2015/01/09(金) - 11:56
キーワードは「グリーンアーガイル」。UCIワールドツアーチームの中で最も大きな変化を遂げたキャノンデール・ガーミンが始動する。ニューヨークで行なわれたチームプレゼンテーションの模様を詳しくお伝えします。
寒空のニューヨークに集まった200名のゲストを前に新体制を披露
ガラスを隔てた外はマイナス10度という寒さ。厚手のコートを着込んで到着したゲストを前に、キャノンデール・ガーミンの選手たちが登場した。
チームプレゼンテーションに集まったのはメディアとディーラー合わせて200名のゲストたち。会場はニューヨークの中心地マンハッタン島の西側、ハドソン川を眺めるウェストサイドにあるIACビルディングだ。
アメリカのトラベルチャンネルで人気番組をもつドン・ワイルドマン氏がMCとして軽快にプレゼンテーションを進めていく。世界最大級のビデオウォールという幅37mx高さ3.4mの壁全面にチームのPVが映し出されるとまもなく、新ジャージに身を包んだキャノンデール・ガーミンの選手たちが登場した。
チームキャンプで集合した選手たちはすでにそれぞれの拠点に戻って活動中だ。その多くはヨーロッパでトレーニングをこなしており、まもなくツアー・ダウンアンダーに出場する部隊はオーストラリアに、ツール・ド・サンルイスに出場する部隊はアルゼンチンに移動を開始する。そのためニューヨークに集まった選手はアンドリュー・タランスキー(アメリカ)、ベンジャミン・キング(アメリカ)、ダニエル・マーティン(アイルランド)、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア)、ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ)、エドワード・キング(アメリカ)の6名に限られた。
ジャージデザインは黒を基調としたもので、キャノンデールのコーポレートカラーであるグリーンが組み合わされた。胴体部分にはスリップストリームのアーガイル柄。胸元と脇腹、袖口、ショーツの裾に各スポンサーのロゴが入っている。様々なデザイン案が出された末に行き着いたデザインだ。
既存のガーミン・シャープとキャノンデールプロサイクリングの合併と位置づけられているものの、実質的にはガーミン・シャープを運営するスリップストリーム社がメインスポンサーとしてキャノンデール社を迎え入れ、解体するキャノンデールプロサイクリングから選手を獲得した形。つまり基本的な運営や体制はガーミン・シャープを引き継ぎ、今後もスペイン・ジローナにあるスリップストリームの拠点をベースに活動を行っていく。
機材に目を向けると、シマノのコンポーネント、MAVICのホイールとタイヤ、ガーミンのGPSとパワーメーター、フィジークのサドルとバーテープ、キャメルバックのボトル、アランデルのボトルケージ、カステリのジャージ、POCのヘルメット、ニューバランスのオフシューズなどがガーミン・シャープから継続。キャノンデールプロサイクリングから引き継がれるのはバイクフレームと、FSAのハンドルとステムならびにシートポストだ。
メインバイクとして使用されるのはSUPERSIX EVOで、コースによってはSYNAPSEを使用。タイムトライアルではSLICE RSに乗る。コンポーネントは機械式のシマノ・デュラエース9000だが、2月には全バイクにデュラエース9070 Di2を搭載する予定だと言う。撮影バイクにはFSAのチェーンリング付きクランクが装着されていたものの、チェーンリングと一体型のHOLLOWGRAM Si SL2を主に使用する。
平均年齢26歳 若返ったアメリカンディベロップメントチーム
1月9日現在、14カ国から集まった27名のメンバーの平均年齢は26歳と13日。僅差(およそ1日の差)でジャイアント・アルペシンよりも若く、UCIプロチームの中では最年少チームとなる。
緑と黒に一新されたチームは、ジョナサン・ヴォータースGMが若手の育成を掲げて2003年に結成したチームの原点に立ち戻る。
ヴォータースGMは新体制について「150年以上の歴史と伝統をもつイタリアの自転車カルチャーと、革新に主眼を置いたアメリカ的な見地の融合」と説明する。「若い選手にドーピングの時代を経験させたくない。これまでも、これからも、若い選手を正しい方向に連れて行くことがチームの役目だ」と強調した。
若手の代表格がチームプレゼンテーションにも登場した23歳ドンブロウスキーと22歳フォルモロ。さらに2012年ロンドン五輪オムニアム金メダリストの22歳ラッセノーマン・ハンセン(デンマーク)や2012年ジュニア世界チャンピオンならびに2013のU23世界チャンピオンである20歳マテイ・モホリッチ(スロベニア)ら、10年後に世界を背負って立つような逸材が多く在籍している。長期的な目線で若手を育成するため、比較的小さなレースから着実にステップアップさせることに主眼を置いている。
