2013/12/23(月) - 11:03
ナミュールの城塞を舞台に行なわれたUCIシクロクロスワールドカップ第4戦に、日本から豊岡英子(エリート女子)と沢田時(U23)が参戦。泥に覆われた難コースで、フランスチャンピオンのフランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)がエリートレースを制した。
ロードレースでも度々登場するナミュール城塞を舞台に開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第4戦。丘の上に位置する城塞を縫うように走る起伏に富んだコースが用意されている。悪天候によって路面はマッドコンディションとなり、滑りやすい泥に覆われたテクニカルなキャンバーや急坂、コーナーが選手たちを苦しめた。
ホールショットを獲ったのはフランスチャンピオンジャージを着るフランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)。世界チャンピオンのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL)は1周目にパンクしてしまい、かなり後方からの追い上げを余儀なくされる。
先頭ムレーにはジュリアン・タラマルカス(スイス、BMCマウンテンバイクレーシング)やラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)、フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)らが合流して序盤の周回を重ねていく。中盤に差し掛かると徐々にムレーと後続の距離が広がり始めた。
泥のコースで抜群のバイクコントロールを見せるネイスが猛烈な追い上げで迫る中、ムレーはベルギーチャンピオンのクラース・ヴァントルノウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)を24秒、ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)を30秒引き離してフィニッシュ。ベルギーファンを沸かせたネイスは4位に終わった。
ムレーのUCIワールドカップ勝利は2007年以来6年ぶり。今年4度目の出場となったジロ・デ・イタリアを総合20位で終えたシクロクロッサーが久々のタイトルを手にした。ムレーは「今日のような厳しい気象条件と難しいコースは自分向きだった。前日のレースを走った多くの選手よりもフレッシュだったんだと思う。コンスタントにハイペースを刻むことでライバルたちを引き離すことが出来た。キャリア最高の勝利の一つだよ」とコメントしている(ベルギーのNieuwsbladより)。
エリート女子レースには50名が出走。マリアンヌ・フォス(オランダ、ラボウィメンサイクリング)らヨーロッパ勢を振り切ったキャサリン・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロス)が勝利した。豊岡英子(パナソニックレディース)は5分34秒遅れの28位でヨーロッパ初戦を終えた。また、チームブリヂストン・アンカーに所属する沢田時は日本ナショナルチームから出場。メカトラによって出遅れ、最終的に42位でレースを終えている。
豊岡英子(パナソニックレディース)のコメント
「日本のレースとは難易度がまったく違い、スタートから石畳の上り、そしてそこから登ったり下ったりの泥のコースでした。雨が降って前日とはコンディションが変わりましたが、自分のコンディションは良かったし、落ち着いてスタートできました。泥や落ち葉の多いコースだったので、トラブルを回避するために、毎周回、自転車を変えて、少しでもチェーンなどに違和感を感じたら、バイクの扱いをより一層気をつけました。ラスト2周回から調子も上がり、なんとか28位でゴールすることができました。渡欧直後だったので、今後のレースでもっと上を狙えると思います。クリスマスシーズンは他の選手たちもコンディションを上げてくるし、重要なレースが続くので、この調子でしっかりとコンディションをキープして走りたいと思います」
沢田時(チームブリヂストン・アンカー)のコメント
「序盤に機材トラブルがあって、だいぶ順位を落としてしまいました。今日は正直、(急に出場することが決まって)、あまり準備ができていなかったこともあって、厳しいかな、とは思っていました。調子はいいので、トラブルが起こる前も起こったあとも決して悪くはなかったので、次のゾルダー(26日)では、しっかりと準備をして頑張りたいと思います」
UCIシクロクロスワールドカップ2013-2014第4戦
エリート男子
1位 フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr) 1h00'49"
2位 クラース・ヴァントルノウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +24"
3位 ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス) +30"
4位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL) +35"
5位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント) +36"
6位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +41"
7位 タイス・ファンアメロンヘン(オランダ、AAドリンク) +52"
8位 ルボミル・ペトラス(チェコ、BKCP・パワープラス) +54"
9位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)
10位 ジュリアン・タラマルカス(スイス、BMCマウンテンバイクレーシング) +59"
エリート女子
1位 キャサリン・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロス) 36'47"
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ラボウィメンサイクリング) +40"
3位 ニキ・ハリス(イギリス、ヤングテレネット・フィデア) +46"
4位 エヴァ・レクネル(イタリア、コルナゴ・スッドティロル) +1'20"
5位 ポーリン・フェランプレヴォ(フランス、ラボウィメンサイクリング) +1'23"
28位 豊岡英子(日本、パナソニックレディース) +5'34"
U23
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー)
2位 マテュー・ファンデルポール(オランダ)
3位 ローレンス・スウェーク(ベルギー)
