2014/05/17(土) - 05:27
雨雲に覆われながらも、フォリーニョの街に雨粒は落ちてこなかった。今大会4回目のゴールスプリントでナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)が勝利。湿気を含んだ空気を切り裂いて、二本指を突き上げた。
雲行きは怪しいが、雨は降らない photo:Kei Tsuji
観客とタッチしながら出走サインに向かう別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji
出走サインを終えた新城幸也(ユーロップカー) photo:Kei Tsuji
最初の3級山岳ヴァリコ・ディ・アルチナッツォで飛び出すビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー) photo:Kei Tsuji2連続山頂フィニッシュを終えたジロは、引き続きイタリア半島を北上する。第7ステージはジロでお馴染みの街フロジノーネをスタートし、首都ローマの東にひろがる丘陵地帯を真っすぐに北へ。残り35km地点に4級山岳ヴァリコ・デッラ・ソンマが登場するものの、ステージ優勝争いに影響を及ぼさないだろう。残り20kmはほぼ平坦だ。
集団内で登りをこなすカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsujiジロでお馴染みのフロジノーネの街をスタート後、最初の3級山岳ヴァリコ・ディ・アルチナッツォに向かってアタック開始。逃げのチームオーダーを受けた別府史之(トレックファクトリーレーシング)もアタックに加わった。
逃げグループを率いるビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー) photo:Kei Tsuji3級山岳の中腹、22km地点で飛び出すことに成功したのはビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)、ニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)、ホセ・エラーダ(スペイン、モビスター)、ロビンソン・シャラプ(コロンビア、コロンビア)、ビネル・アナコナゴメス(コロンビア、ランプレ・メリダ)。
この先頭5名は1分リードで3級山岳ヴァリコ・ディ・アルチナッツォをクリア。するとエラーダがスピードを弱めて集団に戻り、代わってネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ)が逃げグループまでジャンプした。
こうして形成された5名の逃げは50km地点で9分近いリードを稼ぎ出したが、開幕から常にマリアローザをキープしているオリカ・グリーンエッジがこの日も集団の先頭に立って逃げを追う。ここにキャノンデールとFDJ.frが加わったことで、逃げグループのタイム差は4分前後に抑え込まれた。
残り40km地点の4級山岳ヴァリコ・デッラ・ソンマでもスプリンターチームはペースを弱めず、頂上を4分13秒遅れで通過。頂上からフォリーニョまでは平坦路をまっしぐら。しかしここから逃げグループが粘りを見せた。
内陸部の湖を通過するプロトン photo:Kei Tsuji
メイン集団のローテーションに加わる別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji別府史之を始めとするトレックファクトリーレーシングも集団牽引に加わり、キャノンデールやFDJ.fr、ジャイアント・シマノが協力して逃げグループを追撃。残り25kmで3分だったタイム差は、残り20kmで2分、残り15kmで1分30秒、残り10kmで53秒に。
逃げグループの中からアタックするビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー) photo:Kei Tsujiペースダウンを嫌ったトゥラウやハースのアタックによって逃げグループは分裂する。協調体制を崩してしまった逃げグループは、残り3kmを切ってすぐに吸収された。
ゴールスプリントでナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)やジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)が競り合う photo:Kei Tsuji残り1.5kmから始まる連続コーナーを抜け、ジャイアント・シマノが主導権を握ってゴールスプリントへ。ベルト・デバッカー(ベルギー)のリードアウトを受けたルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)とナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)がポジションを競り合いながらスプリントが始まる。
ハンドルを投げ込むナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)とジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsujiここにジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が加わった。
ストレートのど真ん中を突き進むニッツォロと、フェンスぎりぎりのラインから先頭に出るブアニ。両者ハンドルを投げ込むスプリントで、ブアニが先着した。
第4ステージに続く今大会2勝目をマークしたブアニ。アイルランドで無敵を誇ったマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)のいないジロのスプリントで主人公を演じている。
「緩い右コーナーの右側を走っていて、塞がれそうになったラインの隙間を抜けてスプリントしたんだ」と話すブアニが、フィニッシュラインと表彰台で2勝目を示すVサインを見せた。
中間スプリントを6番手(集団先頭)通過してポイントを稼いだマリアロッサのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)はステージ10位に。ポイント賞トップの座はブアニに移っている。ブアニはマリアロッサキープのために、今後は中間スプリントも狙っていく意思を見せている。
前日のステージ優勝者マシューズはステージ4位。連勝は果たせなかったが、マリアローザを守るには充分な成績だった。
翌日の第8ステージがマリアローザを着る最後の一日になることをマシューズも自覚している。第8ステージは1級山岳モンテコピオーロにフィニッシュする難関山岳ステージ。マリアローザは本命たちに手に渡ることになる。
Vサインを出すナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr) photo:Kei Tsuji
シャンパンを開けるナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr) photo:Kei Tsuji