年齢的には中堅ながら、すでにビッグレースで成績を残すダニエル・マーティン(アイルランド)とアンドリュー・タランスキー(アメリカ)がチームの軸であり、プレゼンテーションでもエースとして紹介を受けた。地元ニューヨーク出身で、2014年クリテリウム・ドゥ・ドーフィネの覇者タランスキーと、ジロ・ディ・ロンバルディア優勝のマーティンがグランツールにおけるエース。ここにチーム内の最年長トム・ダニエルソン(アメリカ)やライダー・ヘシェダル(カナダ)といったベテランが加わる。
ヴォータースGMが考えるチーム論や主要選手のインタビューは後ほどお伝えします。
キャノンデール・ガーミン2015メンバー
ハニエル・アセベド(コロンビア)32歳
ジャック・バウアー(ニュージーランド)29歳
アルベルト・ベッティオル(イタリア)21歳
ネイサン・ブラウン(アメリカ)23歳
アンドレ・カルドソ(ポルトガル)30歳
トム・ダニエルソン(アメリカ)36歳
ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ)23歳
ダヴィデ・フォルモロ(イタリア)22歳
ネイサン・ハース(オーストラリア)25歳
ラッセノーマン・ハンセン(デンマーク)22歳
ライダー・ヘシェダル(カナダ)34歳
アレックス・ハウズ(アメリカ)27歳
ベンジャミン・キング(アメリカ)25歳
エドワード・キング(アメリカ)31歳
クリスティアン・コレン(スロベニア)28歳
セバスティアン・ラングフェルド(オランダ)29歳
アラン・マランゴーニ(イタリア)30歳
ダニエル・マーティン(アイルランド)28歳
マテイ・モホリッチ(スロベニア)20歳
モレーノ・モゼール(イタリア)24歳
ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア)26歳
クリストファー・スケルピング(ノルウェー)21歳
トムイェルテ・スラグテル(オランダ)25歳
アンドリュー・タランスキー(アメリカ)26歳
ディラン・ファンバールレ(オランダ)22歳
ダヴィデ・ヴィッレッラ(イタリア)23歳
ルーベン・ゼプントケ(ドイツ)21歳
text&photo:Kei Tsuji in NYC, USA
寒空のニューヨークに集まった200名のゲストを前に新体制を披露
ガラスを隔てた外はマイナス10度という寒さ。厚手のコートを着込んで到着したゲストを前に、キャノンデール・ガーミンの選手たちが登場した。
チームプレゼンテーションに集まったのはメディアとディーラー合わせて200名のゲストたち。会場はニューヨークの中心地マンハッタン島の西側、ハドソン川を眺めるウェストサイドにあるIACビルディングだ。
アメリカのトラベルチャンネルで人気番組をもつドン・ワイルドマン氏がMCとして軽快にプレゼンテーションを進めていく。世界最大級のビデオウォールという幅37mx高さ3.4mの壁全面にチームのPVが映し出されるとまもなく、新ジャージに身を包んだキャノンデール・ガーミンの選手たちが登場した。
チームキャンプで集合した選手たちはすでにそれぞれの拠点に戻って活動中だ。その多くはヨーロッパでトレーニングをこなしており、まもなくツアー・ダウンアンダーに出場する部隊はオーストラリアに、ツール・ド・サンルイスに出場する部隊はアルゼンチンに移動を開始する。そのためニューヨークに集まった選手はアンドリュー・タランスキー(アメリカ)、ベンジャミン・キング(アメリカ)、ダニエル・マーティン(アイルランド)、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア)、ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ)、エドワード・キング(アメリカ)の6名に限られた。
ジャージデザインは黒を基調としたもので、キャノンデールのコーポレートカラーであるグリーンが組み合わされた。胴体部分にはスリップストリームのアーガイル柄。胸元と脇腹、袖口、ショーツの裾に各スポンサーのロゴが入っている。様々なデザイン案が出された末に行き着いたデザインだ。
既存のガーミン・シャープとキャノンデールプロサイクリングの合併と位置づけられているものの、実質的にはガーミン・シャープを運営するスリップストリーム社がメインスポンサーとしてキャノンデール社を迎え入れ、解体するキャノンデールプロサイクリングから選手を獲得した形。つまり基本的な運営や体制はガーミン・シャープを引き継ぎ、今後もスペイン・ジローナにあるスリップストリームの拠点をベースに活動を行っていく。
