2014/05/24(土) - 06:55
追い上げるメイン集団を11秒差で振り切って、スタート直後に飛び出した3名がフィニッシュラインまで逃げ切った。雨と雹に降られたジロ・デ・イタリア第13ステージ。3名によるスプリントを制したのは25歳のマルコ・カーノラ(イタリア、バルディアーニCSF)だった。
ピエモンテ州の丘陵地帯を走るプロトン photo:Kei Tsuji
ジロ・デ・イタリア2014第13ステージ高低図 image:RCS Sportピエモンテ州のトリノ近郊に広がる平野を北上する第13ステージ。残り34kmで4級山岳サリータ・ディ・リヴァーラを越え、全長22kmの周回コースをこなしてリヴァローロ・カナヴェーゼにフィニッシュする。スプリンター向きの平坦ステージだが、スタート直後に飛び出した6名が健闘した。
スタート後すぐに形成された5名の逃げグループ photo:Kei Tsuji平坦コースで逃げに打って出たのはジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニジョカトリ)、ジェフリー・ロメロ(コロンビア、コロンビア)、バルト・ドックス(ベルギー、ロット・ベリソル)、アンジェロ・テュリク(フランス、ユーロップカー)、マルコ・カーノラ(イタリア、バルディアーニCSF)、マキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)の6名。
逃げグループを率いるアンジェロ・テュリク(フランス、ユーロップカー) photo:Kei Tsuji今年のジロでスプリンターに残されたチャンスは数えるほどしかないため、スプリンター擁するFDJ.frやジャイアント・シマノがレース前半から積極的にメイン集団をコントロールする。警戒心を解かないこれらのスプリンターチームの支配により、逃げグループのリードは3分以内に抑え込まれた。
レース前半は暖かな陽光に包まれていたものの、レース後半に入ると選手たちの頭上に雨雲が立ち込めはじめる。真っ黒な雲から地面に落ちてきたのは雹。そんな突然の天候の変化によって、メイン集団は少し追撃のペースを弱めた。
残り30km地点でタイム差は2分30秒。ここからスプリンターチームによる猛烈な追い上げが始まったが、逃げグループも負けじとペースを上げて抵抗する。ドックスとベルコフ、ロメロが脱落し、先頭はロドリゲス、テュリク、カーノラの3人に。雨によって濡れた危険な路面と連続コーナーの組み合わせが逃げグループに有利に働いた。
別府史之をはじめとするトレックファクトリーレーシングやガーミン・シャープも集団牽引に加わったものの、タイム差の縮まりは鈍い。残り10km地点でタイム差は依然として1分。先頭から遅れたドックスとロメロを吸収しながらハイスピードで進むプロトン。残り1kmでタイム差は32秒。3名による逃げ切りが決まった。
雹に覆われたコースを走るプロトン photo:Kei Tsuji
逃げ続けるアンジェロ・テュリク(フランス、ユーロップカー)ら photo:Kei Tsuji
残り20kmでパンクしたカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームスカイ)が再スタート photo:Kei Tsuji
ロドリゲスとテュリクを下したマルコ・カーノラ(イタリア、バルディアーニCSF) photo:Kei Tsuji後方から大集団が迫る中、残り1kmを切ってから牽制するロドリゲス、テュリク、カーノラ。早めに仕掛けたカーノラが、勢いのあるスプリントでロドリゲスとテュリクを下した。
メイン集団はナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)を先頭に11秒遅れでフィニッシュ photo:Kei Tsuji1988年12月ヴィチェンツァ生まれのカーノラは、昨年マテーラにフィニッシュする第5ステージの終盤にアタックして独走に持ち込んだものの、残り200mで吸収されている。これまで何度も惜しいところで大きな勝利を逃してきたという25歳が、2度目のジロで金星を飾った。
「残り60kmを切ってから雹が降ったけど、そんなことを気にしている暇はなかった。悪条件に音を上げる選手もいるけど、決して諦めないことがチームのモットー。運がいい日もあれば悪い日もある。チャンスがあれば取りに行く。それがサイクリングのルールだから」と、バルディアーニCSFに今大会初勝利をプレゼントしたカーノラ。2012年のツール・ド・ランカウイでステージ優勝を飾っており、これがプロ2勝目だ。
メイン集団は11秒遅れでフィニッシュ。マリアロッサを着るナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)がジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)を下し、ポイント賞のリードを広げることに成功している。
翌日からの山岳ステージを見据える総合上位陣は集団内でフィニッシュし、リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)がマリアローザを守った。
表彰台でシャンパンを開けるマルコ・カーノラ(イタリア、バルディアーニCSF) photo:Kei Tsuji
マリアローザのリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)がシャンパンを開ける photo:Kei Tsuji
ジロ・デ・イタリア2014第13ステージ結果
マリアローザ 個人総合成績
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text&photo:Kei Tsuji in Rivarolo Canavese, Italy
![ピエモンテ州の丘陵地帯を走るプロトン](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/05/24/GIRO20141319.jpg)
![ジロ・デ・イタリア2014第13ステージ高低図](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/05/06/tappa_dettagli_tecnici_altimetria_13.jpg)
![スタート後すぐに形成された5名の逃げグループ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/05/24/GIRO20141309.jpg)
![逃げグループを率いるアンジェロ・テュリク(フランス、ユーロップカー)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/05/24/GIRO20141317.jpg)
レース前半は暖かな陽光に包まれていたものの、レース後半に入ると選手たちの頭上に雨雲が立ち込めはじめる。真っ黒な雲から地面に落ちてきたのは雹。そんな突然の天候の変化によって、メイン集団は少し追撃のペースを弱めた。
残り30km地点でタイム差は2分30秒。ここからスプリンターチームによる猛烈な追い上げが始まったが、逃げグループも負けじとペースを上げて抵抗する。ドックスとベルコフ、ロメロが脱落し、先頭はロドリゲス、テュリク、カーノラの3人に。雨によって濡れた危険な路面と連続コーナーの組み合わせが逃げグループに有利に働いた。
別府史之をはじめとするトレックファクトリーレーシングやガーミン・シャープも集団牽引に加わったものの、タイム差の縮まりは鈍い。残り10km地点でタイム差は依然として1分。先頭から遅れたドックスとロメロを吸収しながらハイスピードで進むプロトン。残り1kmでタイム差は32秒。3名による逃げ切りが決まった。
![雹に覆われたコースを走るプロトン](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/05/24/GIRO20141321.jpg)
