2009/07/21(火) - 05:26
Jサイクルツアー第6戦、全日本実業団サイクルロードレースin石川が7月19日(日)、福島県石川町で行われ、狩野智也(シマノレーシング)が優勝した。レース後半で抜け出した4人がそのまま逃げ切り、終始積極的な展開をした狩野がゴールも制し圧勝。佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)がシマノ勢3人に対して善戦し3位に食い込んだ。
石川のコースはきつい上りはないものの平坦がほとんどなく、山岳系や独走系の選手が過去に勝利を多く飾っている厳しいもの。1周13.6kmでTRはここをパレード+8周する115.8kmで行われた。また天候はTRレース中は曇りから晴れとなり、真夏の暑さとの戦いとなった。
フランス遠征中のBSアンカー、そして8月の海外遠征を控えて7月はレースに出場しない愛三工業の2チームが不在で、いっぽうシマノとニッポはフルメンバーでの参戦でその戦いが注目された。
多くの名選手を輩出している学校法人石川高校がスタート地点。スターターは県車連会長で日本トライアスロン連合会長でもある岩城光英参議院議員だ。地域スポーツと世界レベルのトップの両方を強化していきたいという岩城氏に、競技力アップの方策が期待される。
1周目から飯野嘉則(シマノレーシング)がアタック、さらに阿部嵩之(シマノレーシング)が合流するが2周目には吸収。そして狩野が単独逃げるが3周目に吸収される。その3周目の小さな上りで小嶋洋介(Team DARK BLUE)がアタック、すぐに鈴木譲(シマノレーシング)、狩野、廣瀬佳正(UTSUNOMIYA BLITZEN)が反応して4人が先行。後続から廣瀬敏(TEAM NIPPO-COLNAGO)、栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)、二戸康寛(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)が合流して7人の先頭集団を作る。
この7人は6周目まで逃げるが、メイン集団が迫ったところで狩野のみが抜け出してほか6人は吸収される。7周目に佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)がアタックして鈴木真理・野寺秀徳(シマノレーシング)とともに先頭の狩野に合流、これで逃げは4人に。
メイン集団はマトリックス、ラバネロ、ブリッツェン、マッサらが追うが強力な4人の逃げに届かない。いっぽうの先頭4人ではシマノの3人が佐野をふるい落とすべく交互にアタックをかけて揺さぶる。佐野は1周半ほど続いたシマノ3人の攻撃に耐えて4人でゴールを目指す。
ラスト5kmの上りが始まる地点で狩野がアタック、佐野は差を詰めたいが縮まらない。もちろん佐野の背後には鈴木と野寺が付く。結局このままゴールへ向かい、狩野は昨年に続いて2連覇、このコースでは3度目の優勝を飾った。
狩野は「相性がいい」というこのコースで強力なチームメイトとともに戦って、序盤からアタックを掛けまくったうえに優勝。狩野はどの場面でも、そしてチームは3人の誰もが優勝できる展開だった。佐野は中盤までに脚を使っていたことと、終盤で単独合流できなかったことで勝負が決まってしまった。しかし狩野、野寺、鈴木の超強力な3人の攻撃に耐えた力、フィジカル面では最も強い選手だったかもしれない。
女子は3周40.8kmで行われた。
7人の先頭集団のまま最終周回を迎える。うまくローテーションしていた集団もラスト7kmほどからペースアップやアタックがかかる展開に。上りではCHISAKO(UTSUNOMIYA BLITZEN FR)がペースを作る。そして井上玲美(日野自動車レーシングチーム)がさらに上げるが7人のまま。ラスト3kmで豊岡英子(パナソニックレディース)がアタック。30mほどリードするがCHISAKOが追いつく。ラスト2kmで西加南子(TEAM FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)がアタック、これをCHISAKOが追うが届かない。そして後方では井上が豊岡とともにこれを追う。ゴールではこの2人を振り切った井上が先着。実力者相手に見事優勝した。
結果 TRクラス 115.8km
1位 狩野智也(シマノレーシング)3時間05分30秒(AVS37.45km/h)
2位 鈴木真理(シマノレーシング)+23秒
3位 佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)+28秒
4位 野寺秀徳(シマノレーシング)
5位 廣瀬敏(TEAM NIPPO-COLNAGO)+1分03秒
6位 大塚潤(TEAM YOU CAN八王子)
7位 山下貴宏(TEAM NIPPO-COLNAGO)+1分04秒
8位 廣瀬佳正(UTSUNOMIYA BLITZEN)+1分05秒
9位 武末真和(オッティモ・ホル元)
10位 鎌田圭介(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
11位 阿部良之(シマノレーシング)+1分06秒
12位 西谷雅史(オーベストディープラスデザイン)+1分20秒
