2016/05/17(火) - 16:49
リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねた「やわたはま国際MTBレース」。男子エリートで山本幸平が順当に優勝を飾り、五輪3大会連続となるリオ五輪代表選出を確実にした。
5月15日に開催された「やわたはま国際マウンテンバイクレース」。今年はリオデジャネイロオリンピック開催年でもあり、この大会は2004年のアテネオリンピック日本代表選手選考レースにもなった。
お馴染みの八幡浜のコースが今季から一新された。観客にさらに見やすい観戦エリアステージ、そして選手にとってもテクニカルセクションのドロップオフ追加など、国際認定コースとして世界になんら遜色のない進化を遂げた。
レース当日の天候は薄曇り。コースはドライだが、山間部のシングルトラックは所々山からの湧水が染み出す湿っぽい状態に。全体には非常に良いコンディションだ。気温も穏やかで暑さを感じず、ドライで快適だ。
エリート男子は68名が出走。スタート直後のシングルトラックからホームグラウンドに現れたのは山本幸平(トレックファクトリーレーシング)だ。そのあと小野寺健(ミヤタメリダバイキングチーム)、沢田時、平野星矢(ともにブリヂストンアンカー)と続く団子状態に。
3周回目、トップ争いに中原(BH SRサンツアー)が浮上し、山本、中原がテールトゥノーズ状態に。そのまま4周目には2位以下を引き離し、ふたりが先行する状態となった。
そして6周目には山本の完全独走状態となり、そのままフィニッシュ。すでに2度のオリンピックを経験している山本の世界レベルの実力が国内で発揮された形となった。2位には43秒遅れで中原が入り、急成長ぶりを証明した。
3周めから終始3位を安定してキープした沢田が続き、4位に竹之内悠(Toyo Frame)、そして5位に前田公平(BiORACER/Thompson)、6位に地元愛媛県選手の門田基志(TEAM GIANT)が入り会場を沸かせた。
エリート女子は末政実緒の独走優勝
エリート女子12名は6カテゴリー混走という条件のなかで行われた。スタート直後から飛び出した末政(スラム・ライテック)はすでに1周目から独走状態に。続く中島崚歩(WIAWIS)、3番手に昨年度優勝の小林(MTBクラブ安曇野)でホームグラウンドに現れた。
迎えた最終周、トップは独走状態の末政で、XC/DH二冠の実力を発揮。2位には浮上してきたケリー美枝子、そしてスタートから3位変わらずの小林。この時点で以下の選手は足切りとなり、コース上には3名のみという厳しい争いとなった。そして危なげなくトップフィニッシュを決めたのは、2013年の雨の八幡浜でも優勝を飾っている末政だった。
男子エリート 山本幸平 (トレックファクトリーレーシング)の優勝コメント
山本は「走行中はレース状況を把握する余裕はなかったが、勝ててよかった。オリンピック選考大会ということでストレス感をじつつも、選考される位置を取れたのはよかった。次のドイツでのW杯に向け、ストレスからも解放された。リラックスして臨みたい。」と語った。この八幡浜へのプレッシャーの大きさを感じる言葉でもあった。
また山本は、2012年以来4年ぶりの八幡浜での勝利について、そして今後にも触れた。「選考会場となった八幡浜市あげてのUCI Class1の国際コースを情熱を持って運営していただくことに非常に嬉しく思う。そして2020東京オリンピックに向けて、次世代のU23とジュニアの選手たちを多く輩出し、強い日本を作っていくお手伝いをこの八幡浜とともしていきたい」と語り、今年のリオ五輪だけではなく、次回東京五輪と、それに続く後継者や日本マウンテンバイク界の未来を意識していた。
2位 中原義貴(BH SRサンツアー)
「今シーズンはいい流れでスタートして、この八幡浜にも余裕をもった気持ちで臨めた。一瞬はトップにも立てたが、山本さんとはやはり力の差が出てしまった。ただ自分の走りや次のレースへの自信につながる結果となった。暑い中で走ることができたのはコース上での「ヨシタカ〜!」の声援のおかげです。観客の皆さんに感謝いたします」
女子エリート優勝 末政実緒(SRAM/LITEC/PRIVATE PARK)
独走状態ではあったものの、どうなるかわからずでしたが、日の丸のついたジャージの責任を思いながら、ひとりひとりの声援が心に響いて活力になり結果を出すことができました。
リザルト
男子エリート(30.1km)
1位 山本幸平(トレックファクトリーレーシング) 1:36:41.31
2位 中原義貴(BH SRサンツアー) 1:37:24.02
3位 沢田 時(ブリヂストンアンカー)1:38:09.31
男子U23(25.8km)
1位 松田賢太郎 Cyclery KIRIN / KMC / iPlan 1:42:15.80
