2014/11/02(日) - 09:56
ジャパンカップ2014より今大会を走ったプロバイクを紹介。後編はダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(チームスカイ)、新城幸也(ユーロップカー)ら5名のライダーのバイクをピックアップします。
ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)のサーヴェロ R5
ツアー・オブ・北京からの連戦で体調を崩しながらも、チームメイトのネイサン・ハース(オーストラリア)のために献身的なアシストを魅せ、宇都宮を湧かせたマーティン。バイクはサーヴェロの軽量オールラウンドモデル「R5」だ。なお、日曜の本戦では全メンバーが「R5」で統一していたが、土曜のクリテは2位フィニッシュのスティール・ヴォンホフ(オーストラリア)のみエアロモデルの「S3」を使用した。
コンポーネントは9070系シマノDURA-ACE Di2がメインで、サテライトスイッチは使用せず。クランクはSRMパワーメーター装備のローター3D+で、チェーンリングは真円タイプのno-Qのエアロバージョンを選択している。もちろんサイクルコンピューターはガーミンで、Edge510を選択。なお、ハースは国内での正式リリースがアナウンスされた新型のEdge1000を使用していた。
ホイールはマヴィックCOSMIC CARBONE ULTIMATE。タイヤはマヴィックのロゴがあるものの、タイヤウォールに記されたMADE IN ITALYのレターや、ラインと杉目をミックスしたトレッドパターンから推察するにヴェロフレックスのアーレンベルクなど他ブランドのタイヤと推測される。
ハンドル/ステム/シートポストは3Tで統一。ステムは-17°を使用しているにも関わらず、何故かヘッドパーツのトップキャップは高く、更にスペーサーも積まれている。ハンドルは兼ねてより愛用するシャローベンドで、シートポストはゼロオフセット。その他、サドルはフィジークAntares、ボトルケージはアランデールとしている。
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)のピナレロ DOGMA F8
日曜のロードレースを2位でフィニッシュしたボアッソンハーゲンのバイクはピナレロの新型フラッグシップモデル「DOGMA F8」。チームウェアと同じく、黒ベースに一部ロゴのみをパステルブルーとしたプロバイクとしはかなりシンプルなデザインの1台だ。
コンポーネントは9070系シマノDURA-ACE Di2で統一。なおペダルは、廃盤となって久しい金属製ボディのシマノPD-7810をあえて使用しており、擦り傷だらけになるまで使い込まれている。パワーメーターは左クランクアームの内側にセンサーを設けた国内未展開のSTAGES POWERを採用する。
ホイールはクリテ、ロードレースともに50mmハイトのシマノWH-9000-C50-TU。タイヤはヴェロフレックスCarbon。ハンドル/ステムはPROのチームスカイ供給専用品で、ハンドルはVibe 7Sが、ステムはPLTがベースとなっているよう。シートピラーは市販品ではオプションとなるゼロセットバックに変更されている。サドルはフィジークAntares VERSUSながら、先端から後端まで溝が貫かれた市販品とは異なり、溝が中央部分までの特別仕様が装着されていた。
新城幸也(ユーロップカー)のコルナゴ C59
久しぶりにジャパンカップを走った新城幸也のバイクは日の丸仕様はコルナゴ「C59」。C60やV1-rといった新型バイクが登場したにも関わらず、一貫してC59をメインバイクとしている。なお、スペアバイクには同じく日の丸仕様の旧型モデル「M10」を用意していた。新城以外は、下部チームのヴァンデUからスタジエとして参加したジェレミー・コルヌ(フランス)がM10、他の3名が蛍光イエローを用いたカラーリングが特徴的なC59を使用した。
コンポーネントは電動式のカンパニョーロ SUPER RECORD EPSを採用。なお、パワーメータの類は一切取り付けられておらず、サイクルコンピューターはシグマ Rox6.0としている。ホイールは2日間共に35mmハイトのカンパニョーロBORA ULTRA 35で、リムがワイドとなった新型ではなく旧型を使用。タイヤはハッチンソンで、クリテリウムではオールブラックの、ロードレースではアメサイドのモデルと言った様にレースに応じて使い分けた。
ハンドルはステム一体型のデダ・エレメンティARANERA。シートポストはコルナゴのオリジナルで、サドルにはセライタリアSLRのチームエディションをチョイスしている。ペダルはルック Keo Blade 2で、スペアバイクには裏側のカーボンスプリング部分を日の丸とした特別モデルが装着されていた。ボトルケージはタックスDeva。今回のジャパンカップでは、スペシャルスポンサーとして梅丹本舗がエナジージェル等を提供していた。
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)のスペシャライズド S-WORKS TARMAC
スペシャルチームとした土曜日のクリテリウムを走ったペタッキのバイクは、スペシャライズドの新型オールラウンドモデル「S-WORKS TARMAC」。いわゆる「スプリンターらしい」ポジショニングで、ステムの突き出しやシートピラーの出しろがとにかく大きい。
