2015/02/10(火) - 08:57
2月1日、千葉県の海浜幕張公園を舞台にしたシクロクロス千葉が初開催された。ビギナーでも楽しめるように企画された新しいシクロクロスレースの様子をレポートします。
関東圏でシクロクロスレースが盛り上がりを見せていくなか、2014-15シーズン中に2つのAJOCCレースが千葉県で生まれた。そのひとつが2月1日に開催されたシクロクロス千葉だ。この大会は、昨年11月にサイクルモード期間中に開催されたスターライト幕張とは異なり、「ビギナーが参加して楽しめる」をコンセプトに開催された大会だ。
実行委員会の鵜沢祐也さんは話す。「千葉でのレースは数少なく、レースをやりたいという想いが、今回のイベントのきっかけです。そこで、難しいというイメージが先行しているシクロクロスを、初心者の方にも楽しんでもらいたいと考え企画しています」。
第1回目となる今大会に集まった参加人数は約200名、来場者は1,000名程。その中でもC3は最大人数を集めた84名、C4は61名とビギナー層が大多数を占めていることが印象深い。このエントリー数はCX人気だけではなく、東京駅から電車で30分強とアクセスが良好な「海浜幕張公園」で開催されたことにも理由はあるだろう。
海浜幕張公園は11月のスターライト幕張が開催された場所でもあるが、実際にレースに行われたのは浜田川とQVCマリンフィールドを挟んだ反対側。この場所は実業団クリテリウムの開催実績がある他、千葉の市議である阿部智さんの協力もあり舞台となったという。今後も継続して海浜幕張公園でレースを開く考えもあるという。
公園内に作られたのはビギナーでもシクロクロスの醍醐味を安心して楽しめるような1周1.1kmの平坦コース。約5割が芝生、約4割が舗装路、残りの1割はわずか十数メートルながらレース序盤の展開を左右しようかという狭いシングルトラックで構成されており、いずれのカテゴリーもハイスピードなレース展開となった。
最高峰のC1は総勢23名、20周回のレースとなった。シングルトラックに入るまでのスタートダッシュがレースの行方を大きく左右するため、レース前のホールショットを狙うライダーたちの集中は頂点に達している。
レース開始の号砲が鳴ると同時に飛び出していったライダーの中、先頭でシングルトラックを走り抜けたのは鈴木禄徳(PAX PROJECT)。その後は5名程のパックとなりスタートラップを完了。
2周目までは5人一塊となりレースが進んでいく。3周目、スタートダッシュを決めて最後尾から1周目中に先頭パックへ合流していた重田兼吾(Team CUORE)が、単独で走行を開始する。重田はこの時のことを「先頭に出た際に様子を伺おうとスピードを上げましたが、反応が薄かったためそのまま独走に持ち込みました。」と振り返る。
2位集団は人数を減らしながらトップを追走するも、タイム差は20秒ほどまで開いてしまう。最終的には関東のCXレースで表彰台常連の池本真也(和光機器)とMTBエリートレーサー國井敏夫(MilePost BMC Racing)という2人が、2位争いを一進一退の攻防を繰り広げながら先頭を追うも、ギャップは中々縮まらない。
その後、重田はチェーン落ちのトラブルに見舞われ、池本に8秒差まで迫られる。落ち着いてリカバリーをした重田がそのまま先頭でフィニッシュを切った。シーズン終盤の勝利について重田は「地元千葉で開催されたレースということもあり、勝ちを狙っていただけに今回の優勝は嬉しいですね。」と語る。
C2は織田聖(Bottles and Chains)が藤田拓海(SNEL CX TEAM)とのデッドヒートの末、僅差で勝利。C3との混走となったCL1は、実力者の武田和佳(TEAM CHAINRING)がきっちりとレースを展開し、後続を離し勝利。マスターズは綾野真(チバポンズ川口農園シクロワイアード)がホールショットから独走へと持ち込み優勝を決めた。この他にもビギナーのC3やC4、キッズレースが行われ、それぞれのレースで熾烈なトップ争いが広げられていた。
シクロクロス千葉はAJOCCレースのみならず、コースをさらに容易にしたチームエンデューロも行われた。仮装、ママチャリありの自由なレースで、どのチームも和気あいあいとレースを楽しんでいたのが印象深い。このレースもシクロクロスの敷居を下げたいという想いから開催されたという。
また、スペシャライズドやニールプライドの試乗会や、ブラッキー中島さんが主宰するウィーラースクールによる自転車教室が開かれ、どのような方でも楽しめるようなイベントとなっていた。ケータリングサービスも用意されており、ゼッケンを持参するとスープが1杯無料となるうれしいサービスも。浜風で冷えた体を温めていた参加者もいたようだ。
「レース参加者やそのご家族が楽しめることはもちろん、公園に来場した一般市民の方々もスポーツ自転車に親しみを持ってもらいたいという想いがイベント開催の根本にあります。来場して自転車に触れ合うキッカケとなるイベントを目指しました。」とイベントの門戸を広く取った理由を鵜沢さんは語る。
様々な方がレースイベントを楽しめるように門戸を広く取られたシクロクロス千葉。来年は同じ時期にシリーズ戦開催を構想中とのことで、千葉でのシクロクロスひいてはスポーツ自転車レースの盛り上げ役を担ってくれるイベントとなりそうだ。
※リザルトは公式サイトでご確認ください。
target="_blank">フォトアルバム(CW FaceBook)
text:Gakuto.Fujiwara
photo:Makoto.AYANO,Yuichiro,Hosoda,Gakuto.Fujiwara
