2014/09/01(月) - 10:55
大会2回目の山頂フィニッシュでプロ初勝利を掴んだビネル・アナコナゴメス(コロンビア、ランプレ・メリダ)や、明暗が分かれた総合上位の選手たちのコメントをお伝えします。
1級山岳を制し、総合4位に浮上したビネル・アナコナゴメス(コロンビア、ランプレ・メリダ)
大きな逃げグループが形成された時、まさか大きなアドバンテージを築けるとは思っていなかった。総合で3分遅れだったのでメイン集団は逃げを容認しないと思ったんだ。でもタイム差は8分20秒まで拡大。その時点で、総合リーダーになることも夢じゃないと思い始めた。リーダージャージ獲得を狙って、最後から2つめの登りでアタック。チームスカイが強力なペースでメイン集団を引いていると聞いて、今度はステージ優勝を頭に入れながら残り6kmでアタックした。
開幕前から総合トップ10を狙っていたけど、第3ステージで30秒を失い、昨日のステージでも風によって1分近くを失った。総合を諦めざるを得ないような状況だったけど、今日のステージで持ち直したよ。もちろんこの先の山岳ステージでも勝利を狙う。
2013年シーズンは不運(2012年12月に犬を避けようとして足首を骨折)に見舞われ、6ヶ月もレースを離れた。レースに復帰したのは8月のツール・ド・ポローニュで、その後にブエルタに出場した。去年のブエルタ出場が今年の活躍の足がかりになっていると思う。
1980年代にコロンビア人の)パッラやルチョが残した功績は大きい。でもコロンビアの自転車界が彼らを最後に死んだわけじゃない。それからのサンティアゴ・ボテーロやアルバロ・メヒアがいたし、現在ではナイロ、ウラン、シャベス、そしてチームコロンビアの面々がヨーロッパのトップレースで闘っている。自分たちよりも若い世代も育っているので、今後もセンセーションを巻き起こすだろう。昨日もツール・ド・ラヴニールで若いコロンビア人が勝った。
これが3度目のブエルタ出場だけど、毎回毎回「どうしてビネル(Winner=勝者)という名前なんですか?」という質問を受けている。警察官の父親がロードレースの大ファンで、昔からラジオで中継を聞いていたんだ。そこで1980年代に活躍していたアンドリュー・ハプステンとピーター・ウィネン(Winnen)のファンになった。その2人のアイドルの名前を僕につけたんだ(フルネームはビネルアンドリュー・アナコナゴメス)。でも父親は英語が達者じゃなくて、綴りを間違ってWinnenがWinnerになってしまった。プロのキャリアでようやく自分の名前に見合った成功を収めることが出来たよ。本当に嬉しい。
来シーズンに向けてまだランプレ・メリダとは契約を結んでいない。代理人はいろんな選択肢を用意してくれていて、自分の将来にベストな選択をしたいと思う。
マイヨロホを獲得したナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
総合リーダーを交代する作戦ではなかった。今日総合首位に立ったものの、まだまだブエルタの闘いは終わらない。必ずこの先のステージもハードな闘いが繰り広げられるだろう。総合上位陣の中に大きなタイム差がないままタイムトライアルを迎える。おそらく決定的なタイム差が生まれるのは最終週だ。
クリス・フルームがペースを崩したことは驚きだった。でも彼はこんなことで諦める選手ではない。これからも闘いを続け、タイムトライアルで失ったタイムを挽回すると思うけど、それよりも総合争いで警戒すべきはアルベルト・コンタドールだ。現実な僕の目標は総合トップ3入り。それが実現出来れば、14ヶ月の間に3つのグランツールで総合表彰台に登ることになる。来年のツールに向けての良い布石になるよ。
積極的に攻撃を仕掛けたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
何人かのライバルが苦しんでいるのを見て、チャンスだと判断してアタックした。まだまだフルパワーで踏み続けられる状態ではないけど結果には満足だ。どれだけタイムを稼いだのかは把握出来ていない。重要なのは体調を崩さずに、休息日にしっかりと身体を休めることだ。
