カリフォルニアでまたも逃げ切りが決まる。「このステージにターゲットを絞っていた」というテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)が残り20kmを独走し、久々の勝利を飾った。



海とイェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)海とイェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング) photo:www.amgentourofcalifornia.com
ピスモビーチのウッドデッキをスタートピスモビーチのウッドデッキをスタート photo:www.amgentourofcalifornia.com全行程の半分を消化したツアー・オブ・カリフォルニア(2.HC)は大会5日目。太平洋に面した美しい砂浜が魅力のピスモビーチから、サンタバーバラへと南下する172.9kmのコースが用意された。

沿岸の街と街を繋ぐルートだが、実際にビーチサイドを走るのは序盤だけ。中〜後半には山岳地帯を通過し、終盤にはカテゴリー1級のサンマルコ・パスを通過する。ステージの累計獲得標高は1767mだ。

サンタバーバラ郊外の丘陵地帯を走るサンタバーバラ郊外の丘陵地帯を走る photo:www.amgentourofcalifornia.comレースは11時45分にピスモビーチのウッドデッキをスタート。この日はスタート後20km地点の第1スプリントポイントを通過した後に逃げが決まる。エスケープはマールテン・ワイナンツ(ベルギー、ベルキン)、ダニー・ヴァンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)ら5名が入った。

水をかけて身体を冷やすジョシュア・エドモンソン(イギリス、チームスカイ)水をかけて身体を冷やすジョシュア・エドモンソン(イギリス、チームスカイ) photo:www.amgentourofcalifornia.com前日に大逃げを許してしまったため、この日集団は逃げとのタイム差を2分台でキープ。チームスカイに加え、ペーター・サガン(スロバキア)を勝たせたいキャノンデールや、オリカ・グリーンエッジがタイム差の縮小に加担する。

残り30kmを残す早い段階で逃げグループが飲み込まれると、サンマルコ・パスへと至る登りでは昨ステージで優勝したKOMリーダー、ウィル・ルートレー(カナダ、オプタムp/bケリーベネフィット)らがアタック。しかしピュアスプリンターを振り落としたいキャノンデールがペースメイクする集団は、それらを全て吸収していく。

するとゴールまで23kmを残した段階で、前日に遅れてゴールし、総合順位を大きく下げていたフィニーがアタック。下りで20秒を稼ぎ出したフィニーはTTモードに入り、単独でゴールを目指した。

単独で踏み続けるフィニーに対し、キャノンデールが牽く集団は40名。圧倒的に集団有利な状況にも関わらずタイム差は揺るがない。TTポジションでひた走ったフィニーは20kmで僅か10秒の追い上げしか許さず、サンタバーバラの中心街へ。勇敢なソロアタックが価値ある勝利をたぐり寄せた。



先頭付近で走るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)先頭付近で走るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:www.amgentourofcalifornia.com集団内で登りをこなすローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)集団内で登りをこなすローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ) photo:www.amgentourofcalifornia.com

独走でゴールへと飛び込むテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)独走でゴールへと飛び込むテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング) photo:www.amgentourofcalifornia.com


リーダージャージを着続けるブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)リーダージャージを着続けるブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:www.amgentourofcalifornia.comフィニーは2月のドバイツアーで総合優勝しているものの、純粋な勝利は昨年7月のツール・ド・ポローニュにまで遡る。「最初からこのステージにターゲットを絞っていたから、できる限り全力を尽くしたんだ。登りにナーバスになっていたし、暑さにもナーバスになっていた。でも登りに入ったら、グループに残れることに気づいたし、集団スプリントになったとしても3位以内に入って表彰台に上がれると考えた。

今日は特にラリーやファンアフェルマート、そしてフースホフトが僕をサポートしてくれた。ずっとそばにいてくれたから安心できたし、集中できたんだ。信頼してくれる仲間がいるからこそ、自分に自信を持つことができる。」とフィニーは語る。

ブラドレー・ウィギンズら総合上位勢は後続集団内でゴールし、順位に大きな変動は無かった。翌日は頂上ゴールが待ち受けるクイーンステージであり、総合順位を懸けた山岳勝負に期待が集まる。



ツアー・オブ・カリフォルニア2014 第5ステージ結果
1位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
3位 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 ヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)
5位 キエル・レイネン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
6位 ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)
7位 トマス・ダムソー(フランス、ジャイアント・シマノ)
8位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
9位 ポール・ヴォス(ドイツ、ネットアップ・エンデューラ)
10位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、ネットアップ・エンデューラ)
3h59'33"
+12"










個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
2位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
3位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、ネットアップ・エンデューラ)
4位 ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)
5位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)
7位 マシュー・ブッシュ(アメリカ、トレックファクトリーレーシング)
8位 カーター・ジョーンズ(アメリカ、オプタムp/bケリーベネフィット)
9位 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン)
10位 アレクシス・アセヴェド(コロンビア、ガーミン・シャープ)
17h53'36"
+28"
+1'09"
+1'25"
+2'14"
+2'28"
+2'29"
+2'31"
+2'33"
+2'34"


ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)

山岳賞
ウィル・ルートレー(カナダ、オプタムp/bケリーベネフィット)

新人賞
ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)

チーム総合成績
ガーミン・シャープ

text:So.Isobe
photo:www.amgentourofcalifornia.com

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