機材に目を向けると、シマノのコンポーネント、MAVICのホイールとタイヤ、ガーミンのGPSとパワーメーター、フィジークのサドルとバーテープ、キャメルバックのボトル、アランデルのボトルケージ、カステリのジャージ、POCのヘルメット、ニューバランスのオフシューズなどがガーミン・シャープから継続。キャノンデールプロサイクリングから引き継がれるのはバイクフレームと、FSAのハンドルとステムならびにシートポストだ。
メインバイクとして使用されるのはSUPERSIX EVOで、コースによってはSYNAPSEを使用。タイムトライアルではSLICE RSに乗る。コンポーネントは機械式のシマノ・デュラエース9000だが、2月には全バイクにデュラエース9070 Di2を搭載する予定だと言う。撮影バイクにはFSAのチェーンリング付きクランクが装着されていたものの、チェーンリングと一体型のHOLLOWGRAM Si SL2を主に使用する。
平均年齢26歳 若返ったアメリカンディベロップメントチーム
1月9日現在、14カ国から集まった27名のメンバーの平均年齢は26歳と13日。僅差(およそ1日の差)でジャイアント・アルペシンよりも若く、UCIプロチームの中では最年少チームとなる。
緑と黒に一新されたチームは、ジョナサン・ヴォータースGMが若手の育成を掲げて2003年に結成したチームの原点に立ち戻る。
ヴォータースGMは新体制について「150年以上の歴史と伝統をもつイタリアの自転車カルチャーと、革新に主眼を置いたアメリカ的な見地の融合」と説明する。「若い選手にドーピングの時代を経験させたくない。これまでも、これからも、若い選手を正しい方向に連れて行くことがチームの役目だ」と強調した。
若手の代表格がチームプレゼンテーションにも登場した23歳ドンブロウスキーと22歳フォルモロ。さらに2012年ロンドン五輪オムニアム金メダリストの22歳ラッセノーマン・ハンセン(デンマーク)や2012年ジュニア世界チャンピオンならびに2013のU23世界チャンピオンである20歳マテイ・モホリッチ(スロベニア)ら、10年後に世界を背負って立つような逸材が多く在籍している。長期的な目線で若手を育成するため、比較的小さなレースから着実にステップアップさせることに主眼を置いている。
年齢的には中堅ながら、すでにビッグレースで成績を残すダニエル・マーティン(アイルランド)とアンドリュー・タランスキー(アメリカ)がチームの軸であり、プレゼンテーションでもエースとして紹介を受けた。地元ニューヨーク出身で、2014年クリテリウム・ドゥ・ドーフィネの覇者タランスキーと、ジロ・ディ・ロンバルディア優勝のマーティンがグランツールにおけるエース。ここにチーム内の最年長トム・ダニエルソン(アメリカ)やライダー・ヘシェダル(カナダ)といったベテランが加わる。
ヴォータースGMが考えるチーム論や主要選手のインタビューは後ほどお伝えします。
キャノンデール・ガーミン2015メンバー
ハニエル・アセベド(コロンビア)32歳
ジャック・バウアー(ニュージーランド)29歳
アルベルト・ベッティオル(イタリア)21歳
ネイサン・ブラウン(アメリカ)23歳
アンドレ・カルドソ(ポルトガル)30歳
トム・ダニエルソン(アメリカ)36歳
ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ)23歳
ダヴィデ・フォルモロ(イタリア)22歳
ネイサン・ハース(オーストラリア)25歳
ラッセノーマン・ハンセン(デンマーク)22歳
ライダー・ヘシェダル(カナダ)34歳
アレックス・ハウズ(アメリカ)27歳
ベンジャミン・キング(アメリカ)25歳
エドワード・キング(アメリカ)31歳
クリスティアン・コレン(スロベニア)28歳
セバスティアン・ラングフェルド(オランダ)29歳
アラン・マランゴーニ(イタリア)30歳
ダニエル・マーティン(アイルランド)28歳
マテイ・モホリッチ(スロベニア)20歳
モレーノ・モゼール(イタリア)24歳
ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア)26歳
クリストファー・スケルピング(ノルウェー)21歳
トムイェルテ・スラグテル(オランダ)25歳
アンドリュー・タランスキー(アメリカ)26歳
ディラン・ファンバールレ(オランダ)22歳
ダヴィデ・ヴィッレッラ(イタリア)23歳
ルーベン・ゼプントケ(ドイツ)21歳
text&photo:Kei Tsuji in NYC, USA
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