9月24日、さいたま新都心にてツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2015の出場選手発表会見が行われた。総合優勝のクリス・フルーム(チームスカイ)やホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)を始め、今年のツールを沸かせたライダーが多数参戦。日本を代表する新城幸也と別府史之の両名の出走も決定している。



さいたま市の清水勇人市長やASOプロジェクトマネジャーのフィリップ・フルニエ氏がさいたまクリテの概要を発表したさいたま市の清水勇人市長やASOプロジェクトマネジャーのフィリップ・フルニエ氏がさいたまクリテの概要を発表した photo:Yuya.Yamamoto
会見には多くの報道陣と関係者が集まった会見には多くの報道陣と関係者が集まった photo:Yuya.YamamotoASOプロジェクトマネジャーのフィリップ・フルニエ氏ASOプロジェクトマネジャーのフィリップ・フルニエ氏 photo:Yuya.Yamamotoビデオメッセージを寄せたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)ビデオメッセージを寄せたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Yuya.Yamamotoクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)を牽引するリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)を牽引するリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) photo:Tim de Waele今年はそれぞれのチームを率いての出場となる別府史之と新城幸也今年はそれぞれのチームを率いての出場となる別府史之と新城幸也 photo:Yuya.Yamamoto3回めを迎える今年のツール・ド・フランスさいたまクリテリウムには、4賞ジャージ獲得者やステージ優勝者を中心に、海外から7チーム28名が来日。これを迎え撃つ国内チームは、この日のためだけに結成されるスペシャルチームジャパンforさいたまを含む7チーム26名。併催される個人TTには、海外及び国内の招聘選手に加え、萩原麻由子ら7名の女子選手と、現世界王者の藤田征樹ら8名のパラサイクリストが参加する。

会見でASOプロジェクトマネジャーのフィリップ・フルニエ氏は「さいたまクリテリウムはツール・ド・フランスの22番めのステージとして世界的に認知されてきた」とコメント。「今年もエキサイティングなイベントにしたい」という意欲を見せる。また、パラサイクリストの参加については「パラサイクリングとツール・ド・フランスのコラボレーションは史上初のこと」と強調した。

まず、最初に出場が発表されたのはチームスカイ。ブエルタ・ア・エスパーニャで怪我を負ったツール総合優勝のクリス・フルーム(イギリス)がメンバー入りし、第1回大会に次ぐ優勝を狙う。フルームは今会見に向けビデオメッセージを寄せ、その中で「応援しにきてください」とファンに向けてコメントした。また、ツールではフルームを強力にアシストしたリッチー・ポート(オーストラリア)も名を連ねており、チームスカイのジャージを着ての最後のレースとなる見込みだ。

続いて発表されたのは新城幸也(ユーロップカー)と別府史之(トレックファクトリーレーシング)の2名。昨年は共にジャパンライダーとしてさいたまクリテに出場したが、今年はそれぞれのチームを率い、万全の体制でさいたまクリテ日本人初優勝を狙う。

そして、今年のツール・ド・フランスで活躍をみせたライダーを中心に豪華な名前が次々と発表された。カチューシャは、今ツールでステージ優勝を飾った親日家のホアキン・ロドリゲス(スペイン)をエースに、実力あるアシスト勢が脇を固める。

AG2Rラモンディアールは、出場する4名の全ライダーがフランス人。今ツールでステージ優勝を飾ったフランス期待のロメン・バルデ(フランス)とアレクシ・ヴィエルモーズ(フランス)がリストに名を連ねた。

昨大会でメインレースのクリテリウムを制したジャイアント・アルペシンは、今大会でも優勝候補の筆頭だ。前回大会覇者のマルセル・キッテル(ドイツ)に替わってジョン・デゲンコルブ(ドイツ)がエースを務めることになるだろう。今ツールでステージ優勝を飾ったサイモン・ゲシュケ(ドイツ)らアシスト勢の強力だ。

なお、今回発表されたのは7チーム中6チームで、残り1チームは決定次第発表される。加えて会見の最後に行われた質疑応答で、フィリップ・フルニエ氏はマイヨヴェールのペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)とナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)の不出場を明かした。

また、今回の記者会見では大会のタイトルスポンサーについても発表された。2015年大会の正式名称は「J:COM presents 2015 ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」となる。タイトルスポンサーを務めるJ:COM(株式会社ジュピターテレコム)は北海道から福岡まで5大都市圏で事業を展開する国内最大のケーブルテレビ会社であり、関連会社としてロードレース中継でお馴染みのJ Sportsを運営している。



出場選手を代表して登壇した(右から)細谷夢菜、中村龍太郎、藤田征樹の3名出場選手を代表して登壇した(右から)細谷夢菜、中村龍太郎、藤田征樹の3名 photo:Yuya.Yamamoto
TV局のインタビューを受ける中村龍太郎(イナーメ信濃山形)TV局のインタビューを受ける中村龍太郎(イナーメ信濃山形) photo:Yuya.Yamamotoアルカンシェルをまとって登場した藤田征樹(日立建機)アルカンシェルをまとって登場した藤田征樹(日立建機) photo:Yuya.Yamamoto