コンポーネントはスラムRED22がメイン。クランクはスペシャライズド純正のFactカーボンで、チェーンリングには市販品としてラインナップされていないエアロタイプのスラムを組み合わせている。リアディレーラーはロングゲージタイプの「WiFlLi」で、スプロケットは下位グレードのスラムPG1170だ。
ホイールは前後共に58mmハイトのジップ404 Firecrest。スペシャライズド・ジャパンの担当者曰くテスト中というタイヤは前後でモデルが異なり、フロントにはTIME TRIAL 2と24mm幅を示すレターがプリントされていた一方で、リアにはTURBO ALLROUNDと書かれているだけで太さは不明(恐らく24mm)。トレッドパターンは市販品と大差無いことから新開発のコンパウンドやケーシングをテストしているのではないかと考えられる。
ハンドル/ステムはジップで、チームメイトのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)と同様に剛性を重視したカーボン製のモデルをチョイスしている。なお、ステムは130mmと非常に長く、トップキャップを最も薄いタイプとすることでサドルとの落差を稼いでいる様だ。シートポストはMTB用のトラバティブNOIR T40としている。サドルはスペシャライズド CHICANEで幅は143mm。その他、ペダルはルック Keo Blade 2、ボトルケージはフルカーボン製のタックスUMAだ。
シャルル・プラネ(フランス、ノボノルディスク)のオルベア Orca
1型糖尿病を患っている選手たちによって構成される国内レース初参戦のUCIプロコンチネンタルチーム、ノボノルディスクが使用するバイクはオルベア Orca。今回ピックアップしたプラネのバイクには取り付けられていなかったが、複数のライダーのバイクにサイクルコンピューターとは別のモニターが取り付けられていたのが特徴的。恐らく糖尿病に関する数値をモニタリングするためのデバイスだと思われる。
コンポーネントはメカニカルタイプのシマノ9000系DURA-ACE。パワーメーターはクランクアームの裏側にセンサーを設けたSTAGES POWERを採用。ホイールはシマノWH-9000-C35-TU。タイヤはマキシスとアメサイドのヴィットリアとを半々で使用していた。
ハンドル/ステムはPROで、プロツアーチームが4ボルトでハンドルをクランプする旧型ステムを使い続ける中、パズルクランプの現行型Vibeをアッセンブル。サドルはセライタリアがプロチームのみに供給するTEAM EDITION。ボトルケージもPROとしている。
text&photo:Yuya.Yamamoto
ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)のサーヴェロ R5
ツアー・オブ・北京からの連戦で体調を崩しながらも、チームメイトのネイサン・ハース(オーストラリア)のために献身的なアシストを魅せ、宇都宮を湧かせたマーティン。バイクはサーヴェロの軽量オールラウンドモデル「R5」だ。なお、日曜の本戦では全メンバーが「R5」で統一していたが、土曜のクリテは2位フィニッシュのスティール・ヴォンホフ(オーストラリア)のみエアロモデルの「S3」を使用した。
コンポーネントは9070系シマノDURA-ACE Di2がメインで、サテライトスイッチは使用せず。クランクはSRMパワーメーター装備のローター3D+で、チェーンリングは真円タイプのno-Qのエアロバージョンを選択している。もちろんサイクルコンピューターはガーミンで、Edge510を選択。なお、ハースは国内での正式リリースがアナウンスされた新型のEdge1000を使用していた。
ホイールはマヴィックCOSMIC CARBONE ULTIMATE。タイヤはマヴィックのロゴがあるものの、タイヤウォールに記されたMADE IN ITALYのレターや、ラインと杉目をミックスしたトレッドパターンから推察するにヴェロフレックスのアーレンベルクなど他ブランドのタイヤと推測される。
ハンドル/ステム/シートポストは3Tで統一。ステムは-17°を使用しているにも関わらず、何故かヘッドパーツのトップキャップは高く、更にスペーサーも積まれている。ハンドルは兼ねてより愛用するシャローベンドで、シートポストはゼロオフセット。その他、サドルはフィジークAntares、ボトルケージはアランデールとしている。
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)のピナレロ DOGMA F8
日曜のロードレースを2位でフィニッシュしたボアッソンハーゲンのバイクはピナレロの新型フラッグシップモデル「DOGMA F8」。チームウェアと同じく、黒ベースに一部ロゴのみをパステルブルーとしたプロバイクとしはかなりシンプルなデザインの1台だ。
コンポーネントは9070系シマノDURA-ACE Di2で統一。なおペダルは、廃盤となって久しい金属製ボディのシマノPD-7810をあえて使用しており、擦り傷だらけになるまで使い込まれている。パワーメーターは左クランクアームの内側にセンサーを設けた国内未展開のSTAGES POWERを採用する。