2位 山内 健正 国際自然環境アウトドア専門学校 1:42:59.85
3位 鈴木 謙太 カントリーモーニング 1:50:33.94
女子エリート(25.8km)
1位 末政実緒SRAM/LITEC/PRIVATE PARK 1:45:23.51 14.69
2位 ケリー美枝子 Carey 1:53:36.01
3位 小林可奈子 MTBクラブ安曇野 1:54:45.95
女子マスターズ(17.2km)
1位 北島 優子 パワースポーツSICK 1:52:28.76
男子マスターズ(21.5km)
1位 大橋 優 TeamPoppo 1:23:15.34
2位 酒居 良和 マウンテンポテト 1:23:23.23
3位 澤田 泰征 VOLCA転倒虫 1:23:42.72
女子ジュニア(17.2km)
1位 佐藤 寿美 MIYATA-MERIDA BIKING TEAM 1:18:18.02
2位 石田 恵 リミテッドチーム846 1:34:00.86
男子ジュニア(21.5km)
1位 PAUL Wright NZL 1:15:22.33
2位 北林 力 ProRide 1:15:49.25
3位 上野 蓮 Lion de Kapelmuur 1:16:31.54
女子チャレンジ(8.6km)
1位 久保田珠実 妄想自転車店 47:52.71
2位 本元 泰穂 シマノドリンキングXC C 1:16:51.00
男子チャレンジ(12.9km)
1位 根本 学 cycleclub3UP 51:10.35
2位 佐藤 淳 Team Nippo 53:27.74
3位 橋本 将吾 INFINITY 53:32.64
男子アドバンス(17.2km)
1位 水谷 祐太 シマノドリンキングXC B 1:04:38.52
2位 北島 篤志 Cyclery KIRIN/ KMC/iPlan 1:04:47.88
3位 棟保 祐介 岩井商会レーシング 1:04:57.34
男子ユース(12.9km)
1位 村上功太郎 こけむしろ 43:59.58
2位 山口 創平 ProRide 45:22.08
3位 神永 真一 ProRide 45:27.74
女子ユース(8.6km)
1位 小林あか里 MTBクラブ安曇野 37:46.55
2位 川口うらら Sonic-Racing 43:01.10
3位 中島 悠里 maillot SY-Nak 44:36.69
photo&report:Taro.Okamoto
5月15日に開催された「やわたはま国際マウンテンバイクレース」。今年はリオデジャネイロオリンピック開催年でもあり、この大会は2004年のアテネオリンピック日本代表選手選考レースにもなった。
お馴染みの八幡浜のコースが今季から一新された。観客にさらに見やすい観戦エリアステージ、そして選手にとってもテクニカルセクションのドロップオフ追加など、国際認定コースとして世界になんら遜色のない進化を遂げた。
レース当日の天候は薄曇り。コースはドライだが、山間部のシングルトラックは所々山からの湧水が染み出す湿っぽい状態に。全体には非常に良いコンディションだ。気温も穏やかで暑さを感じず、ドライで快適だ。
エリート男子は68名が出走。スタート直後のシングルトラックからホームグラウンドに現れたのは山本幸平(トレックファクトリーレーシング)だ。そのあと小野寺健(ミヤタメリダバイキングチーム)、沢田時、平野星矢(ともにブリヂストンアンカー)と続く団子状態に。
3周回目、トップ争いに中原(BH SRサンツアー)が浮上し、山本、中原がテールトゥノーズ状態に。そのまま4周目には2位以下を引き離し、ふたりが先行する状態となった。
そして6周目には山本の完全独走状態となり、そのままフィニッシュ。すでに2度のオリンピックを経験している山本の世界レベルの実力が国内で発揮された形となった。2位には43秒遅れで中原が入り、急成長ぶりを証明した。
3周めから終始3位を安定してキープした沢田が続き、4位に竹之内悠(Toyo Frame)、そして5位に前田公平(BiORACER/Thompson)、6位に地元愛媛県選手の門田基志(TEAM GIANT)が入り会場を沸かせた。
エリート女子は末政実緒の独走優勝
エリート女子12名は6カテゴリー混走という条件のなかで行われた。スタート直後から飛び出した末政(スラム・ライテック)はすでに1周目から独走状態に。続く中島崚歩(WIAWIS)、3番手に昨年度優勝の小林(MTBクラブ安曇野)でホームグラウンドに現れた。
迎えた最終周、トップは独走状態の末政で、XC/DH二冠の実力を発揮。2位には浮上してきたケリー美枝子、そしてスタートから3位変わらずの小林。この時点で以下の選手は足切りとなり、コース上には3名のみという厳しい争いとなった。そして危なげなくトップフィニッシュを決めたのは、2013年の雨の八幡浜でも優勝を飾っている末政だった。
