”
+31”
+38”
+44”
+49”
+58”
+1’00”
+1’06”
text:So.Isobe
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