1月1日にベルギー・バールで開催されたbpost bankトロフェー第6戦GPスヴェンネイスで、トレックのニューバイクを駆ったスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク)が勝利。エリート女子レースで豊岡英子(パナソニックレディース)が15位に入った。



ディスクブレーキ搭載の「Boone(ブーン)」を駆るスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク)ディスクブレーキ搭載の「Boone(ブーン)」を駆るスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク) photo:Cor Vos

トレックの新型シクロクロスバイク「Boone(ブーン)」奥にはカンチブレーキ仕様も用意されているトレックの新型シクロクロスバイク「Boone(ブーン)」奥にはカンチブレーキ仕様も用意されている photo:Cor VosUCIワールドカップとスーパープレスティージュと並び、シクロクロスにおける三大シリーズの一つに数えられるbpost bankトロフェー。GvAトロフェー(ハゼット・ファン・アントウェルペン・トロフェー)として長年開催されてきた歴史あるシリーズ戦だ。シリーズ8戦が行なわれ、着順によるポイント制ではなくロードステージレース同様の総合タイムでシリーズ総合成績が争われるのが特徴。

2番手を走るゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)2番手を走るゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Cor Vos第6戦GPスヴェンネイスは、その名の通り世界チャンピオンのスヴェン・ネイスが住むバールを舞台にしたシクロクロスレース。昨年は体調不良によって欠場したが、ネイスは過去14回のうち11回優勝している。

大観衆の声援を受けて走るスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク)大観衆の声援を受けて走るスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク) photo:Cor Vos開催日が1月1日だけに、新チームや新体制で走る選手/チームのお披露目の場所でもある。トレック社が新たにバイクサプライヤーにつくクレラン・AAドリンクのネイスは、同社の新型シクロクロスバイク「Boone(ブーン)」に乗り、レース序盤からリードを得る。最終的にゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)やニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)を振り切り、51秒差で勝利した。

ニューバイクを掲げてフィニッシュするスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク)ニューバイクを掲げてフィニッシュするスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク) photo:Cor Vos「今日はとてもナーバスになっていた。というのも、自分の走りを見るために集まった大観衆の中で、新しいバイクのデビューだったから。終盤にリードしながら、緊張して何回かミスしてしまった。でも新しいバイクの感触は良かったよ。下りがとにかく楽だった。ディスクブレーキでレースを走りきったのは初めて。このまま体調を壊さなければ世界選手権で闘えると思う」と、12度目のGPスヴェンネイス勝利を飾ったネイスは語る。

ネイスはbpost bankトロフェーのシリーズランキングで首位を独走中。残り2戦の時点で、ランキング2位のアルベルトとの総合タイム差は2分57秒だ。

シーズン中盤からシクロクロスに参戦し、その力を見せつけているスティバルは「この路面コンディションでネイスに勝てる選手はいない。彼の後ろで2位に入ることは勝ったようなもの。ここまでのシクロクロス6戦の中で一番良い調子だったが、あくまでも優先順位はロードレースが上なので、この先のUCIワールドカップに出場するかどうかは分からない」とコメントしている。

エリート女子レースで世界チャンピオンのマリアンヌ・フォス(オランダ、ラボバンク・リブ/ジャイアント)を下したのは、ネイスと同じく「Boone(ブーン)」に乗るケイティ・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロスコレクティブ)。ヨーロッパレース転戦中の豊岡英子(パナソニックレディース)はコンプトンから5分16秒遅れの15位に入っている。

今シーズン、コンプトンはライバルを寄せ付けない走りでUCIワールドカップ4勝。世界選手権の本命に挙げられる。

bpost bankトロフェー2013-2014第6戦GPスヴェンネイス表彰台bpost bankトロフェー2013-2014第6戦GPスヴェンネイス表彰台 photo:Cor Vosエリート女子 トップで競り合うケイティ・コンプトン(アメリカ、トレック・シクロクロスコレクティブ)とマリアンヌ・フォス(オランダ、ラボバンク・リブ/ジャイアント)エリート女子 トップで競り合うケイティ・コンプトン(アメリカ、トレック・シクロクロスコレクティブ)とマリアンヌ・フォス(オランダ、ラボバンク・リブ/ジャイアント) photo:Cor Vos

選手コメントはベルギーのSporza.beより。


エリート男子
1位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・AAドリンク)        1h03'39"
2位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)     +51"
3位 ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)          +57"
4位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファーストフットサービス)        +1'10"
5位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)          +1'39"
6位 タイス・ファンアメロンヘン(オランダ、AAドリンク)          +1'55"
7位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)       +2'22"
8位 バルト・アルノーツ(ベルギー、AAドリンク)
9位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)       +2'27"
10位 マルセル・マイセン(ドイツ、クワドロ・スタンナー)          +3'10"

エリート女子
1位 ケイティ・コンプトン(アメリカ、トレック・シクロクロスコレクティブ)38'07"
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ラボバンク・リブ/ジャイアント)   +20"
3位 ニキ・ハリス(イギリス、ヤングテレネット・フィデア)        +44"
15位 豊岡英子(日本、パナソニックレディース)             +5'16"

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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