2014/02/04(火) - 15:32
関西シクロクロス2013-2014シーズンもクライマックス。泥に覆われた桂川緑地運動公園でシリーズ最終戦となる第10戦が開催され、最終周回で順位をひっくり返した前田公平(TEAM SCOTT)が優勝した。老舗シクロクロスシリーズのオーガナイザーに聞く来シーズンの展望を交えてお伝えします。
史上最多の808名エントリーを集めた関西シクロクロス第10戦。シーズンを通した全戦一括エントリーの選手や当日欠場の選手がいるため実際の出走者数は700名に満たないが、それでも一日の参加者数としては日本のシクロクロス史上最大の数字だ。
「あと192名集めることが出来れば1000人達成だったのですが」と笑うのは、関西シクロクロスのオーガナイザーを務める矢野淳さん。
「ここまで来たら1000人を目指そうという気持ちです。でもこのまま増やしても(運営的に)厳しいと感じています。関西シクロクロスは競技会なので、しっかりとリザルトを出せる状態で拡大しないといけない。例えば、土曜日と日曜日の2日間の開催にするとか、同じ日に2つの会場で開催するとか。例えばですけど、関西の西側で開催する時に岐阜の平田シクロクロスを開催してもらい、関西の東側で開催する時は四国で開催してもらうなど、参加人数をシェアすることも考えています」。
どれだけ大会が拡大しようとも、スムーズに会場運営がなされ、滞りなくレースが進行し、その日の夕方にリザルトが発行されるのは関西シクロクロスならでは。19年目のシリーズは国内シクロクロスを牽引する。「いつも通りの"19年目"でした。毎戦、100名弱ずつ参加者が増え、特に若い選手の台頭が目立ったことが良かったです。U23の選手の頑張りが、より若い選手に良い影響を与えている。それらが繋がって、盛り上がっていることを嬉しく思います。運営の面でも、来シーズンは20年目なので、若くて意欲のある次の世代に引き継げるような体制にしたいと思っています。僕も辞めませんが、次の世代を中心に21年目以降を動かしてもらえれば」。
すでに2014-2015年シーズンの計画は進行中。新たな会場も登場する予定だ。「現在、色んな自治体から会場使用のオファーをいただいている状態です。来シーズン新たに加わるのは大阪府岬町です。でも問題は"どこを減らそうか"ですね。将来的に年間12戦とかになるかも知れませんが、来シーズンは年間10戦を考えています」。
平坦なレイアウトが名物の桂川緑地運動公園。これまで人工的に泥のエリアが作られることはあったものの、基本的にドライ&ハイスピードなレイアウトが特徴。しかし2014年は勝手が違った。
2013年9月の台風18号の影響で大きなダメージを受けた会場は現在復旧工事中。増水で運ばれた土砂が積もった上に、前夜から降った雨によってコース全体がウェットな状態に。コースの大部分が重馬場の泥に覆われた。
C1レースを前半からリードしたのは、ドライだった2013年大会を制した丸山厚(JPスポーツテストチームMASSA-ANDEX)。2年連続優勝を狙う丸山が淡々とハイペースで周回する。後続とのタイム差は最大40秒まで広がった。
後方では前田公平(TEAM SCOTT)がペースを崩さず走り、後方スタートの門田基志(TEAM GIANT)が追い上げて3番手に。前田と門田がトップの丸山から30秒遅れで最終周回に入った。
それまで先頭を快調に走り続けていた丸山の後方に迫る門田と前田。失速する丸山を抜き、周回の中盤で前田が先頭に立つ。「自分でもこの展開を想像していなかった」と語る前田が、丸山と門田を振り切った。
同世代の沢田時や横山航太がシクロクロス世界選手権U23に出場する中「自分の出来ることをやった」と前田。
「前半、丸山さんは泥区間で速くて着いていけなかった。後半、門田さんとパックになって、良いペースで引いてもらっているうちに丸山さんが近づいてきて、キャンバーで門田さんがミスしたタイミングで前に出ました」と前田は語る。
CL1は全日本チャンピオンの宮内佐季子(Team CHAINRING)が優勝。鎖骨骨折で戦線を離脱し、この桂川で復帰戦を迎えた坂口聖香(パナソニックレディース)が2位に入っている。CM1は筧太一(BUCYO COFFEE CLT)の圧勝に終わった。
この日のC1で4位に入った島田真琴(シマノドリンキング)がシリーズランキング優勝に輝き、中原義貴(Cannondale)が2位、前田公平(TEAM SCOTT)が3位という結果に。坂口楓華(パナソニックレディース)がCL1の、丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本)がCM1のシリーズランキングトップに輝いている。
その他のレースの模様はフォトギャラリーにて!
