2016/08/16(火) - 14:10
リオ五輪のトラックレースも残すところ後2日。男子オムニアムは、チームスカイで活躍するエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)が制し、自身初となるオリンピック金メダルを獲得。塚越さくら出場の女子オムニアムは前半3種目が行われ、前回大会覇者のラウラ・トロット(イギリス)が首位に立った。
日本から窪木一茂が出場中の男子オムニアム。この日は後半3種目が行われた。全体の4種目目となる1kmタイムトライアルは、ニュージーランドの若手ディラン・ケネットが、クリス・ホイ(イギリス)が持つ世界記録に迫るタイムで1位に。3位に入ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)が、総合成績でトマ・ブダ(フランス)を逆点し首位に立つ。
続く5種目目は、3.5周するうちの2.5周を助走付きで走り、助走が外れたラスト1周のタイムを競う250mフライングラップ。再びケネットがスピードを見せて1番時計。2位にはヴィヴィアーニ、3位にはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が入る。
男子オムニアム最後の種目はトラック160周(=40km)で争われるポイントレース。10周毎に設けられるスプリント周回では1着5pts、2着3pts、3着2pts、4着1pt、集団を抜け出しラップしたライダーには20ptsが与えられ、集団から遅れてラップされたライダーは20pts減算。これまでの5種目で獲得したポイントに、そのままポイントレースのポイントを加算し、最終成績を決定する。
スプリント周回でヴィヴィアーニやカヴェンディッシュらが激しく競り合う中、前回大会覇者であり、5種目終了時点で3位につけるラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク)がアタック。残り113周でラップに成功し、カヴェンディッシュを抜いて2位に浮上する。続いてロジェ・クルーゲ(ドイツ)とフェルナンド・ガビリア(コロンビア)もラップに成功し、それぞれ20ptsを獲得し、メダル獲得に望みを繋ぐ。
残り109周では落車が発生。斜行したカヴェンディッシュに接触したパク・サンフン(韓国)がバンクに叩きつけられ、そのままリタイア。首位を走るヴィヴィアーニも巻き添えとなるが大きな怪我はなく、バイクを交換し再スタートを切る。
折り返しとなる8回目のスプリント周回では窪木が4着に入り1ptを獲得。残り52周でラップに成功したケネットも表彰台争いに加わるが、終盤にかけての激しい攻防の中でヴィヴィアーニ、ノーマンハンセン、カヴェンディッシュが一歩抜け出す展開に。
ノーマンハンセンとカヴェンディッシュの銀メダル争いは、スプリント周回を2つ残してカヴェンディッシュが再び2位に浮上。その一方で、ヴィヴィアーニはコンスタントに上位でポイントを積み重ねながら首位をキープしフィニッシュへ。結果、男子オムニアムはヴィヴィアーニが金メダル、カヴェンディッシュが銀メダル、ノーマンハンセンが銅メダルを獲得した。窪木一茂は14位で自身初のオリンピックを終えている。
世界選手権も含め、世界大会では初の金メダルとなったヴィヴィアーニ。「信じられない。まさに人生をかけたレースだ。スクラッチからフライングラップまでの5種目はどれも接戦で、最後のポイントレースは一番難しい種目。とてもハードなレースだった。スプリント周回を2つ残して、コーチから『あと1ポイントで金メダルだ』と声を掛けられたが、ラスト20周からは脚が何も感じなくなってしまった。けれども、その1ポイントを獲得することができ、最後の10周はオリンピック王者としてとてもエンジョイしながら走ったよ」とレース後にコメントしている。
女子スクラッチには、日本から塚越さくらが出場。1種目目のスクラッチはタチアナ・シャラコワ(ベラルーシ)が1位に。2種目目のパーシュートと3種目目のエリミネイションレースは、前回大会覇者のラウラ・トロット(イギリス)が連勝し、初日を終えて総合首位に立った。塚越は18位で初日を終えている。
リオ五輪2016トラックレースの最終日となる6日目は、女子オムニアムの後半3種目と女子スプリント決勝、日本から渡邉一成と脇本雄太が出場する男子ケイリン(決勝まで)が行われる。
選手コメントはUCI公式サイトより。
リオ五輪2016トラックレース5日目 主な結果
男子オムニアム
・タイムトライアル
1位 ディラン・ケネット(ニュージーランド) 1'00"923
2位 グレン・オシェア(オーストラリア) 1'02"332
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) 1'02"338
4位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア) 1'02"469
5位 ラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク) 1'02"538
15位 窪木一茂(日本) 1'05"498
・フライングラップ
1位 ディラン・ケネット(ニュージーランド) 12"506
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) 12"660
3位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) 12"793
4位 ラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク) 12"832