4位 イェンス・アダムス(ベルギー)
5位 ティム・メルリエ(ベルギー)
42位 沢田時(日本)
text:Kei Tsuji
photo:TDWsport, Sonoko Tanaka
ロードレースでも度々登場するナミュール城塞を舞台に開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第4戦。丘の上に位置する城塞を縫うように走る起伏に富んだコースが用意されている。悪天候によって路面はマッドコンディションとなり、滑りやすい泥に覆われたテクニカルなキャンバーや急坂、コーナーが選手たちを苦しめた。
ホールショットを獲ったのはフランスチャンピオンジャージを着るフランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)。世界チャンピオンのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL)は1周目にパンクしてしまい、かなり後方からの追い上げを余儀なくされる。
先頭ムレーにはジュリアン・タラマルカス(スイス、BMCマウンテンバイクレーシング)やラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)、フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)らが合流して序盤の周回を重ねていく。中盤に差し掛かると徐々にムレーと後続の距離が広がり始めた。
泥のコースで抜群のバイクコントロールを見せるネイスが猛烈な追い上げで迫る中、ムレーはベルギーチャンピオンのクラース・ヴァントルノウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)を24秒、ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)を30秒引き離してフィニッシュ。ベルギーファンを沸かせたネイスは4位に終わった。
ムレーのUCIワールドカップ勝利は2007年以来6年ぶり。今年4度目の出場となったジロ・デ・イタリアを総合20位で終えたシクロクロッサーが久々のタイトルを手にした。ムレーは「今日のような厳しい気象条件と難しいコースは自分向きだった。前日のレースを走った多くの選手よりもフレッシュだったんだと思う。コンスタントにハイペースを刻むことでライバルたちを引き離すことが出来た。キャリア最高の勝利の一つだよ」とコメントしている(ベルギーのNieuwsbladより)。
エリート女子レースには50名が出走。マリアンヌ・フォス(オランダ、ラボウィメンサイクリング)らヨーロッパ勢を振り切ったキャサリン・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロス)が勝利した。豊岡英子(パナソニックレディース)は5分34秒遅れの28位でヨーロッパ初戦を終えた。また、チームブリヂストン・アンカーに所属する沢田時は日本ナショナルチームから出場。メカトラによって出遅れ、最終的に42位でレースを終えている。
豊岡英子(パナソニックレディース)のコメント
「日本のレースとは難易度がまったく違い、スタートから石畳の上り、そしてそこから登ったり下ったりの泥のコースでした。雨が降って前日とはコンディションが変わりましたが、自分のコンディションは良かったし、落ち着いてスタートできました。泥や落ち葉の多いコースだったので、トラブルを回避するために、毎周回、自転車を変えて、少しでもチェーンなどに違和感を感じたら、バイクの扱いをより一層気をつけました。ラスト2周回から調子も上がり、なんとか28位でゴールすることができました。渡欧直後だったので、今後のレースでもっと上を狙えると思います。クリスマスシーズンは他の選手たちもコンディションを上げてくるし、重要なレースが続くので、この調子でしっかりとコンディションをキープして走りたいと思います」
沢田時(チームブリヂストン・アンカー)のコメント
「序盤に機材トラブルがあって、だいぶ順位を落としてしまいました。今日は正直、(急に出場することが決まって)、あまり準備ができていなかったこともあって、厳しいかな、とは思っていました。調子はいいので、トラブルが起こる前も起こったあとも決して悪くはなかったので、次のゾルダー(26日)では、しっかりと準備をして頑張りたいと思います」
UCIシクロクロスワールドカップ2013-2014第4戦
エリート男子
1位 フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr) 1h00'49"
2位 クラース・ヴァントルノウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +24"
3位 ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス) +30"
4位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL) +35"
5位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント) +36"
6位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +41"
7位 タイス・ファンアメロンヘン(オランダ、AAドリンク) +52"
8位 ルボミル・ペトラス(チェコ、BKCP・パワープラス) +54"
9位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)
10位 ジュリアン・タラマルカス(スイス、BMCマウンテンバイクレーシング) +59"
エリート女子
1位 キャサリン・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロス) 36'47"
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ラボウィメンサイクリング) +40"
3位 ニキ・ハリス(イギリス、ヤングテレネット・フィデア) +46"
4位 エヴァ・レクネル(イタリア、コルナゴ・スッドティロル) +1'20"
5位 ポーリン・フェランプレヴォ(フランス、ラボウィメンサイクリング) +1'23"
28位 豊岡英子(日本、パナソニックレディース) +5'34"
U23
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー)
2位 マテュー・ファンデルポール(オランダ)
3位 ローレンス・スウェーク(ベルギー)
4位 イェンス・アダムス(ベルギー)
5位 ティム・メルリエ(ベルギー)
42位 沢田時(日本)
text:Kei Tsuji
photo:TDWsport, Sonoko Tanaka