関西シクロクロス2013-2014第10戦桂川緑地運動公園結果
C1
1位 前田公平(TEAM SCOTT)1:01:09
2位 門田基志(TEAM GIANT)+0:08
3位 丸山厚(JPスポーツテストチームMASSA-ANDEX)+0:11
4位 島田真琴(シマノドリンキング)+1:14
5位 中原義貴(Cannondale)+1:39
6位 大渕宏紀(Team-NR/錦ロイヤル)+2:14
7位 木村吉秀(岩井商会レーシング)+2:40
8位 畑中勇介(シマノレーシング)+3:40
9位 伊藤翔吾 (JPスポーツテストチームMASSA-ANDEX)+4:22
10位 大塚航(JPスポーツテストチームMASSA-ANDEX)+4:48
CL1
1位 宮内佐季子(Team CHAINRING)35:31
2位 坂口聖香(パナソニックレディース)+1:08
3位 三浦涼香(桜花学園)+3:38
CM1
1位 筧太一(BUCYO COFFEE CLT)40:14
2位 大河内二郎(シルクロード)+0:42
3位 藤井修(きゅうべえsports)+0:51
CJ
1位 岡野樹(TeamRINGOROAD/のぼこん)42:06
2位 早川裕紀(北桑田高校)+1:13
3位 徳田匠(北桑田高校)+3:17
C2
1位 細渓拓男(Salata bianca Kobe)42:33
2位 熊崎雄太(R2 SPORTS)+0:02
3位 笹井秀治(masahikomifune.com)+0:10
CL2
1位 千原亜里沙(Sonic Racing)31:45
2位 清水友恵(CSヤマダ)+1:18
3位 恒田さよ子(泥んこプロレス)+1:20
CM2
1位 三船雅彦 24:29
2位 山本良広(どろいろクロッサーZ)+1:35
3位 紺谷龍生(まんま-AO・HANI Cycling Team)+2:34
U17
1位 日野竜嘉(松山聖陵高校)24:24
2位 藤垣人也(MAX SPEED)+2:00
3位 大西秀典 +3:23
C3
1位 大坊崇(BikeTeam回転木馬)26:47
2位 田口純也(662-496部)+0:25
3位 内藤久純(WR)+0:46
CL3
1位 大平捺華(サイクルロードエイト)18:11
2位 鎌谷麻里(クラブシルベスト)+0:12
3位 箕形和代(エキップリオン)+0:30
CM3
1位 内田晃央(KAZAMIDORI)27:53
2位 小出浩雅(ARAI MURACA)+0:18
3位 大平義宏(サイクルロード8)+1:48
C4A
1位 後呂有哉(岩井商会レーシング)24:52
2位 中西健太(EIRIN)+2:20
3位 高田晃平(punk bros)+2:23
C4B
1位 仲川整(シュタイグビューゲル)27:51
2位 森裕佑(凛靴)+0:22
3位 藤田健太郎(トンデモクラブ)+0:38
U15
1位 日野泰静(ボンシャンス飯田)12:35
2位 出羽秀多(チームジパング)+0:22
3位 川口幸之助(sonic racing)+0:51
年間ランキング
C1
1位 島田真琴(シマノドリンキング)327pts
2位 中原義貴(Cannondale)252pts
3位 前田公平(TEAM SCOTT)241pts
CL1
1位 坂口楓華(パナソニックレディース)153pts
2位 宮内佐季子 Team CHAINRING)144pts
3位 三浦涼香(桜花学園)103pts
CM1
1位 丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本)428pts
2位 大河内二郎(シルクロード)368pts
3位 藤井修(きゅうべえsports)361pts
text:Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji, Hideaki Takagi
史上最多の808名エントリーを集めた関西シクロクロス第10戦。シーズンを通した全戦一括エントリーの選手や当日欠場の選手がいるため実際の出走者数は700名に満たないが、それでも一日の参加者数としては日本のシクロクロス史上最大の数字だ。