男子エリート 山本幸平 (トレックファクトリーレーシング)の優勝コメント
山本は「走行中はレース状況を把握する余裕はなかったが、勝ててよかった。オリンピック選考大会ということでストレス感をじつつも、選考される位置を取れたのはよかった。次のドイツでのW杯に向け、ストレスからも解放された。リラックスして臨みたい。」と語った。この八幡浜へのプレッシャーの大きさを感じる言葉でもあった。
また山本は、2012年以来4年ぶりの八幡浜での勝利について、そして今後にも触れた。「選考会場となった八幡浜市あげてのUCI Class1の国際コースを情熱を持って運営していただくことに非常に嬉しく思う。そして2020東京オリンピックに向けて、次世代のU23とジュニアの選手たちを多く輩出し、強い日本を作っていくお手伝いをこの八幡浜とともしていきたい」と語り、今年のリオ五輪だけではなく、次回東京五輪と、それに続く後継者や日本マウンテンバイク界の未来を意識していた。
2位 中原義貴(BH SRサンツアー)
「今シーズンはいい流れでスタートして、この八幡浜にも余裕をもった気持ちで臨めた。一瞬はトップにも立てたが、山本さんとはやはり力の差が出てしまった。ただ自分の走りや次のレースへの自信につながる結果となった。暑い中で走ることができたのはコース上での「ヨシタカ〜!」の声援のおかげです。観客の皆さんに感謝いたします」
女子エリート優勝 末政実緒(SRAM/LITEC/PRIVATE PARK)
独走状態ではあったものの、どうなるかわからずでしたが、日の丸のついたジャージの責任を思いながら、ひとりひとりの声援が心に響いて活力になり結果を出すことができました。
リザルト
男子エリート(30.1km)
1位 山本幸平(トレックファクトリーレーシング) 1:36:41.31
2位 中原義貴(BH SRサンツアー) 1:37:24.02
3位 沢田 時(ブリヂストンアンカー)1:38:09.31
男子U23(25.8km)
1位 松田賢太郎 Cyclery KIRIN / KMC / iPlan 1:42:15.80
2位 山内 健正 国際自然環境アウトドア専門学校 1:42:59.85
3位 鈴木 謙太 カントリーモーニング 1:50:33.94
女子エリート(25.8km)
1位 末政実緒SRAM/LITEC/PRIVATE PARK 1:45:23.51 14.69
2位 ケリー美枝子 Carey 1:53:36.01
3位 小林可奈子 MTBクラブ安曇野 1:54:45.95
女子マスターズ(17.2km)
1位 北島 優子 パワースポーツSICK 1:52:28.76
男子マスターズ(21.5km)
1位 大橋 優 TeamPoppo 1:23:15.34
2位 酒居 良和 マウンテンポテト 1:23:23.23
3位 澤田 泰征 VOLCA転倒虫 1:23:42.72
女子ジュニア(17.2km)
1位 佐藤 寿美 MIYATA-MERIDA BIKING TEAM 1:18:18.02
2位 石田 恵 リミテッドチーム846 1:34:00.86
男子ジュニア(21.5km)
1位 PAUL Wright NZL 1:15:22.33
2位 北林 力 ProRide 1:15:49.25
3位 上野 蓮 Lion de Kapelmuur 1:16:31.54
女子チャレンジ(8.6km)
1位 久保田珠実 妄想自転車店 47:52.71
2位 本元 泰穂 シマノドリンキングXC C 1:16:51.00
男子チャレンジ(12.9km)
1位 根本 学 cycleclub3UP 51:10.35
2位 佐藤 淳 Team Nippo 53:27.74
3位 橋本 将吾 INFINITY 53:32.64
男子アドバンス(17.2km)
1位 水谷 祐太 シマノドリンキングXC B 1:04:38.52
2位 北島 篤志 Cyclery KIRIN/ KMC/iPlan 1:04:47.88
3位 棟保 祐介 岩井商会レーシング 1:04:57.34
男子ユース(12.9km)
1位 村上功太郎 こけむしろ 43:59.58
2位 山口 創平 ProRide 45:22.08
3位 神永 真一 ProRide 45:27.74
女子ユース(8.6km)
1位 小林あか里 MTBクラブ安曇野 37:46.55
2位 川口うらら Sonic-Racing 43:01.10
3位 中島 悠里 maillot SY-Nak 44:36.69
photo&report:Taro.Okamoto
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