2014/12/28(日) - 08:36
オランダチャンピオンジャージがゾルダーサーキットを最速で駆け抜けた。UCIシクロクロスワールドカップ第5戦でラルス・ファンデルハール（オランダ、ジャイアント・シマノ）が独走勝利。年末年始のシクロクロスウィークが始まった。
林セクションから砂のキャンバーを駆け下りる photo:Tim de Waele
コーナーを含む巨大立体交差が登場 photo:Tim de Waele
砂のキャンバーをバイクを担いで駆け上がる photo:Tim de Waele
安定した走りで序盤から独走したラルス・ファンデルハール（オランダ、ジャイアント・シマノ） photo:Tim de WaeleUCIシクロクロスワールドカップ第5戦の舞台はベルギー東部のヒュースデン＝ゾルダーにあるゾルダーサーキット。コースは過去にF1グランプリも開催されたサーキットと隣接する林が組み合わされたもので、舗装路とテクニカルな林区間を何度も行き交う。
UCIワールドカップリーダーのケヴィン・パウエルス（ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス）が追走 photo:Tim de Waele崖のようなキャンバーや砂セクションに加えて、今年はコーナーを含む大掛かりな立体交差まで登場。2016年のUCIシクロクロス世界選手権の開催地であるハイスピードサーキットの沿道には1万5000人を超える観客が詰めかけた。
独走のままフィニッシュに飛び込むラルス・ファンデルハール（オランダ、ジャイアント・シマノ） photo:Tim de Waeleレースは1周目から高速化する。スタートの混雑を避けたデーヴィッド・ファンデルポール（オランダ、BKCPパワープラス）やトム・メーウセン（ベルギー、テレネット・フィデア）らが積極的にペースを上げ、ロードレースさながらの集団走行を行ないながら1周目を完了する。
2年連続表彰台の真ん中に立ったラルス・ファンデルハール（オランダ、ジャイアント・シマノ） photo:Tim de Waele7〜10名ほどの先頭パックのメンバーを確認しながら落ち着いて先頭でペースをコントロールしたのはオランダチャンピオンジャージを着るファンデルハール。すると3周目に入ってすぐにファンデルハールが腰を上げる。フィニッシュまで7周回、45分以上を残して早くもファンデルハールがアタックを成功させた。
「レース序盤だったので一般的には早すぎるタイミングだったけど、後ろとギャップが開いたのでチャンスだと判断した。そこから躊躇せずに踏んでアタックした」と語るファンデルハールが一気に後続を突き放す。白いUCIワールドカップリーダージャージを着るケヴィン・パウエルス（ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス）が淡々と追走を続けたもののタイム差は拡大を続けた。
フィニッシュまで2周半を残したところでチェーンが脱落するトラブルに見舞われたが、ファンデルハールは10秒程度立ち止まってリカバリー。小柄な身体をフル活用したパワフルな走りは衰えず、パウエルスに対して29秒リードで最終周回に差し掛かる。最後までそのペースは落ちなかった。
ゾルダーサーキットで2年連続勝利を収めたファンデルハールは「ここ最近、調子が良いのにレース終盤のトラブルでチャンスを失ってばかりいた。だから今日は美しい勝利になったよ。今日も終盤にチェーントラブルに見舞われたものの、持ち堪えるには充分なリードがあった」と冷静な口調でインタビューに応える。
第5戦を終えてパウエルスがUCIワールドカップリーダーの座を守り、ファンデルハールが80ポイント差の2位に続く。ファンデルハールがシーズン後半にかけてコンディションを上げている印象だが、UCIワールドカップは1月25日の第6戦ホーヘルハイデ（オランダ）を残すのみとなり、ランキングの逆転は厳しい状況だ。
この日から連戦が始まる全日本チャンピオンの竹之内悠（ベランクラシック・ドルチーニ）は2周遅れの41位。「序盤の混乱で出遅れ、それを追走して中盤にヘロヘロになって、終盤に持ち直して踏んでいったけどまたあと少しで足切り。（フルラップまで）あと30秒ぐらいだった」と竹之内はコメントしている。また、今シーズン精力的にYouTubeで動画を配信している竹之内は、試走の様子をヘルメットに装着したカメラで撮影してアップロードしている。レースのフルリプレイと合わせてご覧下さい。
竹之内悠レース試走オンボードカメラ
レースフルリプレイ
UCIシクロクロスワールドカップ2014-2015第3戦
1位 ラルス・ファンデルハール（オランダ、ジャイアント・シマノ） 1h08'10"
2位 ケヴィン・パウエルス（ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス） +45"
3位 コルヌ・ファンケッセル（オランダ、テレネット・フィデア） +1'10"
4位 ジュリアン・タラマルカス（スイス、コレンドン・クワドロ）
5位 フィリップ・ワルスレーベン（ドイツ、BKCPパワープラス） +1'26"
6位 デーヴィッド・ファンデルポール（オランダ、BKCPパワープラス） +1'31"
7位 ジャンニ・フェルメールス（ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス） +1'33"
8位 サッシャ・ウェーバー（ドイツ、ベランクラシック・ドルチーニ） +1'34"
9位 マルティン・ビーナ（チェコ、コレンドン・クワドロ）
10位 イェンス・アダムス（ベルギー、ファストフートサービス） +1'39"
41位 竹之内悠（日本、ベランクラシック・ドルチーニ） -2Laps
