2015/02/02(月) - 11:08
シクロクロス世界選手権U23レースで、昨年2位に甘んじたミハエル・ヴァントルノート(ベルギー)が中盤から独走を決めて勝利。横山航太と前田公平は思うように結果を残せなかったが、来シーズンに向けて意欲を見せる。
全6周、50分間のレースはまずトーン・アールツ(ベルギー)やクレメン・ヴェンチュリーニ(フランス)の好スタートで幕を開ける。前方からスタートした横山航太(シマノレーシング)は15番手ほどから、前田公平(BIORACER OFFROAD TEAM)は後方から追い上げる形でそれぞれのレースが動き出す。
昨年のU23王者ワウト・ファンアールト(ベルギー)、一昨年のU23王者マテュー・ファンデルポール(オランダ)が共にエリートレース出場を選択したことから絶対的な優勝候補は不在。ミハエル・ヴァントルノート(ベルギー)、ヨーリス・ニューエンハイス(オランダ)やローレンス・スウェーク(ベルギー)らがトップグループを形成した。
すると中盤で「スタートは9番手ほどと良くなかったが、調子が上がってきたので勝負にでようと思った」というヴァントルノートがアタックし単独先頭に立つ。2位にはゴドリエを切り離したスウェークが上がり、ベルギーはワンツー体制を築き上げた。
「今日の滑りやすいコンディションは僕に向いていた」と語るヴァントルノートの勢いは最後まで衰えず、スウェークを10秒引き離してフィニッシュ。昨年の世界選手権U23で2位に甘んじたヴァントルノートがキャリア初のアルカンシエルを手に入れた。
ヴァントルノートは自身のレースを「ファンタスティックなレースになった。僕とローレンス(スウェーク)が表彰台に立ったことで、ベルギーにとっても良かった。」と振り返る。
日本勢は順調にレースを進めていた横山航太が途中メカトラを喫し、バイク交換までに時間を要したことが響いて48位に、最後尾から追い上げた前田公平は40位でレースを終えた。U23レースを闘った2人のコメントは以下の通り。
横山航太
今日は結果を残せたはずのレースを落としてしまいました。スタートはうまく決まって、力を使わず前に出ていけたので良かったんです。1周目には落車してしまいましたが良いラップタイムで、2周目のペースアップもうまくやり過ごせたので、調子は良かった。
でも3周目にメカトラを起こしてしまって。結局、その周はピットまで半周ほど担いで走ることになりました。その後は前を追うこともできず自分との戦いでした。転倒した時にトラブルの前兆が出ていたと思うんですけど、体調がよかったのでつい冷静さを欠いて、そのまま走っていたのが良くなかった。そういったマネジメントも実力のうちだと痛感しました。
1周目は先頭と30秒ほどの差でかなり良い位置だったんです。ここに来る前に立てていた20位以内という目標を達成できそうな手ごたえは感じることができました。ぜひ来年の世界選手権でリベンジしたいと思います。
前田公平
スタートしてすぐの階段が出てくる手前の入り口あたりで後ろから見事にタックルをもらい、コケて最後尾まで落ちてしまいまし。でも集中力を切らさず走れ、最後尾からは少し追い上げることができました。泥区間では僕が速いのですが、平坦の出力で負けていてなかなか上がるのが難しかったですね。
あっちこっちで誰かが滑ってるんで、毎周回わだちが変わっていきました。コースの日影は凍っていて、奥のストレートとか鉄柵の影はツルツル。泥で滑るのか、凍ってて滑るのかも違うので、難しかったです。でも、周回を重ねていくうちにどこが泥でどこが凍っているのかを把握できたので、ストレートは路面抵抗の少ない凍ってるところを走ったりと最後のほうはかなり走れました。
バイク交換は2回。泥が付いて重くなったり、変速の調子が悪くなったりしたので交換しました。やっぱり世界は日本のレースとは違います。体当たりされたり、無理やりインを差されたり、まるで戦争という感じです。その中で自分のもてる力は全部出せたんですけど、そういった日本にはないラフでがつがつとしたレース展開で当たり負けしないように、また来年戻ってきたいです。
シクロクロス世界選手権2015U23男子結果
text:So.Isobe
interview:Alisa Okazaki
photo:CorVos
全6周、50分間のレースはまずトーン・アールツ(ベルギー)やクレメン・ヴェンチュリーニ(フランス)の好スタートで幕を開ける。前方からスタートした横山航太(シマノレーシング)は15番手ほどから、前田公平(BIORACER OFFROAD TEAM)は後方から追い上げる形でそれぞれのレースが動き出す。
昨年のU23王者ワウト・ファンアールト(ベルギー)、一昨年のU23王者マテュー・ファンデルポール(オランダ)が共にエリートレース出場を選択したことから絶対的な優勝候補は不在。ミハエル・ヴァントルノート(ベルギー)、ヨーリス・ニューエンハイス(オランダ)やローレンス・スウェーク(ベルギー)らがトップグループを形成した。
