2014/11/25(火) - 15:39
11月23日、ベルギー東部に位置するスパ=フランコルシャンサーキットでスーパープレスティージュ第5戦が開催。サーキットと森を繋ぐようにして作られたコースでケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)が勝利した。
ベルギー東部、ドイツ国境に近い所謂アルデンヌ地方の森の中にF1ベルギーグランプリ開催地として知られるスパ=フランコルシャンサーキットはある。スーパープレスティージュのコースは、起伏に富んだレイアウトが特徴のサーキットと隣接する森を行き来するレイアウトだ。
勾配が10%近い舗装路の登り(オールージュ)や、バイクを担いで辛うじてよじ登ることが出来る壁のような斜面、多くの選手が腰を引きながら慎重に下る深い泥の坂、そして乗車率の低い泥の直線が組み合わされる。
前日のUCIワールドカップ同様、レース序盤はドイツチャンピオンのフィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCPパワープラス)が独走に近い形で先行する。ワルスレーベンにはスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)やラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)、トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)らを含むビッグネームが合流した。
一時的に形成された10名近い先頭パックの中から真っ先に飛び出したのはパウエルス。ここにファンデルハールが合流し、2人で後続を引き離しにかかる。
周回を重ねる毎に脚を削り、脚の差が顕著に現れる舗装路の登りで選手が次々と失速。体重70kg前後のレーサーが多い中で、体重60kgのパウエルスと体重58kgのファンデルハールが先行する。遅れてトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)が追走をかけたが先頭2人には届かなかった。
ペダルトラブルで少し遅れるシーンを見せながらもパウエルスがファンデルハールのマークを外さずに最終周回へ。すると、森の間を抜けるテクニカルセクションでファンデルハールがスリップダウン。パウエルスの先行が決まる。猛烈な勢いで挽回したファンデルハールを振り切って、終始落ち着いたレース運びを見せたパウエルスがフィニッシュラインまで独走した。
「厳しいコースだった。特に壁のような登りがハードで、それが自分のアドバンテージになったんだと思う。この由々しきサーキットで優勝するのは光栄なこと。でも勝利を祝うのは時期尚早。シーズンが終わってから目一杯成功を祝いたいと思う」とパウエルスはコメントする。第2戦に続く2勝目を飾ったパウエルスはスーパープレスティージュのランキング首位に立っている。
最終周回のスリップでチャンスを失ったファンデルハールは「最後の勝負に備えている時に落車してしまった。幸いバイクも身体も無事だったので2位をキープ。でも今日は一番強い選手が勝った。パウエルスの走りには反応出来ていなかったし、間違いなく彼の力が上回っていた」と白旗宣言。ファンデルハールはパウエルスと同ポイントの首位で、この日4位のマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)が1ポイント差の3位に。第6戦、第7戦、第8戦を残し、スーパープレスティージュのランキング争いは熾烈を極めている。
選手コメントはレース公式サイトより。
スーパープレスティージュ2014-2015第5戦結果
1位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) 59'33"
2位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) +15"
3位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +29"
4位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス) +44"
5位 イェンス・アダムス(ベルギー、ファストフートサービス) +48"
6位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +58"
7位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1'05"
8位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +1'21"
9位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス) +1'52"
10位 タイス・ファンアメロンゲン(オランダ、テレネット・フィデア) +1'54"
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ベルギー東部、ドイツ国境に近い所謂アルデンヌ地方の森の中にF1ベルギーグランプリ開催地として知られるスパ=フランコルシャンサーキットはある。スーパープレスティージュのコースは、起伏に富んだレイアウトが特徴のサーキットと隣接する森を行き来するレイアウトだ。
勾配が10%近い舗装路の登り(オールージュ)や、バイクを担いで辛うじてよじ登ることが出来る壁のような斜面、多くの選手が腰を引きながら慎重に下る深い泥の坂、そして乗車率の低い泥の直線が組み合わされる。
前日のUCIワールドカップ同様、レース序盤はドイツチャンピオンのフィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCPパワープラス)が独走に近い形で先行する。ワルスレーベンにはスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)やラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)、トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)らを含むビッグネームが合流した。
一時的に形成された10名近い先頭パックの中から真っ先に飛び出したのはパウエルス。ここにファンデルハールが合流し、2人で後続を引き離しにかかる。
周回を重ねる毎に脚を削り、脚の差が顕著に現れる舗装路の登りで選手が次々と失速。体重70kg前後のレーサーが多い中で、体重60kgのパウエルスと体重58kgのファンデルハールが先行する。遅れてトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)が追走をかけたが先頭2人には届かなかった。
ペダルトラブルで少し遅れるシーンを見せながらもパウエルスがファンデルハールのマークを外さずに最終周回へ。すると、森の間を抜けるテクニカルセクションでファンデルハールがスリップダウン。パウエルスの先行が決まる。猛烈な勢いで挽回したファンデルハールを振り切って、終始落ち着いたレース運びを見せたパウエルスがフィニッシュラインまで独走した。
「厳しいコースだった。特に壁のような登りがハードで、それが自分のアドバンテージになったんだと思う。この由々しきサーキットで優勝するのは光栄なこと。でも勝利を祝うのは時期尚早。シーズンが終わってから目一杯成功を祝いたいと思う」とパウエルスはコメントする。第2戦に続く2勝目を飾ったパウエルスはスーパープレスティージュのランキング首位に立っている。
最終周回のスリップでチャンスを失ったファンデルハールは「最後の勝負に備えている時に落車してしまった。幸いバイクも身体も無事だったので2位をキープ。でも今日は一番強い選手が勝った。パウエルスの走りには反応出来ていなかったし、間違いなく彼の力が上回っていた」と白旗宣言。ファンデルハールはパウエルスと同ポイントの首位で、この日4位のマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)が1ポイント差の3位に。第6戦、第7戦、第8戦を残し、スーパープレスティージュのランキング争いは熾烈を極めている。
選手コメントはレース公式サイトより。
スーパープレスティージュ2014-2015第5戦結果
1位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) 59'33"
2位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) +15"
3位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +29"
4位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス) +44"
5位 イェンス・アダムス(ベルギー、ファストフートサービス) +48"
6位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +58"
7位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1'05"
8位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +1'21"
9位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス) +1'52"
10位 タイス・ファンアメロンゲン(オランダ、テレネット・フィデア) +1'54"
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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