5位 ゲール・シューター(スイス) 12"981
16位 窪木一茂(日本) 13"587
・ポイントレース
1位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア) 41pts
2位 ラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク) 40pts
3位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ) 33pts
4位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) 32pts
5位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) 29pts
12位 窪木一茂(日本) 1pts
・男子オムニアム総合成績(6種目終了後)
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) 207pts
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) 194pts
3位 ラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク) 192pts
4位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア) 181pts
5位 トマ・ブダ(フランス) 172pts
14位 窪木一茂(日本) 81pts
女子オムニアム
・スクラッチ
1位 タチアナ・シャラコワ(ベラルーシ)
2位 ラウラ・トロット(イギリス)
3位 ジョリアン・ドール(ベルギー)
4位 サラ・ハマー(アメリカ)
5位 エリス・ローレン(ニュージーランド)
17位 塚越さくら(日本)
・パーシュート
1位 ラウラ・トロット(イギリス) 3'25"054
2位 サラ・ハマー(アメリカ) 3'26"988
3位 ジョリアン・ドール(ベルギー) 3'30"202
4位 アマリー・ディデリクセン(デンマーク) 3'30"264
5位 キルステン・ウィルド(オランダ) 3'31"941
16位 塚越さくら(日本) 3'46"842
・エリミネイションレース
1位 ラウラ・トロット(イギリス)
2位 ジョリアン・ドール(ベルギー)
3位 サラ・ハマー(アメリカ)
4位 キルステン・ウィルド(オランダ)
5位 アネット・エドモンソン(オーストラリア)
17位 塚越さくら(日本)
・女子オムニアム総合成績(3種目終了後)
1位 ラウラ・トロット(イギリス) 118pts
2位 ジョリアン・ドール(ベルギー) 110pts
3位 サラ・ハマー(アメリカ) 108pts
4位 アマリー・ディデリクセン(デンマーク) 92pts
5位 タチアナ・シャラコワ(ベラルーシ) 90pts
18位 塚越さくら(日本) 26pts
text:Yuya.Yamamoto
photo:Bettini, Watson/UCI
日本から窪木一茂が出場中の男子オムニアム。この日は後半3種目が行われた。全体の4種目目となる1kmタイムトライアルは、ニュージーランドの若手ディラン・ケネットが、クリス・ホイ(イギリス)が持つ世界記録に迫るタイムで1位に。3位に入ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)が、総合成績でトマ・ブダ(フランス)を逆点し首位に立つ。
続く5種目目は、3.5周するうちの2.5周を助走付きで走り、助走が外れたラスト1周のタイムを競う250mフライングラップ。再びケネットがスピードを見せて1番時計。2位にはヴィヴィアーニ、3位にはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が入る。
男子オムニアム最後の種目はトラック160周(=40km)で争われるポイントレース。10周毎に設けられるスプリント周回では1着5pts、2着3pts、3着2pts、4着1pt、集団を抜け出しラップしたライダーには20ptsが与えられ、集団から遅れてラップされたライダーは20pts減算。これまでの5種目で獲得したポイントに、そのままポイントレースのポイントを加算し、最終成績を決定する。
スプリント周回でヴィヴィアーニやカヴェンディッシュらが激しく競り合う中、前回大会覇者であり、5種目終了時点で3位につけるラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク)がアタック。残り113周でラップに成功し、カヴェンディッシュを抜いて2位に浮上する。続いてロジェ・クルーゲ(ドイツ)とフェルナンド・ガビリア(コロンビア)もラップに成功し、それぞれ20ptsを獲得し、メダル獲得に望みを繋ぐ。
残り109周では落車が発生。斜行したカヴェンディッシュに接触したパク・サンフン(韓国)がバンクに叩きつけられ、そのままリタイア。首位を走るヴィヴィアーニも巻き添えとなるが大きな怪我はなく、バイクを交換し再スタートを切る。
折り返しとなる8回目のスプリント周回では窪木が4着に入り1ptを獲得。残り52周でラップに成功したケネットも表彰台争いに加わるが、終盤にかけての激しい攻防の中でヴィヴィアーニ、ノーマンハンセン、カヴェンディッシュが一歩抜け出す展開に。
ノーマンハンセンとカヴェンディッシュの銀メダル争いは、スプリント周回を2つ残してカヴェンディッシュが再び2位に浮上。その一方で、ヴィヴィアーニはコンスタントに上位でポイントを積み重ねながら首位をキープしフィニッシュへ。結果、男子オムニアムはヴィヴィアーニが金メダル、カヴェンディッシュが銀メダル、ノーマンハンセンが銅メダルを獲得した。窪木一茂は14位で自身初のオリンピックを終えている。
