2015/05/26(火) - 11:49
5月17日~24日にかけて開催されたツアー・オブ・ジャパンから、海外勢を中心とした10チームのプロバイクを2編に分けて紹介。前編はタブリーズペトロケミカル、ランプレ・メリダ、ピシュガマンジャイアント、ブリヂストン・アンカー、アヴァンティレーシングをピックアップします。
タブリーズペトロケミカル 【スコット ADDICT】
今年は着実なレース展開で総合優勝を手にしたミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン)。アジア屈指のステージレーサーは今シーズンよりスコットの軽量オールラウンドモデル「ADDICT」を使用する。ツアー・オブ・ジャパンに持ち込まれたバイクはフレームとフォークのカラーが異なっていた。恐らく落車や輸送中のトラブルによってフォークが破損したため差し替えられたものだと考えられる。
コンポーネントはUCIコンチネンタルチームのスタンダードとも言える機械式のシマノDURA-ACE。ただし、ポルセイエディゴラコールのバイクには何故かカンパニョーロのスプロケットがアッセンブルされており、近年としては珍しくロー側のギアが小さかった(21Tか23T程度)。なお、全体を見回してみるとパワーメーターどころからメーターすら装着していないバイクも見受けられた。
ホイールはカンパニョーロの旧型BORA ULTRA2。タイヤはコンチネンタルで、欧州プロが常用するCOMPETITIONシリーズでは無く、耐パンク性に優れるGATORSKINを組み合わせている。その他ハンドルにはリッチー WCS LOGIC、ステムとシートポストには完成車の付属と思われるシンクロス、サドルにはプロロゴをチョイスしている。
ランプレ・メリダ 【メリダ REACTO TEAM】
若手中心のメンバーながら第6、第7とステージを連勝し、UCIワールドツアーチームの威厳をみせたランプレ・メリダ。バイクはもちろんメリダで、全ライダーがエアロロード「REACTO TEAM」を駆った。なお、ジロ・デ・イタリア開幕前に発表された新型「SCULTURA」は持ち込まれなかったよう。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2。クランクセットはローターで、元世界王者ルイ・コスタの弟マリオ・コスタ(ポルトガル)や台湾チャンピオンのフェン・チュンカイは楕円チェーンリング「Q-Rings」チョイス。恐らくスペアバイクを持ち込んだためか、ワールドツアーチームながらパワーメーターを搭載したバイクを確認することは出来なかった。
ホイールはチームカラーの1つであるグリーンのデカールに換装されたフルクラム。カーボンエアロホイールのRacing Speed XLRシリーズから50mmと35mmという2つのハイトを使い分けた。タイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」。ホイールと同じくグリーンの差し色が入ったチーム仕様となっているハンドルとステムはFSA製。サドルはプロロゴで、座面に滑り止めを配した「CPC」シリーズの使用率が高い。
ピシュガマンジャイアント 【ジャイアント TCR Advanced SL、インフィニット PRIME TEAM】
総合2位から4位までを独占し、ラヒーム・エマミ(イラン)が富士山ステージのコースレコード更新&山岳賞獲得の活躍をみせたピシュガマンジャイアント 。バイクはタイトルスポンサーでもあるジャイアントのハイエンドオールラウンドモデル「TCR Advanced SL」をメインに使用する。ただ、TOJ直前にシンハー・インフィニットから移籍してきたペーター・ポーリー(フランス)のみ、前チームのバイクであるタイのInfinite(インフィニット)のバイクを駆った。
コンポーネントはシマノながら、機械式のDURA-ACEとULTEGRA、そして電動式のULTEGRA Di2とバイクによって異なる点のはアジアのコンチネンタルチームならではといったところ。一方でホイールはイーストン EC90 AERO 55を全ライダーが使用。タイヤは耐パンク製を重視してかTUFOで統一されている。
その他、ハンドル、ステム、サドルは市販の完成車仕様のままが基本。ペダルはルックKeOシリーズで統一されているものの、カーボンを使用した軽量モデルから樹脂製の最廉価モデルまでバイクによってグレードは様々であった。