地元さいたま市出身とあって報道陣から大きな注目を集めた細谷夢菜(埼玉県立浦和工業高校)地元さいたま市出身とあって報道陣から大きな注目を集めた細谷夢菜(埼玉県立浦和工業高校) photo:Yuya.YamamotoJRさいたま新都心駅には早くも大会バナーが掲げられていたJRさいたま新都心駅には早くも大会バナーが掲げられていた photo:Yuya.Yamamoto国内招聘ライダー、参加女子選手、参加パラサイクリストが発表されたあと、出場選手3名が登壇。現全日本TT王者である中村龍太郎(イナーメ信濃山形)、参加女子選手代表の細谷夢菜(埼玉県立浦和工業高校)、男子C3ロードレースの現世界王者であるパラサイクリストの藤田征樹(日立建機)が大会への意気込みを語った。

大会当日も全日本TTチャンピオンジャージを着用するという中村。まずTTについて「海外のTTスペシャリストと違って体は大きくないが、TTでは一矢報いたい。3.1kmをフルにもがききれる様にトレーニングしていく」と意気込みを露わに。「2年前に観客として見たレースに選手として参加できるので、モチベーションは高い。注目している選手はジョン・デゲンコルブで、最後はジャイアント・アルペシントレインができるはず。そのトレインに割り込んでスプリントできればと思う」と続けた。

まず「一昨年は現地で観戦したのですが、観客が多すぎて、モニターでしか見れなかった」と会場を笑わせた細谷夢菜は、地元さいたま市は中央区出身。「積極的に走る選手が好きなので、来日する選手たちを見て、しっかり見習いたい。さいたま市民代表として応援の程よろしくお願いします」とコメントする。

世界王者の証であるアルカンシェルをまとって登場した藤田征樹(日立建機)は「駅から記者会見場に来るあいだにコースを下見してきました」と既にさいたまクリテに対する気合充分。そして「国内でレースすることが少ないので、日本の皆さんにパラサイクリングを知ってもらうにはさいたまクリテは良い機会であり、パラサイクリングもレベルの高い自転車競技であることを知ってほしい。コース的に難しい部分もあるが世界チャンピオンのテクニックを見てほしい」と締めた。



ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2015出場選手

クリス・フルーム(イギリス)擁するチームスカイクリス・フルーム(イギリス)擁するチームスカイ photo:Kei Tsuji新城幸也(ユーロップカー)新城幸也(ユーロップカー) photo:Miwa Iijima別府史之(トレックファクトリーレーシング)別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsujiホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Kei Tsujiアレクシ・ヴィエルモーズ(フランス、AG2Rラモンディアール)アレクシ・ヴィエルモーズ(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:Tim de Waeleサイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)サイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン) photo:Kei Tsuji萩原麻由子(Wiggle HONDA)、與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)、金子広美(イナーメ信濃山形)萩原麻由子(Wiggle HONDA)、與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)、金子広美(イナーメ信濃山形) photo:Hideaki TAKAGIチームスカイ
クリス・フルーム(イギリス)
リッチー・ポート(オーストラリア)
ワウト・ポエルス(オランダ)
イアン・ボスウェル(アメリカ)

ユーロップカー
新城幸也(日本)
ペリグ・ケムヌール(フランス)
アンジェロ・テュリク(フランス)
ヨアン・ジェーヌ(フランス)

トレックファクトリーレーシング
別府史之(日本)
ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)
ローラン・ディディエ(ルクセンブルク)
マルコ・コレダン(イタリア)

カチューシャ
ホアキン・ロドリゲス(スペイン)
アンヘル・ビシオソ(スペイン)
マルコ・ハラー(オーストリア)
ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)

AG2Rラモンディアール
ロマン・バルデ(フランス)
アレクシ・ヴィエルモーズ(フランス)
ビエル・カドリ(フランス)
ミカエル・シュレル(フランス)

ジャイアント・アルペシン
ジョン・デゲンコルブ(ドイツ)
サイモン・ゲシュケ(ドイツ)
クーン・デコルト(オランダ)
ヨハネス・フレーリンガー(ドイツ)

スペシャルチームジャパンforさいたま
中村龍太郎(イナーメ信濃山形)
中井路雅(京都産業大学)
倉林巧和(日本体育大学/群馬グリフィン)
※残り1名調整中

ブリヂストンアンカー
内間康平
井上和郎
西薗良太
初山翔

マトリックスパワータグ
吉田隼人
安原大貴
アイラン・フェルナンデス(スペイン)
近谷涼

Team UKYO
畑中勇介
窪木一茂
住吉宏太
湊諒

愛三工業レーシング
中島康晴
伊藤雅和
早川朋宏
中根英登

宇都宮ブリッツェン
鈴木譲
大久保陣
青柳憲輝

那須ブラーゼン
吉岡直哉
岩井航太
小野寺玲

女子選手(TTのみ出場)
萩原麻由子(WiggleHonda)
與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)
金子広美(イナーメ信濃山形)
梶原悠未(筑波大坂戸高校)
細谷夢菜(埼玉県立浦和工業高校)
※残り2名調整中

パラサイクリング(TTのみ出場)
藤田征樹
鹿沼由里恵
田中まい
ハンス・ピーター・ダースト
ヴィコ・メルクレイン
オウン・クリフォード
コリン・リンチ
※残り1名調整中



text&photo:Yuya.Yamamoto

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