逃げ切り濃厚な丘陵ステージで、ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)が勝利。共に逃げ集団を抜け出したマスとの一騎打ちスプリントで先着し、第4、8ステージに続く今大会3勝目を挙げ、チームに4勝目をもたらした。
5月20日(水)第11ステージ
ポルカリ〜キアーヴァリ 195km(丘陵)

スタート地点であるポルカリに出走サインするヴィンゲゴー photo:RCS Sport 
今大会もアシストに徹するカンペナールツ photo:RCS Sport

ポルカリでのスタートを待つ、4賞ジャージを含む167名の選手たち photo:RCS Sport

ジロ・デ・イタリア第11ステージ image:RCS Sport 今年のジロ・デ・イタリア2週目で、最も逃げ切り向きなレイアウトなのがポルカリからキアーヴァリに向かう第11ステージだ。195kmの長丁場の序盤は平坦路だが、後半は3級、2級、3級と3つの山岳を越えていく。またボーナスタイムが与えられるレッドブルKMも最大勾配13%の丘の上にあるため、スプリンターの出番ではない。
前々日の休息日と、多くの選手がタイムカットだけを意識して走った前日の個人タイムトライアルを経て、1週目の疲れが多少抜けたためか、この日はアクチュアルスタートから激しいアタック合戦が勃発した。それは約2時間以上続き、スタートから約58km地点でようやく3名が抜け出し、そこに9名が合流して12名となる。レッドブル・ボーラ・ハンスグローエとXDSアスタナがそれぞれ2名ずつを入れた逃げ集団が形成される一方、ここまでステージ3勝を挙げながら逃げに選手を送り込めなかったUAEチームエミレーツXRGがメイン集団の牽引にあたった。

長時間にわたるアタック合戦の末、形成された12名の逃げ集団 photo:CorVos

メイン集団は長時間、ネットカンパニー・イネオスが牽引した photo:CorVos
このまま逃げ集団を追いかけてコース後半に突入すると思われたプロトンから、レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)とエンリク・マス(スペイン、モビスター)が飛び出し、逃げ集団にブリッジをかける。遅れてジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)も単独で合流。しかしその後もプロトンからは続々とアタックが掛かり、ワレン・バルギル(フランス、ピクニック・ポストNL)らも加わり、結果的に逃げ集団は17名まで人数を増やした。
プロトンではリーダーチームであるバーレーン・ヴィクトリアスがようやく主導権を握るなか、逃げは1つ目の3級山岳を越え、登坂距離9.6kmの2級山岳コッレ・ディ・グアイタローラで10名まで絞られる。その下りではファンイートヴェルトやフィリッポ・ザナ(イタリア、スーダル・クイックステップ)が落車する場面もあったものの、8名が3級山岳コッラ・デイ・シオーリ(距離5.7km/平均6.4%)に突入。この時点でフィニッシュまでは34kmで、プロトンとは3分23秒差だったため、逃げ切り勝利の可能性が濃厚となった。

キアーヴァリに向かう第11ステージ photo:CorVos

コース後半の丘陵地帯に入り、逃げ集団の人数が絞られる photo:RCS Sport

プロトンで走るマリアローザのエウラリオと総合2位のヴィンゲゴー photo:CorVos
3級山岳コッラ・デイ・シオーリではディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDSアスタナ)が逃げ集団を飛び出し、集団に選別をかける。続くレッドブルKM(距離4.6km/平均6.7%)でも逃げのメンバーは登坂力を試され、頂上を越える頃には先頭はナルバエスとマスの2名に絞られる。後続ではウリッシとクリス・ハーパー(オーストラリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の3名が協力しながら前を追ったものの、合流には至らず、先頭2名による一騎打ちに持ち込まれた。
大観衆が詰めかけたキアーヴァリ市街地の連続コーナーを抜け、ナルバエスを先頭に最終ストレートに突入する。残り200mから背後のマスが腰を上げ、一拍遅れてスプリントを開始したナルバエスの僅かに前に出る。しかし、スプリントを得意とするナルバエスはトップスピードに乗るとマスを抜き、フィニッシュラインを越えると雄叫びを上げ、勝利を喜んだ。

追走集団を意識しながらも、勝負はナルバエスとマスの一騎打ちに持ち込まれた photo:CorVos

スプリントを制し、今大会3勝目を掴んだ ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
エクアドル王者が獲得した第4、8ステージに続く今大会3勝目。ハットトリックでチームに早くも今大会4勝目をもたらしたナルバエスは「エンリク・マスは逃げ集団のなかで最も登りの強い選手。だから僕は自分の戦い方をしなければならなかった。(水泳選手であった)マイケル・フェルプスが走らないように、僕も自分の得意分野で勝負しなければならなかった」とレースを振り返る。また「マスがスプリントを仕掛けた瞬間は怖かった。僕をフェンス側に押し込もうとし、2人とも限界だった。なぜなら僕は1日中フルガスで、登りだけでなく下りでもレースをしていたのだからね」とも。
11秒届かなかった3位争いは、2024年までナルバエスのチームメイトだったベテランのウリッシが、ハーパーやウラソフを抑えて先着している。
リーダーチームのバーレーンや総合2位ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク)を擁するヴィスマ・リースアバイクではなく、この日はネットカンパニー・イネオスが長時間先導したプロトンは、3分24秒遅れでフィニッシュ。そのため区間4位だったハーパーが総合10位にランクインした以外、総合順位に動きはなく、アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス)が大会5日目に得たマリアローザをこの日も守ることに成功している。

ハットトリックを達成したジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
5月20日(水)第11ステージ
ポルカリ〜キアーヴァリ 195km(丘陵)




