2016/08/21(日) - 13:11
リオオリンピックMTBクロスカントリー女子で、3日前の試走で10針を縫う怪我を負ったジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン)が金メダル。銀メダルはマーヤ・ブロジェゾフスカ(ポーランド)、銅メダルは序盤の落車から追い上げたキャサリン・ペンドレル(カナダ)が獲得した。
最終盤を迎えているリオオリンピック、8月20日(大会15日目)には郊外の特設コースにてMTBクロスカントリーの女子レースが行われた。クロスカントリーは1996年、アトランタオリンピックからの正式競技であり、今年で6回目の開催だ。
翌日に開催される男子に先駆けて行われた女子レースには全29名がエントリー。リンダ・インダーガンド(スイス)がスタートラップから積極的に攻める展開でレースは幕を開け、次いでジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン)、マーヤ・ブロジェゾフスカ(ポーランド)、ヨランダ・ネフ(スイス)が第2グループを形成してインダーガンドを追走した。
3周目に入って第2グループがインダーガンドを捉えると、エミリー・バッティ(カナダ)、カテリーナ・ナッシュ(チェコ)、スタート直後のクラッシュで棒に振った世界選手権の雪辱を果たしたいガンリタ・ダール(ノルウェー)らも15秒後方にまで追い上げてくる。
最終的に銅メダルを獲得するキャサリン・ペンドレル(カナダ)は序盤の落車で25位にまで順位を下げたものの、驚異の追い上げで後半に掛けて戦線に復帰。ペースが上がらず20番手を走行していたポーリン・フェランプレヴォ(フランス)は3周目を前にして自らバイクを降りる。先頭ではリスヴェッズのアタックをきっかけにネフが遅れ、耐えていたペンドレルとバッティも脱落。先頭はリスヴェッズとブロジェゾフスカの二人に絞られた。
そして最終回、リスヴェッズが渾身のアタックを繰り出すと、ブロジェゾフスカに打つ手は残っていなかった。最終的に37秒のリードを築いたリスヴェッズが金メダルを獲得し、ブロジェゾフスカが銀メダル。ペンドレルとバッティ、2人のチームメイトによる銅メダル争いは、序盤から攻め続けたペンドレルに軍配が下った。
「スタートライン上では集中しつつ、楽しもうと思っていた。今回の勝利はキャリアの中で間違いなく最大の勝利であって、ただただ信じられない。落ち着いてレースを進めれば、最低でも銀メダルは獲得できると思っていたけれど、実際には金メダルを獲得できた」と語る、覇者リスヴェッズ。レース3日前の試走で落車し、計10針を縫う怪我負ったとは思わせない走りぶりだった。
「1週間前にリオ入りして、水曜日の練習中に転倒し膝に6針、肘に4針を縫う怪我をした。怪我自体はレースに影響しないとは思っていたけれど、転倒が私の心に少し恐怖を植え付けてしまった。でもいざレースが始まって2、3周を消化する頃にはレースを楽しめるまでに回復していた」とレースを振り返っている。以下はブロジェゾフスカとペンドレルのコメント。
ブロジェゾフスカ:「今回は全員が強かった。表彰台に上がれたことが本当に嬉しい。信じられないくらいにハードなレースで、スタートの時点から非常にペースが速かった。序盤は他の選手よりも余裕があったように思うけれど、ジェニーがアタックした時には本当に苦しんでいた。金メダルを狙っていたけれど、ジェニーはスーパーだった。だから銀メダルに満足」
ペンドレル:スタートループでクラッシュしてから全てが悪い流れの中にあるように思っていた。渋滞の中でずっとレースを進めていたけれど、最終的に結果が付いてきた。フィニッシュラインを切った瞬間は身体的にも感情的にも、何か解き放たれたような気分だった。
翌日は山本幸平が出場する男子レースが行われる。
リオ五輪2016MTBクロスカントリー女子結果
text:So.Isobe
最終盤を迎えているリオオリンピック、8月20日(大会15日目)には郊外の特設コースにてMTBクロスカントリーの女子レースが行われた。クロスカントリーは1996年、アトランタオリンピックからの正式競技であり、今年で6回目の開催だ。