![逃げ続けるアンジェロ・テュリク(フランス、ユーロップカー)ら](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/05/24/GIRO20141322.jpg)
![残り20kmでパンクしたカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームスカイ)が再スタート](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/05/24/GIRO20141324.jpg)
![ロドリゲスとテュリクを下したマルコ・カーノラ(イタリア、バルディアーニCSF)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/05/24/GIRO20141326.jpg)
![メイン集団はナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)を先頭に11秒遅れでフィニッシュ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/05/24/GIRO20141328.jpg)
「残り60kmを切ってから雹が降ったけど、そんなことを気にしている暇はなかった。悪条件に音を上げる選手もいるけど、決して諦めないことがチームのモットー。運がいい日もあれば悪い日もある。チャンスがあれば取りに行く。それがサイクリングのルールだから」と、バルディアーニCSFに今大会初勝利をプレゼントしたカーノラ。2012年のツール・ド・ランカウイでステージ優勝を飾っており、これがプロ2勝目だ。
メイン集団は11秒遅れでフィニッシュ。マリアロッサを着るナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)がジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)を下し、ポイント賞のリードを広げることに成功している。
翌日からの山岳ステージを見据える総合上位陣は集団内でフィニッシュし、リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)がマリアローザを守った。
![表彰台でシャンパンを開けるマルコ・カーノラ(イタリア、バルディアーニCSF)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/05/24/GIRO20141333.jpg)
![マリアローザのリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)がシャンパンを開ける](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/05/24/GIRO20141336.jpg)
ジロ・デ・イタリア2014第13ステージ結果
1位 マルコ・カーノラ(イタリア、バルディアーニCSF)
2位 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニジョカトリ)
3位 アンジェロ・テュリク(フランス、ユーロップカー)
4位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
5位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
6位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
7位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
8位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
9位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
10位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
37位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
104位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニジョカトリ)
3位 アンジェロ・テュリク(フランス、ユーロップカー)
4位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
5位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
6位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
7位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
8位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
9位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
10位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
37位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
104位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
3h37'20"
+11"
+41"
+11"
+41"
マリアローザ 個人総合成績
1位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
3位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
5位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
6位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
7位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
8位 ワウテル・ポエルス(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
3位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
5位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
6位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
7位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
8位 ワウテル・ポエルス(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
49h37'35"
+37"
+1'52"
+2'32"
+2'50"
+3'29"
+3'37"
+4'06"
+4'20"
+4'41"
+37"
+1'52"
+2'32"
+2'50"
+3'29"
+3'37"
+4'06"
+4'20"
+4'41"
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
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