2014/01/07(火) - 08:12
1月5日にイタリア・ローマ郊外の競馬場を舞台にしたシクロクロスUCIワールドカップ第6戦で、序盤からリードしたニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)がスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク)らを振り切って勝利。泥レースを制した。
UCIシクロクロスワールドカップ第6戦の舞台は、イタリア・ローマ郊外にあるカパンネッレ競馬場。ダートや芝生の走路を利用したコースはほぼ平坦。起伏は1mほどしかないが、前夜からの雨によってコースは泥濘んだ状態に。最終種目エリート男子レースを含め、スリッピーなコーナーが連続するタフなコンディションの中で行なわれた。
1周目からレースをリードしたのはニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)だった。「スヴェンがいつもの僕のような悪い出だしだった一方で、今日は前半から踏めた」と語るアルベルトが先頭を走り、これにチームメイトのフィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)やマルティン・ビーナ(チェコ、クワドロ・スタンナー)、フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)が食らいつく。
2周目に入ると先頭からムレーが遅れ、3周目にはワルスレーベンとビーナを置き去りにしたアルベルトが独走を開始。後方からUCIワールドカップリーダーのラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)や世界チャンピオンのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク)らが追い上げる展開となる。
泥に覆われたスリッピーな轍と比較的グリップする草地の境界線を辿りながら、アルベルトが後方とのタイム差をキープしたまま周回。後半にかけてペースを落としてしまい、ファンデルハールとネイスに迫られたものの、前半に築いたリードは最後まで崩れず。アルベルトが最終的に4秒差で勝利した。
「周回を重ねる毎にコースコンディションは悪くなり、タイヤを幅広いものに交換しながら周回。ピットエリアの足元も相当悪かった。ここまでハードなトレーニングを積んできたので、ラスト2周は疲労を抱えながらの走りになった」と、今シーズンのUCIワールドカップ2勝目を飾ったアルベルトは語る。
UCIワールドカップリーダーの座は、この日2位に入ったファンデルハールがキープ。ランキング2位のアルベルトとは54ポイント差であり、実質的にファンデルハールがシリーズチャンピオンに王手をかけた状態だ。
3位のネイスは「今日はスロースタートを切ったものの、周回を重ねる毎に調子は良くなった。自分の中に力を感じただけに、勝負に絡めなかったことが残念。(1月12日にワレヘムで開催される)ベルギー選手権に集中したい」とコメントしている。(ベルギーのsporzaより)
エリート女子レースは再びキャサリン・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロス)の支配下に。最終周回まで食らいついた世界チャンピオンのマリアンヌ・フォス(オランダ、ラボバンク・リブ/ジャイアント)を引き離し、24秒差で勝利した。
UCIワールドカップ5勝目を飾ったコンプトンは、1戦を残してUCIワールドカップのシリーズタイトル獲得を決めている。3位には地元イタリアチャンピオンのエヴァ・レクネル(イタリア、チェントロスポルティーヴォ・エゼルチト)が入り、豊岡英子(パナソニックレディース)は5分26秒差の22位でレースを終えている。
U23レースは再びマテュー・ファンデルポール(オランダ)の勝利に。沢田時(チームブリヂストン・アンカー)は5分25秒差の37位でレースを終えた。
豊岡英子(パナソニックレディース)のコメント
滑りやすい泥の区間は、気を抜いたらミスをすると思って慎重に走り、それ以外の場所では、そこで踏めるかが勝負だったので、追い風が強かったけど、しっかりと踏んだ。雨が降ったり止んだりで空気圧の調整が難しく、その調整が反省点。「もっと上を狙えた」と言われるけど、最後までトラブルなく落ち着いて走ることができたし、コンディションも良くレースに臨めたので、自分のなかでは、まずまずの結果だったと思う。来られる人が限られているイタリアのレースに来ることが良かったと思う。
沢田時(チームブリヂストン・アンカー)のコメント
コースはベルギーとはまた違ったしゃばしゃばの泥で、自分にとっては苦手意識の強いコースでした。レースは結果、内容ともに良いところなしです。日本と違ってのびのびと自分の走りをさせてもらえません。今は勉強のときだと思います。今週は合宿を行なうので、もう一度しっかりと自分と向き直って、まずは自分でも納得できる走りをシクロクロスの世界でしてみせます。
シクロクロスUCIワールドカップ第6戦結果
エリート男子
1位 ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス) 1h06'33"
2位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント) +04"
3位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク) +05"
4位 フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr) +11"
5位 マルティン・ビーナ(チェコ、クワドロ・スタンナー) +41"
6位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファーストフットサービス) +45"
7位 タイス・ファンアメロンヘン(オランダ、AAドリンク) +50"
8位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'01"
9位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1'16"
10位 バルト・ウェレンス(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'19"
エリート女子
1位 キャサリン・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロス) 36'45"
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ラボバンク・リブ/ジャイアント) +24"
3位 エヴァ・レクネル(イタリア、チェントロスポルティーヴォ・エゼルチト) +1'10"
22位 豊岡英子(日本、パナソニックレディース) +5'26"
U23
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ) 48'50"
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー) +10"
3位 ローレンス・スウェーク(ベルギー) +27"