ホイールはクリテ、ロードレースともに50mmハイトのシマノWH-9000-C50-TU。タイヤはヴェロフレックスCarbon。ハンドル/ステムはPROのチームスカイ供給専用品で、ハンドルはVibe 7Sが、ステムはPLTがベースとなっているよう。シートピラーは市販品ではオプションとなるゼロセットバックに変更されている。サドルはフィジークAntares VERSUSながら、先端から後端まで溝が貫かれた市販品とは異なり、溝が中央部分までの特別仕様が装着されていた。
新城幸也(ユーロップカー)のコルナゴ C59
久しぶりにジャパンカップを走った新城幸也のバイクは日の丸仕様はコルナゴ「C59」。C60やV1-rといった新型バイクが登場したにも関わらず、一貫してC59をメインバイクとしている。なお、スペアバイクには同じく日の丸仕様の旧型モデル「M10」を用意していた。新城以外は、下部チームのヴァンデUからスタジエとして参加したジェレミー・コルヌ(フランス)がM10、他の3名が蛍光イエローを用いたカラーリングが特徴的なC59を使用した。
コンポーネントは電動式のカンパニョーロ SUPER RECORD EPSを採用。なお、パワーメータの類は一切取り付けられておらず、サイクルコンピューターはシグマ Rox6.0としている。ホイールは2日間共に35mmハイトのカンパニョーロBORA ULTRA 35で、リムがワイドとなった新型ではなく旧型を使用。タイヤはハッチンソンで、クリテリウムではオールブラックの、ロードレースではアメサイドのモデルと言った様にレースに応じて使い分けた。
ハンドルはステム一体型のデダ・エレメンティARANERA。シートポストはコルナゴのオリジナルで、サドルにはセライタリアSLRのチームエディションをチョイスしている。ペダルはルック Keo Blade 2で、スペアバイクには裏側のカーボンスプリング部分を日の丸とした特別モデルが装着されていた。ボトルケージはタックスDeva。今回のジャパンカップでは、スペシャルスポンサーとして梅丹本舗がエナジージェル等を提供していた。
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)のスペシャライズド S-WORKS TARMAC
スペシャルチームとした土曜日のクリテリウムを走ったペタッキのバイクは、スペシャライズドの新型オールラウンドモデル「S-WORKS TARMAC」。いわゆる「スプリンターらしい」ポジショニングで、ステムの突き出しやシートピラーの出しろがとにかく大きい。
コンポーネントはスラムRED22がメイン。クランクはスペシャライズド純正のFactカーボンで、チェーンリングには市販品としてラインナップされていないエアロタイプのスラムを組み合わせている。リアディレーラーはロングゲージタイプの「WiFlLi」で、スプロケットは下位グレードのスラムPG1170だ。
ホイールは前後共に58mmハイトのジップ404 Firecrest。スペシャライズド・ジャパンの担当者曰くテスト中というタイヤは前後でモデルが異なり、フロントにはTIME TRIAL 2と24mm幅を示すレターがプリントされていた一方で、リアにはTURBO ALLROUNDと書かれているだけで太さは不明(恐らく24mm)。トレッドパターンは市販品と大差無いことから新開発のコンパウンドやケーシングをテストしているのではないかと考えられる。
ハンドル/ステムはジップで、チームメイトのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)と同様に剛性を重視したカーボン製のモデルをチョイスしている。なお、ステムは130mmと非常に長く、トップキャップを最も薄いタイプとすることでサドルとの落差を稼いでいる様だ。シートポストはMTB用のトラバティブNOIR T40としている。サドルはスペシャライズド CHICANEで幅は143mm。その他、ペダルはルック Keo Blade 2、ボトルケージはフルカーボン製のタックスUMAだ。
シャルル・プラネ(フランス、ノボノルディスク)のオルベア Orca
1型糖尿病を患っている選手たちによって構成される国内レース初参戦のUCIプロコンチネンタルチーム、ノボノルディスクが使用するバイクはオルベア Orca。今回ピックアップしたプラネのバイクには取り付けられていなかったが、複数のライダーのバイクにサイクルコンピューターとは別のモニターが取り付けられていたのが特徴的。恐らく糖尿病に関する数値をモニタリングするためのデバイスだと思われる。
コンポーネントはメカニカルタイプのシマノ9000系DURA-ACE。パワーメーターはクランクアームの裏側にセンサーを設けたSTAGES POWERを採用。ホイールはシマノWH-9000-C35-TU。タイヤはマキシスとアメサイドのヴィットリアとを半々で使用していた。
ハンドル/ステムはPROで、プロツアーチームが4ボルトでハンドルをクランプする旧型ステムを使い続ける中、パズルクランプの現行型Vibeをアッセンブル。サドルはセライタリアがプロチームのみに供給するTEAM EDITION。ボトルケージもPROとしている。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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Inside Team Sky (English Edition)
Simon & Schuster UK