すると中盤で「スタートは9番手ほどと良くなかったが、調子が上がってきたので勝負にでようと思った」というヴァントルノートがアタックし単独先頭に立つ。2位にはゴドリエを切り離したスウェークが上がり、ベルギーはワンツー体制を築き上げた。
「今日の滑りやすいコンディションは僕に向いていた」と語るヴァントルノートの勢いは最後まで衰えず、スウェークを10秒引き離してフィニッシュ。昨年の世界選手権U23で2位に甘んじたヴァントルノートがキャリア初のアルカンシエルを手に入れた。
ヴァントルノートは自身のレースを「ファンタスティックなレースになった。僕とローレンス(スウェーク)が表彰台に立ったことで、ベルギーにとっても良かった。」と振り返る。
日本勢は順調にレースを進めていた横山航太が途中メカトラを喫し、バイク交換までに時間を要したことが響いて48位に、最後尾から追い上げた前田公平は40位でレースを終えた。U23レースを闘った2人のコメントは以下の通り。
横山航太
今日は結果を残せたはずのレースを落としてしまいました。スタートはうまく決まって、力を使わず前に出ていけたので良かったんです。1周目には落車してしまいましたが良いラップタイムで、2周目のペースアップもうまくやり過ごせたので、調子は良かった。
でも3周目にメカトラを起こしてしまって。結局、その周はピットまで半周ほど担いで走ることになりました。その後は前を追うこともできず自分との戦いでした。転倒した時にトラブルの前兆が出ていたと思うんですけど、体調がよかったのでつい冷静さを欠いて、そのまま走っていたのが良くなかった。そういったマネジメントも実力のうちだと痛感しました。
1周目は先頭と30秒ほどの差でかなり良い位置だったんです。ここに来る前に立てていた20位以内という目標を達成できそうな手ごたえは感じることができました。ぜひ来年の世界選手権でリベンジしたいと思います。
前田公平
スタートしてすぐの階段が出てくる手前の入り口あたりで後ろから見事にタックルをもらい、コケて最後尾まで落ちてしまいまし。でも集中力を切らさず走れ、最後尾からは少し追い上げることができました。泥区間では僕が速いのですが、平坦の出力で負けていてなかなか上がるのが難しかったですね。
あっちこっちで誰かが滑ってるんで、毎周回わだちが変わっていきました。コースの日影は凍っていて、奥のストレートとか鉄柵の影はツルツル。泥で滑るのか、凍ってて滑るのかも違うので、難しかったです。でも、周回を重ねていくうちにどこが泥でどこが凍っているのかを把握できたので、ストレートは路面抵抗の少ない凍ってるところを走ったりと最後のほうはかなり走れました。
バイク交換は2回。泥が付いて重くなったり、変速の調子が悪くなったりしたので交換しました。やっぱり世界は日本のレースとは違います。体当たりされたり、無理やりインを差されたり、まるで戦争という感じです。その中で自分のもてる力は全部出せたんですけど、そういった日本にはないラフでがつがつとしたレース展開で当たり負けしないように、また来年戻ってきたいです。
シクロクロス世界選手権2015U23男子結果
1位 ミハエル・ヴァントルノート(ベルギー)
2位 ローレンス・スウェーク(ベルギー)
3位 スタン・ゴドリエ(オランダ)
4位 クレメン・ヴェンチュリーニ(フランス)
5位 ヨーリス・ニューエンハイス(オランダ)
6位 トーン・アールツ(ベルギー)
7位 ヤコブ・スカーラ(チェコ)
8位 ディエテル・スウェーク(ベルギー)
9位 クィンテン・ヘルマンス(ベルギー)
10位 ジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア)
40位 前田公平(BIORACER OFFROAD TEAM)
48位 横山航太(シマノレーシング)
2位 ローレンス・スウェーク(ベルギー)
3位 スタン・ゴドリエ(オランダ)
4位 クレメン・ヴェンチュリーニ(フランス)
5位 ヨーリス・ニューエンハイス(オランダ)
6位 トーン・アールツ(ベルギー)
7位 ヤコブ・スカーラ(チェコ)
8位 ディエテル・スウェーク(ベルギー)
9位 クィンテン・ヘルマンス(ベルギー)
10位 ジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア)
40位 前田公平(BIORACER OFFROAD TEAM)
48位 横山航太(シマノレーシング)
49'55"
+10"
+14"
+24"
+31"
+45"
+1'06"
+1'14"
+5'48"
+7'19"
+10"
+14"
+24"
+31"
+45"
+1'06"
+1'14"
+5'48"
+7'19"
text:So.Isobe
interview:Alisa Okazaki
photo:CorVos
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