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
林セクションから砂のキャンバーを駆け下りる photo:Tim de Waeleコーナーを含む巨大立体交差が登場 photo:Tim de Waele砂のキャンバーをバイクを担いで駆け上がる photo:Tim de Waele安定した走りで序盤から独走したラルス・ファンデルハール（オランダ、ジャイアント・シマノ） photo:Tim de WaeleUCIシクロクロスワールドカップ第5戦の舞台はベルギー東部のヒュースデン＝ゾルダーにあるゾルダーサーキット。コースは過去にF1グランプリも開催されたサーキットと隣接する林が組み合わされたもので、舗装路とテクニカルな林区間を何度も行き交う。UCIワールドカップリーダーのケヴィン・パウエルス（ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス）が追走 photo:Tim de Waele崖のようなキャンバーや砂セクションに加えて、今年はコーナーを含む大掛かりな立体交差まで登場。2016年のUCIシクロクロス世界選手権の開催地であるハイスピードサーキットの沿道には1万5000人を超える観客が詰めかけた。独走のままフィニッシュに飛び込むラルス・ファンデルハール（オランダ、ジャイアント・シマノ） photo:Tim de Waeleレースは1周目から高速化する。スタートの混雑を避けたデーヴィッド・ファンデルポール（オランダ、BKCPパワープラス）やトム・メーウセン（ベルギー、テレネット・フィデア）らが積極的にペースを上げ、ロードレースさながらの集団走行を行ないながら1周目を完了する。2年連続表彰台の真ん中に立ったラルス・ファンデルハール（オランダ、ジャイアント・シマノ） photo:Tim de Waele7〜10名ほどの先頭パックのメンバーを確認しながら落ち着いて先頭でペースをコントロールしたのはオランダチャンピオンジャージを着るファンデルハール。すると3周目に入ってすぐにファンデルハールが腰を上げる。フィニッシュまで7周回、45分以上を残して早くもファンデルハールがアタックを成功させた。「レース序盤だったので一般的には早すぎるタイミングだったけど、後ろとギャップが開いたのでチャンスだと判断した。そこから躊躇せずに踏んでアタックした」と語るファンデルハールが一気に後続を突き放す。白いUCIワールドカップリーダージャージを着るケヴィン・パウエルス（ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス）が淡々と追走を続けたもののタイム差は拡大を続けた。
フィニッシュまで2周半を残したところでチェーンが脱落するトラブルに見舞われたが、ファンデルハールは10秒程度立ち止まってリカバリー。小柄な身体をフル活用したパワフルな走りは衰えず、パウエルスに対して29秒リードで最終周回に差し掛かる。最後までそのペースは落ちなかった。
ゾルダーサーキットで2年連続勝利を収めたファンデルハールは「ここ最近、調子が良いのにレース終盤のトラブルでチャンスを失ってばかりいた。だから今日は美しい勝利になったよ。今日も終盤にチェーントラブルに見舞われたものの、持ち堪えるには充分なリードがあった」と冷静な口調でインタビューに応える。
第5戦を終えてパウエルスがUCIワールドカップリーダーの座を守り、ファンデルハールが80ポイント差の2位に続く。ファンデルハールがシーズン後半にかけてコンディションを上げている印象だが、UCIワールドカップは1月25日の第6戦ホーヘルハイデ（オランダ）を残すのみとなり、ランキングの逆転は厳しい状況だ。
この日から連戦が始まる全日本チャンピオンの竹之内悠（ベランクラシック・ドルチーニ）は2周遅れの41位。「序盤の混乱で出遅れ、それを追走して中盤にヘロヘロになって、終盤に持ち直して踏んでいったけどまたあと少しで足切り。（フルラップまで）あと30秒ぐらいだった」と竹之内はコメントしている。また、今シーズン精力的にYouTubeで動画を配信している竹之内は、試走の様子をヘルメットに装着したカメラで撮影してアップロードしている。レースのフルリプレイと合わせてご覧下さい。
竹之内悠レース試走オンボードカメラ
レースフルリプレイ
UCIシクロクロスワールドカップ2014-2015第3戦
1位 ラルス・ファンデルハール（オランダ、ジャイアント・シマノ） 1h08'10"
2位 ケヴィン・パウエルス（ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス） +45"
3位 コルヌ・ファンケッセル（オランダ、テレネット・フィデア） +1'10"
4位 ジュリアン・タラマルカス（スイス、コレンドン・クワドロ）
5位 フィリップ・ワルスレーベン（ドイツ、BKCPパワープラス） +1'26"
6位 デーヴィッド・ファンデルポール（オランダ、BKCPパワープラス） +1'31"
7位 ジャンニ・フェルメールス（ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス） +1'33"
8位 サッシャ・ウェーバー（ドイツ、ベランクラシック・ドルチーニ） +1'34"
9位 マルティン・ビーナ（チェコ、コレンドン・クワドロ）
10位 イェンス・アダムス（ベルギー、ファストフートサービス） +1'39"
41位 竹之内悠（日本、ベランクラシック・ドルチーニ） -2Laps
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
Amazon.co.jp
