4月3日にフランスで開催された112kmのアマチュアレース「パリ〜ヴァラングジャール」で、地元チームに所属する徳田鍛造がメカトラブルを巻き返して優勝。本人によるレースレポートをお届けします。



以下はチームNIPPOのプレスリリースより抜粋

鹿屋体育大学時代に、2度のU23全日本チャンピオンに輝いている徳田鍛造は、2月に活動拠点となるフランス・ノルマンディー地方へと渡り、現在は福島晋一監督(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)のもと、地元の名門アマチュアチーム(ディビジョン1)C.C.ノジョンスールオワーズに所属し、アマチュアレースを転戦しながら、ヨーロッパプロを目指して活動しています。



徳田鍛造によるレースレポート

フランスの地元アマチュアチームに所属している徳田鍛造フランスの地元アマチュアチームに所属している徳田鍛造 photo:teamnippo.jp今シーズン6レース目。先週末の2連戦はSt.Quentin(サンカンタン、1/2/3/J)、Quessy(ケシー、2/3/J)ともに9位ではあったものの、ここまでMontataire(モンタテール)のリタイア以外トップ10を外さず、そしてケシーではチームメイトとの連携を評価してもらい、今回のこのレースに呼んでいただけることになった。

今回のレースはノジョンスールオワーズのジュニアとカテゴリー2に属する選手によって構成され、私にとっては初めて本格的にチームの一員として走るレースだった。チームメイトとの連携をうまくとるとともに「チャンスを見つけてガツンと決めて次につなげてやる!!」といった自分なりの強気で挑んだ。

フランス2勝目を挙げた徳田鍛造フランス2勝目を挙げた徳田鍛造 photo:teamnippo.jp表彰台中央に立つ徳田鍛造表彰台中央に立つ徳田鍛造 photo:teamnippo.jpレースは今シーズン初のラインレース。まだまだ言葉はわからない僕に対してわかるように説明してくれる監督やチームメイトには頭が上がらない。早くある程度会話できるようにならないといけない。

パレードでスタート地点に移動したのちリアルスタート。スタートと同時にノジョンの選手が飛び出す。よく同じレースを走っている選手だ。その選手の追走に動く選手のチェックに入りつつ、チャンスを伺う。

捕まったところをカウンターで飛び出した選手に飛びつくとそのまま5人での逃げが決まった。そこに3人の選手が追いつき8人になった。しかも追いついてきたうち2人はノジョンの選手。「これは決まったな」っと少し安心 した途端に私の自転車に異変が…。

止まって直して再スタートを切るも逃げ集団どころかメイン集団にも置いていかれる始末。なんとかメイン集団に追いつくもそのトラブルが元で起きた二次トラブルでまたもストップ。今度はチームカーの隊列にも遅れた選手の集団にも置いていかれた。

自転車と一緒に心まで壊れそうになるが、選んでくれた監督の顔がある以上ここで終わるわけにはいかない。最近は集団から飛び出して勝つためにタイムトライアルのように走ることが多かったが、今日はまずはメイン集団を追ってタイムトライアル開始。

30kmほどかけて集団に復帰。復帰した時には先頭集団も吸収されており、レースはほぼ振り出しに戻った状態。少し休んで次こそ仕留めるチャンスを狙う。

数人の飛び出しができ、そこにはノジョンが一人、そして、一緒に活動している中村圭佑選手(E.C.Abbevilloise)も加わる。その追撃に動いた選手に飛びつき、差が詰まるのを待つとコースは一気に下ったところから登り返す区間へ。集団も近くほぼキャッチしたと言ってもいい距離なので、ここでチャンスが来るはずと思っていたらまさにそのとおりの展開になった。

そのままラスト30kmほどから自分を含む2人での飛び出しが決まる。タイム差を見ながらペースを作るもここまでのツケなのかキツい。できる限りこの一緒にいる選手は手放したくないもののこの選手もペースを上げられない。ラスト10kmあたりで大きくタイム差が縮まったため切り離し勝負に出た。

そこからはいつもどおりの独走! 最後ギリギリまで差を縮められたもののなんとか逃げ切りることができ、今シーズンこのカテゴリーでの2勝目を挙げた。

今回、初めてチームに呼んでもらったレースでチームメイトとともに結果を残すことができたのは本当に嬉しく思う。そして、ここまでほとんどのレースでトップ10に残れているということも、ここまでやってきていることが積み重なってきている証拠だと思う。

ただ、何より悔しかったのはせっかく勝ってインタビューをしてもらっているのに、うまく答えることができなかったこと。それができないとトップチームに上がってもチャンスを逃してしまうことだってあると思う。チームからチャンスをもらえるようになってきている今、そのチャンスをものにしてチームに認めてもらい、トップチームに1日も早く合流できるよう精一杯、自転車でのトレーニングやレースだけでなく、こちらの生活へ適応できるよう努力を続けていきたい。

text: teamnippo.jp