連続する登りで精鋭集団の人数が絞られたティレーノ〜アドリアティコ第6ステージ。イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)がライバルたちを退け、区間優勝と共に総合優勝に王手をかけた。



総合首位のイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:RCS Sports

ティレーノ〜アドリアティコ第6ステージ image:RCS Sports
ティレニア海からアドリア海まで、2つの海を結ぶティレーノ〜アドリアティコ(UCIワールドツアー)も残すところあと2日。第6ステージは山岳地帯を進む獲得標高差4,000mの登坂バトル。コース前半に超級山岳サッソテット(距離13.1km/平均7.4%)を登り、下ってからは急勾配の山岳を含む29kmの周回コースを3周する。

このタフなレイアウトに臨むのは、総合首位イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)を先頭とする162名の選手たち。降雪のためコースが短縮されたパリ〜ニースとは違い、半袖のジャージを着る選手たちがサン・セヴェリーノ・マルケを出発。初日の個人タイムトライアルを制したフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)を含む7名が逃げ集団を形成した。

7名による逃げ集団 photo:RCS Sports

超級山岳サッソテットの頂上はティモ・キーリッヒ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が先頭通過し、その時点でも逃げは4分以上のリードをキープ。一方、スプリンターが遅れてシェイプされたメイン集団は、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング)がペースを上げる。これにUAEチームエミレーツXRGも加勢し、ポイント賞ジャージを着るマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)が遅れていった。

途中でプロトンを抜け出したリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)のアタックは失敗に終わる。そしてレースは、プロトンが逃げから残ったグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、デカトロンCMA CGM)とクレマン・ブラズアフォンソ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)を追う展開に。周回コースでは総合3位で、首位から34秒差のマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ)のため、ヴィスマ・リースアバイクによる高速牽引がプロトンを分断させた。

プロトンを抜け出したアタックは決まらなかったリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:RCS Sports

終盤に仕掛けたワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:RCS Sports

25名に絞られたメイン集団は残り7km地点で逃げていた2名を吸収する。デルトロが単騎となった集団をジェイコ・アルウラーが先導し、残り4.4kmの登り区間でワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)がアタック。ミラノ〜サンレモに向け、脚に刺激を入れようと仕掛けたファンアールトだったが、残り2.7kmで入れ替わるようにベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)が先頭に出た。

8秒のリードを築いたヒーリーには、総合2位のジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が追走集団から飛び出して単独で追走。しかしその動きをデルトロが見逃さず、ウノエックス・モビリティも協力しながら先頭2名を追いかける。ヒーリーが遅れ、単独先頭に立ったペリツァーリを、デルトロがフィニッシュまで続く登り区間の残り600mでキャッチ。そしてデルトロの背後についていたジョーゲンソンが先に仕掛けた。

今大会初勝利を飾ったイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:RCS Sports

ジョーゲンソンに反応できたのは、リーダージャージを着るデルトロだけだった。最終コーナーを抜けると、爆発力で優るデルトロがジョーゲンソンを引き離し、両手を広げてフィニッシュラインを通過した。2位にはジョーゲンソンを交わしたトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が入っている。

翌日は集団スプリントが濃厚なステージのため、総合優勝を大きく引き寄せたデルトロ。「とても厳しいステージだったが、チームが素晴らしい走りを見せてくれた。終盤は落ち着いて状況を観察し、ここだというタイミングで仕掛けた。さらに総合リードを広げたが、まだ最終日が残っているので集中を保ちたい」と、若きエースは語っている。
ティレーノ〜アドリアティコ2026第6ステージ結果
1位 イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) 4:46:50
2位 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) +0:03
3位 マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)
4位 ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:09
5位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) +0:11
6位 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)
7位 ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) +0:21
8位 マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) +0:25
9位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:27
10位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、ジェイコ・アルウラー) +0:32
個人総合成績
1位 イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) 24:57:20
2位 ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:42
3位 マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) +0:43
4位 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) +1:15
5位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +1:21
6位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) +1:26
7位 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) +1:49
8位 ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) +1:55
9位 マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) +2:02
10位 アレッサンドロ・ピナレロ(イタリア、NSNサイクリングチーム) +2:06
その他の特別賞
ポイント賞 イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)
山岳賞 ディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ)
ヤングライダー賞 イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)
チーム総合成績 レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ
text:Sotaro.Arakawa
photo:RCS Sports