2009/10/19(月) - 08:59
10月12日から17日までの6日間、オーストラリア南部で第58回ヘラルド・サンツアー(UCI2.1)が開催され、レースは唯一のプロツアーチーム・ガーミンの独壇場となった。個人TTを制したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)が総合優勝を飾った。
オーストラリア南部、ヴィクトリア州(州都メルボルン)を舞台に開催されたヘラルド・サンツアー。1999年に始まった国内最大のツアー・ダウンアンダーより歴史は古く、1952年以降、毎年欠かさず開催されている。
オーストラリアのドラパックポルシェ、アメリカのロックレーシング、イギリスのラファ・コンドル、日本の愛三工業レーシングチームを始めとするUCIコンチネンタルチームが終結する中、断トツのチーム力を有していたのがプロツアーチームのガーミン・スリップストリーム。今年のツール・ド・フランス総合4位の実力者ウィギンズの力は圧倒的だった。
レースは連日強風で分裂した集団によるスプリント勝負に持ち込まれ、ガーミンのクリストファー・サットン(オーストラリア)がステージ3連勝で総合リードを得た。そしてジーロング(2010年ロード世界選手権開催地)で行なわれた第5ステージの個人タイムトライアルでウィギンズが優勝すると、リーダージャージはサットンからウィギンズにスイッチした。
ウィギンズは全てのステージでトップ10に入る危なげない走りで総合リードを守りきり、初総合優勝に輝いた。トラック競技ではオリンピックで3個、世界選手権で6個の金メダルを獲得しているウィギンズだが、ステージレースでの総合優勝はこれが初めてだ。
愛三工業レーシングチームは、日本チャンピオンの西谷泰治や綾部勇成が序盤ステージの落車に巻き込まれるなどトラブルが続き、ステージのトップ10に絡める走りを見せることが出来ず。品川真寛、別府匠、盛一大、西谷泰治の4名が完走した。田中光輝監督はチーム公式サイトの中で「落車が続いて無事にレースを終われたとは言えませんが、また次回に繋がる経験が出来たと思います」とコメント。選手たちは帰国し、1週間後のジャパンカップに出場する予定だ。
ヘラルド・サンツアー2009結果(愛三はチーム内トップの選手のみ表示)
10月12日 第1ステージ バララト 149km
1位 ヤン・キルシプー(エストニア、ルトゥーア)3h41'54"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
3位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)
31位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)+04"
総合首位 ヤン・キルシプー(エストニア、ルトゥーア)
10月13日 第2ステージ コラック〜ウォーナンブール 141km
1位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)3h33'44"
2位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)
3位 マシュー・ウィルソン(オーストラリア、ジェイコ・オーストラリア)
26位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)+4'09"
総合首位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)
10月14日 第3ステージ ウォーナンブール〜アポロ・ベイ 164km
1位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)3h48'58"
2位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)
3位 デーヴィッド・タナー(オーストラリア、ロックレーシング)
21位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム)+10"
総合首位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
10月15日 第4ステージ アングレシー〜バーロン・ヘッズ 138km
1位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)3h06'47"
2位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)
3位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)
22位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)
総合首位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
10月16日 第5ステージ ジーロング 10km(個人TT)
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)13'08"
2位 スヴェイン・タフト(カナダ、ガーミン)+14"
3位 バーナード・ヴァンウルデン(アメリカ、ジェリーベリー)+32"
16位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)+1'14"
総合首位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)
10月17日 第6ステージ メルボルン
1位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)1h26'57"
2位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコAIS)
3位 デーヴィッド・タナー(オーストラリア、ロックレーシング)
12位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)+04"
個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)15h51'27"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)+11"
3位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)+20"
4位 スヴェイン・タフト(カナダ、ガーミン)+48"
5位 バーナード・ヴァンウルデン(アメリカ、ジェリーベリー)+1'43"
29位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)+30'00"
32位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム)+32'45"
38位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)+47'23"
46位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)+56'41"
