イタリアで第二次トレーニングキャンプを行なっていたキャノンデールプロサイクリングが、主要選手のレーススケジュールを発表した。ペーター・サガン(スロバキア)は久々にパリ〜ルーベに出場し、ツール・ド・フランスで再びマイヨヴェールを狙う。



キャノンデールプロサイクリングキャノンデールプロサイクリング photo:Kei Tsuji


パリ〜ルーベにフォーカスするペーター・サガン(スロバキア)

ヘント〜ウェベルヘムを制したペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)ヘント〜ウェベルヘムを制したペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) photo:Riccardo Scanferla2013年のヘント〜ウェベルヘムで優勝し、ツール・ド・フランスでステージ1勝&ポイント賞、ツアー・オブ・カリフォルニアでステージ2勝&ポイント賞という成績を収め、世界最多となるシーズン22勝をマークしたサガン。様々なレースで幅広く活躍したスロバキアチャンピオンが2014年のレーススケジュールを明らかにした。

サガンのシーズン初戦は1月にアルゼンチンで開催されるツール・ド・サンルイスで、その後にアラブ首長国連邦で初開催されるドバイツアーが続く。直後のツアー・オブ・カタールはスケジュールに入っていない。

シーズン前半における最大の目標は、3年ぶりの出場となる「北の地獄」パリ〜ルーベだ。サガンは2010年と2011年にパリ〜ルーベを走っているが、落車の影響で成績を残せていない。チーム首脳陣の判断で2012年と2013年は出場を見送っていた。

1月20日〜26日 ツール・ド・サンルイス
2月5日〜8日  ドバイツアー
2月18日〜23日 ツアー・オブ・オマーン(前年ステージ2勝)
3月6日     GPカマイオーレ(前年優勝)
3月8日     ストラーデビアンケ(前年2位)
3月12日〜18日 ティレーノ〜アドリアティコ(前年ステージ2勝)
3月23日    ミラノ〜サンレモ(前年2位)
3月28日    E3ハレルベーク(前年2位)
3月30日    ヘント〜ウェベルヘム(前年優勝)
4月6日     ロンド・ファン・フラーンデレン(前年2位)
4月13日    パリ〜ルーベ
5月11日〜18日 ツアー・オブ・カリフォルニア(ステージ通算10勝)
7月5日〜27日  ツール・ド・フランス(2年連続ポイント賞)

2011年のパリ〜ルーベを走るペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)2011年のパリ〜ルーベを走るペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) photo:Cor Vos2014年にヴィーニファンティーニから加入するオスカル・ガット(イタリア)はサガンの心強い相棒になるだろう。久々の出場となるパリ〜ルーベについて、サガンは以下のように語っている。

「パリ〜ルーベ出場のチャンスが巡ってきて嬉しいよ。まだ目標を語るには早いけど、ユニークで厳しく、予測不能なレースが僕を掻き立てる。プロレースに初出場した2010年は、落車で完走さえ出来なかった。2011年は完走したものの、遥か彼方のグルペット(86位)だった。勝負するためには、経験と運と判断力が必要。例えばカンチェラーラやボーネンはルーベのスペシャリストであり、僕なんか比ではないほどの経験をもっている。彼らを相手に、100%の力を振り絞って勝負したい。他のレースとは全く異なる特殊なレースなので、入念にパヴェを試走したいと思う。エキサイティングなチャレンジになりそうだ」。

また、サガンは「アルデンヌ・クラシック」に出場しない見通し。クラシックシーズン終了後、ツアー・オブ・カリフォルニアを経てツール・ド・フランスに挑む。ツールで3年連続マイヨヴェール獲得がシーズン第二の目標となる。




3度目のジロ制覇に意欲を燃やすイヴァン・バッソ(イタリア)

イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) photo:Kei Tsuji2006年と2010年にジロ・デ・イタリア制覇を成し遂げているイヴァン・バッソ(イタリア)は、5月に嚢胞(のうほう)が悪化して2013年大会を欠場。レーススケジュールの変更を余儀なくされた。

2ヶ月にわたってレースを離れたバッソは、復帰戦のツール・ド・ポローニュで総合8位。続けてブエルタ・ア・エスパーニャにも出場し、総合上位でレースを進めていたが、悪天候と低温に見舞われた第14ステージでレースを下りている。

