2016/05/16(月) - 06:19
JエリートツアーのTTとクリテリウムが開催された千葉・鴨川のE1は岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)が連勝、クリテリウム2組目は松木健治(クラブシルベスト)が圧倒。女子のTTは唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が、クリテリウムは伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)が制した。
千葉県南部の鴨川市で5月14、15日の2日間にわたって行われたタイムトライアルとクリテリウムは、JBCFとしては初の開催。両日とも会場は鴨川市総合運動施設で、場内特設の1周1.3kmコースでレースが行われた。コースの半分は道幅がやや狭くコーナーやカーブが連続し一列棒状になる。残り半分は直線状で、集団は伸び縮みを繰り返すハードな設定。
鴨川市を含む南房総は「自転車の聖地」を目指す
房総半島南部の鴨川市は温暖な気候と走りやすい道路環境そして恵まれたアクセスで、以前からJCFのロード強化合宿などが行われてきた場所だ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けて各種競技の候補地として名前が上がる一方、事前のトレーニングキャンプの拠点としても鴨川市含む3市1町及び千葉県が主導して名乗りを上げている。とりわけ自転車競技においてはロードのキャンプ地として具体的に誘致活動をしており、地元在住・名選手の高橋松吉氏(チェリージャパン監督)を中心に活動している。
高橋氏は「気候、道路環境そしてアクセスのよいこの地域でロードレースを開催したく、まずはこの運動施設内の敷地を使ったTTとクリテリウムを企画しました。今後は公道を使ったロードレースに発展させたいと考えています。そして東京オリンピックへ向けてここがトレーニングの拠点になれれば」と熱く想いを語る。千葉県総合企画部東京オリンピック・パラリンピック推進課では、自転車競技事前キャンプ誘致を目的として動画を作成し、すでにYou Yubeに公開しているほどだ。レース当日は鴨川市の長谷川孝夫市長が赴き、スターターも務めた。
第1回JBCFブルータイムトライアルin鴨川
初日の5月14日(土)は個人タイムトライアルが行われた。1周1.3kmでテクニカルなコース設定からノーマルバイクのみの使用とされた。E1クラスタでは1分39秒台の攻防が続く中、終盤に出走した岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)がいきなり3秒を縮める1分36秒71のトップタイムを出す。最終スタートの松木健治(クラブシルベスト)も1分38秒70と迫ったが2位に。
優勝した岡は「テクニカルなコースだったのが自分にとって良かったと思います。先に走った大場さんから砂利のあるコーナーなどの情報を聞きました。明日は厳しいレースにしたいですね」と語る。
女子は最終スタートの唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が1分49秒43のトップタイムを出し優勝。その唐見は「今日はあまり脚が回らなくて、もう少しタイムを出したかったですね。もっとタイム差をつけられることを目標にしたいです」と語る。
タイムトライアル結果
E1クラスタ 1.3km
1位 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)1分36秒71
2位 松木健治(クラブシルベスト)1分38秒70
3位 村田幸希(アーティファクトレーシングチーム)1分39秒49
4位 河合宏樹(オッティモ)1分39秒69
5位 所司純一(モジュマエリアゼロナナゴ)1分39秒72
6位 井上人志(クラブシルベスト)1分40秒37
Fクラスタ 1.3km
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)1分49秒43
2位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)1分50秒91
3位 棟近陽子(BH ASTIFO)1分52秒30
第1回JBCFブルークリテリウムin鴨川
TTの1位と2位が優勝のE1クラスタ
2日目の5月15日(日)はクリテリウムが行われた。テクニカルなコースを考慮して各クラスとも40名前後とするためE1とE2は各2組に、E3は4組に分けられた。29周37.7kmで行われたE1クラスタ1組目は1分45秒前後のラップで中盤まで集団で進む。中盤過ぎて弱虫ペダルサイクリングチームとLinkTOHOKUを含む5名が抜け出す。メイン集団ではこの2チームに加えクラブシルベストが前方で展開する。ラスト4周で13秒差のメイン集団から岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)が単独で抜け出し先頭集団に追いつく。
この時の岡のラップタイムは1分35秒と前日の自身の個人TT優勝タイムより1秒速い。この動きで先頭は11名になりフィニッシュへ向かう。渡邉正光(LinkTOHOKU)が先行でラスト100mのコーナーを立ち上がるが、これを岡がかわして優勝。だれもが岡を見てマークしていた中を力でねじ伏せた。岡は「予想以上にマークされましたが(織田)聖に逃げてもらってそこへ一人で追いつき、結果少人数にできました。最終コーナーは先頭で入りたかったですが2番手で入ってイン側が空かなかったのでアウト側からかわしました」と語る。
