2016/05/10(火) - 09:13
GPSサイクルコンピューターのトップランナーとしておなじみのガーミンがエントリーモデルとしてラインナップするEdge25J。入門者が手にしやすい価格ながら高い基本性能を備えたモデルの使い勝手を徹底的にインプレッションした。
Edgeシリーズでこれまで最も安価だったEdge500Jは本体のみでも21,000円だが、Edge25Jは16,800円と、シリーズで最も安い価格を実現している。
さらに、Edgeシリーズ最小サイズ、最軽量を実現しながら、GPS機能も搭載。別売りのANT+規格のスピードセンサーやケイデンスセンサー、心拍センサーと連動させてサイクルコンピューターとして使えるだけでなく、ガーミンのテールライト式レーダー・VARIAリアビューレーダーとも連携可能だ。
Bluetoothにも対応しており、スマートフォンと連携することで、着信やメールがあったときにディスプレイに表示できるほか、ガーミンが運営するデータ管理サイトGARMIN CONNECTに走行ログをリアルタイムにアップすることもできる。
GARMIN CONNECTでは、アップデートした走行ログの管理のほか、セグメント(コースの特定の区間)での他のユーザーとの仮想レースを楽しむこともできる。また、GARMIN本体にコースを転送してコースの案内機能を利用することも可能だ。
Edge25Jの拡張性の高さと使い勝手の良さは、旧世代の上位モデルEdge500Jをしのぐほど。その使い勝手を実際に確かめてみるべく、ガジェット全般に精通したライダー&ライターの浅野真則が長期インプレッションした。
インプレッションby浅野真則
Edge25Jを手にして驚いた。本当に小さくて軽い。サイズは縦42mm×横40mm、厚さ17mm。重量は約25g。「一般的なデジタル腕時計の盤面とほぼ同じサイズ」と言えば、その大きさや重量がイメージしていただけるのではないだろうか。ちなみに、これまでEdgeシリーズで最小サイズだったEdge500Jと比較すると、サイズも重量も半分程度になっている。
取り付けには歴代モデルと同様のマウントを使用する。本製品にはシリコンバンドで固定するタイプのマウントが標準でついてくるし、サードパーティー製のステムの前に付けるタイプのマウントも使える。ただ、本体のサイズが小さいので、スマートに取り付けるには純正マウントが良いだろう。ステムの前に付けるなら、取り付け位置がスライド調整できるものがおススメだ。
操作は本体横の4つのボタンで行う。現行の上位モデルのようにタッチスクリーンで操作することはできないが、慣れてしまえば何の問題もない。むしろフルフィンガーグローブを使っている時や雨や汗などで指や画面が濡れている時などは、タッチスクリーンよりボタンの方が意図しない誤動作が起きにくいので、ストレスなく操作できると感じた。
画面はモノクロ液晶だが、解像度も高く表示文字が非常に見やすい。陽の当たる場所ではカラー液晶より見やすいぐらいだ。走行データの表示画面は連携するセンサーの数によってページ数が増減するが、スピードやケイデンスなどの項目を1ページあたり3つまで自由に表示させることができる。もう少し多くの項目を表示したいという向きもあるだろうが、画面のサイズと文字の視認性を考慮するとこれぐらいが妥当だと思う。
スピードやケイデンスなどの各種センサーは、ANT+規格のものなら純正品に限らず使用可能だ。ペアリングは非常に簡単で、一度ペアリングしてしまえばほかのセンサーとの混信もまず起こらない。対応するセンサーはスピード、ケイデンス、心拍の各センサー。このほか、ガーミンのテールライト式レーダーである”VARIAリアビューレーダー”や、腕時計型の活動量計”VIVOSMART HR J”との連携も可能だ。
その一方で、Edge25Jはパワーセンサーには非対応だ。エントリーモデルという位置づけを考えると納得だが、シリーズ史上最も小型・最軽量のボディは、ヒルクライマーをはじめレーサーにとっても魅力的。パワーセンサーも低価格化が進んでいる。これぐらいの小サイズでパワーセンサーに対応する製品ができたらいいのに、と思うのは欲張りだろうか。
サイクルコンピューターの機能のうち、スピードや走行距離はGPSだけでも計測できる。複数の自転車で使い回す場合も、本体だけあれば距離やスピード、GPSの走行ログは残せる。しかし、ケイデンスの表示にはケイデンスセンサー、心拍数や消費カロリーの表示には心拍センサーとのペアリングが必須だ。