「あと192名集めることが出来れば1000人達成だったのですが」と笑うのは、関西シクロクロスのオーガナイザーを務める矢野淳さん。
「ここまで来たら1000人を目指そうという気持ちです。でもこのまま増やしても(運営的に)厳しいと感じています。関西シクロクロスは競技会なので、しっかりとリザルトを出せる状態で拡大しないといけない。例えば、土曜日と日曜日の2日間の開催にするとか、同じ日に2つの会場で開催するとか。例えばですけど、関西の西側で開催する時に岐阜の平田シクロクロスを開催してもらい、関西の東側で開催する時は四国で開催してもらうなど、参加人数をシェアすることも考えています」。
どれだけ大会が拡大しようとも、スムーズに会場運営がなされ、滞りなくレースが進行し、その日の夕方にリザルトが発行されるのは関西シクロクロスならでは。19年目のシリーズは国内シクロクロスを牽引する。「いつも通りの"19年目"でした。毎戦、100名弱ずつ参加者が増え、特に若い選手の台頭が目立ったことが良かったです。U23の選手の頑張りが、より若い選手に良い影響を与えている。それらが繋がって、盛り上がっていることを嬉しく思います。運営の面でも、来シーズンは20年目なので、若くて意欲のある次の世代に引き継げるような体制にしたいと思っています。僕も辞めませんが、次の世代を中心に21年目以降を動かしてもらえれば」。
すでに2014-2015年シーズンの計画は進行中。新たな会場も登場する予定だ。「現在、色んな自治体から会場使用のオファーをいただいている状態です。来シーズン新たに加わるのは大阪府岬町です。でも問題は"どこを減らそうか"ですね。将来的に年間12戦とかになるかも知れませんが、来シーズンは年間10戦を考えています」。
平坦なレイアウトが名物の桂川緑地運動公園。これまで人工的に泥のエリアが作られることはあったものの、基本的にドライ&ハイスピードなレイアウトが特徴。しかし2014年は勝手が違った。
2013年9月の台風18号の影響で大きなダメージを受けた会場は現在復旧工事中。増水で運ばれた土砂が積もった上に、前夜から降った雨によってコース全体がウェットな状態に。コースの大部分が重馬場の泥に覆われた。
C1レースを前半からリードしたのは、ドライだった2013年大会を制した丸山厚(JPスポーツテストチームMASSA-ANDEX)。2年連続優勝を狙う丸山が淡々とハイペースで周回する。後続とのタイム差は最大40秒まで広がった。
後方では前田公平(TEAM SCOTT)がペースを崩さず走り、後方スタートの門田基志(TEAM GIANT)が追い上げて3番手に。前田と門田がトップの丸山から30秒遅れで最終周回に入った。
それまで先頭を快調に走り続けていた丸山の後方に迫る門田と前田。失速する丸山を抜き、周回の中盤で前田が先頭に立つ。「自分でもこの展開を想像していなかった」と語る前田が、丸山と門田を振り切った。
同世代の沢田時や横山航太がシクロクロス世界選手権U23に出場する中「自分の出来ることをやった」と前田。
「前半、丸山さんは泥区間で速くて着いていけなかった。後半、門田さんとパックになって、良いペースで引いてもらっているうちに丸山さんが近づいてきて、キャンバーで門田さんがミスしたタイミングで前に出ました」と前田は語る。
CL1は全日本チャンピオンの宮内佐季子(Team CHAINRING)が優勝。鎖骨骨折で戦線を離脱し、この桂川で復帰戦を迎えた坂口聖香(パナソニックレディース)が2位に入っている。CM1は筧太一(BUCYO COFFEE CLT)の圧勝に終わった。
この日のC1で4位に入った島田真琴(シマノドリンキング)がシリーズランキング優勝に輝き、中原義貴(Cannondale)が2位、前田公平(TEAM SCOTT)が3位という結果に。坂口楓華(パナソニックレディース)がCL1の、丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本)がCM1のシリーズランキングトップに輝いている。
その他のレースの模様はフォトギャラリーにて!
