2014/08/24(日) - 11:55
モビスターの勝利でスタートした第69回ブエルタ・ア・エスパーニャ。栄えあるマイヨロホを手にしたヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)や総合優勝候補クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)のレース後コメントをお届けします。
マイヨロホを手にしたヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
先頭でフィニッシュさせてくれた全てのチームメイトに感謝している。メンバー全員がマイヨロホに値する走りだった。先週子どもが生まれたばかりなので、チームからの出産祝いとして嬉しく受け取るよ。
監督から先頭交代の指示に従って互いをリスペクトしながら、落車することなく走り切ること。今日は全てが作戦通りだった。2年前のパンプローナでの勝利同様に素晴らしい。マイヨロホを手にすることが出来て本当に嬉しい。でもペーター・サガンやジョン・デゲンコルブのようなスプリンターが数秒以内につけているので、これからずっとマイヨロホをキープすることは出来ないと思っている。彼らはボーナスタイムを狙ってくるだろう。
今日は素晴らしい一日だ。でもすぐにナイロ・キンタナをアシストする仕事に戻ると思うよ。
モビスターのエウセビオ・ウンスエ監督
最終的なブエルタ総合優勝が最大の目標ではあるが、このチームTTに3日間集中し、昨日から数えて7回以上もコースを試走した。ロータリーが連続するコースでは1つのミスが命取りになる。リスクを負わずとも、ミスさえしなければ勝てると思っていた。
前半から素晴らしい走りだったが、キャノンデールには及ばなかった。チーム力が試される後半にかけて挽回し、タイム差をひっくり返したんだ。彼らのパーフェクトな走りによって、想定よりも大きなタイム差が付いた。チームの大きな推進力に繋がる勝利だ。2人のリーダー(キンタナとバルベルデ)にマイヨロホを渡す作戦では無かった。誰が先頭でフィニッシュするかは決めていなかったんだ。
モビスター勢から27秒ビハインドのクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
正直に打ち明けると、もう少し良い結果を残すはずだった。でも21日間のレースの中で30秒のタイムロスはそんなに大きくはない。チャンスが有れば必ずタイムを奪いに行く。今日のコースは常に全開で走る必要があった。コーナーの出口で毎回加速出来る選手を揃えたチーム向き。今日は無線の故障もあって、チーム内に連携がとれていなかった。今日はモビスターとティンコフ・サクソの走りがインプレッシブだったよ。
ステージ3位に入ったオリカ・グリーンエッジのシェーン・バナンGM
選手たちの走りには満足している。断続的なロータリーも問題なくクリアした。隊列を崩さないために、コーナーでは後方の選手が加速する必要があったけど、安定したパフォーマンスを発揮出来たと思う。ランカスター、ビューリー、マイヤー、マシューズの走りが冴えていた。そして(軽量クライマーでありながら)ペースを落とさなかったシャベスも素晴らしかったよ。
ステージ4位、トレックファクトリーレーシングのヨス・ララサバル監督
古く荒れた舗装の街中を試走している時に、ロータリーで落車が起こった。一列に並んで走行中に先頭のボブ(ユンヘルス)が前輪を滑らせて落車。後方の選手たちは避けようがなかった。チームカーから、選手たちが折り重なるように落車するおぞましい光景を目にした。鎖骨や肋骨の骨折という最悪のケースも頭をよぎったけど、幸い大怪我を負った選手がいなくて胸を撫で下ろしたよ。
午前中に起こったこと(試走でメンバー全員が落車)を考えると良い走りだったと思う。でもステージ優勝争いに絡むことが出来るタイムだったので少し残念な気持ちもある。試走で落車が起こってからも、メンバーはモチベーションと集中力を絶やさなかった。彼らの姿勢には感銘を受けたよ。落車して少し怪我を負った状態で、なかなか全力を出せるものじゃない。ハンディキャップがあったものの、そんなことは言い訳にならない。現実を受け入れて、選手たちは全力で闘った。
ステージ5位のリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
12kmの距離に22カ所のロータリーが詰め込まれた極めてテクニカルなコース。ステージ5位は悪くない結果だ。良い走りだったと思う。まだまだブエルタは始まったばかり。最初の数日はナーバスな展開になるかもしれない。このスペイン南部の風が重要なファクターを担うことになるだろう。
マイヨロホを見据えるクーン・デコルト(オランダ、ジャイアント・シマノ)
今日のコースは我々向きで、コーナーもスムーズにこなすことが出来た。結果はステージ6位。何回かミスをしたけど、調子の良い選手が揃っていることもあり、過去最高のチームタイムトライアルの走りだったと思う。総合成績とジョン(デゲンコルブ)のことを考えると、良い一歩を踏み出せた。総合首位とのタイム差は僅かなので、これから数日のうちにボーナスタイムを稼いで何か(マイヨロホ)を手に入れたい。
ステージ12位に入ったMTNキュベカのイェンス・ゼムク監督
アフリカのUCIプロコンチネンタルチームという立場から、今日の結果には大変満足している。数年前に始まったこのプロジェクトが実を結び、チームはこのブエルタで新たなレベルに脚を踏み出す。このブエルタに合わせて周到に準備をしてきた。メンバー6名がグランツール初出場という若いチームであり、そのパフォーマンスは満足のいくものだった。