センサーの反応速度は、ガーミン純正のハブに巻き付けるタイプのスピードセンサーと、クランクに付けるタイプのケイデンスセンサーとの組み合わせでは非常にリニアなレスポンスを見せてくれた。信号待ちなどで停車するやいなやオートストップが発動したのが印象的だった。しかもこのセンサーはホイールやクランクにマグネットを付ける必要もなく、従来のタイラップで固定するタイプのセンサーに比べて付け替えも簡単だ。
Edge25Jに搭載されている高感度GPSチップは、GPS、GLONASS、みちびきの3つに対応し、正確かつ高精度なログを残せる。GPSサイクルコンピューターは立ち上げ時のGPS捕捉速度が気になるところだが、Edge25Jは屋内や高層ビル街、山間部の電波が届きにくい場所でもかなり立ち上がりが速く、安定してログを残せているのが好印象だった。高度計も気圧変化ではなくGPSによって測定するので、かなり正確な数値が表示された。
Bluetoothでスマートフォンと連携させると、走行ログをリアルタイムでモバイル用のアプリGARMIN CONNECTモバイルにアップすることができる。この機能を活用すれば、ロングライドで仲間とはぐれてしまったときなどにお互いの現在位置を知ることもできる。走行後のデータのGARMIN CONNECTへのアップロードもワイヤレスで行える。
PCへの走行ログのアップロードや本体の充電は、PCのUSB端子に専用のグレードルを接続して行う。充電はACプラグにアダプターを付けて行うこともできるので、PCのない環境でも使える。
個人的に面白いと思うのは、上位機種にもある「自己ベスト」の機能だ。これは最大上昇量(1回のライドでの最大獲得標高)、最速40km(40km走るのにかかった最速タイム)、最長ライド(1回のライドでの最長走行距離)の3項目で、これまでの自己ベストを記録できる機能。「より速く、より遠くへ、より高いところへ」というモチベーションを高めてくれるので、ライドにも張り合いが出る。データは本体に記録され、スマートフォンやPCでGARMIN CONNECTを使わなくても利用できる。
ごく小さなボディにこれだけの機能を搭載したEdge25J。たくさんの機能が盛り込まれているのは確かだが、多機能化が進むGPSサイクリングコンピューターの中では機能を比較的絞り込んでいることで、むしろ設定や操作の煩雑さも少ないと感じた。価格も1万円台に抑えられており、エントリーユーザー向けモデルとしては申し分のないスペックを備えていると感じた。
impression&text:Masanori.ASANO
Edgeシリーズでこれまで最も安価だったEdge500Jは本体のみでも21,000円だが、Edge25Jは16,800円と、シリーズで最も安い価格を実現している。
さらに、Edgeシリーズ最小サイズ、最軽量を実現しながら、GPS機能も搭載。別売りのANT+規格のスピードセンサーやケイデンスセンサー、心拍センサーと連動させてサイクルコンピューターとして使えるだけでなく、ガーミンのテールライト式レーダー・VARIAリアビューレーダーとも連携可能だ。
Bluetoothにも対応しており、スマートフォンと連携することで、着信やメールがあったときにディスプレイに表示できるほか、ガーミンが運営するデータ管理サイトGARMIN CONNECTに走行ログをリアルタイムにアップすることもできる。
GARMIN CONNECTでは、アップデートした走行ログの管理のほか、セグメント(コースの特定の区間)での他のユーザーとの仮想レースを楽しむこともできる。また、GARMIN本体にコースを転送してコースの案内機能を利用することも可能だ。
Edge25Jの拡張性の高さと使い勝手の良さは、旧世代の上位モデルEdge500Jをしのぐほど。その使い勝手を実際に確かめてみるべく、ガジェット全般に精通したライダー&ライターの浅野真則が長期インプレッションした。
インプレッションby浅野真則
Edge25Jを手にして驚いた。本当に小さくて軽い。サイズは縦42mm×横40mm、厚さ17mm。重量は約25g。「一般的なデジタル腕時計の盤面とほぼ同じサイズ」と言えば、その大きさや重量がイメージしていただけるのではないだろうか。ちなみに、これまでEdgeシリーズで最小サイズだったEdge500Jと比較すると、サイズも重量も半分程度になっている。
取り付けには歴代モデルと同様のマウントを使用する。本製品にはシリコンバンドで固定するタイプのマウントが標準でついてくるし、サードパーティー製のステムの前に付けるタイプのマウントも使える。ただ、本体のサイズが小さいので、スマートに取り付けるには純正マウントが良いだろう。ステムの前に付けるなら、取り付け位置がスライド調整できるものがおススメだ。