世界選手権も含め、世界大会では初の金メダルとなったヴィヴィアーニ。「信じられない。まさに人生をかけたレースだ。スクラッチからフライングラップまでの5種目はどれも接戦で、最後のポイントレースは一番難しい種目。とてもハードなレースだった。スプリント周回を2つ残して、コーチから『あと1ポイントで金メダルだ』と声を掛けられたが、ラスト20周からは脚が何も感じなくなってしまった。けれども、その1ポイントを獲得することができ、最後の10周はオリンピック王者としてとてもエンジョイしながら走ったよ」とレース後にコメントしている。
女子スクラッチには、日本から塚越さくらが出場。1種目目のスクラッチはタチアナ・シャラコワ(ベラルーシ)が1位に。2種目目のパーシュートと3種目目のエリミネイションレースは、前回大会覇者のラウラ・トロット(イギリス)が連勝し、初日を終えて総合首位に立った。塚越は18位で初日を終えている。
リオ五輪2016トラックレースの最終日となる6日目は、女子オムニアムの後半3種目と女子スプリント決勝、日本から渡邉一成と脇本雄太が出場する男子ケイリン(決勝まで)が行われる。
選手コメントはUCI公式サイトより。
リオ五輪2016トラックレース5日目 主な結果
男子オムニアム
・タイムトライアル
1位 ディラン・ケネット(ニュージーランド) 1'00"923
2位 グレン・オシェア(オーストラリア) 1'02"332
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) 1'02"338
4位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア) 1'02"469
5位 ラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク) 1'02"538
15位 窪木一茂(日本) 1'05"498
・フライングラップ
1位 ディラン・ケネット(ニュージーランド) 12"506
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) 12"660
3位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) 12"793
4位 ラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク) 12"832
5位 ゲール・シューター(スイス) 12"981
16位 窪木一茂(日本) 13"587
・ポイントレース
1位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア) 41pts
2位 ラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク) 40pts
3位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ) 33pts
4位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) 32pts
5位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) 29pts
12位 窪木一茂(日本) 1pts
・男子オムニアム総合成績(6種目終了後)
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) 207pts
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) 194pts
3位 ラッセ・ノーマンハンセン(デンマーク) 192pts
4位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア) 181pts
5位 トマ・ブダ(フランス) 172pts
14位 窪木一茂(日本) 81pts
女子オムニアム
・スクラッチ
1位 タチアナ・シャラコワ(ベラルーシ)
2位 ラウラ・トロット(イギリス)
3位 ジョリアン・ドール(ベルギー)
4位 サラ・ハマー(アメリカ)
5位 エリス・ローレン(ニュージーランド)
17位 塚越さくら(日本)
・パーシュート
1位 ラウラ・トロット(イギリス) 3'25"054
2位 サラ・ハマー(アメリカ) 3'26"988
3位 ジョリアン・ドール(ベルギー) 3'30"202
4位 アマリー・ディデリクセン(デンマーク) 3'30"264
5位 キルステン・ウィルド(オランダ) 3'31"941
16位 塚越さくら(日本) 3'46"842
・エリミネイションレース
1位 ラウラ・トロット(イギリス)
2位 ジョリアン・ドール(ベルギー)
3位 サラ・ハマー(アメリカ)
4位 キルステン・ウィルド(オランダ)
5位 アネット・エドモンソン(オーストラリア)
17位 塚越さくら(日本)
・女子オムニアム総合成績(3種目終了後)
1位 ラウラ・トロット(イギリス) 118pts
2位 ジョリアン・ドール(ベルギー) 110pts
3位 サラ・ハマー(アメリカ) 108pts
4位 アマリー・ディデリクセン(デンマーク) 92pts
5位 タチアナ・シャラコワ(ベラルーシ) 90pts
18位 塚越さくら(日本) 26pts
text:Yuya.Yamamoto
photo:Bettini, Watson/UCI
Amazon.co.jp