37位 沢田時(日本) +5'25"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, Sonoko Tanaka
UCIシクロクロスワールドカップ第6戦の舞台は、イタリア・ローマ郊外にあるカパンネッレ競馬場。ダートや芝生の走路を利用したコースはほぼ平坦。起伏は1mほどしかないが、前夜からの雨によってコースは泥濘んだ状態に。最終種目エリート男子レースを含め、スリッピーなコーナーが連続するタフなコンディションの中で行なわれた。
1周目からレースをリードしたのはニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)だった。「スヴェンがいつもの僕のような悪い出だしだった一方で、今日は前半から踏めた」と語るアルベルトが先頭を走り、これにチームメイトのフィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)やマルティン・ビーナ(チェコ、クワドロ・スタンナー)、フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)が食らいつく。
2周目に入ると先頭からムレーが遅れ、3周目にはワルスレーベンとビーナを置き去りにしたアルベルトが独走を開始。後方からUCIワールドカップリーダーのラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)や世界チャンピオンのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク)らが追い上げる展開となる。
泥に覆われたスリッピーな轍と比較的グリップする草地の境界線を辿りながら、アルベルトが後方とのタイム差をキープしたまま周回。後半にかけてペースを落としてしまい、ファンデルハールとネイスに迫られたものの、前半に築いたリードは最後まで崩れず。アルベルトが最終的に4秒差で勝利した。
「周回を重ねる毎にコースコンディションは悪くなり、タイヤを幅広いものに交換しながら周回。ピットエリアの足元も相当悪かった。ここまでハードなトレーニングを積んできたので、ラスト2周は疲労を抱えながらの走りになった」と、今シーズンのUCIワールドカップ2勝目を飾ったアルベルトは語る。
UCIワールドカップリーダーの座は、この日2位に入ったファンデルハールがキープ。ランキング2位のアルベルトとは54ポイント差であり、実質的にファンデルハールがシリーズチャンピオンに王手をかけた状態だ。
3位のネイスは「今日はスロースタートを切ったものの、周回を重ねる毎に調子は良くなった。自分の中に力を感じただけに、勝負に絡めなかったことが残念。(1月12日にワレヘムで開催される)ベルギー選手権に集中したい」とコメントしている。(ベルギーのsporzaより)
エリート女子レースは再びキャサリン・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロス)の支配下に。最終周回まで食らいついた世界チャンピオンのマリアンヌ・フォス(オランダ、ラボバンク・リブ/ジャイアント)を引き離し、24秒差で勝利した。
UCIワールドカップ5勝目を飾ったコンプトンは、1戦を残してUCIワールドカップのシリーズタイトル獲得を決めている。3位には地元イタリアチャンピオンのエヴァ・レクネル(イタリア、チェントロスポルティーヴォ・エゼルチト)が入り、豊岡英子(パナソニックレディース)は5分26秒差の22位でレースを終えている。
U23レースは再びマテュー・ファンデルポール(オランダ)の勝利に。沢田時(チームブリヂストン・アンカー)は5分25秒差の37位でレースを終えた。
豊岡英子(パナソニックレディース)のコメント
滑りやすい泥の区間は、気を抜いたらミスをすると思って慎重に走り、それ以外の場所では、そこで踏めるかが勝負だったので、追い風が強かったけど、しっかりと踏んだ。雨が降ったり止んだりで空気圧の調整が難しく、その調整が反省点。「もっと上を狙えた」と言われるけど、最後までトラブルなく落ち着いて走ることができたし、コンディションも良くレースに臨めたので、自分のなかでは、まずまずの結果だったと思う。来られる人が限られているイタリアのレースに来ることが良かったと思う。
沢田時(チームブリヂストン・アンカー)のコメント
コースはベルギーとはまた違ったしゃばしゃばの泥で、自分にとっては苦手意識の強いコースでした。レースは結果、内容ともに良いところなしです。日本と違ってのびのびと自分の走りをさせてもらえません。今は勉強のときだと思います。今週は合宿を行なうので、もう一度しっかりと自分と向き直って、まずは自分でも納得できる走りをシクロクロスの世界でしてみせます。
シクロクロスUCIワールドカップ第6戦結果
エリート男子
1位 ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス) 1h06'33"
2位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント) +04"
3位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク) +05"
4位 フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr) +11"
5位 マルティン・ビーナ(チェコ、クワドロ・スタンナー) +41"
6位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファーストフットサービス) +45"
7位 タイス・ファンアメロンヘン(オランダ、AAドリンク) +50"
8位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'01"
9位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1'16"
10位 バルト・ウェレンス(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'19"
エリート女子
1位 キャサリン・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロス) 36'45"
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ラボバンク・リブ/ジャイアント) +24"
3位 エヴァ・レクネル(イタリア、チェントロスポルティーヴォ・エゼルチト) +1'10"
22位 豊岡英子(日本、パナソニックレディース) +5'26"
U23
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ) 48'50"
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー) +10"
3位 ローレンス・スウェーク(ベルギー) +27"
37位 沢田時(日本) +5'25"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, Sonoko Tanaka
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