操作は本体横の4つのボタンで行う。現行の上位モデルのようにタッチスクリーンで操作することはできないが、慣れてしまえば何の問題もない。むしろフルフィンガーグローブを使っている時や雨や汗などで指や画面が濡れている時などは、タッチスクリーンよりボタンの方が意図しない誤動作が起きにくいので、ストレスなく操作できると感じた。
画面はモノクロ液晶だが、解像度も高く表示文字が非常に見やすい。陽の当たる場所ではカラー液晶より見やすいぐらいだ。走行データの表示画面は連携するセンサーの数によってページ数が増減するが、スピードやケイデンスなどの項目を1ページあたり3つまで自由に表示させることができる。もう少し多くの項目を表示したいという向きもあるだろうが、画面のサイズと文字の視認性を考慮するとこれぐらいが妥当だと思う。
スピードやケイデンスなどの各種センサーは、ANT+規格のものなら純正品に限らず使用可能だ。ペアリングは非常に簡単で、一度ペアリングしてしまえばほかのセンサーとの混信もまず起こらない。対応するセンサーはスピード、ケイデンス、心拍の各センサー。このほか、ガーミンのテールライト式レーダーである”VARIAリアビューレーダー”や、腕時計型の活動量計”VIVOSMART HR J”との連携も可能だ。
その一方で、Edge25Jはパワーセンサーには非対応だ。エントリーモデルという位置づけを考えると納得だが、シリーズ史上最も小型・最軽量のボディは、ヒルクライマーをはじめレーサーにとっても魅力的。パワーセンサーも低価格化が進んでいる。これぐらいの小サイズでパワーセンサーに対応する製品ができたらいいのに、と思うのは欲張りだろうか。
サイクルコンピューターの機能のうち、スピードや走行距離はGPSだけでも計測できる。複数の自転車で使い回す場合も、本体だけあれば距離やスピード、GPSの走行ログは残せる。しかし、ケイデンスの表示にはケイデンスセンサー、心拍数や消費カロリーの表示には心拍センサーとのペアリングが必須だ。
センサーの反応速度は、ガーミン純正のハブに巻き付けるタイプのスピードセンサーと、クランクに付けるタイプのケイデンスセンサーとの組み合わせでは非常にリニアなレスポンスを見せてくれた。信号待ちなどで停車するやいなやオートストップが発動したのが印象的だった。しかもこのセンサーはホイールやクランクにマグネットを付ける必要もなく、従来のタイラップで固定するタイプのセンサーに比べて付け替えも簡単だ。
Edge25Jに搭載されている高感度GPSチップは、GPS、GLONASS、みちびきの3つに対応し、正確かつ高精度なログを残せる。GPSサイクルコンピューターは立ち上げ時のGPS捕捉速度が気になるところだが、Edge25Jは屋内や高層ビル街、山間部の電波が届きにくい場所でもかなり立ち上がりが速く、安定してログを残せているのが好印象だった。高度計も気圧変化ではなくGPSによって測定するので、かなり正確な数値が表示された。
Bluetoothでスマートフォンと連携させると、走行ログをリアルタイムでモバイル用のアプリGARMIN CONNECTモバイルにアップすることができる。この機能を活用すれば、ロングライドで仲間とはぐれてしまったときなどにお互いの現在位置を知ることもできる。走行後のデータのGARMIN CONNECTへのアップロードもワイヤレスで行える。
PCへの走行ログのアップロードや本体の充電は、PCのUSB端子に専用のグレードルを接続して行う。充電はACプラグにアダプターを付けて行うこともできるので、PCのない環境でも使える。
個人的に面白いと思うのは、上位機種にもある「自己ベスト」の機能だ。これは最大上昇量(1回のライドでの最大獲得標高)、最速40km(40km走るのにかかった最速タイム)、最長ライド(1回のライドでの最長走行距離)の3項目で、これまでの自己ベストを記録できる機能。「より速く、より遠くへ、より高いところへ」というモチベーションを高めてくれるので、ライドにも張り合いが出る。データは本体に記録され、スマートフォンやPCでGARMIN CONNECTを使わなくても利用できる。
ごく小さなボディにこれだけの機能を搭載したEdge25J。たくさんの機能が盛り込まれているのは確かだが、多機能化が進むGPSサイクリングコンピューターの中では機能を比較的絞り込んでいることで、むしろ設定や操作の煩雑さも少ないと感じた。価格も1万円台に抑えられており、エントリーユーザー向けモデルとしては申し分のないスペックを備えていると感じた。
impression&text:Masanori.ASANO
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