13位 真鍋和幸(TEAM NIPPO-COLNAGO)+1分21秒
14位 伊藤翼(Esperance Stage/WAVE ONE)+1分32秒
15位 小野口健太(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)+1分35秒
16位 中山卓士(UTSUNOMIYA BLITZEN)+1分42秒
17位 山根理史(Comrade Giant)+1分45秒
18位 栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+2分01秒
19位 伊藤翔吾(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)+2分02秒
20位 伊勢直人(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)
21位 鈴木譲(シマノレーシング)+2分07秒
22位 岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)+3分21秒
23位 宮下星児(自在RB)+4分31秒
以上完走者23名
Jサイクルツアーリーダー
鈴木真理(シマノレーシング)
FR 40.8km
1位 井上玲美(日野自動車レーシングチーム)1時間15分10秒(AVS32.56km/h)
2位 西加南子(TEAM FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)+01秒
3位 豊岡英子(パナソニックレディース)+05秒
4位 CHISAKO(UTSUNOMIYA BLITZEN FR)+19秒
5位 金子広美
6位 志村みち子(ラヴニールあづみの)+20秒
BR-1 75.0km
1位 圓谷崇(チーム・チェブロ)2時間06分26秒(AVS35.59km/h)
2位 新井剛(チームスキップ)+35秒
3位 善波昭(フジパレンティーニ)+41秒
4位 田端伸行(spacebikes.com)
5位 阿部健弥(チームスキップ)+42秒
6位 遠藤積穂(spacebikes.com)+43秒
ER 54.4km
1位 相原浩(チームスキップ)1時間29分07秒(AVS36.62km/h)
2位 秋山悟郎(NFCC)+04秒
3位 浅田昌弘(TEAM光)
4位 庄司薫(エルドラード)
5位 阿部徹也(フジパレンティーニ)
6位 千葉拓郎(Verdad)
ジュニア 61.4km
1位 西尾優作(平工業高校)1時間51分45秒(AVS32.96km/h)
2位 池田悠樹(紫波総合高校)
3位 鈴木啓祐(学法石川高校)
4位 大久保郁弥(修明高校)
5位 辻本尚希(筑波大附属坂戸高校)
6位 菊池啓汰(水澤農業高校)+01秒
photo&text:高木秀彰
石川のコースはきつい上りはないものの平坦がほとんどなく、山岳系や独走系の選手が過去に勝利を多く飾っている厳しいもの。1周13.6kmでTRはここをパレード+8周する115.8kmで行われた。また天候はTRレース中は曇りから晴れとなり、真夏の暑さとの戦いとなった。
フランス遠征中のBSアンカー、そして8月の海外遠征を控えて7月はレースに出場しない愛三工業の2チームが不在で、いっぽうシマノとニッポはフルメンバーでの参戦でその戦いが注目された。
多くの名選手を輩出している学校法人石川高校がスタート地点。スターターは県車連会長で日本トライアスロン連合会長でもある岩城光英参議院議員だ。地域スポーツと世界レベルのトップの両方を強化していきたいという岩城氏に、競技力アップの方策が期待される。
1周目から飯野嘉則(シマノレーシング)がアタック、さらに阿部嵩之(シマノレーシング)が合流するが2周目には吸収。そして狩野が単独逃げるが3周目に吸収される。その3周目の小さな上りで小嶋洋介(Team DARK BLUE)がアタック、すぐに鈴木譲(シマノレーシング)、狩野、廣瀬佳正(UTSUNOMIYA BLITZEN)が反応して4人が先行。後続から廣瀬敏(TEAM NIPPO-COLNAGO)、栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)、二戸康寛(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)が合流して7人の先頭集団を作る。
この7人は6周目まで逃げるが、メイン集団が迫ったところで狩野のみが抜け出してほか6人は吸収される。7周目に佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)がアタックして鈴木真理・野寺秀徳(シマノレーシング)とともに先頭の狩野に合流、これで逃げは4人に。
メイン集団はマトリックス、ラバネロ、ブリッツェン、マッサらが追うが強力な4人の逃げに届かない。いっぽうの先頭4人ではシマノの3人が佐野をふるい落とすべく交互にアタックをかけて揺さぶる。佐野は1周半ほど続いたシマノ3人の攻撃に耐えて4人でゴールを目指す。
ラスト5kmの上りが始まる地点で狩野がアタック、佐野は差を詰めたいが縮まらない。もちろん佐野の背後には鈴木と野寺が付く。結局このままゴールへ向かい、狩野は昨年に続いて2連覇、このコースでは3度目の優勝を飾った。