ブリヂストン・アンカー 【アンカー RIS9】
ブリヂストン・アンカーのバイクはもちろんジャパニーズブランドのアンカーで、全ライダーがハイエンドモデル「RIS9」を駆った。なお、昨年は数名のライダーが使用していたオーダーメイドモデルの「RMZ」は、スペアバイクとしてチームカーのルーフに1台だけ用意されていた。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で統一。外装タイプのバッテリーを左チェーンステーの下に装着し、本来内装されるはずの電動シフトケーブルをチェーンステーの近くのみ外出しとしてタイラップで這わせている。恐らく、海外遠征が多く頻繁に飛行機輪行を行う同チームとあって、いざという時のメンテナンス性を重視しているのだろう。パワーメーターはステージズパワーやパイオニアのペダリングモニター等バイクによって異なっていた。
ホイールはDURA-ACEグレードのWH-9000シリーズで、タイヤにはアメサイドが特徴的なヴィットリアCORSA SCを組み合わせている。ハンドル、ステム、シートポストはPROのサポートを受けており、VIBEシリーズをメインに使用。ボトルケージとバーテープはカブトだ。
アヴァンティレーシング 【アヴァンティ CORSA DR、CORSA SL】
前身のころより多数TOJに参戦しているニュージーランドのコンチネンタルチーム、アヴァンティレーシング。タイトルスポンサーにもなっており、トライアスロンバイクを得意とする同郷のブランド「アヴァンティ」バイクを使用する。ハイエンドモデルの「CORSA」シリーズから、エアロタイプの「DR」と軽量タイプの「SL」をライダーの好みによって使い分けている様だ。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2をメインに、ULTEGRA Di2を併用。パワーメーターにはチームカラーのオレンジが目を引くパイオニアのペダリングモニターを採用する。ホイールはシマノWH-9000シリーズで、オールフラットな東京ステージでは75mmをチョイスしたライダーも見られた。
text&photo:Yuya.Yamamoto
タブリーズペトロケミカル 【スコット ADDICT】
今年は着実なレース展開で総合優勝を手にしたミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン)。アジア屈指のステージレーサーは今シーズンよりスコットの軽量オールラウンドモデル「ADDICT」を使用する。ツアー・オブ・ジャパンに持ち込まれたバイクはフレームとフォークのカラーが異なっていた。恐らく落車や輸送中のトラブルによってフォークが破損したため差し替えられたものだと考えられる。
コンポーネントはUCIコンチネンタルチームのスタンダードとも言える機械式のシマノDURA-ACE。ただし、ポルセイエディゴラコールのバイクには何故かカンパニョーロのスプロケットがアッセンブルされており、近年としては珍しくロー側のギアが小さかった(21Tか23T程度)。なお、全体を見回してみるとパワーメーターどころからメーターすら装着していないバイクも見受けられた。
ホイールはカンパニョーロの旧型BORA ULTRA2。タイヤはコンチネンタルで、欧州プロが常用するCOMPETITIONシリーズでは無く、耐パンク性に優れるGATORSKINを組み合わせている。その他ハンドルにはリッチー WCS LOGIC、ステムとシートポストには完成車の付属と思われるシンクロス、サドルにはプロロゴをチョイスしている。
ランプレ・メリダ 【メリダ REACTO TEAM】
若手中心のメンバーながら第6、第7とステージを連勝し、UCIワールドツアーチームの威厳をみせたランプレ・メリダ。バイクはもちろんメリダで、全ライダーがエアロロード「REACTO TEAM」を駆った。なお、ジロ・デ・イタリア開幕前に発表された新型「SCULTURA」は持ち込まれなかったよう。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2。クランクセットはローターで、元世界王者ルイ・コスタの弟マリオ・コスタ(ポルトガル)や台湾チャンピオンのフェン・チュンカイは楕円チェーンリング「Q-Rings」チョイス。恐らくスペアバイクを持ち込んだためか、ワールドツアーチームながらパワーメーターを搭載したバイクを確認することは出来なかった。