text:Kei Tsuji
マイヨロホを手にしたヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
先頭でフィニッシュさせてくれた全てのチームメイトに感謝している。メンバー全員がマイヨロホに値する走りだった。先週子どもが生まれたばかりなので、チームからの出産祝いとして嬉しく受け取るよ。
監督から先頭交代の指示に従って互いをリスペクトしながら、落車することなく走り切ること。今日は全てが作戦通りだった。2年前のパンプローナでの勝利同様に素晴らしい。マイヨロホを手にすることが出来て本当に嬉しい。でもペーター・サガンやジョン・デゲンコルブのようなスプリンターが数秒以内につけているので、これからずっとマイヨロホをキープすることは出来ないと思っている。彼らはボーナスタイムを狙ってくるだろう。
今日は素晴らしい一日だ。でもすぐにナイロ・キンタナをアシストする仕事に戻ると思うよ。
モビスターのエウセビオ・ウンスエ監督
最終的なブエルタ総合優勝が最大の目標ではあるが、このチームTTに3日間集中し、昨日から数えて7回以上もコースを試走した。ロータリーが連続するコースでは1つのミスが命取りになる。リスクを負わずとも、ミスさえしなければ勝てると思っていた。
前半から素晴らしい走りだったが、キャノンデールには及ばなかった。チーム力が試される後半にかけて挽回し、タイム差をひっくり返したんだ。彼らのパーフェクトな走りによって、想定よりも大きなタイム差が付いた。チームの大きな推進力に繋がる勝利だ。2人のリーダー(キンタナとバルベルデ)にマイヨロホを渡す作戦では無かった。誰が先頭でフィニッシュするかは決めていなかったんだ。
モビスター勢から27秒ビハインドのクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
正直に打ち明けると、もう少し良い結果を残すはずだった。でも21日間のレースの中で30秒のタイムロスはそんなに大きくはない。チャンスが有れば必ずタイムを奪いに行く。今日のコースは常に全開で走る必要があった。コーナーの出口で毎回加速出来る選手を揃えたチーム向き。今日は無線の故障もあって、チーム内に連携がとれていなかった。今日はモビスターとティンコフ・サクソの走りがインプレッシブだったよ。
ステージ3位に入ったオリカ・グリーンエッジのシェーン・バナンGM
選手たちの走りには満足している。断続的なロータリーも問題なくクリアした。隊列を崩さないために、コーナーでは後方の選手が加速する必要があったけど、安定したパフォーマンスを発揮出来たと思う。ランカスター、ビューリー、マイヤー、マシューズの走りが冴えていた。そして(軽量クライマーでありながら)ペースを落とさなかったシャベスも素晴らしかったよ。
ステージ4位、トレックファクトリーレーシングのヨス・ララサバル監督
古く荒れた舗装の街中を試走している時に、ロータリーで落車が起こった。一列に並んで走行中に先頭のボブ(ユンヘルス)が前輪を滑らせて落車。後方の選手たちは避けようがなかった。チームカーから、選手たちが折り重なるように落車するおぞましい光景を目にした。鎖骨や肋骨の骨折という最悪のケースも頭をよぎったけど、幸い大怪我を負った選手がいなくて胸を撫で下ろしたよ。
午前中に起こったこと(試走でメンバー全員が落車)を考えると良い走りだったと思う。でもステージ優勝争いに絡むことが出来るタイムだったので少し残念な気持ちもある。試走で落車が起こってからも、メンバーはモチベーションと集中力を絶やさなかった。彼らの姿勢には感銘を受けたよ。落車して少し怪我を負った状態で、なかなか全力を出せるものじゃない。ハンディキャップがあったものの、そんなことは言い訳にならない。現実を受け入れて、選手たちは全力で闘った。
ステージ5位のリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
12kmの距離に22カ所のロータリーが詰め込まれた極めてテクニカルなコース。ステージ5位は悪くない結果だ。良い走りだったと思う。まだまだブエルタは始まったばかり。最初の数日はナーバスな展開になるかもしれない。このスペイン南部の風が重要なファクターを担うことになるだろう。
マイヨロホを見据えるクーン・デコルト(オランダ、ジャイアント・シマノ)
今日のコースは我々向きで、コーナーもスムーズにこなすことが出来た。結果はステージ6位。何回かミスをしたけど、調子の良い選手が揃っていることもあり、過去最高のチームタイムトライアルの走りだったと思う。総合成績とジョン(デゲンコルブ)のことを考えると、良い一歩を踏み出せた。総合首位とのタイム差は僅かなので、これから数日のうちにボーナスタイムを稼いで何か(マイヨロホ)を手に入れたい。
ステージ12位に入ったMTNキュベカのイェンス・ゼムク監督
アフリカのUCIプロコンチネンタルチームという立場から、今日の結果には大変満足している。数年前に始まったこのプロジェクトが実を結び、チームはこのブエルタで新たなレベルに脚を踏み出す。このブエルタに合わせて周到に準備をしてきた。メンバー6名がグランツール初出場という若いチームであり、そのパフォーマンスは満足のいくものだった。
text:Kei Tsuji
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