翌日に開催される男子に先駆けて行われた女子レースには全29名がエントリー。リンダ・インダーガンド(スイス)がスタートラップから積極的に攻める展開でレースは幕を開け、次いでジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン)、マーヤ・ブロジェゾフスカ(ポーランド)、ヨランダ・ネフ(スイス)が第2グループを形成してインダーガンドを追走した。
3周目に入って第2グループがインダーガンドを捉えると、エミリー・バッティ(カナダ)、カテリーナ・ナッシュ(チェコ)、スタート直後のクラッシュで棒に振った世界選手権の雪辱を果たしたいガンリタ・ダール(ノルウェー)らも15秒後方にまで追い上げてくる。
最終的に銅メダルを獲得するキャサリン・ペンドレル(カナダ)は序盤の落車で25位にまで順位を下げたものの、驚異の追い上げで後半に掛けて戦線に復帰。ペースが上がらず20番手を走行していたポーリン・フェランプレヴォ(フランス)は3周目を前にして自らバイクを降りる。先頭ではリスヴェッズのアタックをきっかけにネフが遅れ、耐えていたペンドレルとバッティも脱落。先頭はリスヴェッズとブロジェゾフスカの二人に絞られた。
そして最終回、リスヴェッズが渾身のアタックを繰り出すと、ブロジェゾフスカに打つ手は残っていなかった。最終的に37秒のリードを築いたリスヴェッズが金メダルを獲得し、ブロジェゾフスカが銀メダル。ペンドレルとバッティ、2人のチームメイトによる銅メダル争いは、序盤から攻め続けたペンドレルに軍配が下った。
「スタートライン上では集中しつつ、楽しもうと思っていた。今回の勝利はキャリアの中で間違いなく最大の勝利であって、ただただ信じられない。落ち着いてレースを進めれば、最低でも銀メダルは獲得できると思っていたけれど、実際には金メダルを獲得できた」と語る、覇者リスヴェッズ。レース3日前の試走で落車し、計10針を縫う怪我負ったとは思わせない走りぶりだった。
「1週間前にリオ入りして、水曜日の練習中に転倒し膝に6針、肘に4針を縫う怪我をした。怪我自体はレースに影響しないとは思っていたけれど、転倒が私の心に少し恐怖を植え付けてしまった。でもいざレースが始まって2、3周を消化する頃にはレースを楽しめるまでに回復していた」とレースを振り返っている。以下はブロジェゾフスカとペンドレルのコメント。
ブロジェゾフスカ:「今回は全員が強かった。表彰台に上がれたことが本当に嬉しい。信じられないくらいにハードなレースで、スタートの時点から非常にペースが速かった。序盤は他の選手よりも余裕があったように思うけれど、ジェニーがアタックした時には本当に苦しんでいた。金メダルを狙っていたけれど、ジェニーはスーパーだった。だから銀メダルに満足」
ペンドレル:スタートループでクラッシュしてから全てが悪い流れの中にあるように思っていた。渋滞の中でずっとレースを進めていたけれど、最終的に結果が付いてきた。フィニッシュラインを切った瞬間は身体的にも感情的にも、何か解き放たれたような気分だった。
翌日は山本幸平が出場する男子レースが行われる。
リオ五輪2016MTBクロスカントリー女子結果
1位 ジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン)
2位 マーヤ・ブロジェゾフスカ(ポーランド)
3位 キャサリン・ペンドレル(カナダ)
4位 エミリー・バッティ(カナダ)
5位 カテリーナ・ナッシュ(チェコ)
6位 ヨランダ・ネフ(スイス)
7位 レア・ダヴィソン(アメリカ)
8位 リンダ・インダーガンド(スイス)
9位 ヤーナ・ベロモイナ(ウクライナ)
10位 ガンリタ・ダール(ノルウェー)
2位 マーヤ・ブロジェゾフスカ(ポーランド)
3位 キャサリン・ペンドレル(カナダ)
4位 エミリー・バッティ(カナダ)
5位 カテリーナ・ナッシュ(チェコ)
6位 ヨランダ・ネフ(スイス)
7位 レア・ダヴィソン(アメリカ)
8位 リンダ・インダーガンド(スイス)
9位 ヤーナ・ベロモイナ(ウクライナ)
10位 ガンリタ・ダール(ノルウェー)
1h30’15”
+37”
+1’26”
+1’28”
+2’10”
+2’28”
+3’12”
+3’13”
+3’19”
+37”
+1’26”
+1’28”
+2’10”
+2’28”
+3’12”
+3’13”
+3’19”
text:So.Isobe
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