ホイールはチームカラーの1つであるグリーンのデカールに換装されたフルクラム。カーボンエアロホイールのRacing Speed XLRシリーズから50mmと35mmという2つのハイトを使い分けた。タイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」。ホイールと同じくグリーンの差し色が入ったチーム仕様となっているハンドルとステムはFSA製。サドルはプロロゴで、座面に滑り止めを配した「CPC」シリーズの使用率が高い。
ピシュガマンジャイアント 【ジャイアント TCR Advanced SL、インフィニット PRIME TEAM】
総合2位から4位までを独占し、ラヒーム・エマミ(イラン)が富士山ステージのコースレコード更新&山岳賞獲得の活躍をみせたピシュガマンジャイアント 。バイクはタイトルスポンサーでもあるジャイアントのハイエンドオールラウンドモデル「TCR Advanced SL」をメインに使用する。ただ、TOJ直前にシンハー・インフィニットから移籍してきたペーター・ポーリー(フランス)のみ、前チームのバイクであるタイのInfinite(インフィニット)のバイクを駆った。
コンポーネントはシマノながら、機械式のDURA-ACEとULTEGRA、そして電動式のULTEGRA Di2とバイクによって異なる点のはアジアのコンチネンタルチームならではといったところ。一方でホイールはイーストン EC90 AERO 55を全ライダーが使用。タイヤは耐パンク製を重視してかTUFOで統一されている。
その他、ハンドル、ステム、サドルは市販の完成車仕様のままが基本。ペダルはルックKeOシリーズで統一されているものの、カーボンを使用した軽量モデルから樹脂製の最廉価モデルまでバイクによってグレードは様々であった。
ブリヂストン・アンカー 【アンカー RIS9】
ブリヂストン・アンカーのバイクはもちろんジャパニーズブランドのアンカーで、全ライダーがハイエンドモデル「RIS9」を駆った。なお、昨年は数名のライダーが使用していたオーダーメイドモデルの「RMZ」は、スペアバイクとしてチームカーのルーフに1台だけ用意されていた。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で統一。外装タイプのバッテリーを左チェーンステーの下に装着し、本来内装されるはずの電動シフトケーブルをチェーンステーの近くのみ外出しとしてタイラップで這わせている。恐らく、海外遠征が多く頻繁に飛行機輪行を行う同チームとあって、いざという時のメンテナンス性を重視しているのだろう。パワーメーターはステージズパワーやパイオニアのペダリングモニター等バイクによって異なっていた。
ホイールはDURA-ACEグレードのWH-9000シリーズで、タイヤにはアメサイドが特徴的なヴィットリアCORSA SCを組み合わせている。ハンドル、ステム、シートポストはPROのサポートを受けており、VIBEシリーズをメインに使用。ボトルケージとバーテープはカブトだ。
アヴァンティレーシング 【アヴァンティ CORSA DR、CORSA SL】
前身のころより多数TOJに参戦しているニュージーランドのコンチネンタルチーム、アヴァンティレーシング。タイトルスポンサーにもなっており、トライアスロンバイクを得意とする同郷のブランド「アヴァンティ」バイクを使用する。ハイエンドモデルの「CORSA」シリーズから、エアロタイプの「DR」と軽量タイプの「SL」をライダーの好みによって使い分けている様だ。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2をメインに、ULTEGRA Di2を併用。パワーメーターにはチームカラーのオレンジが目を引くパイオニアのペダリングモニターを採用する。ホイールはシマノWH-9000シリーズで、オールフラットな東京ステージでは75mmをチョイスしたライダーも見られた。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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