脚の調子が良いならば攻撃を仕掛けるべき。ブエルタに向けて慎重に調整した選手がいる一方で、ブエルタ出場を決めた時は総合争いに絡めるなんて思わなかったし、実際にそこに向けた準備も足りていない。これからどんどん調子を上げて行きたい。ブエルタは始まったばっかりだ。
コンタドールと同タイムでフィニッシュしたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
タフなステージだった。全身雨でずぶ濡れになった上に気温が低かったので、危うく失速するところだった。チームの仕事ぶりとレース結果には満足している。最後の登りでペースを上げてハードな展開に持ち込んでくれた。コンタドールのアタックには反応出来なかったけど、すぐに自分のリズムを取り戻して追撃したんだ。
総合5位にダウンしたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
悪天候にも関わらずチームメイトの働きはファンタスティックだった。今日のテストステージで重要なのは、(2日後の)タイムトライアルを頭に入れながらライバルたちをマークすること。残り数キロでライバルたちがペースを上げて、脚の違いを見せつけてきた。タイムロスを出来る限り抑える走りに徹したよ。タイムを失ったけど、こんなのは大惨事とは言えない。タイムトライアルが楽しみだ。
マイヨロホをキンタナに明け渡したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
これまでの灼熱のステージと比べるとずっと気温が低かった。チームとして良い結果を残すことが出来たと思う。コンタドール、ロドリゲス、キンタナが飛び出した時、フルームのグループから抜け出す力は残っていなかった。悪天候が苦手だけど、走り自体は悪くなかったと思う。
チームスカイがどうしてあそこまでハイペースで集団を引き続けたのか分からない。フルームにとって結果的にあのハイペースが仇になったように思う。タイムトライアルを前にモビスターは総合1位と総合3位。マイヨロホだけじゃなく複合賞ジャージも獲得。総合順位は入れ替わったけど、重要なのはマイヨロホを失わなかったこと。
text:Kei Tsuji
1級山岳を制し、総合4位に浮上したビネル・アナコナゴメス(コロンビア、ランプレ・メリダ)
大きな逃げグループが形成された時、まさか大きなアドバンテージを築けるとは思っていなかった。総合で3分遅れだったのでメイン集団は逃げを容認しないと思ったんだ。でもタイム差は8分20秒まで拡大。その時点で、総合リーダーになることも夢じゃないと思い始めた。リーダージャージ獲得を狙って、最後から2つめの登りでアタック。チームスカイが強力なペースでメイン集団を引いていると聞いて、今度はステージ優勝を頭に入れながら残り6kmでアタックした。
開幕前から総合トップ10を狙っていたけど、第3ステージで30秒を失い、昨日のステージでも風によって1分近くを失った。総合を諦めざるを得ないような状況だったけど、今日のステージで持ち直したよ。もちろんこの先の山岳ステージでも勝利を狙う。
2013年シーズンは不運(2012年12月に犬を避けようとして足首を骨折)に見舞われ、6ヶ月もレースを離れた。レースに復帰したのは8月のツール・ド・ポローニュで、その後にブエルタに出場した。去年のブエルタ出場が今年の活躍の足がかりになっていると思う。
1980年代にコロンビア人の)パッラやルチョが残した功績は大きい。でもコロンビアの自転車界が彼らを最後に死んだわけじゃない。それからのサンティアゴ・ボテーロやアルバロ・メヒアがいたし、現在ではナイロ、ウラン、シャベス、そしてチームコロンビアの面々がヨーロッパのトップレースで闘っている。自分たちよりも若い世代も育っているので、今後もセンセーションを巻き起こすだろう。昨日もツール・ド・ラヴニールで若いコロンビア人が勝った。
これが3度目のブエルタ出場だけど、毎回毎回「どうしてビネル(Winner=勝者)という名前なんですか?」という質問を受けている。警察官の父親がロードレースの大ファンで、昔からラジオで中継を聞いていたんだ。そこで1980年代に活躍していたアンドリュー・ハプステンとピーター・ウィネン(Winnen)のファンになった。その2人のアイドルの名前を僕につけたんだ(フルネームはビネルアンドリュー・アナコナゴメス)。でも父親は英語が達者じゃなくて、綴りを間違ってWinnenがWinnerになってしまった。プロのキャリアでようやく自分の名前に見合った成功を収めることが出来たよ。本当に嬉しい。
