2014/11/29(土) - 11:09
兵庫県の菖蒲谷森林公園を舞台に開催されたDOWNHILL SERIES第5戦。全長545m/標高差79mと1つのミスも許されないショートコースで圧巻の走りを魅せた清水一輝(Madison Saracen)が第3戦に続くシリーズ2勝目を飾った。女子は菖蒲谷と馴染み深い末政実緒(DIRTFREAK/SARACEN)が制している。
11 月23~24 日に開催されたDOWNHILL SERIES第5戦。その会場は、赤や黄色に染まる色とりどりの木々に囲まれた兵庫県たつの市の菖蒲谷森林公園。常時オープンではない会場ではあるが、何本ものダウンヒルコースや、ライダーからの評価の高いクロスカントリーコースも整備された関西では有名な会場である。
100名の参加者を集めた今大会で使用されたのは、全長545m/標高差79mと短いながらも、テクニカルで、漕ぎ区間・キャンバー・舗装路・ジャンプなど様々な要素が詰まっている。DOWNHILL SERIESの全6会場のなかで唯一搬送は無く、スタートまでは10分少々の距離を選手個人がバイクを押し上げることになるが、仲間たちと話をしながら、息を上げながら登る、それもまた一興。菖蒲谷の醍醐味なのである。メイン会場からも見渡せるコース終盤にはジャンプが設置され、トップライダーたちのビッグジャンプに声援が上がった。
初日タイムドセッションのエリート男子では安達靖(DIERTFREAK/SARACEN)が1分7秒127というタイムで1位。2位には0.05秒差で清水一輝(Madison Saracen)がつけ、3位には1分8秒407で加藤将来(LOVEBIKES/ACCEL)。4位には阿藤寛(COMMENCAL/Topknot)、5位には増田直樹(DTP)と続いた。
本戦当日も11月半ばにしては気温も高く、青い空が広がる。バイクの押し上げで汗だくになり、爽快に下る。ゴール後、ブースの立ち並ぶメイン会場を通るライダーたちはみなREDBULL に手を伸ばし、コース攻略やバイクの話題で盛り上がった。
今回のレースには、菖蒲谷でのレースを得意としリジッドバイクの名手とも呼ばれる増田や、2009年の全日本チャンピオン向原健司(MAGURA/RR/FK170)なども参戦。レースの第一戦からは退いていながら現役に劣らない走りをする彼らは、現役ライダーにとっても脅威である。
本戦では土曜日のタイムドセッションには参加しなかった向原が早々に1分5秒584 というタイムドセッション1 位の安達を2 秒近く上回るタイムをたたき出した。スタート地点までも届くMCの声がそのタイムを読み上げた瞬間、残されたトップライダー達の目の色が変わった。「ワンミスが命取りですね」とスタート前に井本はじめ(Lovebikes)が語った通り、短いコースだけあってたったひとつのミスさえ取り戻すことは不可能に等しい。
しかし、現役ライダーの意地がある。残り6人を残したところで、井本が1分5秒287というタイムで向原を上回る。さらに、残り2人となったところで清水が1分3秒480という驚異的なタイムを出し、最終走者の安達は「今日の朝までは勝ったと思っていましたが、本番ではミスしてしまいました」と話し、タイムは1分4秒台。 清水のDOWNHILL SERIES2勝目が決まった。
レース後清水は、「内容の濃いコースでした。いつも失敗していたコーナーで上手く決まったのが勝因ですね!他にもたくさんのコースがあると聞いたので、また走りに来たいです」とコメント。
エリート女子では末政実緒(DIRTFREAK/SARACEN) が安定の走りで優勝を飾り、ホームコースとも言える菖蒲谷のことを「ここをみんなに走ってもらえて嬉しい!」と話した。
チャレンジ男子クラスの闘いも熱かった。この春にDH競技を始めたばかりながらDOWNHILL SERIESチャレンジクラス2連覇中でポイントランキングもトップを突っ走る19歳の藤村飛丸(BlankyDog/MUDDY CHOCOLATE)と、TeamIKUZAWAのメカニックなどを務めてきた、若手に負けるわけにはいかないProShopYRS 店長・山本明(TeamYRS)。若者の勢いと、オジサンの経験値。注目の集まったこの闘いは、タイムドセッションでは0.871 秒差で山本が競り勝ち、本戦でも周囲からの「若手に負けるな!」「チャレンジクラスで2位はないよね?」という暖かいプレッシャーが襲いかかるなか、渾身の走りで山本が勝利。これが大人の意地であり、気持ちの差か。0.016秒という僅差で藤村の3連覇を阻止した。
DOWNHILL SERIESもあと1戦を残すのみ。 12月13~14日、火の国・熊本は吉無田高原にて行われる最終戦は現在エントリー受付中だ。コースや周辺の宿泊施設などの確認や、エントリーは大会公式HPで行うことができる。