E1クラスタ2組目は終始集団で進む展開。ネクストイエロージャージの松木健治(クラブシルベスト)は常に集団前方に位置し逃げを許さない動きに。ハイペースの展開で集団は17名に絞られゴールスプリントへ。これを松木はコースの中央から仕掛けて圧倒的なスプリントで優勝。「今日はチームメイトを一人でも多く完走させるよう逃げを作らず抑える走りをしました。そのうえで万全な体制でスプリントに入れ、自分も勝てて作戦通りでした。今日は行ける気がしました」と優勝した松木は語る。
伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)が半年ぶりの勝利
女子のFクラスタはスタート後から小田恵利花(TEAM SPORTS KID)と大内恵(コムリン)の2人が逃げる展開に。メイン集団では唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)や針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)らが仕掛けあい、追撃とけん制を繰り返す。しかし2人の逃げは30分以上に及び終盤へ向かう。先頭の2人にメイン集団からブリッジが数人ずつかかってできた集団がフィニッシュへ向かう。
ラスト2周で抜け出したのは伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)。メイン集団ではけん制が続く中、差は10秒に。最終周回過ぎてようやく追撃がかかるが伊藤が逃げ切り優勝。「先頭で走っていたら後ろがいなかったのであと2周なので行けると思い逃げました。今シーズン入ってから調子がなかなか上がらなかったので半年ぶりのこの優勝は嬉しいです」と優勝した伊藤は語る。
クリテリウム結果
E1 1組 37.7km
1位 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)51分31秒
2位 渡邉正光(LinkTOHOKU)
3位 吉田勝雅(サイタマサイクルプロジェクト)
4位 嶌田義明(TEAM YOU CAN)+01秒
5位 山田大介(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
6位 半澤雄高(LinkTOHOKU)
E1 2組 37.7km
1位 松木健治(クラブシルベスト)51分37秒
2位 所司純一(モジュマ エリアゼロナナゴ)
3位 菊池悠介(湘南ベルマーレサイクル)
4位 福田圭晃(横浜高校自転車競技部)
5位 岩崎晶雲(LinkTOHOKU)
6位 遠藤健太(チームフィンズ)
Jエリートツアーリーダー 松木健治(クラブシルベスト)
F 29.9km
1位 伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)46分58秒
2位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
3位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)
Jフェミニンツアーリーダー 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
photo:Hideaki TAKAGI,Satoshi ODA
text:Hideaki TAKAGI
千葉県南部の鴨川市で5月14、15日の2日間にわたって行われたタイムトライアルとクリテリウムは、JBCFとしては初の開催。両日とも会場は鴨川市総合運動施設で、場内特設の1周1.3kmコースでレースが行われた。コースの半分は道幅がやや狭くコーナーやカーブが連続し一列棒状になる。残り半分は直線状で、集団は伸び縮みを繰り返すハードな設定。
鴨川市を含む南房総は「自転車の聖地」を目指す
房総半島南部の鴨川市は温暖な気候と走りやすい道路環境そして恵まれたアクセスで、以前からJCFのロード強化合宿などが行われてきた場所だ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けて各種競技の候補地として名前が上がる一方、事前のトレーニングキャンプの拠点としても鴨川市含む3市1町及び千葉県が主導して名乗りを上げている。とりわけ自転車競技においてはロードのキャンプ地として具体的に誘致活動をしており、地元在住・名選手の高橋松吉氏(チェリージャパン監督)を中心に活動している。
高橋氏は「気候、道路環境そしてアクセスのよいこの地域でロードレースを開催したく、まずはこの運動施設内の敷地を使ったTTとクリテリウムを企画しました。今後は公道を使ったロードレースに発展させたいと考えています。そして東京オリンピックへ向けてここがトレーニングの拠点になれれば」と熱く想いを語る。千葉県総合企画部東京オリンピック・パラリンピック推進課では、自転車競技事前キャンプ誘致を目的として動画を作成し、すでにYou Yubeに公開しているほどだ。レース当日は鴨川市の長谷川孝夫市長が赴き、スターターも務めた。
第1回JBCFブルータイムトライアルin鴨川
初日の5月14日(土)は個人タイムトライアルが行われた。1周1.3kmでテクニカルなコース設定からノーマルバイクのみの使用とされた。E1クラスタでは1分39秒台の攻防が続く中、終盤に出走した岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)がいきなり3秒を縮める1分36秒71のトップタイムを出す。最終スタートの松木健治(クラブシルベスト)も1分38秒70と迫ったが2位に。
優勝した岡は「テクニカルなコースだったのが自分にとって良かったと思います。先に走った大場さんから砂利のあるコーナーなどの情報を聞きました。明日は厳しいレースにしたいですね」と語る。
女子は最終スタートの唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が1分49秒43のトップタイムを出し優勝。その唐見は「今日はあまり脚が回らなくて、もう少しタイムを出したかったですね。もっとタイム差をつけられることを目標にしたいです」と語る。