来シーズンに向けてまだランプレ・メリダとは契約を結んでいない。代理人はいろんな選択肢を用意してくれていて、自分の将来にベストな選択をしたいと思う。
マイヨロホを獲得したナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
総合リーダーを交代する作戦ではなかった。今日総合首位に立ったものの、まだまだブエルタの闘いは終わらない。必ずこの先のステージもハードな闘いが繰り広げられるだろう。総合上位陣の中に大きなタイム差がないままタイムトライアルを迎える。おそらく決定的なタイム差が生まれるのは最終週だ。
クリス・フルームがペースを崩したことは驚きだった。でも彼はこんなことで諦める選手ではない。これからも闘いを続け、タイムトライアルで失ったタイムを挽回すると思うけど、それよりも総合争いで警戒すべきはアルベルト・コンタドールだ。現実な僕の目標は総合トップ3入り。それが実現出来れば、14ヶ月の間に3つのグランツールで総合表彰台に登ることになる。来年のツールに向けての良い布石になるよ。
積極的に攻撃を仕掛けたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
何人かのライバルが苦しんでいるのを見て、チャンスだと判断してアタックした。まだまだフルパワーで踏み続けられる状態ではないけど結果には満足だ。どれだけタイムを稼いだのかは把握出来ていない。重要なのは体調を崩さずに、休息日にしっかりと身体を休めることだ。
脚の調子が良いならば攻撃を仕掛けるべき。ブエルタに向けて慎重に調整した選手がいる一方で、ブエルタ出場を決めた時は総合争いに絡めるなんて思わなかったし、実際にそこに向けた準備も足りていない。これからどんどん調子を上げて行きたい。ブエルタは始まったばっかりだ。
コンタドールと同タイムでフィニッシュしたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
タフなステージだった。全身雨でずぶ濡れになった上に気温が低かったので、危うく失速するところだった。チームの仕事ぶりとレース結果には満足している。最後の登りでペースを上げてハードな展開に持ち込んでくれた。コンタドールのアタックには反応出来なかったけど、すぐに自分のリズムを取り戻して追撃したんだ。
総合5位にダウンしたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
悪天候にも関わらずチームメイトの働きはファンタスティックだった。今日のテストステージで重要なのは、(2日後の)タイムトライアルを頭に入れながらライバルたちをマークすること。残り数キロでライバルたちがペースを上げて、脚の違いを見せつけてきた。タイムロスを出来る限り抑える走りに徹したよ。タイムを失ったけど、こんなのは大惨事とは言えない。タイムトライアルが楽しみだ。
マイヨロホをキンタナに明け渡したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
これまでの灼熱のステージと比べるとずっと気温が低かった。チームとして良い結果を残すことが出来たと思う。コンタドール、ロドリゲス、キンタナが飛び出した時、フルームのグループから抜け出す力は残っていなかった。悪天候が苦手だけど、走り自体は悪くなかったと思う。
チームスカイがどうしてあそこまでハイペースで集団を引き続けたのか分からない。フルームにとって結果的にあのハイペースが仇になったように思う。タイムトライアルを前にモビスターは総合1位と総合3位。マイヨロホだけじゃなく複合賞ジャージも獲得。総合順位は入れ替わったけど、重要なのはマイヨロホを失わなかったこと。
text:Kei Tsuji
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