狩野は「相性がいい」というこのコースで強力なチームメイトとともに戦って、序盤からアタックを掛けまくったうえに優勝。狩野はどの場面でも、そしてチームは3人の誰もが優勝できる展開だった。佐野は中盤までに脚を使っていたことと、終盤で単独合流できなかったことで勝負が決まってしまった。しかし狩野、野寺、鈴木の超強力な3人の攻撃に耐えた力、フィジカル面では最も強い選手だったかもしれない。
女子は3周40.8kmで行われた。
7人の先頭集団のまま最終周回を迎える。うまくローテーションしていた集団もラスト7kmほどからペースアップやアタックがかかる展開に。上りではCHISAKO(UTSUNOMIYA BLITZEN FR)がペースを作る。そして井上玲美(日野自動車レーシングチーム)がさらに上げるが7人のまま。ラスト3kmで豊岡英子(パナソニックレディース)がアタック。30mほどリードするがCHISAKOが追いつく。ラスト2kmで西加南子(TEAM FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)がアタック、これをCHISAKOが追うが届かない。そして後方では井上が豊岡とともにこれを追う。ゴールではこの2人を振り切った井上が先着。実力者相手に見事優勝した。
結果 TRクラス 115.8km
1位 狩野智也(シマノレーシング)3時間05分30秒(AVS37.45km/h)
2位 鈴木真理(シマノレーシング)+23秒
3位 佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)+28秒
4位 野寺秀徳(シマノレーシング)
5位 廣瀬敏(TEAM NIPPO-COLNAGO)+1分03秒
6位 大塚潤(TEAM YOU CAN八王子)
7位 山下貴宏(TEAM NIPPO-COLNAGO)+1分04秒
8位 廣瀬佳正(UTSUNOMIYA BLITZEN)+1分05秒
9位 武末真和(オッティモ・ホル元)
10位 鎌田圭介(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
11位 阿部良之(シマノレーシング)+1分06秒
12位 西谷雅史(オーベストディープラスデザイン)+1分20秒
13位 真鍋和幸(TEAM NIPPO-COLNAGO)+1分21秒
14位 伊藤翼(Esperance Stage/WAVE ONE)+1分32秒
15位 小野口健太(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)+1分35秒
16位 中山卓士(UTSUNOMIYA BLITZEN)+1分42秒
17位 山根理史(Comrade Giant)+1分45秒
18位 栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+2分01秒
19位 伊藤翔吾(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)+2分02秒
20位 伊勢直人(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)
21位 鈴木譲(シマノレーシング)+2分07秒
22位 岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)+3分21秒
23位 宮下星児(自在RB)+4分31秒
以上完走者23名
Jサイクルツアーリーダー
鈴木真理(シマノレーシング)
FR 40.8km
1位 井上玲美(日野自動車レーシングチーム)1時間15分10秒(AVS32.56km/h)
2位 西加南子(TEAM FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)+01秒
3位 豊岡英子(パナソニックレディース)+05秒
4位 CHISAKO(UTSUNOMIYA BLITZEN FR)+19秒
5位 金子広美
6位 志村みち子(ラヴニールあづみの)+20秒
BR-1 75.0km
1位 圓谷崇(チーム・チェブロ)2時間06分26秒(AVS35.59km/h)
2位 新井剛(チームスキップ)+35秒
3位 善波昭(フジパレンティーニ)+41秒
4位 田端伸行(spacebikes.com)
5位 阿部健弥(チームスキップ)+42秒
6位 遠藤積穂(spacebikes.com)+43秒
ER 54.4km
1位 相原浩(チームスキップ)1時間29分07秒(AVS36.62km/h)
2位 秋山悟郎(NFCC)+04秒
3位 浅田昌弘(TEAM光)
4位 庄司薫(エルドラード)
5位 阿部徹也(フジパレンティーニ)
6位 千葉拓郎(Verdad)
ジュニア 61.4km
1位 西尾優作(平工業高校)1時間51分45秒(AVS32.96km/h)
2位 池田悠樹(紫波総合高校)
3位 鈴木啓祐(学法石川高校)
4位 大久保郁弥(修明高校)
5位 辻本尚希(筑波大附属坂戸高校)
6位 菊池啓汰(水澤農業高校)+01秒
photo&text:高木秀彰
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