関西シクロクロス2013-2014第10戦桂川緑地運動公園結果
C1
1位 前田公平(TEAM SCOTT)1:01:09
2位 門田基志(TEAM GIANT)+0:08
3位 丸山厚(JPスポーツテストチームMASSA-ANDEX)+0:11
4位 島田真琴(シマノドリンキング)+1:14
5位 中原義貴(Cannondale)+1:39
6位 大渕宏紀(Team-NR/錦ロイヤル)+2:14
7位 木村吉秀(岩井商会レーシング)+2:40
8位 畑中勇介(シマノレーシング)+3:40
9位 伊藤翔吾 (JPスポーツテストチームMASSA-ANDEX)+4:22
10位 大塚航(JPスポーツテストチームMASSA-ANDEX)+4:48
CL1
1位 宮内佐季子(Team CHAINRING)35:31
2位 坂口聖香(パナソニックレディース)+1:08
3位 三浦涼香(桜花学園)+3:38
CM1
1位 筧太一(BUCYO COFFEE CLT)40:14
2位 大河内二郎(シルクロード)+0:42
3位 藤井修(きゅうべえsports)+0:51
CJ
1位 岡野樹(TeamRINGOROAD/のぼこん)42:06
2位 早川裕紀(北桑田高校)+1:13
3位 徳田匠(北桑田高校)+3:17
C2
1位 細渓拓男(Salata bianca Kobe)42:33
2位 熊崎雄太(R2 SPORTS)+0:02
3位 笹井秀治(masahikomifune.com)+0:10
CL2
1位 千原亜里沙(Sonic Racing)31:45
2位 清水友恵(CSヤマダ)+1:18
3位 恒田さよ子(泥んこプロレス)+1:20
CM2
1位 三船雅彦 24:29
2位 山本良広(どろいろクロッサーZ)+1:35
3位 紺谷龍生(まんま-AO・HANI Cycling Team)+2:34
U17
1位 日野竜嘉(松山聖陵高校)24:24
2位 藤垣人也(MAX SPEED)+2:00
3位 大西秀典 +3:23
C3
1位 大坊崇(BikeTeam回転木馬)26:47
2位 田口純也(662-496部)+0:25
3位 内藤久純(WR)+0:46
CL3
1位 大平捺華(サイクルロードエイト)18:11
2位 鎌谷麻里(クラブシルベスト)+0:12
3位 箕形和代(エキップリオン)+0:30
CM3
1位 内田晃央(KAZAMIDORI)27:53
2位 小出浩雅(ARAI MURACA)+0:18
3位 大平義宏(サイクルロード8)+1:48
C4A
1位 後呂有哉(岩井商会レーシング)24:52
2位 中西健太(EIRIN)+2:20
3位 高田晃平(punk bros)+2:23
C4B
1位 仲川整(シュタイグビューゲル)27:51
2位 森裕佑(凛靴)+0:22
3位 藤田健太郎(トンデモクラブ)+0:38
U15
1位 日野泰静(ボンシャンス飯田)12:35
2位 出羽秀多(チームジパング)+0:22
3位 川口幸之助(sonic racing)+0:51
年間ランキング
C1
1位 島田真琴(シマノドリンキング)327pts
2位 中原義貴(Cannondale)252pts
3位 前田公平(TEAM SCOTT)241pts
CL1
1位 坂口楓華(パナソニックレディース)153pts
2位 宮内佐季子 Team CHAINRING)144pts
3位 三浦涼香(桜花学園)103pts
CM1
1位 丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本)428pts
2位 大河内二郎(シルクロード)368pts
3位 藤井修(きゅうべえsports)361pts
text:Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji, Hideaki Takagi
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