2014年シーズン最大の目標は再びジロで主役になること。ジロにフォーカスしたスケジュールが組まれており、2月のGPコスタ・デッリ・エトルスキでシーズンインする。メジャークラシックレースは全てパス。3月のツアー・オブ・台湾がスケジュールに入っていることも見逃せないポイントだ。ツール出場予定はなく、シーズン後半にはブエルタ・ア・エスパーニャに出場する。

2月2日      GPコスタ・デッリ・エトルスキ
2月21日     トロフェオ・ライグエリア
3月9日〜13日   ツアー・オブ・台湾
3月24日〜30日  ボルタ・ア・カタルーニャ
4月22日〜25日  ジロ・デル・トレンティーノ
4月29日〜5月4日 ツール・ド・ロマンディ
5月9日〜6月1日  ジロ・デ・イタリア



トラックを両立するエーススプリンターのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)

エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) photo:Riccardo Scanferlaエーススプリンターのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)は、真夏のオーストラリアで開催されるUCIワールドツアー開幕戦ツアー・ダウンアンダーでシーズンイン。真っ平らなカタールで開催されるツアー・オブ・カタールでステージ優勝を狙う。コロンビアのカリで開催されるトラック世界選手権では、イタリア代表としてポイントレースやスクラッチに出場する。

その後は再びロードレースにスイッチし、ジロ・デル・トレンティーノとツール・ド・ロマンディで調整してジロ・デ・イタリアへ。2013年にステージ優勝を飾っているクリテリウム・ドゥ・ドーフィネにも出場する予定だ。

1月21日〜26日  ツアー・ダウンアンダー
2月9日〜14日   ツアー・オブ・カタール
2月26日〜3月2日 トラック世界選手権
4月22日〜25日  ジロ・デル・トレンティーノ
4月29日〜5月4日 ツール・ド・ロマンディ
5月9日〜6月1日  ジロ・デ・イタリア
6月8日〜15日   クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ



アルデンヌでエースを担うモレーノ・モゼール(イタリア)

モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) photo:RCS Sport2012年のツール・ド・ポローニュで総合優勝を果たし、サガンと同年代の注目オールラウンダーとして3シーズン目を迎えるモレーノ・モゼール(イタリア)。2013年は、ストラーデビアンケでサガンとワンツー優勝を飾りながらも、健康上の問題でシーズンを通して伸び悩んだ。

2014年はミラノ〜サンレモに初出場してサガンをサポート。その後アムステル・ゴールドレース、フレーシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュの「アルデンヌ・クラシック」3連戦でエースを担う予定だ。ジロ・デ・イタリアがスケジュールに入っているが、その他のグランツールに集中する考えもあると言う。

1月20日〜26日 ツール・ド・サンルイス
2月5日〜8日  ドバイツアー
2月18日〜23日 ツアー・オブ・オマーン
3月8日     ストラーデビアンケ(前年優勝)
3月12日〜18日 ティレーノ〜アドリアティコ
3月23日    ミラノ〜サンレモ
4月20日    アムステル・ゴールドレース
4月23日    フレーシュ・ワロンヌ
4月27日    リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ
5月9日〜6月1日 ジロ・デ・イタリア?



ツールで総合上位を目指すダミアーノ・カルーゾ(イタリア)

ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) photo:Kei Tsujiキャノンデールプロサイクリング第二のグランツールレーサーであるダミアーノ・カルーゾ(イタリア)は、ツール・ド・フランスで総合順位と山岳ステージでの活躍を狙う。2013年、カルーゾはバッソの代役として急遽ジロに出場し、重要なステージでトップ10フィニッシュを重ねて総合19位に。ツアー・オブ・北京では山岳賞を獲得している。

ツールだけでなく、同じASO主催のパリ〜ニースでもモゼールはエースを担うことになるだろう。また、モゼールとのダブルエース体制で「アルデンヌ・クラシック」を走る予定。ツアー・オブ・カリフォルニアとツール・ド・スイスでツールに向けた調整を行なう。

1月20日〜26日 ツール・ド・サンルイス
2月5日〜8日  ドバイツアー
2月21日    トロフェオ・ライグエリア
3月6日     GPカマイオーレ
3月9日〜16日  パリ〜ニース
3月23日    ミラノ〜サンレモ
4月7日〜12日  ブエルタ・ア・パイスバスコ
4月20日    アムステル・ゴールドレース
4月23日    フレーシュ・ワロンヌ
4月27日    リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ
5月11日〜18日 ツアー・オブ・カリフォルニア
6月14日〜22日 ツール・ド・スイス
7月5日〜27日  ツール・ド・フランス



text:Kei Tsuji

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