マリアローザを着続けるマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsuji
ジロ・デ・イタリア2014第7ステージ結果
マリアローザ 個人総合成績
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
BMCレーシング
text&photo:Kei Tsuji in Foligno, Italy
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この先頭5名は1分リードで3級山岳ヴァリコ・ディ・アルチナッツォをクリア。するとエラーダがスピードを弱めて集団に戻り、代わってネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ)が逃げグループまでジャンプした。
こうして形成された5名の逃げは50km地点で9分近いリードを稼ぎ出したが、開幕から常にマリアローザをキープしているオリカ・グリーンエッジがこの日も集団の先頭に立って逃げを追う。ここにキャノンデールとFDJ.frが加わったことで、逃げグループのタイム差は4分前後に抑え込まれた。
残り40km地点の4級山岳ヴァリコ・デッラ・ソンマでもスプリンターチームはペースを弱めず、頂上を4分13秒遅れで通過。頂上からフォリーニョまでは平坦路をまっしぐら。しかしここから逃げグループが粘りを見せた。
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第4ステージに続く今大会2勝目をマークしたブアニ。アイルランドで無敵を誇ったマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)のいないジロのスプリントで主人公を演じている。
「緩い右コーナーの右側を走っていて、塞がれそうになったラインの隙間を抜けてスプリントしたんだ」と話すブアニが、フィニッシュラインと表彰台で2勝目を示すVサインを見せた。
中間スプリントを6番手(集団先頭)通過してポイントを稼いだマリアロッサのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)はステージ10位に。ポイント賞トップの座はブアニに移っている。ブアニはマリアロッサキープのために、今後は中間スプリントも狙っていく意思を見せている。
前日のステージ優勝者マシューズはステージ4位。連勝は果たせなかったが、マリアローザを守るには充分な成績だった。
翌日の第8ステージがマリアローザを着る最後の一日になることをマシューズも自覚している。第8ステージは1級山岳モンテコピオーロにフィニッシュする難関山岳ステージ。マリアローザは本命たちに手に渡ることになる。
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ジロ・デ・イタリア2014第7ステージ結果
1位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
7位 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニCSF)
8位 ボーイ・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
9位 イワン・ロフニー(ロシア、ティンコフ・サクソ)
10位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
53位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
151位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
7位 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニCSF)
8位 ボーイ・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
9位 イワン・ロフニー(ロシア、ティンコフ・サクソ)
10位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
53位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
151位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
5h16'05"
+13"
+23"
+49"
+13"
+23"
+49"
マリアローザ 個人総合成績
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
3位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
5位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
6位 マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットリ)
7位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
9位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
10位 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
3位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
5位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
6位 マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットリ)
7位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
9位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
10位 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)
29h34'19"
+21"
+1'18"
+1'25"
+1'47"
+1'51"
+1'52"
+2'06"
+21"
+1'18"
+1'25"
+1'47"
+1'51"
+1'52"
+2'06"
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
BMCレーシング
text&photo:Kei Tsuji in Foligno, Italy
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