12月に体制発表されたミヤタ・メリダバイキングチームに、クロスカントリースキー界の第一人者 恩田祐一が加入することが発表された。



ミヤタ・メリダMTBチームに加入した恩田祐一ミヤタ・メリダMTBチームに加入した恩田祐一 (c)Makoto.AYANO
決意を語る恩田祐一決意を語る恩田祐一 (c)Makoto.AYANOチームのメインスポンサーとなる株式会社ミヤタサイクル、モリタホールディングス本社(東京)で開催された記者発表会。小野寺健と松尾純に続きMIYATA-MERIDA BIKING TEAMに加入する3人目の選手として恩田祐一(おんだ・ゆういち)が姿を現した。

ミヤタサイクル代表取締役社長 髙谷信一郎氏と握手する恩田祐一ミヤタサイクル代表取締役社長 髙谷信一郎氏と握手する恩田祐一 (c)Makoto.AYANOクロスカントリースキー界で活躍してきた恩田は、新潟県中頸城郡妙高高原町出身で、1980年6月24日生まれの33歳。日本では数少ないXCスキーの短距離スプリント種目のスペシャリストだ。
恩田は2002〜2003シーズンで初参戦したワールドカップで8位に入賞。以来、2006年トリノ、2010年バンクーバー、2014年ソチの3つのオリンピックに代表選手として3回連続出場。2007年アジア大会金メダル、ワールドカップにおける日本人最高位の4位など、輝かしい成績を挙げてきた。先のソチ五輪男子スプリントは45位で予選落ちに終わっている。
恩田はソチ五輪でスキー選手としての活動には終止符を打ち、マウンテンバイク界に転向することを表明した。

恩田はスキーのオフシーズントレーニングとして、昨年まで同チームのサテライト(二軍)選手としてMTBレースで活動してきた。JシリーズのJ1第5戦一里野大会では13位。2013年ランキングでは34位の成績を残している。

まずは株式会社ミヤタサイクル代表取締役社長 髙谷信一郎氏より紹介と期待のコメント。
「恩田選手はトップアスリートとして強靭なフィジカルをもっており、ネックとなるのはMTBの技術だけ。トレーニングによって身体は既にMTBに切り替えていると言っています。テクニックを徹底的に鍛えて、MTB選手としての地位をいち早く確立することを期待しています。チームの2人の20代の若い選手を率いるキャプテンとして迎えたい。今季の優勝、表彰台を期待しています」。

続いて恩田本人からのコメント。
「決して中途半端な気持ちでMTBに転向したわけではありません。自分の競技人生で、オリンピックを目指さない競技生活はありません。まずはリオ五輪へ。時間は少ないですが、全力で取り組みたい。そして大きな目標として東京五輪を目指して活動していきたい。スキー時代に培ったフィジカルには絶対的な自信がある。年齢による衰えにも打ち勝つ経験、知識もある。キャプテンとして迎えていただいたからにはチームのレベルアップにつながるような活動を心がけていきたい」。

恩田祐一の主力バイクとなるメリダBIG.NINETY-NINE恩田祐一の主力バイクとなるメリダBIG.NINETY-NINE (c)Makoto.AYANO昨年までミヤタ・メリダに所属した斉藤亮(今季よりブリヂストンアンカーMTBチーム)は、出身地を同じくする同級生で、かつてスキーで日本一を目指した仲間だ。今回のMTBへの転向は、親友の斎藤との関係が大きく影響している。

恩田は言う「斎藤はスキーでは五輪を目指すことができず、一足先にMTB界に飛び込んだ。彼の努力する姿はずっとそばで見てきているし、自分が夏場のトレーニングとしてMTBを取り入れたのは斎藤のアドバイスがあってのこと。昨年は月に1,2回はトレーニングとして一緒にMTBに乗ってきた。これからは同級生として、そしてライバルとして戦っていきたい。まずは最大のライバルである斎藤亮に勝つことを目標に頑張りたい」。

恩田はさらに言う。「斎藤亮の意気込みや、本気度を知っている。正直、自分が身をおいた今のスキー界にはあまり意気込みのようなものを感じることが無くなったのも事実。しかしこのミヤタ・メリダMTBチームならチーム一丸となって闘う姿勢を感じることができると思って転向を決意しました。同じ方向を向いている仲間と、同じ舞台を目指したい」。

恩田にとって不安要素はMTBの経験値だ。2シーズンのレース経験はあるが、技術面にはまだ不十分さを感じているという。しかし、恩田は斎藤を越えるフィジカル・ポテンシャルを持つというのが関係者の評価だ。

恩田「今まではスキーのために夏場に本格的に追い込むためにMTBに乗ってきた。今はまだ、とくに下りの技術が不足しているが、それを習得するのも時間の問題だと思っている。やるからにはイチバンを目指し、まずはJシリーズの5位、全日本の表彰台を目指して今シーズンを戦います」。

恩田とミヤタ・メリダバイキングチームのシーズン初戦は、3月22日に伊豆・日本サイクルスポーツセンター開催される「CSC Classic」だ。


photo&text:Makoto.AYANO

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