report:DOWNHILL SERIES
photo:Hiroyuki.Nakagawa/SLmedia
11 月23~24 日に開催されたDOWNHILL SERIES第5戦。その会場は、赤や黄色に染まる色とりどりの木々に囲まれた兵庫県たつの市の菖蒲谷森林公園。常時オープンではない会場ではあるが、何本ものダウンヒルコースや、ライダーからの評価の高いクロスカントリーコースも整備された関西では有名な会場である。
100名の参加者を集めた今大会で使用されたのは、全長545m/標高差79mと短いながらも、テクニカルで、漕ぎ区間・キャンバー・舗装路・ジャンプなど様々な要素が詰まっている。DOWNHILL SERIESの全6会場のなかで唯一搬送は無く、スタートまでは10分少々の距離を選手個人がバイクを押し上げることになるが、仲間たちと話をしながら、息を上げながら登る、それもまた一興。菖蒲谷の醍醐味なのである。メイン会場からも見渡せるコース終盤にはジャンプが設置され、トップライダーたちのビッグジャンプに声援が上がった。
初日タイムドセッションのエリート男子では安達靖(DIERTFREAK/SARACEN)が1分7秒127というタイムで1位。2位には0.05秒差で清水一輝(Madison Saracen)がつけ、3位には1分8秒407で加藤将来(LOVEBIKES/ACCEL)。4位には阿藤寛(COMMENCAL/Topknot)、5位には増田直樹(DTP)と続いた。
本戦当日も11月半ばにしては気温も高く、青い空が広がる。バイクの押し上げで汗だくになり、爽快に下る。ゴール後、ブースの立ち並ぶメイン会場を通るライダーたちはみなREDBULL に手を伸ばし、コース攻略やバイクの話題で盛り上がった。
今回のレースには、菖蒲谷でのレースを得意としリジッドバイクの名手とも呼ばれる増田や、2009年の全日本チャンピオン向原健司(MAGURA/RR/FK170)なども参戦。レースの第一戦からは退いていながら現役に劣らない走りをする彼らは、現役ライダーにとっても脅威である。
本戦では土曜日のタイムドセッションには参加しなかった向原が早々に1分5秒584 というタイムドセッション1 位の安達を2 秒近く上回るタイムをたたき出した。スタート地点までも届くMCの声がそのタイムを読み上げた瞬間、残されたトップライダー達の目の色が変わった。「ワンミスが命取りですね」とスタート前に井本はじめ(Lovebikes)が語った通り、短いコースだけあってたったひとつのミスさえ取り戻すことは不可能に等しい。
しかし、現役ライダーの意地がある。残り6人を残したところで、井本が1分5秒287というタイムで向原を上回る。さらに、残り2人となったところで清水が1分3秒480という驚異的なタイムを出し、最終走者の安達は「今日の朝までは勝ったと思っていましたが、本番ではミスしてしまいました」と話し、タイムは1分4秒台。 清水のDOWNHILL SERIES2勝目が決まった。
レース後清水は、「内容の濃いコースでした。いつも失敗していたコーナーで上手く決まったのが勝因ですね!他にもたくさんのコースがあると聞いたので、また走りに来たいです」とコメント。
エリート女子では末政実緒(DIRTFREAK/SARACEN) が安定の走りで優勝を飾り、ホームコースとも言える菖蒲谷のことを「ここをみんなに走ってもらえて嬉しい!」と話した。
チャレンジ男子クラスの闘いも熱かった。この春にDH競技を始めたばかりながらDOWNHILL SERIESチャレンジクラス2連覇中でポイントランキングもトップを突っ走る19歳の藤村飛丸(BlankyDog/MUDDY CHOCOLATE)と、TeamIKUZAWAのメカニックなどを務めてきた、若手に負けるわけにはいかないProShopYRS 店長・山本明(TeamYRS)。若者の勢いと、オジサンの経験値。注目の集まったこの闘いは、タイムドセッションでは0.871 秒差で山本が競り勝ち、本戦でも周囲からの「若手に負けるな!」「チャレンジクラスで2位はないよね?」という暖かいプレッシャーが襲いかかるなか、渾身の走りで山本が勝利。これが大人の意地であり、気持ちの差か。0.016秒という僅差で藤村の3連覇を阻止した。
DOWNHILL SERIESもあと1戦を残すのみ。 12月13~14日、火の国・熊本は吉無田高原にて行われる最終戦は現在エントリー受付中だ。コースや周辺の宿泊施設などの確認や、エントリーは大会公式HPで行うことができる。
report:DOWNHILL SERIES
photo:Hiroyuki.Nakagawa/SLmedia
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