関東圏でシクロクロスレースが盛り上がりを見せていくなか、2014-15シーズン中に2つのAJOCCレースが千葉県で生まれた。そのひとつが2月1日に開催されたシクロクロス千葉だ。この大会は、昨年11月にサイクルモード期間中に開催されたスターライト幕張とは異なり、「ビギナーが参加して楽しめる」をコンセプトに開催された大会だ。
実行委員会の鵜沢祐也さんは話す。「千葉でのレースは数少なく、レースをやりたいという想いが、今回のイベントのきっかけです。そこで、難しいというイメージが先行しているシクロクロスを、初心者の方にも楽しんでもらいたいと考え企画しています」。
第1回目となる今大会に集まった参加人数は約200名、来場者は1,000名程。その中でもC3は最大人数を集めた84名、C4は61名とビギナー層が大多数を占めていることが印象深い。このエントリー数はCX人気だけではなく、東京駅から電車で30分強とアクセスが良好な「海浜幕張公園」で開催されたことにも理由はあるだろう。
海浜幕張公園は11月のスターライト幕張が開催された場所でもあるが、実際にレースに行われたのは浜田川とQVCマリンフィールドを挟んだ反対側。この場所は実業団クリテリウムの開催実績がある他、千葉の市議である阿部智さんの協力もあり舞台となったという。今後も継続して海浜幕張公園でレースを開く考えもあるという。
公園内に作られたのはビギナーでもシクロクロスの醍醐味を安心して楽しめるような1周1.1kmの平坦コース。約5割が芝生、約4割が舗装路、残りの1割はわずか十数メートルながらレース序盤の展開を左右しようかという狭いシングルトラックで構成されており、いずれのカテゴリーもハイスピードなレース展開となった。
最高峰のC1は総勢23名、20周回のレースとなった。シングルトラックに入るまでのスタートダッシュがレースの行方を大きく左右するため、レース前のホールショットを狙うライダーたちの集中は頂点に達している。
レース開始の号砲が鳴ると同時に飛び出していったライダーの中、先頭でシングルトラックを走り抜けたのは鈴木禄徳(PAX PROJECT)。その後は5名程のパックとなりスタートラップを完了。
2周目までは5人一塊となりレースが進んでいく。3周目、スタートダッシュを決めて最後尾から1周目中に先頭パックへ合流していた重田兼吾(Team CUORE)が、単独で走行を開始する。重田はこの時のことを「先頭に出た際に様子を伺おうとスピードを上げましたが、反応が薄かったためそのまま独走に持ち込みました。」と振り返る。
2位集団は人数を減らしながらトップを追走するも、タイム差は20秒ほどまで開いてしまう。最終的には関東のCXレースで表彰台常連の池本真也(和光機器)とMTBエリートレーサー國井敏夫(MilePost BMC Racing)という2人が、2位争いを一進一退の攻防を繰り広げながら先頭を追うも、ギャップは中々縮まらない。
その後、重田はチェーン落ちのトラブルに見舞われ、池本に8秒差まで迫られる。落ち着いてリカバリーをした重田がそのまま先頭でフィニッシュを切った。シーズン終盤の勝利について重田は「地元千葉で開催されたレースということもあり、勝ちを狙っていただけに今回の優勝は嬉しいですね。」と語る。
C2は織田聖(Bottles and Chains)が藤田拓海(SNEL CX TEAM)とのデッドヒートの末、僅差で勝利。C3との混走となったCL1は、実力者の武田和佳(TEAM CHAINRING)がきっちりとレースを展開し、後続を離し勝利。マスターズは綾野真(チバポンズ川口農園シクロワイアード)がホールショットから独走へと持ち込み優勝を決めた。この他にもビギナーのC3やC4、キッズレースが行われ、それぞれのレースで熾烈なトップ争いが広げられていた。
シクロクロス千葉はAJOCCレースのみならず、コースをさらに容易にしたチームエンデューロも行われた。仮装、ママチャリありの自由なレースで、どのチームも和気あいあいとレースを楽しんでいたのが印象深い。このレースもシクロクロスの敷居を下げたいという想いから開催されたという。
また、スペシャライズドやニールプライドの試乗会や、ブラッキー中島さんが主宰するウィーラースクールによる自転車教室が開かれ、どのような方でも楽しめるようなイベントとなっていた。ケータリングサービスも用意されており、ゼッケンを持参するとスープが1杯無料となるうれしいサービスも。浜風で冷えた体を温めていた参加者もいたようだ。
「レース参加者やそのご家族が楽しめることはもちろん、公園に来場した一般市民の方々もスポーツ自転車に親しみを持ってもらいたいという想いがイベント開催の根本にあります。来場して自転車に触れ合うキッカケとなるイベントを目指しました。」とイベントの門戸を広く取った理由を鵜沢さんは語る。
様々な方がレースイベントを楽しめるように門戸を広く取られたシクロクロス千葉。来年は同じ時期にシリーズ戦開催を構想中とのことで、千葉でのシクロクロスひいてはスポーツ自転車レースの盛り上げ役を担ってくれるイベントとなりそうだ。
※リザルトは公式サイトでご確認ください。
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text:Gakuto.Fujiwara
photo:Makoto.AYANO,Yuichiro,Hosoda,Gakuto.Fujiwara
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