タイムトライアル結果
E1クラスタ 1.3km
1位 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)1分36秒71
2位 松木健治(クラブシルベスト)1分38秒70
3位 村田幸希(アーティファクトレーシングチーム)1分39秒49
4位 河合宏樹(オッティモ)1分39秒69
5位 所司純一(モジュマエリアゼロナナゴ)1分39秒72
6位 井上人志(クラブシルベスト)1分40秒37
Fクラスタ 1.3km
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)1分49秒43
2位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)1分50秒91
3位 棟近陽子(BH ASTIFO)1分52秒30
第1回JBCFブルークリテリウムin鴨川
TTの1位と2位が優勝のE1クラスタ
2日目の5月15日(日)はクリテリウムが行われた。テクニカルなコースを考慮して各クラスとも40名前後とするためE1とE2は各2組に、E3は4組に分けられた。29周37.7kmで行われたE1クラスタ1組目は1分45秒前後のラップで中盤まで集団で進む。中盤過ぎて弱虫ペダルサイクリングチームとLinkTOHOKUを含む5名が抜け出す。メイン集団ではこの2チームに加えクラブシルベストが前方で展開する。ラスト4周で13秒差のメイン集団から岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)が単独で抜け出し先頭集団に追いつく。
この時の岡のラップタイムは1分35秒と前日の自身の個人TT優勝タイムより1秒速い。この動きで先頭は11名になりフィニッシュへ向かう。渡邉正光(LinkTOHOKU)が先行でラスト100mのコーナーを立ち上がるが、これを岡がかわして優勝。だれもが岡を見てマークしていた中を力でねじ伏せた。岡は「予想以上にマークされましたが(織田)聖に逃げてもらってそこへ一人で追いつき、結果少人数にできました。最終コーナーは先頭で入りたかったですが2番手で入ってイン側が空かなかったのでアウト側からかわしました」と語る。
E1クラスタ2組目は終始集団で進む展開。ネクストイエロージャージの松木健治(クラブシルベスト)は常に集団前方に位置し逃げを許さない動きに。ハイペースの展開で集団は17名に絞られゴールスプリントへ。これを松木はコースの中央から仕掛けて圧倒的なスプリントで優勝。「今日はチームメイトを一人でも多く完走させるよう逃げを作らず抑える走りをしました。そのうえで万全な体制でスプリントに入れ、自分も勝てて作戦通りでした。今日は行ける気がしました」と優勝した松木は語る。
伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)が半年ぶりの勝利
女子のFクラスタはスタート後から小田恵利花(TEAM SPORTS KID)と大内恵(コムリン)の2人が逃げる展開に。メイン集団では唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)や針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)らが仕掛けあい、追撃とけん制を繰り返す。しかし2人の逃げは30分以上に及び終盤へ向かう。先頭の2人にメイン集団からブリッジが数人ずつかかってできた集団がフィニッシュへ向かう。
ラスト2周で抜け出したのは伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)。メイン集団ではけん制が続く中、差は10秒に。最終周回過ぎてようやく追撃がかかるが伊藤が逃げ切り優勝。「先頭で走っていたら後ろがいなかったのであと2周なので行けると思い逃げました。今シーズン入ってから調子がなかなか上がらなかったので半年ぶりのこの優勝は嬉しいです」と優勝した伊藤は語る。
クリテリウム結果
E1 1組 37.7km
1位 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)51分31秒
2位 渡邉正光(LinkTOHOKU)
3位 吉田勝雅(サイタマサイクルプロジェクト)
4位 嶌田義明(TEAM YOU CAN)+01秒
5位 山田大介(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
6位 半澤雄高(LinkTOHOKU)
E1 2組 37.7km
1位 松木健治(クラブシルベスト)51分37秒
2位 所司純一(モジュマ エリアゼロナナゴ)
3位 菊池悠介(湘南ベルマーレサイクル)
4位 福田圭晃(横浜高校自転車競技部)
5位 岩崎晶雲(LinkTOHOKU)
6位 遠藤健太(チームフィンズ)
Jエリートツアーリーダー 松木健治(クラブシルベスト)
F 29.9km
1位 伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE)46分58秒
2位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
3位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)
Jフェミニンツアーリーダー 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
photo:Hideaki TAKAGI,Satoshi ODA
text:Hideaki TAKAGI
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