前々日の休息日と、多くの選手がタイムカットだけを意識して走った前日の個人タイムトライアルを経て、1週目の疲れが多少抜けたためか、この日はアクチュアルスタートから激しいアタック合戦が勃発した。それは約2時間以上続き、スタートから約58km地点でようやく3名が抜け出し、そこに9名が合流して12名となる。レッドブル・ボーラ・ハンスグローエとXDSアスタナがそれぞれ2名ずつを入れた逃げ集団が形成される一方、ここまでステージ3勝を挙げながら逃げに選手を送り込めなかったUAEチームエミレーツXRGがメイン集団の牽引にあたった。


このまま逃げ集団を追いかけてコース後半に突入すると思われたプロトンから、レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)とエンリク・マス(スペイン、モビスター)が飛び出し、逃げ集団にブリッジをかける。遅れてジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)も単独で合流。しかしその後もプロトンからは続々とアタックが掛かり、ワレン・バルギル(フランス、ピクニック・ポストNL)らも加わり、結果的に逃げ集団は17名まで人数を増やした。
プロトンではリーダーチームであるバーレーン・ヴィクトリアスがようやく主導権を握るなか、逃げは1つ目の3級山岳を越え、登坂距離9.6kmの2級山岳コッレ・ディ・グアイタローラで10名まで絞られる。その下りではファンイートヴェルトやフィリッポ・ザナ(イタリア、スーダル・クイックステップ)が落車する場面もあったものの、8名が3級山岳コッラ・デイ・シオーリ(距離5.7km/平均6.4%)に突入。この時点でフィニッシュまでは34kmで、プロトンとは3分23秒差だったため、逃げ切り勝利の可能性が濃厚となった。



3級山岳コッラ・デイ・シオーリではディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDSアスタナ)が逃げ集団を飛び出し、集団に選別をかける。続くレッドブルKM(距離4.6km/平均6.7%)でも逃げのメンバーは登坂力を試され、頂上を越える頃には先頭はナルバエスとマスの2名に絞られる。後続ではウリッシとクリス・ハーパー(オーストラリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の3名が協力しながら前を追ったものの、合流には至らず、先頭2名による一騎打ちに持ち込まれた。
大観衆が詰めかけたキアーヴァリ市街地の連続コーナーを抜け、ナルバエスを先頭に最終ストレートに突入する。残り200mから背後のマスが腰を上げ、一拍遅れてスプリントを開始したナルバエスの僅かに前に出る。しかし、スプリントを得意とするナルバエスはトップスピードに乗るとマスを抜き、フィニッシュラインを越えると雄叫びを上げ、勝利を喜んだ。


エクアドル王者が獲得した第4、8ステージに続く今大会3勝目。ハットトリックでチームに早くも今大会4勝目をもたらしたナルバエスは「エンリク・マスは逃げ集団のなかで最も登りの強い選手。だから僕は自分の戦い方をしなければならなかった。(水泳選手であった)マイケル・フェルプスが走らないように、僕も自分の得意分野で勝負しなければならなかった」とレースを振り返る。また「マスがスプリントを仕掛けた瞬間は怖かった。僕をフェンス側に押し込もうとし、2人とも限界だった。なぜなら僕は1日中フルガスで、登りだけでなく下りでもレースをしていたのだからね」とも。
11秒届かなかった3位争いは、2024年までナルバエスのチームメイトだったベテランのウリッシが、ハーパーやウラソフを抑えて先着している。
リーダーチームのバーレーンや総合2位ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク)を擁するヴィスマ・リースアバイクではなく、この日はネットカンパニー・イネオスが長時間先導したプロトンは、3分24秒遅れでフィニッシュ。そのため区間4位だったハーパーが総合10位にランクインした以外、総合順位に動きはなく、アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス)が大会5日目に得たマリアローザをこの日も守ることに成功している。

ジロ・デ・イタリア2026第11ステージ結果
| 1位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | 4:33:43 |
| 2位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | |
| 3位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDSアスタナ) | +0:11 |
| 4位 | クリス・ハーパー(オーストラリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング) | |
| 5位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
| 6位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ) | +1:13 |
| 7位 | ルドヴィコ・クレショーリ(イタリア、ポルティ・ヴィジットマルタ) | +1:15 |
| 8位 | シモーネ・グアルディ(イタリア、ロット・アンテルマルシェ) | +2:17 |
| 9位 | ワレン・バルギル(フランス、ピクニック・ポストNL) | +2:19 |
| 10位 | アンドレア・ラッカーニ(イタリア、スーダル・クイックステップ) |
マリアローザ(個人総合成績)
| 1位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | 44:17:41 |
| 2位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:27 |
| 3位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス) | +1:57 |
| 4位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +2:24 |
| 5位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +2:48 |
| 6位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +3:06 |
| 7位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダープロサイクリング) | +3:28 |
| 8位 | デレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック) | +3:34 |
| 9位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +3:36 |
| 10位 | クリス・ハーパー(オーストラリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング) | +4:09 |
マリアチクラミーノ(ポイント賞)
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 130pts |
| 2位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | 111pts |
| 3位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | 76pts |
マリアアッズーラ(山岳賞)
| 1位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 111pts |
| 2位 | ディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ) | 60pts |
| 3位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | 48pts |
マリアビアンカ(ヤングライダー賞)
| 1位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | 44:17:41 |
| 2位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +3:36 |
| 3位 | マルケル・ベロキ(スペイン、EFエデュケーション・イージーポスト) | +4:16 |
チーム総合成績
| 1位 | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | 133:06:41 |
| 2位 | ヴィスマ・リースアバイク | +1:33 |
| 3位 | XDSアスタナ | +8:11 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
photo:CorVos, RCS Sport
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