2014/10/16(木) - 10:18
1992年、世界選手権のメモリアルレースとしてジャパンカップは産声をあげた。23年目の今年も土曜日に宇都宮の中心地で行なわれるクリテリウムレースや、名物・古賀志林道の登りを含む151.3kmのコースで行なわれるHCレースなど盛り沢山。開催を前にコースの見どころをチェックしておこう。
メモリアル大会としてスタートした日本最大のワンデーレース
今から24年前の1990年に宇都宮でロード世界選手権は開催された。使用されたのは宇都宮市と鹿沼市をまたぐ時計回り(現在と逆回り)の周回コース。公式の記録によると、コースに詰めかけた観客の数は12万人。ルディー・ダーネンスとディーク・デヴォルフのベルギーコンビがワンツー勝利を飾っている。
その2年後の1992年、ジャパンカップはロード世界選手権のメモリアルレースとして初開催された。初回大会を制したのはパリ〜トゥールでの優勝をひっさげて来日したヘンドリック・ルダン(現ユナイテッドヘルスケア監督)。1993年からは、世界屈指のクライマーとして知られたクラウディオ・キャプッチ(イタリア)が3連覇を果たしている。
1996年にはUCIワールドカップの最終戦に組み込まれ、「ウツノミヤ」や「ジャパンカップ」の名前がヨーロッパでも知られた存在に。以降、毎年晩秋の宇都宮に世界のトップ選手が集結し、シーズン最後のレースとしてバトルを繰り広げた。1997年には、当時の世界トップチームであるマペイに所属していた阿部良之が日本人選手として初めてジャパンカップを制している。
2008年からは、アジア最高峰のカテゴリーであるHC(超級クラス)レースとして開催。2010年からは宇都宮市のど真ん中でクリテリウムレースが併催され、2日間にわたって宇都宮を盛り上げる巨大イベントに成長した。
ジャパンカップクリテリウム:宇都宮の目抜き通りを駆ける
2010年に初開催されたクリテリウム。今年もHCレース前日の土曜日に開催される。宇都宮市の目抜き通りである宇都宮市大通りを規制して作られた1周1.55kmの直線的なコースが舞台だ。
選手たちはパレード走行としてこの周回を3周後、20周に及ぶバトルに挑む。クライマー有利なジャパンカップ本戦とは異なり、クリテリウムはスプリント力のある選手たちの活躍の場。毎年平均45km/h前後のハイスピードなバトルが繰り広げられる。
ラスト600mの最終180度ターンを好位置で抜け、熾烈なポジション争いを制し、宇都宮の空に両手を突き上げるのは果たして誰か?今年も幾重にも重なった大観衆が選手たちの闘いを待っている。
ジャパンカップ:獲得標高差2800mの全長151.3kmコース
宇都宮市森林公園の赤川ダム近くをスタート/フィニッシュとする14.1kmの周回コースは、ワールドカップ開催時に導入されたもの。1990年の世界選手権とはスタートやフィニッシュの位置が異なり、周回の方向は反対となる。
最終周回(11周目)のみ後半部をカットした10.3kmのコースが使用される。阿部良之が優勝した1997年以降、11周回・全長151.3kmのコースに変更は加えられていない。
コース最大の難所として知られているのが、スタート後すぐに始まる古賀志林道の登りだ。標高差185mを一気に駆け上がるこの名物坂には、毎年大勢の観客が詰めかけ、思い思いの方法で選手たちに声援を送る。その頂上には山岳ポイントが設定され、3周毎に山岳賞が与えられる。
頂上を越えると、カーブが連続するハイスピードダウンヒルが登場。普段から交通量が少ないため、苔に覆われている箇所もあり、雨が降れば危険な下りになる。危険が伴うため、古賀志林道の頂上から県道に至るまでの約3.5kmは、観客の立ち入り禁止区域に指定されている。
県道合流後は、萩の道の上りを含むアップダウンをこなし、鶴カントリークラブ前の上りを経てスタート地点に戻る。鶴カントリーの上りは登坂距離こそ短いものの勾配はキツい。14.1km周回コースの獲得標高差は約260m。合計2800m前後になる計算だ。
毎年レース終盤に向けてヨーロッパチームがペースを上げ、残り数周の古賀志林道で有力選手たちが動き始めるのがお決まりのパターン。最終周回は萩の道と鶴カントリーの上りがカットされるため、古賀志林道の頂上からゴールまでは約8kmだ。
最後の古賀志林道で飛び出し、後続を引き離した数名によるスプリント勝負が毎年のように繰り広げられてきた。近年では、2007年マヌエーレ・モーリ(イタリア)、2009年クリスアンケル・セレンセン(デンマーク)、2010年ダニエル・マーティン(アイルランド)、2013年マイケル・ロジャース(オーストラリア ※後にタイトル剥奪)が単独逃げ切りを成功させている。
レースプレビュー・選手編は後ほど掲載します。
ジャパンカップ2014スケジュール
10月18日(土)
9:00〜9:50 オープニングフリーラン
10:00〜10:50 チャレンジレース
11:05〜13:30 オープンレース男子/女子
15:00〜17:00 ジャパンカップクリテリウム(宇都宮市大通り周回コース)
10月19日(日)