text:Kei Tsuji
photo:www.heraldsuntour.com.au
オーストラリア南部、ヴィクトリア州(州都メルボルン)を舞台に開催されたヘラルド・サンツアー。1999年に始まった国内最大のツアー・ダウンアンダーより歴史は古く、1952年以降、毎年欠かさず開催されている。
オーストラリアのドラパックポルシェ、アメリカのロックレーシング、イギリスのラファ・コンドル、日本の愛三工業レーシングチームを始めとするUCIコンチネンタルチームが終結する中、断トツのチーム力を有していたのがプロツアーチームのガーミン・スリップストリーム。今年のツール・ド・フランス総合4位の実力者ウィギンズの力は圧倒的だった。
レースは連日強風で分裂した集団によるスプリント勝負に持ち込まれ、ガーミンのクリストファー・サットン(オーストラリア)がステージ3連勝で総合リードを得た。そしてジーロング(2010年ロード世界選手権開催地)で行なわれた第5ステージの個人タイムトライアルでウィギンズが優勝すると、リーダージャージはサットンからウィギンズにスイッチした。
ウィギンズは全てのステージでトップ10に入る危なげない走りで総合リードを守りきり、初総合優勝に輝いた。トラック競技ではオリンピックで3個、世界選手権で6個の金メダルを獲得しているウィギンズだが、ステージレースでの総合優勝はこれが初めてだ。
愛三工業レーシングチームは、日本チャンピオンの西谷泰治や綾部勇成が序盤ステージの落車に巻き込まれるなどトラブルが続き、ステージのトップ10に絡める走りを見せることが出来ず。品川真寛、別府匠、盛一大、西谷泰治の4名が完走した。田中光輝監督はチーム公式サイトの中で「落車が続いて無事にレースを終われたとは言えませんが、また次回に繋がる経験が出来たと思います」とコメント。選手たちは帰国し、1週間後のジャパンカップに出場する予定だ。
ヘラルド・サンツアー2009結果(愛三はチーム内トップの選手のみ表示)
10月12日 第1ステージ バララト 149km
1位 ヤン・キルシプー(エストニア、ルトゥーア)3h41'54"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
3位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)
31位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)+04"
総合首位 ヤン・キルシプー(エストニア、ルトゥーア)
10月13日 第2ステージ コラック〜ウォーナンブール 141km
1位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)3h33'44"
2位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)
3位 マシュー・ウィルソン(オーストラリア、ジェイコ・オーストラリア)
26位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)+4'09"
総合首位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)
10月14日 第3ステージ ウォーナンブール〜アポロ・ベイ 164km
1位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)3h48'58"
2位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)
3位 デーヴィッド・タナー(オーストラリア、ロックレーシング)
21位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム)+10"
総合首位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
10月15日 第4ステージ アングレシー〜バーロン・ヘッズ 138km
1位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)3h06'47"
2位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)
3位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)
22位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)
総合首位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
10月16日 第5ステージ ジーロング 10km(個人TT)
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)13'08"
2位 スヴェイン・タフト(カナダ、ガーミン)+14"
3位 バーナード・ヴァンウルデン(アメリカ、ジェリーベリー)+32"
16位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)+1'14"
総合首位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)
10月17日 第6ステージ メルボルン
1位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)1h26'57"
2位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコAIS)
3位 デーヴィッド・タナー(オーストラリア、ロックレーシング)
12位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)+04"
個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、ガーミン)15h51'27"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)+11"
3位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、フライVオーストラリア)+20"
4位 スヴェイン・タフト(カナダ、ガーミン)+48"
5位 バーナード・ヴァンウルデン(アメリカ、ジェリーベリー)+1'43"
29位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)+30'00"
32位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム)+32'45"
38位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)+47'23"
46位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)+56'41"
text:Kei Tsuji
photo:www.heraldsuntour.com.au
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