2016/06/16(木) - 08:56
フェルトが、トラック競技の団体追い抜き(チームパーシュート)のためのスペシャルバイク「TA FRD」を発表した。その特徴は、駆動系を左側に配置して空力性能を追求したこと。女子団体追い抜きのアメリカ代表をリオ五輪の金メダルへと導くために開発されたマシンだ。
2012年に開催されたロンドンオリンピック。自転車トラック競技3日目に開催された女子団体追い抜きでアメリカ代表は2位に入り、同種目ではアメリカ史上初となるメダルを獲得した。その活躍に貢献したのがフェルトである。そして4年後の今年、カリフォルニアに開発拠点を置く同社は、リオオリンピック開催にあわせ、女子団体追い抜きのアメリカ代表のために開発したスペシャルマシン「TA FRD」を発表した。
その最大の特徴は、トラック競技の競技環境にフォーカスして設計したこと。まずフェルトのエンジニア達はヴェロドローム内の空力を徹底的にリサーチすると共に、コンピューターによるシミュレーションを積み重ね、更にはトラック競技がバンクを反時計方向に周回することに着目。トラックバイクの左右で空気の流れが非対称であることを発見した。
この結果に基づき、翼断面をとる各チューブは左右非対称設計とし、チェーンリング・チェーン・コグから構成される駆動系を左側へと移動。加えて、前後のエンド幅を、通常は前100mm/後110mmのところ、前70mm/後95mmと狭幅化し、ホイールを固定するためのナットを省略するために独自のテーパードドロップアウトを採用。こられの独自設計により、トラックレースの競技環境下における空気抵抗の低減を追求している。
また、「TA FRD」の開発にあたってフェルトはパーツメーカーに協力を仰ぎ、駆動系の左側への移設を実現した。クランクは円盤状のスパイダーが特徴的なヴィジョンMetronとし、右アームにはSTAGE POWERのパワーメーターを搭載。ホイールは前後共に、競合製品に対して圧倒的に空気抵抗が小さなHEDの専用Discモデルとしている。タイヤはヴィットリア、コグはフィルウッドを採用する。
素材には、F1や航空産業にも使われるスウェーデンOxeon社製の「TeXtreamカーボン」を採用。空気抵抗の低減を最優先としながらもチューブ形状を工夫し、プロライダーのハイパワーに耐えうるだけの強度と剛性を確保した。そして、リアハブは左右非対称設計とし、チェーンラインを最適化。ありとあらゆる走行抵抗を極限まで低減することに成功したという。
フェルトのエアロダイナミクス開発リーダーであるアントン・ペトロフ氏は「新しいTA FRDはチームアメリカにとって大きな武器になります。TA FRDに乗ることで女子チームパシュート競技で3.5秒タイムを短縮出来るようになったのは歴史的と言えるでしょう」とコメントしている。
TA FRDは既に実戦投入されており、3月に開催された世界選手権では4,000m団体追い抜きで4分16秒180の世界新記録をマークし優勝を飾っている。来るリオオリンピックで、TA FRDを駆る女子団体追い抜きのアメリカ代表が、どの様な記録を残すかに注目だ。
2012年に開催されたロンドンオリンピック。自転車トラック競技3日目に開催された女子団体追い抜きでアメリカ代表は2位に入り、同種目ではアメリカ史上初となるメダルを獲得した。その活躍に貢献したのがフェルトである。そして4年後の今年、カリフォルニアに開発拠点を置く同社は、リオオリンピック開催にあわせ、女子団体追い抜きのアメリカ代表のために開発したスペシャルマシン「TA FRD」を発表した。
その最大の特徴は、トラック競技の競技環境にフォーカスして設計したこと。まずフェルトのエンジニア達はヴェロドローム内の空力を徹底的にリサーチすると共に、コンピューターによるシミュレーションを積み重ね、更にはトラック競技がバンクを反時計方向に周回することに着目。トラックバイクの左右で空気の流れが非対称であることを発見した。
この結果に基づき、翼断面をとる各チューブは左右非対称設計とし、チェーンリング・チェーン・コグから構成される駆動系を左側へと移動。加えて、前後のエンド幅を、通常は前100mm/後110mmのところ、前70mm/後95mmと狭幅化し、ホイールを固定するためのナットを省略するために独自のテーパードドロップアウトを採用。こられの独自設計により、トラックレースの競技環境下における空気抵抗の低減を追求している。
また、「TA FRD」の開発にあたってフェルトはパーツメーカーに協力を仰ぎ、駆動系の左側への移設を実現した。クランクは円盤状のスパイダーが特徴的なヴィジョンMetronとし、右アームにはSTAGE POWERのパワーメーターを搭載。ホイールは前後共に、競合製品に対して圧倒的に空気抵抗が小さなHEDの専用Discモデルとしている。タイヤはヴィットリア、コグはフィルウッドを採用する。
素材には、F1や航空産業にも使われるスウェーデンOxeon社製の「TeXtreamカーボン」を採用。空気抵抗の低減を最優先としながらもチューブ形状を工夫し、プロライダーのハイパワーに耐えうるだけの強度と剛性を確保した。そして、リアハブは左右非対称設計とし、チェーンラインを最適化。ありとあらゆる走行抵抗を極限まで低減することに成功したという。
フェルトのエアロダイナミクス開発リーダーであるアントン・ペトロフ氏は「新しいTA FRDはチームアメリカにとって大きな武器になります。TA FRDに乗ることで女子チームパシュート競技で3.5秒タイムを短縮出来るようになったのは歴史的と言えるでしょう」とコメントしている。
TA FRDは既に実戦投入されており、3月に開催された世界選手権では4,000m団体追い抜きで4分16秒180の世界新記録をマークし優勝を飾っている。来るリオオリンピックで、TA FRDを駆る女子団体追い抜きのアメリカ代表が、どの様な記録を残すかに注目だ。