10:00〜14:30 ジャパンカップ(森林公園周回コース)
14:30〜 表彰式
text:Kei Tsuji
メモリアル大会としてスタートした日本最大のワンデーレース
今から24年前の1990年に宇都宮でロード世界選手権は開催された。使用されたのは宇都宮市と鹿沼市をまたぐ時計回り(現在と逆回り)の周回コース。公式の記録によると、コースに詰めかけた観客の数は12万人。ルディー・ダーネンスとディーク・デヴォルフのベルギーコンビがワンツー勝利を飾っている。
その2年後の1992年、ジャパンカップはロード世界選手権のメモリアルレースとして初開催された。初回大会を制したのはパリ〜トゥールでの優勝をひっさげて来日したヘンドリック・ルダン(現ユナイテッドヘルスケア監督)。1993年からは、世界屈指のクライマーとして知られたクラウディオ・キャプッチ(イタリア)が3連覇を果たしている。
1996年にはUCIワールドカップの最終戦に組み込まれ、「ウツノミヤ」や「ジャパンカップ」の名前がヨーロッパでも知られた存在に。以降、毎年晩秋の宇都宮に世界のトップ選手が集結し、シーズン最後のレースとしてバトルを繰り広げた。1997年には、当時の世界トップチームであるマペイに所属していた阿部良之が日本人選手として初めてジャパンカップを制している。
2008年からは、アジア最高峰のカテゴリーであるHC(超級クラス)レースとして開催。2010年からは宇都宮市のど真ん中でクリテリウムレースが併催され、2日間にわたって宇都宮を盛り上げる巨大イベントに成長した。
ジャパンカップクリテリウム:宇都宮の目抜き通りを駆ける
2010年に初開催されたクリテリウム。今年もHCレース前日の土曜日に開催される。宇都宮市の目抜き通りである宇都宮市大通りを規制して作られた1周1.55kmの直線的なコースが舞台だ。
選手たちはパレード走行としてこの周回を3周後、20周に及ぶバトルに挑む。クライマー有利なジャパンカップ本戦とは異なり、クリテリウムはスプリント力のある選手たちの活躍の場。毎年平均45km/h前後のハイスピードなバトルが繰り広げられる。
ラスト600mの最終180度ターンを好位置で抜け、熾烈なポジション争いを制し、宇都宮の空に両手を突き上げるのは果たして誰か?今年も幾重にも重なった大観衆が選手たちの闘いを待っている。
ジャパンカップ:獲得標高差2800mの全長151.3kmコース
宇都宮市森林公園の赤川ダム近くをスタート/フィニッシュとする14.1kmの周回コースは、ワールドカップ開催時に導入されたもの。1990年の世界選手権とはスタートやフィニッシュの位置が異なり、周回の方向は反対となる。
最終周回(11周目)のみ後半部をカットした10.3kmのコースが使用される。阿部良之が優勝した1997年以降、11周回・全長151.3kmのコースに変更は加えられていない。
コース最大の難所として知られているのが、スタート後すぐに始まる古賀志林道の登りだ。標高差185mを一気に駆け上がるこの名物坂には、毎年大勢の観客が詰めかけ、思い思いの方法で選手たちに声援を送る。その頂上には山岳ポイントが設定され、3周毎に山岳賞が与えられる。
頂上を越えると、カーブが連続するハイスピードダウンヒルが登場。普段から交通量が少ないため、苔に覆われている箇所もあり、雨が降れば危険な下りになる。危険が伴うため、古賀志林道の頂上から県道に至るまでの約3.5kmは、観客の立ち入り禁止区域に指定されている。
県道合流後は、萩の道の上りを含むアップダウンをこなし、鶴カントリークラブ前の上りを経てスタート地点に戻る。鶴カントリーの上りは登坂距離こそ短いものの勾配はキツい。14.1km周回コースの獲得標高差は約260m。合計2800m前後になる計算だ。
毎年レース終盤に向けてヨーロッパチームがペースを上げ、残り数周の古賀志林道で有力選手たちが動き始めるのがお決まりのパターン。最終周回は萩の道と鶴カントリーの上りがカットされるため、古賀志林道の頂上からゴールまでは約8kmだ。
最後の古賀志林道で飛び出し、後続を引き離した数名によるスプリント勝負が毎年のように繰り広げられてきた。近年では、2007年マヌエーレ・モーリ(イタリア)、2009年クリスアンケル・セレンセン(デンマーク)、2010年ダニエル・マーティン(アイルランド)、2013年マイケル・ロジャース(オーストラリア ※後にタイトル剥奪)が単独逃げ切りを成功させている。
レースプレビュー・選手編は後ほど掲載します。
ジャパンカップ2014スケジュール
10月18日(土)
9:00〜9:50 オープニングフリーラン
10:00〜10:50 チャレンジレース
11:05〜13:30 オープンレース男子/女子
15:00〜17:00 ジャパンカップクリテリウム(宇都宮市大通り周回コース)
10月19日(日)
10:00〜14:30 ジャパンカップ(森林公園周回コース)
14:30〜 表彰式
text:Kei Tsuji
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